連続保育士セミナーを終えて - 2017.12.17 Sun
6回というのは、こういったセミナーとしてはかなり長いものです。
しかし、参加したみなさんから言っていただけた言葉は、「あっという間でした」「終わって欲しくないです」というものでした。
僕もそう感じます。本当にあっという間でした。
不思議なことに、あっという間だったにもかかわらず、同時になんだかみなさんがずっと以前からの知り合いだったような不思議な気もします。
研修が終わって欲しくない気持ち。実はこれは僕にも経験があります。
僕がまだ若かった頃、保育の研修の場でいろんなことを学んだり、ディスカッションすることが、思うようにいかないことの多い保育をする中での自信のなさや、自分が保育の仕事をまっとうできるだろうかという焦燥感を感じる中で、なんとか頑張れるモチベーションを回復する場になっていました。
いま思うと不思議なことに、その頃の僕は将来自分が教える側に立つことなど想像もしない中で研修に参加していました。
ということは、もしかするとこのセミナーに参加してくれた人の中にも、将来施設長になって後輩の指導にあたったり、教える側に立つ人がいるかもしれないということです。
保育の仕事はなかなかしんどいものです。
自分が「うまくできていない」と日々感じる人も少なくないことでしょう。
しかし、そう感じることは実はよい保育士になるための資質のひとつです。
なぜなら、「自分の保育は十分だ」と思っている人が学びにくることはないからです。
自分に対する評価が厳しい人、うまくいっていないと感じている人ほど、のちのち子供を本当にたすけてあげられる存在になることでしょう。
僕のセミナーは、保育研究の専門家である大学の研究者とも、保育実践の上手なはなばなしい保育ができる「理想の保育士」的なものでもありません。
なんというか、もっと人間くさいものです。
これはちょっと言葉では上手く伝えられません。
僕の子育て座談会や、保育士セミナーに参加していただいた方はいわんとすることがわかっていただけるかと思います。
なぜかというと、それが僕が保育士をしてきたなかで得た大きなもののひとつだからです。
それは、「他者に寄り添うところ」からうまれるなにかです。
この無形のものは、みなさんが保育の現場で子供に関わる中で、これからなんらかの意味を持ってくるのではと思います。
僕は、保育施設の見学や監修などに行くなかで、無性に現場の仕事に戻りたいなとしばしば思います。
そこには、「この子たちが必要とするなにかを僕は与えてあげることができる。力になりたい!」という気持ちがあります。
しかし、自分で直接するよりも、それを少しでも多くの人に伝えることができれば、僕が直接現場の仕事をするよりもはるかに多くの子供にそれは影響をおよぼせるのだということも同時に感じます。
ですから、意欲のある保育士の方たちに保育についてお伝えできる場は、僕としても大変貴重でうれしいものでした。
参加されたみなさんの意欲によって、とてもよいセミナーをすることができました。
本当にありがとうございます。
またいつの日にかみなさんに会える日を楽しみにしております。
打ち上げの後の帰りの電車でふと思いついたことがありました。
今回のセミナーに参加していただいた人数は、ちょうど保育園がひとつできるくらいの人数なのですよね。
このように保育に対する意欲や、子供に対してのあたたかさを持った人たちでひとつの園を運営できたとしたら、それはそれはよい保育だできるだろうと思うのです。
まあ、保育界の現実を考えたらとてもとてもといったことではあるのですが、この夢想はなかなかに楽しいものでした。
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すごいなー。おとーちゃんさんありがとう。
なんかうまく言葉にできないけどそんな気持ちでいっぱいです。
おとーちゃんさんのブログや様々な記事を参考に毎日育児に保育に頑張っています。
子供をできるようにしようとする保育が横行する中なるべくやりたい気持ちが出て来るのを待とうとするのですが…なかなか先輩達とその辺りのギャップが埋まらず悶々とする毎日です。そればかりかたくさんの子供が甘えに来て、受け留めるだけで自分がすり減るような感覚に陥ります。
それでも私がその役割を果たすだけで救われる子もいるのでは?とおとーちゃんさんの記事に励まされながら頑張ってます。
ひたすら連絡帳を書いている先輩に子供の何がわかるんだーと叫びたい気持ちを抑えて明日もまた頑張ります!