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2024-04

「ありがとう」 「ごめんなさい」 - 2011.02.24 Thu

「ありがとう」と「ごめんなさい」をいえる子にするにはどうしたらいいでしょうか?
というご質問がありました。

今回はそれにお答えしていきたいと思います。

これにプラス「あいさつ」なんかもそうなんですけど、親は一生懸命言わせようとするんだけど、子供はなかなか言えるようにならないなんてことありますよね。

子供の発達はなんでもそうなんだけど、力を溜めている期間とその力が発現してくるとき、というのがあります。

あいさつしたり、「ありがとう」や「ごめんなさい」を言ったりするのって、小さいうちは人と関わる力がまだ発達途中だから、子供はなかなか言えないこともあるんだよね。

大人だって人がすでに集まって輪になっているところに、自分ひとり遅れて入っていったりするのって「気後れ」を感じるでしょ。あんなような気持ちのもっと大きいのがあると思えばいいかな。


「ほら、○○いいなさい」「○○でしょ」なんて大人が誘導して言わせてると言えるようになってしまうという子もいるけれども、なかにはひっこみじあんだったり、はずかしがりだったり、頑固な性格だったりして、そんなことをすると逆効果なんて子もいます。

言わせられて言えてた子も、ある程度大きくなったらむしろ自発的に言わない子になったりということもあるでしょう。
命令されてやらされることなんて、それがいいことだとわかってても気持ちよくないのは大人も同じだよね。

そんなわけで僕だったら無理に言わせたりしません。
だっていずれそのときがくれば誰だって出来ることなんだもの、無理に言わせたり誘導したりして嫌なものにする必要なんてないよね。



おとーちゃんの大好きな果物は「みかん」ですが、子供たちがみかんを食べているのをみていると、その子その子のむき方食べ方があります。

へたの方からむく子、おしりからむく子、一番わかりやすいのは薄皮ごと食べる子と、汁だけすって薄皮を残す子だね。

あれって親がそういうふうにしているのを、子供は教えられなくても同じようにしているだけなんだよね。


「ありがとう」「ごめんなさい」もあいさつも、時期がきて自分から気持ちよく言えるようになる子って、たくさん言えるようにしつけられてきた子ではなくて、親が日常の中できちんと適切に使っている人の子なんです。


だから、普段から大人がちゃんと使っていればそれを吸収しているから、いずれ言えるべき発達段階にくれば自分から言えるようになるんだね。

自分では使っているように思っていても、意外と子供に対しては「ありがとう」とか「ごめんなさい」、「おはよう」なんてのを省略してしまっている人もいるので気をつけないとね。


また、子供がプレゼントをもらったりしたとき、まだ小さいうちは自分からは言えないかも知れないね。
そんなときでも、せっつく必要なんてなくて、大人がきちんと心を込めて「ありがとうございます」って伝えていれば子供は当然それを見ていて、そのときはまだ出来なくてもしっかり吸収しています。

いずれその子のペースで言えるようになるのだもの、大人は信じて待ってればいいんじゃないかな。


話は変わりますが、僕はひっこみじあんだったりはずかしがりの子を保育するの、けっこう好きなんです。

そういう子たちは、普段から自分の個性に反して言わされたり、うまくできないことを否定的に捉えられてきているので、余計に大人に対して心を開かなくなっています。

僕はどんな子であっても本当に必要なときがくれば自分できちんとできるようになることを知っているから、「今はできなくたってぜんぜんいいよ~」「あなたはそれでいいんだよ~」というのを態度で伝えてあげるので、そんなときその子たちがホッとするようです。

自分を表現するのが苦手な子たちなので、面と向かってとか言葉でとか言わないけど、僕のそばに来て安心して過ごしていたり、あんまり笑わないのにいい笑顔をみせてくれたり、信頼してくれるのを感じます。

そんな子たちほど大きくなっても手紙をくれたり、学校の行事があることを知らせてくれたり、あのときしてたことは無駄ではなかったんだ、この子が生きていくうえで少し役に立つことができたんだと保育士をしていて良かったと思えるときです。

むーちゃんメモ:「ダッコシテ」「オンブ」「オイチネー、ンマー」「アチチ」ずいぶん言葉がはっきりしてきた。赤ちゃん赤ちゃんしているのももう少しと思うとちょっとさみしいね。

(前回コメントいただきましたアドレス末尾@docomo.co.jpの方、送信いたしましたがどういうわけかメールが戻ってきてしまい、うまく送れませんもうしわけありません。)



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● COMMENT ●

トイレ

こんばんは!いつも育児に行き詰まってしまった時、参考にさせて頂いてます☆



私には2歳3ヶ月の息子がいます。トイレの練習はまだ初めていないのですが、ちょっと前からうんちをした後には教えてくれるようになりました。おしっこの時もたまに教えてくれるのですが、一回でオムツを変えるのは…と思い、変えていません。。。ただここ2、3日おしっこが気持ち悪いのか、少しおしっこをするとオムツを自分で脱いでしまいます。そろそろトイレでおしっこをさせた方がいいのかな?と思ったのですが、何からスタートしたらいいか分かりません。以前こちらで、時間で連れて行くのはあまり…と書いてあるのを拝見しました。ですので、時間で連れて行ったりはしておらず、私自身今すぐにという気持ちもないので、何もしてない状態です。まずは何をきっかけに始めたらいいのでしょうか?それとも、何もきっかけをつくってあげなくても、できるようになるのでしょうか?

No title

「今は出来なくったって全然いいよ~」
これ、すごくいい言葉ですね^^
わたしも明日から使ってみます。
(大人が言われてもほっとしますね^^)

ありがとうございました!

こんばんは。
早速リクエストに応えていただいてありがとうございました!

やっぱり私は浅知恵でした^^;そうですよね、誘導するのではなく、親がきちんと使っているのを見て、自然に吸収させるのが一番ですよね。

時期を待つことも大事だし、できるようになっても、いつも出来ることを求めないようにするのも大事ですね。だって、大人だって、言いたくない時や、つい忘れてしまう時ありますもんね。

「いい子」「出来る子」を求めず、あるがままの我が子を受け入れるのって本当に難しいですね。

そして、出来るわが子を通して、間接的に自分の子育てを褒めてもらいたい、肯定してもらいたいという、邪な考えを捨て切る事も、なかなか難しいです。

本当に、「子は親の鏡」ですね。「ありがとう」「ごめんなさい」気持ちを込めてきちんと言えるようにまずは自分がよくよく気をつけなければいけませんね。


そうですね。

はじめまして。うちには2歳10ヶ月になる息子がいます。うちの子もありがとう、ごめんなさい、こんにちは等が人前で言えません。

年齢を聞かれても、家では『2歳!』と言えるのにお外に出ると全く言えなくなります。

私も親が模範を見せていればいつか言えるようになるさと思っていたのですが、周りの目はかなり厳しく『あいさつもできないのか!』『お菓子をあげてもありがとうも言わない!』『親のしつけがなってないからだ!』と冷たい目で見られることが大半です。

それでもやはりその場で言わせる訓練をしなくても言えるようになりますでしょうか。。

tomafukuさん

おしっこしていることに対する意識なんかが芽生えてきたようならば、「トイレでおしっこしてみる?」と声をかけてまずは誘ってみてはどうでしょう。

いきなりパンツにしてしまう必要はないので、おむつのまま行く気になったとき徐々にトイレに誘っていくことで、ちょっとずつトイレですることに慣れていけばいいと思いますよ。

ちょっとずつ慣れていければだんだんと次の段階へとすすんでいけますよ。あせらないで取り組んであげるのがいいと思います。

あおむしさん

ありのままを肯定してもらえることって大事だし、結局はそれが伸びる一番の近道なんですよね。
子供のときにどうしてもできなければならないことなんてほとんどないんだし、人生の長いスパンのなかでみたら、子供時代に1~2年遅れたとしたってなんでもないことだと思うんですよ。

kyomiu さん

どういたしまして。
別にkyomiuさんが言ってたみたいに、大人が誘って一緒に言わせてみたりしてもいいんですよ。
子供の意思に反して押し付けない程度ならね。
あとは性格的にそういうのが平気な子もいるのでそれなら大丈夫だね。

> 「いい子」「出来る子」を求めず、あるがままの我が子を受け入れるのって本当に難しいですね。

なにかできる事を子供に仕込んでいくことよりも、些細なことでもいますでにできる事を認めていったほうが子供は屈託なくそだてるし、結果的にはそのほうが伸びていけたりするんだよね。

> そして、出来るわが子を通して、間接的に自分の子育てを褒めてもらいたい、肯定してもらいたいという、邪な考えを捨て切る事も、なかなか難しいです。

大丈夫だよ、親にしっかり可愛がられている子は誰が見ても可愛いもんだから。

ゆふママさん

残念だけれども世の中にはいろんな人がいますからね。
年端も行かない子供に対して、自分の価値観でものを要求しようとする人も少なからずいますね。

でも、それは「そういう人もいるんだ」と子供も理解できます。
しかし、自分の親までも同じように出来ることばかり求めて、現在のわかってはいるんだけどどうしても出来ないという自分を受け入れてくれなかったら、それはつらいことでしょうね。

> それでもやはりその場で言わせる訓練をしなくても言えるようになりますでしょうか。。

子供の性格はいろいろなので「言わせる訓練」をして言えるようになる子ならば、訓練などしなくてもいずれ言えるようになるでしょう。
しかし、問題なのは「言わせる訓練」をしても言えない子にそれをしてしまうことです。
それは子供を追い込んでしまうからね。

そうでない子ならば、別に誘導していわせたりしても問題はないかもしれません。

こういうのって置かれた状況にもよりますよね。
『あいさつもできないのか!』『お菓子をあげてもありがとうも言わない!』←こういうことを言うのが、近所のおじさん程度ならば、特に気にしなくてもいいかもしれないけど、それがその子の祖父母とかだったりしたら、しらんぷりもできないわけで、そういう場合は子供に誘いかけたりして一緒に言えるようにしていったりする必要ってあるかもしれないですね。

子供も大人もいろいろだから子育てに絶対的な正解みたいなのはないですから、状況に応じて考えればいいかと思いますよ。
なにごともやりすぎはよくないけど、バランスさえとれていればなんとかなるもんです。


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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