「外からできるようにすること」と「内からできるようにすること」の違い - 2012.12.22 Sat
親や保育士など、いろんな人子育てを見てきて、そして実際自分も子供と関わってきて思うのだけど、
子供に「やらせる」こと自体はそんなに難しいことではありません。
たとえば、
いつもご飯が少食の子に対して、大人が怖い顔をするなり、怒るなりして、そのとき食べるようにはできますね。
また、それを続けることによって、本人はイヤイヤながらも食べる習慣をつけることもできないことではないです。
これでいつのまにか食べることが苦でなくなって、それまで叱咤激励されてきたこともとくにあとを引かず、万事うまくいってしまうという子もいます。
特に年齢が大きい子であれば、そのようにうまくいく率も高いのではないかと思います。
でも、そのようにうまくいかないという子もなかにはいます。
特に乳児を相手にすることの多い保育士をしていますと、やはり小さい子にはなかなかそういった力技は通じないことも感じますし、また行動面の「できる」は達成できたとしても、怒られたり威圧的に多くかかわられることで心の成長はまっすぐに行かなくなってしまうということもあります。
今の保育は見た目の「できる」よりも、子供の内的な「できる力」「意欲」を伸ばす方に重点を置くようになってきています。
大人の「力」で言う事をきかせるのではなく、子供自身が「なぜそうすべき」なのかを理解し、その上で「自分からしよう」という意欲をつくり、さらに実際の「できる」や「できるためのスキル」はそのあとでいいわけです。
それをすることを理解していて、しようという意欲があるならば、「できる、できない」などはあとは時間の問題でしかないのです。
さっきの食事の例で言えば、たくさんのごはんを食べさせることに力をいれるよりも、むしろあえてご飯の量を減らしてそれが完食できたことを褒めて自信をつけていくというようなことで、子供自身の内的な力を作ってあげることが、いますぐ「できる」は達成できなかったとしても、将来的にはより大きな(良い形での)「できる」になるというようなことです。
そういった意味では小さい子への関わりというのは、あせらずに「種をまく」ということなのかもしれませんね。
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● COMMENT ●
全く同意します
おとーちゃんさんのおっしゃる内容は、「内的モチベーション」という名で最近の企業経営に取り入れられています。「外的」は、給料や昇進で釣ったり、脅しやマイナス評価で無理に前に進ませるようなことを指します。
企業活動ですから、一刻を争う事態にはどうしても外的圧力も必要ですが、そればかりでは社員が疲弊し長期的には生産性が落ちるとされています。
このような考え方をもっと一般的にしていかねばならないと私は思っています。
保育現場と企業経営という異なるフィールドですが、仲間がいることを心強く思いコメントさせていただきました。
土を耕す
今回の記事も、とても共感しながら読ませていただきました。私は1~2歳児のクラスを見ているので、おとーちゃんさんの言われる「種をまく」という、結果をあせらず気長に育てる気持ちを、改めて大切にしようと思いました。
食事の例で言えば、給食で出される量は、栄養士さんの緻密な計算に基づいた理想の「食べるべき量」かもしれないけれど、それは決していつもどの子にとってもベストな量というわけではないですものね。
「外側から与えられた規準量」をクリアできるかどうかではなくて、ひとりひとりのその子の「内側の欲求に沿って生まれてくる、今の必要量」を、自分の意欲でクリアしていくことができれば、それがその子なりの成長なのですよね。
‘幼児の保育は「種をまく」気持ちで’は確かにその通りなのですが、近頃は、種をまくもうひとつ前の「土をよい状態に耕しておく」が、家庭では十分にできていない場合もあるので、そのあたりを見極めて、土作りのお手伝いからしたほうがいいこともあるように思います。
そして、ご家庭と保育園で連携して、よく耕された土に良い種をまくことができたとして、卒園後は、小学校では上手な「水遣り」を、中学校では、伸びる方向を定める十分な「光」をと、うまく連携して子ども達を支え導いていって欲しいものだと思っています。
でもなにより、良い種からよい土に伸びた太くて丈夫な根っこを持っていれば、少々の風や大雨にもびくともしない「自ら伸びる芽」になっていってくれると信じていたいと思います。
きららさん
> 食事も抑えつけてギャン泣きしてるのに無理やり手で口に押し込むのは見てて耐えられず思わず席を変えてその保育士から離しました。
> 好き嫌いがあり食べない子には無理やり食べさせて今のうちにいろんな味に慣れさせないといけない上のクラスに行ったら困ると熱く語っていました。
それがいい保育だと思ってその人たちはいままできたのでしょうね。
たしかにそういった時代もかつてはあったかもしれません。
でも、もうそれでは子供たちにきちんとしたケアはあたえられなくなっているのだけど、人はなかなか変われない、それ以前に気づかないようです。
僕もそういった保育をしているのを見ても来たし、たくさんしっていますがほんとに心苦しいです。
明けましておめでとうございます
今回の記事も、先日娘の幼稚園のおたよりで触れていた事と偶然にも似ていたので思わずコメントさせて頂きました。
子育てって、本当に関わり方次第なんですね。
小さな成功を積み重ねて、自信をつけて、色々な事に挑戦してみたくなる。これは、大人も一緒です。
教え込むよりも、ずっと様々な事に応用出来るのではないかと私も思います。
昨年の夏ごろにおとーちゃんさんのブログに出会ってから、私自身の子育ての少しずつ考え方が変わりました。
おもちゃに関しても、お勧めする木のおもちゃも、出来る限りそろえてみました。去年までは、まるで縁が無かったのに^^
余談ですが、最近ヒューマン系のドラマ、映画をたまに見ますが、親子、または子供が関わってくる話だと駄目ですね。
感動して胸が詰まり、涙無しには見れないです。^^これも自分にとっては新発見です。
今年も、おとーちゃんさんの記事を楽しみにしています!
なっちさん
なるほどそういう風に実践的に使われているのですね。
保育のこと以外はめっきり不勉強なので、いいことを教えていただきました。
日本人は精神論とかが大好きだから、そのような外的なモチベーションというものに流れやすそうですよね。
同感です!
少し前におとーちゃんさんのブログを見つけ、
それ以降、ちょこちょこ訪問させてもらっています。
経験に基づく持論を展開されていて、とても勉強になります。
今回の内的モチベーションの話、とても納得しました。
子どもが生まれたら、内側からの力で動く子になって欲しいと思っています。
それには、何よりも基本的な信頼関係が大事、とのことですので、
まずは安定した関係を築くことに、心を砕きたいと思います。
他の人にも紹介したい記事だったので、
本記事のリンクを、当方のブログに貼らせて頂きました。
もし、問題でしたら削除しますので、お知らせいただければと思います。
これからもブログを楽しみにしています。
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食事も抑えつけてギャン泣きしてるのに無理やり手で口に押し込むのは見てて耐えられず思わず席を変えてその保育士から離しました。
好き嫌いがあり食べない子には無理やり食べさせて今のうちにいろんな味に慣れさせないといけない上のクラスに行ったら困ると熱く語っていました。
子どもがバタバタしたり悪いことをするのはきららが甘えさせるからだ。きららの影響だと冗談ぽく言われました。以上児ならともかく1歳児でそこまで厳しくする必要ないと思いますが難しいです。
泣いている子に泣くな我慢しろと言います。
見える部分だけ見て強制的にさせて「できた」「できない」で子どもを判断してるけど見えない部分が大切だと思います。そのうちできるようになるだろうし長い目でみてあげたらいいのになぁ。
こんな保育してて大丈夫なのかなぁ
苦しいです(>_<)