あけましておめでとうございます 2014 - 2014.01.09 Thu
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
ことしは暖かなお正月でしたね。
これから寒さも厳しくなると思いますが、みなさまどうぞお体に気をつけてお過ごしください。
我が家は取り立ててなにかすごいことをしたわけではありませんが、子供たちも家族がそろっていればそれで楽しいという感じですので、毎日笑顔の冬休みが過ごせました。
この正月には、けん玉をしてみました。
こういった昔の玩具・遊びというものと、今の主流になっている玩具との大きな違いというのは「過程」があるということではないでしょうか。
けん玉もそうだし、お手玉、コマ回し、あやとり、凧揚げ、ゴムとびなどなど。
今の玩具が、アクションに対して、わりとすぐ結果とそれに伴う面白さが出てくるのに対して、昔の遊びは「大きな結果を出すためには、上手くなる」という過程・プロセスがあるわけです。
今の子供にこういった遊びをさせてみると、この過程のところが楽しめず、ある程度の結果が出て楽しくなってくる前に飽きてしまう子供が多いです。
ひとつには、結果のすぐでるものに慣れてしまっているので、このようなものが楽しく感じられないということもあるでしょう。
もうひとつには、「達成感」を持てる経験というもの自体が、遊びはもちろんそれ以外の場面でも減っているのではないかという気がします。
何ごとかに取り組み、その後に自分から納得のいく成果を得るという経験を豊富に持っていると、こういった昔の遊びに初めて触れた時でも、その先に達成感を得られるのだという見通しを子供自身も持つことができます。
それがあると、達成するまでの過程、言い換えてみれば「不成功」(失敗)の連続という状況も遊びとして楽しむことができます。
昨年末に、「現代の子供には熱中できるものがテレビゲームになる道が一直線に引かれているかのようだ」ということを書きましたが、それはこの過程なしに楽しみを得られる遊びの連鎖という側面もあります。
先ほど、過程のある遊びがその過程のあいだに飽きてやめてしまう子が多いということを述べましたが、実は過程のない現代の遊具も飽きはきます。
むしろ、それゆえにこそ飽きは早いと言えるでしょう。
しかし、現代ではその飽きをカバーする外部装置があります。
その外部装置とは、ずばり『大人』です。
正確には、『大人の姿勢』と言うべきでしょうか。
子供がその遊具に飽きて遊ばなくなってしまうと、大人はそれをブランニューしてしまいます。
つまり、新しいものを買い与えてしまいます。
ともすると、子供がその遊びをあそび込む前や飽きる前に、新しいものを与えたりもしています。
そういう構造がありますので、子供は過程を経て達成感を得るような遊びをする必要自体がなくなってしまっています。
考え過ぎかもしれませんが、こうやってみてみると子供が消費社会に取り込まれてしまっているのだと感じさせられます。
子供が「遊びを遊ぶ」という主体から、「遊びを与えられ消費する」客体としての立場に変えられてしまったと思うのです。
実を言えば、最近の子供でもこのような過程のある遊びというのも、積み重ねさえしていればしっかりと楽しむことができます。
もともとの子供は今も昔も変わってはいません。
変化したのは大人と周りの環境なのです。
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● COMMENT ●
おめでとうございます
はじめまして
きっかけは、5歳の娘が仲良しの友達から意地悪なことを言われたり、されたりしていることで、母の私が悩んで煮詰まってしまったことからです。
気になる記事をいくつか拝見したところ、今まで過干渉だった自分の子育てを変えたいと思っていた別の悩みに解決の糸口を見いだすことができました。
当初の目的であった件も、通っている保育園の先生に前向きに子どものことが相談できましたし、先生も真摯に受け止めて対応してくださるようで少し気分が和らぎました。
ブログを拝見し、3倍速、心を満たす、叱らなくて良いというお話が私の子育て3本柱になりました。
子どもは保育園という社会で気を張って生活しているのに、母は家でも厳しくしすぎていたな。ということです。
負のスパイラル入ったな、と気づく度、育児書を読んで自分の態度を振り返り、反省し、時には夫からも理詰めで怒るなと指導されたりすることで気持ちをリセットしていたのですが、でも繰り返すばかりで変わってないんですよね。
娘は友達からケンケンと言われ始めると、ぽーっと宙を見てやり過ごしているそうです。それをきいてゾッとしました。
さらに恐ろしいのは、家では過干渉な私がくどくど指示、注意を与えていたことです。娘から見れば、仲良しの友達が意地悪を言ってくるのと同じだろうと気づき、本気で変わらなければと思いました。
保育士おとーちゃんさんのブログは今まで読んできた育児書よりもリアルに私の心の支えになりました。
これからも頼らせていただきます。
明けましておめでとうございます
子どもは現在3歳6カ月の一人っ子の女の子で、0歳の時から保育園に通っています。
昨年4月に転園し、転園前後の昨年2月から7月くらいの半年間程(2歳7カ月から3歳くらいの時期です)噛みつきが週2、3回出るような状況があり、とても悩んでいる時にこのブログに出会いました。
それまで、私が無意識に引き算の目で子どもを見ていたことに気付かせて頂いたり、厳しい躾を子どもの為にしなければならないのではないか??と迷っていた心の整理ができてとても助けられました。
保育園もどろんこや、片栗粉、米ぬかなどの感触遊びや、ごっこ遊びを大切にしてくれる所で、今はお絵かきや、折り紙、はさみで切ったり、のりで貼ったりの工作や、手遊び、あやとりなどの遊びが大好きな子に育ってくれていると思っています。
3歳になってからは、噛みつきで悩んでいたことが嘘のように落ち着いて、最近は全く気にしなくて良いようになり忘れていたくらいだったのですが、今週になって2回お友達に噛みつきをしました。
理由はそれぞれあるのですが、3歳を過ぎてからの噛みつきに私がショックを受けて動揺しています。
1歳から2歳半頃の噛みつきと、3歳半過ぎてからの噛みつきってやっぱり違うものでしょうか?一気に今までの子育ての自信がゆらいで、何がだめなのか?どうしたらいいのか?と悩んでいます。ちなみに、言葉はもともと早いほうで、今は普通に保育園の日々の出来事も教えてくれますし、想像の世界の話も、夢の話もしてくれます。
私自身の勤務は週一回夜9時になる夜勤があり、その時は祖父母に預けています。夫の仕事は忙しくて、一人で子育てする時間が長いですが、参加できるときは積極的に子育て、家事に協力してくれます。
ただ、今回の噛む件を相談しても、あまり気にしてもないようで「噛む女(笑)」と言うだけで何のリアクションも提案もありません。
前回の噛みつきの時のように、子どもの思いを受けつつ、噛むのはダメだということ、言葉で伝えることを繰り返し伝えながら、子どもとの時間を大切にすることを心がけるしかないのかと思いますが、どうしても何故?!と思ってしまいます。長い間、望んでも子どもが出来ず、高齢出産でやっと授かった子どもで、可愛がりすぎてわがままで我慢できない子に育ててしまったのか?などと考えてしまいます。
一般的なことで結構ですので、3歳を過ぎてからの噛みつきの原因や対策など、保育園ではこんな対応をしてる等あれば教えて頂ければと思います。
どこまで一緒に遊んであげるかについて
親が遊び方を教えてあげたり、一緒に遊んであげたりすることが必要な
場合があると思うのですが、
どこまで一緒にやってあげればいいのか分かりません。
今1歳十ヶ月なのですが、積み木とか ブロックは一人ではほとんど遊びません。
親がやろうというと少し遊んでくれます。
積んでは崩したり、積み木で見立て遊びをしたりしていますが、
いつも親がリードしています。
できたら自分で新しい遊び方を見つけて楽しんでほしいのですが、
親がどれくらい関わっていけばいいか迷っています。
好きな一人遊びは、ミニカーをブーブー言いながら走らせたり、重機のおもちゃをやはりブーブーいいながら動かして遊んでいます。
ボタンやトグルをはめるのに凝っているので、手先の遊びは嫌いではないのだろうと思うのですが。
アドバイスいただけると幸いです。
明けましておめでとうございます
記事を読みゆったりとしたいいお正月を迎えられたような感じがしました。
うちの息子も心身共に満たされたようです。気づけば背も伸びしっかりと走り、考えを話し、ますます可愛いな〜と思っています。
今年も息子と共に成長出来るように日々過ごしたいと思います。
保育士おとーちゃんとご家族、読者の皆さんにも良い1年になりますように!
No title
家族が揃っていれば楽しいって素敵だなぁ!本当その通りですね!
長い休みがあれば、なんとなーくどっか行かなきゃみたいな雰囲気になるけど、そればっかりではないですよね。
基本みんなで居たら楽しいし、それだけでいんですよね!
そういう感覚を、忘れないようにしなくちゃ。
赤ちゃん時代の記事ますます楽しみになりました!
過程がある遊びって苦手な子は苦手ですよね。私の勤めてる幼稚園でも年長でコマ回しを遊びに取り入れます。自由遊びなので、全員やりましょう!というわけではないです。するとみんな飛びついてみるものの、結局回せるようになるまでかじりついている子は全体の半分以下かも。
ずっと取り組み続けられるかどうかは単に性格によるものかと思っていたけれど、そういう背景もありそうですね…
でもついつい飽きたなら次ー次ーってやりがちですね(>人<;)
消費文化ですね。
育休中におとーちゃんさんのブログに出会って、子ども観がすごく深まりました。なんでかなーって思ってた子ども達の姿も、先輩達に相談してもイマイチすっきりしなかったのが、おとーちゃんさんのブログで腑に落ちた事がいっぱいありました。
また4月からの保育を自信もって臨めそうです。おとーちゃんさんのような保育者になれるように精進しまーす!
あけましておめでとうございます
いつも拝見させて頂いています。
ゲームって、視覚に頼りすぎていますよね。
昔のおもちゃ(けん玉、あやとり、こま…)って、目だけでなく、
体と目の両方を使うから、実は難しいですよね。
昨年、家族旅行で古い旅館に泊まりました。
古い旅館だったので、
ドアノブをひねって開けるタイプのドアが部屋についてました。
今はこういうドアノブって、古い公共施設でしか見かけませんよね。
最近、生活用品がどんどん便利になっていて、
水道もひねらずに水が出るタイプが多いので、
ひねる動作は使わないよな…
子どもたちは日常生活でどんどん体を使う機会が減っているなあと思いました。
だから、けん玉やコマ回しができないですぐ諦めてしまう子も
増えてしまうよなあ…と思いました。
体を使う機会を意識的に増やさなければならないご時世なのでしょうか。
あーちゃんママさん
3歳6ヶ月で女の子であるならば、おそらくは噛み付くべきでないということはすでに理解しているのではないかと思います。
後者であるならば、「私は~~」という一人称のメッセージだけ伝えれば、あとは子供が自分で乗り越えていくかと思います。
噛みつきをするなんらかの理由があったのならば、それについては理解できると受け止めたあとで、自分がそれを聞いて感じたこと思ったことをそのまま伝えていけばいいでしょう。
「噛み付きをしたときいて、まさか3歳になってすると思っていなかったからびっくりした。そして理由があるのはわかるけどそれを聞いて悲しくなったこと」などなど。
感じたことをオブラートにつつまず、かと言って子供に噛みつきをさせないようになどという誘導・大人の思惑などを入れずにそのまま、本当に感じたことを伝えればいいでしょう。
子供はそれを葛藤し、自分の心で咀嚼し、心を成長させていくのではないかと思います。
子供のやる気
今回のお話がちょうど、先日夫(保育士)が話してくれたクラスの出来事と重なっているなぁと思い、コメントさせていただきます。
夫が担任している年長クラスでも、お正月遊びの一環としてけん玉をしたそうなのですが、とある女の子がけん玉をめきめきと上達させ、あっというまにクラスで一番上手に出来るようになったとか。その女の子も初めのうちは、「難しくて出来ないからやらない」とすぐにやめようとしていたところを、「出来ないからやらないんじゃない!出来ないからやるんだ!」と夫が叱咤激励して一緒に練習していったところ、上達していったそうです。
夫の仕事の話を聞いていると、子供を奮起させて一緒に何かを上達させていったというエピソードが多くて、微笑ましいと同時に、私に足りない部分を夫が持ってくれていることにとても安心感があります。
私はついつい、「出来ないうちは焦ってさせなくてもいいのでは……」と思うことが多いです。それはそれで大切な見方のひとつだとは思っているんですが、それが過ぎると、出来る力をすでに持っているかもしれない子供を、出来ないところで囲い込むことにもなってしまいかねません。
この子には出来る力、頑張れる力があるのかないのか、大人が背中を押してあげるべきか、もう少し待つべきか、それを見極めるのも大事なことなんだなぁと。
また、こんな時代だからこそ、大人もまた子供と一緒に「出来るまでの過程」を楽しむ余裕を持てたらいいなと思います。かくいう私も、多分に諦めの良い大人になってしまっているなぁと感じており、まずは自分から、子供と一緒に何かに挑戦してみたい!と思う今日このごろです。
田舎のデグーさん
「できなければならないこと」と考えるのではなく、「いつかできるようになる積み重ねをしていく」という視点で見守っていけばいいでしょう。
遊びというのは、まず第一に「楽しい」ということが大切です。
大人の意図に当てはめたりする必要はなく、一緒に遊ぶことが楽しいのであればそれをともに共感して、好きな遊びでひとりで遊べるのであれば、そこを認めていってあげればそれでいいと思います。
ありがとうございます。
そうですか、
子供に合わせて楽しく遊んでいればいいのですね。
おもちゃをちゃんと用意して、親が楽しんで遊んで見せていれば、
時が来れば興味を持つということですよね。
張り切って無垢の積み木を買ってはみたけど、早一年
なかなか遊びが進化せずで、心配になっていました。
子供が興味を持つまで、気長に待ってみます。
勉強不足でコメントしてすみませんでした。
あまり頼らず自分で解決できるよう頑張ります(^^)
おとーちゃんさん、
最後になりましたが、今年もブログ楽しみにしています。
寒い日が続きますが、どうかご自愛ください。
寒い日は月星がきれいです。
ありがとうございました
こちらの気持ちの伝え方も具体的に書いていただき、少し冷静になれました。
子どもは噛むことはいけないことだと十分に理解はしています。
私がとても悲しかったこと、本当に強い子はお友達に優しくできる子だということを話して、もう噛まないで、言葉でお話してねと伝えました。
それ以降は、噛みつきは今のところ落ち着いています。
今回の件で、おとーちゃんのブログのあちこちをまた改めて読み返させて頂きました。何度か読んだはずの記事でも、またハッとしたり、反省したり...そして、子育てはやっぱり楽しくて、素晴らしいということを思い返しました。最近怒ってしまうことが増えてきていたので、気持ちを受け止め、こちらの気持ちもきちんと伝えるキャッチボールをいっぱい積み重ねていきたいと思います。
相談
1歳までは夜泣きもひどく、目も合いづらく、笑わない子どもでした。辛くて、疲れていて、心から我が子を可愛いと思うこともなかったように感じます。
少しずつ少しずつ、息子との距離が近づき、今では目もしっかりと合い、息子と遊ぶのも、おしゃべりも、お散歩も、すべてが楽しく子育てが楽しくて仕方ありません。子どもと共に私が成長させてもらっています。
話は逸れましたが、2ヶ月後に海外から日本に引っ越しします。
主人の海外赴任中に息子は海外で生まれ育ちました。
日本での新しい生活は、息子にとっては初めての異国。すべての環境ががらりと変わります。
私は引っ越しするにあたり、きちんと引っ越しして新しい場所で生活するということ。こことはサヨナラだと言うことを伝えて、お友達にも挨拶をして気持ちの整理をつけさせた方がいいのでは考えていました。
主人は不安定になるだろうから、おじいちゃんおばあちゃんのところに飛行機に乗って行くよと軽くいうくらいでいいのではと話しています。
現在、荷造りのまっただ中で息子も何かしら感じ取っていると思いますす。
息子が日本での新しい生活に不安定にならずに過ごすためには、はっきりと引っ越しを伝えるべきでしょうか。それとも濁した方がよいのでしょうか。
また、精神的に安定できるように帰国後に気をつける点などありましたらアドバイス頂けると嬉しいです。
追加
ようくんママさん
子供の個性にもよりますから、知らせるのがいい、知らせないのがいいとどちらか言うことはできません。
個々の性格によっては、あまり環境が変化することの不安を与えないほうがいいというケースもあるかもしれません。
しかし、多くの場合はそこまでの子供はそうそうはいないと思われます。
僕は、子供をごまかしたり嘘をついたりすることは、子育ての場面において、そうそう必要ないと思っています。
ようくんママさんのケースでも、いまごまかしたところで結局はその時が来れば子供にはわかってしまうことです。
ならば、そのときになって子供を混乱させるよりも、あらかじめ事実を伝えておいたほうがいいような気がします。
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今回の記事で、昔からのおもちゃと現代のおもちゃの違いがよく分かりました。なるほど、「過程」の違いなんですね~。それを楽しめると言うことが大切なんですね。積み重ね、ですよね。
この冬、5歳の息子がスキーデビューしました。慎重で怖がりなのですぐに止めたがるかと思ったら、休憩もせず数時間、一生懸命滑っていて、その根気に感心させられました。
「何度も転んでうまくなればいい」と夫に言われたらしく、何度転んでも楽しそうに起き上がってはまた滑っていました。一緒に行った同級生の子は、1度転んだだけで「つまらない」と止めてしまっていました。彼は2歳からDSを与えられ、室内での遊びはほぼ戦隊モノとDSだけです。やはり「過程」を楽しむ経験が足りないからなのかもしれませんね。
これからも、息子と共にたくさんの「過程」を楽しんでいきたいです!