子育てのイライラはどこから? - 2020.07.30 Thu
子育てをシンプルに vol.3 - 2017.02.04 Sat
締め切りのある原稿の仕事もけっこうプレッシャーですが、数字を扱うのが苦手な僕にとってこれはとてもしんどい作業です。それでもいまは会計ソフトがあるのでなんとかなっていますが、これのない時代だったらとてもじゃないけどお手上げです・・・・・・。
さて、vol.2からの続きです。
前回は「かわいがること」で形成される「他者への信頼感」をお話ししました。
「かわいがること」には他にも生み出すものがあります。
子育てをシンプルに vol.2 - 2017.01.26 Thu
子育てをシンプルに vol.1 - 2017.01.25 Wed
「叱ること」 多くの人が気づいていない落とし穴 Vol.2 - 2012.01.24 Tue
「叱ること」 多くの人が気づいていない落とし穴 - 2011.12.09 Fri
なぜなら「叱ること」は日本の子育ての中心になっているにも関わらず、必ずしもそれが健全に機能していない、もしくはプラスに作用していないと僕には思われるからです。
そこで僕の子育てのスタンスは、「子育てを叱ることありきにしない」「まず受容と肯定をその根底に置き、叱ることはそれが必要な発達段階、状況などに応じて必然性をもって用いられるべき」というものです。
そのため僕が「叱るらなくていい子育て」として言っているのは、現在よく議論されるような『叱る子育て』=『しつけられた子育て』 v.s 『叱らない子育て』=『放任された子育て』という構造には組しないといったことをこれまでには述べてきました。
大雑把ではあるけれど↑が「叱ること」に対しての僕の考え方です。
今回テーマにあげました「多くの人が気づいていない落とし穴」とは、このような僕の考え方とはまったく別の次元のお話です。
叱らなくていい子育て その4 『叱らない子育て』と『叱らなくていい子育て』 - 2011.02.28 Mon
検索キーワードを集計していると、「叱らない子育て」というのが「早期教育」なんかよりもはるかに多いことがわかりました。
試しに僕も「叱らない子育て」で検索してみますと、ずいぶんたくさんの「叱らない子育て」が検索にひっかかりました。
専門家の人たちのところでは、僕がいっているようなことも少なくないのですが、一般の人が意見を寄せているような「知恵袋系」のサイトなどですと、「叱らない子育て」に対する反論がとても多いことに気づきました。
すっごいしゃべるんです♪ & 『叱らなくていい子育て』 その3 - 2009.11.06 Fri

↑なんだかムスッとしてますが、ごきげんなむーちゃんです。
上の子も小さいときから喃語(なんご)を早くからよくしゃべる子でしたが、むーちゃんは正直びっくりです。普通は3~4ヶ月くらいなんだけど、生まれて60日過ぎたくらいから「あうぅー」「えぅ」「ひゃぃ」「はむぅー」などなどけっこう長文(?)で声だしまくっているのです。例のカメ相手にとか(笑)。おとーちゃんをじっと見て、「どしたの~?」なんてきくとカメの方むいて「ひゃぅひゃぅっ」。これはカメ回せ!って催促してるのかな~とか思いつつ回してあげてます。やっぱりね、関わりって大事なんだな~って妻ともどもつくづく思わされる今日この頃でした。
ほんと赤ちゃんだからわからないなんて思わないほうがいいですよ。毎日絵本も読んでいます。僕の大好きな「だっこして」っていう絵本。読んでるとなんか歌う様にしゃべるのでおもしろいです。
昨日のブログにはたくさんコメントいただいてうれしかったです。少しでも子育ての役に立ってくれるといいな~。
「ダメッ」とか否定する言葉は使わないほうがいいと以前書きました。使わないならどうすればいいか、ちゃんと書ききれていなかったのでここで書いときます。
なにかしては困るときの対応、例えば2~3歳の子でよくあるのがお友達を押しちゃったりすること。おもちゃをとっちゃったりとかもそうなんだけど、そうするにはその子なりの理由が必ずあるんですよね。だから頭ごなしに否定するのはその子の意志を否定することになってしまいます。ほんとに悪意があるのなら否定でもいいけど、小さい子でまずそんなことはないよね、だから否定は使わなくていいんです。
そこでまず、「ダメ」のかわりに「どおしたの?」というんです。もう、すべての「ダメ」は「どおしたの」に置き換えちゃって問題ないですよ。(ほんとに危険なことだけは「ダメ」でもなんでもいいけどね~)
○A君がB君を押しちゃったとき
・「どうしたの?」 とこどもに投げかけつつ、なんで押しちゃったのか考えましょう、例えば↓
・「あ、そっか~背中にぶつかっちゃったんだね。別にいじわるでやったわけじゃないから怒らなくて いいんだよ~。じゃあ、Bくんはもうちょっとこっちであそぼっか。」
とか
・「ああ、それ取られると思ったんだ、大丈夫だよ。ちゃんと見てるからね。」
○A君がB君の使ってたおもちゃを取っちゃったとき
・「どうしたの?」 否定しなくてもこの言葉だけでこどもはまちがっちゃったのかもしれないと気づき ます。
・「あ~それ使いたかったんだ~そっか~。」ここで一拍置くことで、こどもは大人に『理解してもらえ た』と実感でき、次の言葉が受け入れ易くなります。
・「でもね~~いまそれB君使ってたんだよ~」「B君困っちゃってるから返してね~」
じっと見つめて大人が手を広げて待つ、返してくれたら。
・「ちゃんと分かってくれてありがとう。えらいね~そういうA君大好きだよ~」といいつつギューって 抱きしめてあげられたらバッチリ!
まとめ:「どうしたの? そっか○○したかったんだ」
↑これだけで基本的にOK。それだけで解決しないときや、伝えなければならないときはその あとに↓
「でも、○○○だよ」
「わかってえらいね~」とニッコリ
なんども繰り返すかもしれないけど、ダメダメ言うよりずっと良くなります。したかったことを代弁してあげることでこどもはその大人(親)をとても信頼するようになります。一石二鳥というか、良い関わりのスパイラルになるよね。
大人もそうだけど否定されるとストレスになるでしょ。こどもの場合、余計友達を押し倒したり、おもちゃとって投げちゃったり(笑)。負のスパイラルになっちゃうからね。
それからよく見るんだけど、お友達が自分の子のおもちゃなどをとっちゃったとき、大人が「○○ちゃんのが小さいんだから貸してあげなさい」とか「他にもあるんだから貸してあげなさい」なんてね。日本的な謙譲の美徳なんだけど、こどもにこれするのは実は良くないな~って思うんです。
これで両者が学ぶのは「いぇーぃ、やっぱほしい物はとっちゃった者勝ちだぜ~」と「ほほ~、人のおもちゃとっちゃいけないと思ってたけど、実は例外もあるのかフムフム」ってことですよ。
こどもにも人権があります。相手が自分より小さかろうが、ジャイアンだろうが自分がいま使ってるものは自分のものなんですよね。大人はそれを守ってあげないと、こどもはうまく遊べなくなるしよい遊びでなくなってしまいます。保育士はそれを「遊びの保証」っていいます。
・「どおしたの?」
・「あ~そのおもちゃ使いたかったのか~。そっかそっか、そういうときはねカシテっていうんだよ」
(話せない乳児ならば手振りでカシテを伝える)
A君「カシテー」
B君「ヤダー」
・「そっか~、いま使ってるのか。じゃあしょうがないな~」
・「そういうわけだからA君はほかので遊ぼう」 と他の遊具へ誘う。それですめばよし。
A君納得せずダダをこねたとしても、B君の権利は譲らない。遊びは必ず保証する。泣いてもなんでも「出来ないものは出来ない」とします。逆の立場になったとき今度はA君の権利を必ず守ります。
これを繰り返すうちにこども達は安心して遊べるようになります。結果的に取ったり取られたりのトラブルが減るのです。こどもだって人権を尊重してあげることはとても大事です。
ときどき、もう十分遊んでたりしてB君が「カシテ」っていわれて貸せることがあります。そういったときは
・「そういうときはドウゾっていうんだよ」
B君「ドウジョー」
・「貸してあげられてえらいな~。そういう優しい人大好きだよ~」 ナデナデ
こういうやり取りでA君もB君も、「ほほ~~貸せるっていいことなのか~ナデナデしてもらえるのか~こんどまたやってみよっ」ってことが学べます。関わりって大事ですね~。
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叱らなくていい子育て その2 - 2009.11.04 Wed
これは、ほんと効果あるんですよ、なぜなら育て方として叱らない、というのではなくそもそも叱る必要のないこどもになるのですから。
最近よくみかけるのが、自分の子が周りの人に迷惑になるほど暴れまわっているのに、しらんぷりの親。病院の待合室なんかにいると必ずといっていいほど毎回こういう人を多数みかけます。僕は職業柄いろんな親子を観察しちゃうんですよ。こういう親子には共通点があるんです。それは、人にぶつかったり置いてあるものを倒しちゃったり親がでざるを得ない状況になったときの親の反応が同じなんです。親がでてくるのだけど、相手の人にあやまったりすることはまず無く、「なにやってるのおまえが走り回ったりするからだろっ」などとこどもをせめちゃうんですね。言葉だけならまだしも叩いちゃったりね。でも、叱られ慣れしちゃっているからまたこどもも繰り返しちゃうのですね。こういう人見るとすっごくかわいそうだな~って思います。こども見たくないってオーラが立ち上ってるのがわかりますからね。
こども産まれたときはそれなりにかわいく思えてたのが、大きくなるにつれて自分の思い通りにならなくなってしまい、こどもとの関わりを投げてしまう人がほんとに多いです。保育園の保護者にもたくさんいます。そういう子は当然ながらものすごく手がかかりますよ、小さい子だと噛み付きがでたり大きい子は集団行動ができなくなったり、暴言とか乱暴、いじわるとか。孫可愛い可愛いだったはずの、おじいちゃんやおばあちゃんですらもう預かりたくなくなるくらい。一旦こうなってしまうと力量のある保育士でもこどもを安定させ良い方へ伸ばしていくのは相当大変ですよ。身も心もへとへとになるまで対応してなんとか集団のなかでも関わりがとれてあそべるようにしても、土日の休みを過ごして次の週が始まるとまた1からやり直しとか。(以前は、休み明けは朝の受け入れ時は泣いたとしても、休み中に家族と関わったり甘えたりすることができて保育園にくると安定してすごせることが多かったのですがいまは逆になることが多いです。)
前回述べましたが、「叱る・支配」ばかりされて親や大人に対する信頼感、言葉の通じないこどもにしてしまうとほんとに育てにくくなってしまいますが、「共感」する「心の言葉」で関わってきたこどもは言葉に価値があるので、言葉がきちんと通じます。「ここは病院の待合室だから静かに待つところなんだよ。座って本見てようね。」最初に来たときに1度話すだけできちんと理解して覚えていられます。毎回来るたびに走り回るのを叱ってイライラするよりよっぽど楽ですよね。
叱られすぎて言葉が通じなくなる子だけでなく、甘やかされすぎて言葉が通じなくなる子もいます。
これは言葉が通じないというより、自分に都合の悪いことが受け入れられない心に育ってしまうのですね。人との関わりが常に自分からの一方通行になってしまうのです。なにか注意しなければいけないことがあって話そうとするのだけど、目が合わずすぐごまかそうとしたり。「ぬかに釘」っていう状態です。こういうこどもの対応はなまじ手のかかる子よりも精神的にすっごくつかれます。
以前、家庭裁判所の相談員をしていた星護さんの講演を聴きました。(ずいぶん前なのでプロフィールやお名前がこれで合っていたか自信がありません、まちがっていたらごめんなさい)
その中で、「手のかかる子の育てられ方には3種類あります」、というお話がとても印象的でした。保育士をしていてまったくその通りだと思ったからです。保育をする上で、子育てを考える上でとてもそのことは役に立ちました。受け売りですがみなさんにご紹介したいと思います。
①支配型
②服従型
③放任型
①はこれまで述べてきたような「叱る・支配する」子育てです。手を上げる、怒鳴る、暴言をはくなどの子育てもこれにあたります。保育する中で、その親の前では従順でも見えないところではものすごく乱暴だったり、多動だったりする子はこのタイプがたしかに多かったです。多大な抑圧にさらされているので、このタイプはものすごくストレスフルな状況に置かれています。物への暴力>人への暴力 とエスカレートしていくこともあります。
②は親がいいなりになるタイプです。さきほどの甘やかされて関わりが一方通行になってしまうのもこれですね。これも実は①と同じくらいストレスフルな状況に置かれてしまいます。なぜなら、家では自分の思い通りになっても外ではそうはならないからです。しかし自分が制限されることに耐性がないので、意地悪をしたりして心のバランスをとろうとしてしまいます。親はこどもに良かれと思っていいなりになってしまうのかもしれませんが、返ってこどものためにならなくなってしまっているのです。いわゆるスポイルですね。
③は最近ようやく虐待の1つと認識されだしてきた「ネグレクト」ですね。こどもの自由にするというのと放任とは大きなへだたりがあります。放任されていると、こどもは安心感を得ることができず、常に不安な気持ちをもっています。人間への信頼感もそこなわれていきます。心が安定できないので常にイライラして暴力的になります。実際に放任されている女の子を2歳のときから2年間保育したことがありますが、噛み付きやひっかきが多く、常に不安感を抱えているので午睡に入れない、生活リズムもメタメタなので寝不足、ご飯もきちんと食べていない、午睡明けはものすごくイライラになる。甘えたら甘えたでどんなに受け止めても満足することがないというものでした。
(講演をきいたのが13年くらい前なので解説部分は僕の言葉になっています。へんなところがあっても星さんの言葉ではありませんのでご了承下さい。)
みなさんももし上の3つのどれかに自分の子育てが偏っていたら気をつけてくださいね~。
最近、「がまんしたりする脳の役割は3歳になるまでにできるので、小さいときからしっかりとしつけたり、がまんさせることが大切だ」という趣旨の本がわりと話題になっているようです。(本の題名はここでは伏せますが) たしかに上の②の子育てをしてしまうひとに対しては、それはあっているかもしれませんが、その内容を鵜呑みにしてしまうのは危険ですらあります。その筆者はほんとの子育ての現場はしらないのでしょうね、1ヶ月も保育園で働いたらそんなことは言えなくなると思います。支配され抑圧されてつぶされている子、たくさんいますから。
育児書などもそうですが「~~しなければならない」「絶対に~~してはいけない」なんていうのはどんな偉い肩書きの人のものでも話半分くらいに聞いとくのがいいですよ。
今日もとっても長くなってしまいました、もし最後までよんでくれたかたがいたら、ほんとにありがとう。
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叱らなくていい子育て - 2009.10.30 Fri
多くの人が聞いたことがあると思いますが、「子育ては叱り方が大事」とか「叱り方が難しい」といった言葉。確かにその言葉自体はは正しいのだけれども、それは「叱る」という事態がやむをえずでてしまった場合のこと、ホントはね。気をつけなければいけないのは「子育て=叱る」では決してないということなんです。でもしか~し、どうも日本人は「子育て=しつけ」 「しつけ=叱る」という概念が頭の中にしっかりと根をおろしてしまっているようです。つまり、『子育て=叱る』になっている人がとても多いようです。(蛇足ながら、もっといえば「子育て=しつけ&教育」になってしまっているようです。これに関してはまた別の機会に)