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2009-10

そろそろ保育園入園届けの時期ですね - 2009.10.09 Fri

自治体にもよると思いますが、公立の保育園は入園届けそろそろ受付になってるのではないかと思います。保育園ってひとくちにいいますが実は種類があるんですよね。認可とか無認可とか。名前はよく聞くと思いますが、実際どう違うかあまり一般にはしられてないですね。保育園選びの参考にはあまりならないかも知れませんが、簡単に解説。

1 認可保育園(公立、私立)
2 無認可保育園
3 認証保育所(東京都など一部のみの独自制度)

4 託児所、ベビーホテル
5 保育ママ

まず、認可・無認可の違いは何かというと、保育園と認められるためには国が決める基準、各自治体が決める基準というものがあります。東京23区の場合は、国基準>都基準>区基準 と3段階です。
国基準は、部屋面積や人員数、園庭や給食設備など最低限の数値です。かなり昔に決められた数字なので人員数など現実的ではありません。そこで各自治体が地域に応じてもう少し実際的な基準を決めているというわけです。この自治体の決めている基準に達していれば『認可園』というわけです。認可になると補助金が交付されます。無認可でも補助金でているのですが、認可園よりは少なくなるようです。(自治体それぞれの事情によりいろいろなケースはありますが)

3の認証保育所というのは、またちょっとちがうのです。東京に住んでいる方は最近普通に見かけると思うのですが。これは、保育園不足になやむ東京都が独自に制定したものでかなり基準を甘くして保育園が設置しやすくしたものです。主に人員数や部屋面積で、本来なら正規(有資格者)○人というところをかわりにパートなど無資格者の割合が多くなってもいいようです。この認証保育所、別名「駅前保育所」などと通称してることもあるようですが、その名のとおり駅近くの利便性のいいところの、雑居ビルやテナントなどで開所することができます。認証保育所制度のない自治体ではそれらは単なる託児所やベビーホテルになってしまい、補助金はおりません。これだけ見ると、認証保育所と通常の保育園、ちょっと狭くて保育士が少ないだけかと、それほどは違いがないようですが、実は存在自体にとても大きな違いがあるのです。
児童福祉法では保育園を開設できるのは、「福祉法人」など公益性の高い一部法人だけでした。しかし、東京都の認証保育制度ではそれ以外の法人でも開業できるのです。簡単にいってしまえば、その辺の会社がサイドビジネスとして始められるのです。
僕の知り合いが働いていた認証保育所は、料理屋さんが経営しているということでした。そしてなんとその保育所の収益で料理店の支店を新たに一軒だせたそうです。

これまで、老人福祉にしても児童福祉にしても「自治体の責任においておこなう」ということが法律に明記されていて、自治体が直接、または基準をクリアした公益性の高い法人に委託しておこなっていたのですが、規制緩和、市場開放しろとの経済界の圧力などで、法律も拡大解釈され利益追求の場として参入が許可されるようになってしまいました。

認証保育所がそれだけの利益を上げられるのにはもちろん理由があります。まずは人件費をとことんまで切り詰めるといこと、またそれが可能な制度になっているからです。保育園は伝統的に給料安いんですね。いまは必ずしもそのようなことはなくなっていると思いますが、私立の保育園では以前は結婚したら退職は当たり前のようなところがありました。なり手も多いのでどんどん若い(つまり安い)人材に代わりがいたからですね。また、人件費以外にも給食や遊具など削ろうと思えば削れるところはたくさんあります。ある認証保育所では、きちんと購入したと思われる遊具はブロックくらいで、他にはおもちゃ業者がサンプルでくれた遊具や、マクドナルドのハッピーセットのおまけなどがおいてあるところがありました。あれを見たときはあきれるを通り越して悲しくなりました。でも、そこで働いている人たちはなにも疑問に思わないんですね。ほとんどが新卒で入った人たちばかりなので、そこしか知らないのです。

だいぶ話がそれてしまいました。4の託児所・ベビーホテルは、昔からありました。もともとビジネスとしてこどもをあずかるところです。補助金などは自治体によりけりですが、まったくないのが普通、あっても少々です。ですので料金はかなり高めですね。名前のちがいは以前は託児所は幼児中心、ベビーホテルは赤ちゃん対象でしたが、今では多くのところが年齢を拡大しているのであまり差はないかと思われます。
5の保育ママは、保育所不足を補う自治体独自の制度で、乳幼児の子育てを終えた主婦(無資格でも可)に1人~数人(多い人でも4人くらい)の子をその人の家で保育してもらうというものです。保育園に入れなかった0歳児の需要などが多いみたいで、たいていすぐにうまってしまうらしいです。その人の家庭でのんびりみてもらえるので、保育ママさんによってはとても良いという評判を聞いたことがあります。口コミでそういう人の人気はすごく高いので待機まちというのも聞きました。
いいな~~僕もこどもが小学校はいったらそういうのやろうかな~。毎日赤ちゃんかわいいかわいいできて楽しそうだな~(笑)。

違いを説明しようとして、途中認証保育所の悪い点みたくなってしまいましたが。必ずしも認証保育所が悪いともいえません。どこが手厚いかと断言できませんが、こども一人当たりにかける経費であれば、 認証保育所<<認可保育園 であると言えます。無認可園はあまりにさまざまなのでなんともいえません。
私立と公立どちらがいいか?という疑問にもはっきりした答えはだせません。公立も自治体やそこの伝統により制度や質がさまざまで、地方の自治体では夕方の遅番保育には正規保育士は1人もおらず全員パート対応なんてところもあります。(なにかあったらだれが責任とるつもりなんでしょうね?役所のやることはときどき理解不能です。)私立でも一生懸命あたらしい保育や系統だった保育法を学んでいい保育をしているところもあるし、公立でも20~30年まえとかわらない十把ひとからげな保育をいまだにしているところもたくさんあります。

保育園の入園の面接なんかをしていても、多くの人が「駅から(家から)近いから」とか「建物がきれいだったから」っていうのがとてもおおいです。立地はたしかに毎日通うことですから大事だと思いますが、建物の見た目だけで判断するのはやめましょう(笑)。入園希望であればどこでも見学させてもらえますから、事前に電話などで了解をとってから、できるだけ平日の午前中に見学にいきましょう。忙しい方は土曜日しか時間取れないということもあるかもしれませんが、土曜日だと普段の様子とだいぶ違うこともおおいので。午前中の遊んでいる様子、着替え、食事まで見せてもらえるといいですね。

こどもたちは落ち着いて遊べているか?(この時期であまり落ち着いていなければ、最近入ったばかりの子がいるか、よほど手のかかる子がいるか、保育士の力量が足りないか、保育が悪いか、遊具が少ない、などでしょう)
着替えやトイレでごっちゃごちゃのカオス状態になってないか?(昔ながらの十把ひとからげ保育だとこうなること多いですね)
保育士の言葉がけの仕方はどうか?(やたらと声が大きい・怒鳴っている、制止が多い「ダメダメ!」「コラ」、言葉が小言になっている、ヒステリックに叱る) 現在では良い保育士、勉強している保育士は制止・禁止・否定の言葉をほとんど使いません。(説明のなかでなにか危険なことを禁止する話はするかもしれませんが、通常の言葉がけで制止・禁止のような言葉遣いをするのは勉強不足、経験不足といえるでしょう)
見学していて、もしへんだなこれでいいのかな?って思うことがあったら、「保育園ってよくわからないしこういうものなのかな」と無理に納得しないで、素直に園長なり保育士に聞いてみるといいと思います。「保育士がこんな言葉がけしてたんですけど、いつもこうなんですか?」「こういう風にあそんでたけど危険じゃないんですか?」とか。言われるまで気づかないこともありますから。
僕が上の子の保育園選びで地元の公立園に見学にいったとき、昼食時0歳児クラスの子が(0歳児クラスだけど実質1歳になっている)テーブルにこぼれた味噌汁を歯ブラシにつけながらしゃぶっていた。保育士はノートを書いていて見ていない ということがありました。案内してくれていた園長に「0歳児にもハミガキ一人でやらせるんですか?」といやみっぽく聞いたら、「ええ、歯がはえてきたら習慣としてするようにしているんですよ」とごまかしてましたが(笑)。
実は今保育園ではあまりハミガキしなくなっています。やるとしても年長児くらいかな。全園児がやっているところはまあ勉強不足ですね。(全園児分の殺菌灯があるなら別ですが) 言葉がけ、ハミガキなどについてはまた別の機会に書きたいとおもいます。

つらつら書いてしまいましたが保育園選び、いろいろ見ていくとキリがありません。多少気になるところがあっても、こどもは柔軟ですからそれなりにやっていけます。通うのにそれなりに便利でこれなら悪くないかと思えるならばそれでいいのかもしれません。なにしろ仕事などのために毎日あずけなければならないものだから、保育がいいからといってあまり遠方にあずけることもできませんしね。実際、自分の子がそうです。自分は人の子のためにこんなに手をかけてキメ細やかな保育をしているのに、自分の子が十把ひとからげな保育をされていると思うとやるせないですが、できるだけ良い面をみて、家でその分補えばいいしケガさえなく預かってもらえばいいかとわりきっています。

これから保育園選びをする方が見ていたら不安になるようなことまで書いてしまったかもしれません。心配にさせてしまったらごめんなさい。やりかたを知らない、古い人が多いというだけでたいていの保育士はこどもを大切にしてくれますので、その点は安心してください。
また、保育園にあずけてからのこどもへの対応とか、よいやり方を書いていきたいと思います。すこしでも見てくれるかたの参考になればいいと思います。なにか質問とかあったらお気軽にコメントにでも書いてください。役に立つかたたないかわかりませんが、できるだけのことをお答えしたいと思います。

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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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