大人はこどもが食事を摂らなかったり、好き嫌いが多かったりすれば心配になってしまいますが、心配するあまりこどもの反応一つ一つに過剰に反応していると、それに振り回されてしまうことがあります。
とくに「成長期」にかかってきた子だと、まだ自分の意見を伝えたり、主張を通すことを模索している時期なのですが、大人が食に関することだとおろおろして自分の言いなりになったりするのを自然と学習して、食に関してのことでゴネ自分の主張を通す、大人をいいなりにさせる、といったことが多くなってしまうことがあります。
また、昼寝や睡眠を嫌がる子が、食べることで寝るのを回避するのと食べると目が覚めるので、「おなかがへった」「○○が食べたい」などと眠気からくるイライラもともなって激しく泣いたり、ゴネたりというのもしばしば見られるこどもの姿です。
こういったことで大人がこどものいうままに言いなりになってしまうと、それは習慣化してそういう状況で繰り返すことが多くなるので、やむをえないと思われる理由があるとき以外は食べさせたりしないほうがいいことだと思います。
1~2歳、3歳くらいもかな、食べムラというのがけっこうあります。
この前まで、「おいしい」とたくさん食べていたものでも、今日はちっとも食べてくれないとかね。
出来れば、バランスよくしっかりとした分量を食べて欲しいものだけれども、そういかないのもこのくらいの子ではわりと自然な姿です。
ですから、食べが少ないことがあったりしても、それに振り回されて間食を増やしてしまったり、必要のない間食の習慣をつけてしまったりしないように大人が気をつけないと、食事を摂らないほうへとらないほうへと習慣化してしまいかねません。
こうなってしまうと、さらに食事を摂らなくなるという悪循環になってしまいますね。
話は少しずれますが、僕がこどもの頃はとにかく「食べ物を大事にしなさい」というのを強く言われていたように思います。これは我が家だけでなく社会全体がそうだったのでしょう。
まだ、物が貴重だったり、戦争で飢餓を味わった人が回りに大勢いたからというのもあるかもしれません。
しかし、いまは物が豊富になりそういう感覚って薄まってきましたね。
食事をたいして摂らなくても、こどもはちょっとおなかが減ればなにかしら食べられるものだと当然のように認識してしまっていることが少なくありません。
「最近の子は本当におなかが減ったっていう経験をしたことないね」と先輩の保母さんがよく言ってました。
いつでもなにかしら食べられるものだと小さいうちから学習してしまえば、こどもが元々好まない野菜など食べなくなるのは無理もありません。
物が豊かになるのは悪いことではないけれども、「食べ物や食事はとっても大切なものなんだよ」という気持ちと気構えはしっかり大人が持ってないと、よい食事の習慣はつきにくいし、振り回される元ともなってしまい易いようです。
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