よく遊べる時間に、とりたててなにをすればいいとかではないけれども、その時間を前回話したように、それ以外の要因で潰してしまってはもったいないし、テレビを見るなど受動的に遊ぶことだけで過ごしてしまってももったいなないわけです。
そこで、その子その子が「やりたい」という意欲をもった遊びにとりくめたり、発展・展開させられるような遊びをしていけば、それは力となりやすいし、また遊びも上手に、さらに楽しくすることができるようになっていけます。
そして、よく遊べる時間であれば、そうでないときよりもずいぶんとそういった発展や展開、イメージを広げるようなこともしやすいです。
よく遊べる時間もあれば、逆にそうでないときもあります。
例えば、疲れているときやお腹が減っているとき、そういう時間はうまく遊べなかったり、遊んでも長続きしなかったり、壊したりする荒れた遊びになりやすいということもあります。
夕方のご飯前の時間なんかそうですね。
遊べないし疲れているので甘えを出してまとわりついてきたり、大人もご飯の支度とかで忙しい時なんだけどよくありますよね。
こういう時は、うまく遊べないこともしかたがないです。
なので無理に遊ばせずとも、ちょっとテレビをみてくつろいだりする時間にしてしまうのも、ひとつの手かもしれません。
最近ではよく「お昼寝をさせると夜寝なくなるのでさせてません」というような声をしばしば聞きます。
子供の個性もさまざまですから一概には言えないかもしれませんが、子供は大人と違って疲れと休息のサイクルが短いです。
お昼寝などで、適度に休息をとっていかないと、疲れたままその後の時間を過ごしていくことになります。
そのような状態ではなかなか「良い遊び」の時間を持つことは難しくなってしまいます。
もうひとつあります。
子供は感情・情緒のコントロールというものが、まだ未熟です。
午前中に戸外で体をたくさん動かして遊んだ興奮や、怒られたり・叱られたり・泣いたりして波だった感情を、自分ではなかなかコントロールしきれません。
お昼寝をとったり休息をとったりすることで、そういった感情のリセットをすることができます。
もし、そういう興奮や感情を引きずったまま、午後の時間を過ごしていたりすると、やはり興奮していて落ち着いて過ごせなかったり、じっくりと遊べなかったり、興奮しているので室内でもはしゃぎすぎたり、それで怒られたり、その結果じっくり遊ぶどころでなかったりという悪循環になったりしかねません。
そういうことがときどきと言うならば、さほど気にすることもないかもしれませんが、日々の生活の習慣としてそういうふうになっていくと、やっぱりその積み重ねもずいぶんと違うものになり、1年~2年とたっていくとその差はずいぶん大きくなります。
大人の目からすると、お昼寝をしていなくても、元気に過ごしているように見えるということもありますが、それは興奮がリセットされずにはしゃぎまわっているだけなのかもしれないということもしばしば見受けられます。
「遊び」をどのように提供していくか以前に、環境としてのよい遊びの時間を大人は配慮して作っていくといいというおはなしでした。