以前は、上の子を園にあずけていても長期にわたる産休や育休では、一度上の子も退園することとなっていた。
しかし、近年は保育園において子育ての支援という役割も重視されるようになっているので、そのようなケースでも退園になることはなくなってきている。
もちろん、親がそれを希望するならそれもかまわない。
だが、一応その間、親は家庭にいるということであるから、特別な理由がなければ早番遅番などは入らず、基本的な保育時間例えば9時~16時などでの保育時間をお願いしている。
しかし、それでも仕事に行っている時と同様の保育時間を要望してきたり、なにかと理由をつけては長く預かることを希望する人が多くなっている。
また、このようなこともある。
妊娠中でお腹の大きい状態だったり、育休中の人が乳飲み子を抱えたまま、台風や大雪のなかでも上の子をなにがなんでも保育園に連れてくるというような人も増えている。
もちろんきちんとした理由のある人たちもいるが、これらの内の少なくない人が、上の子を見きれない、もしくは見たくないという人たちなのだ。
保育園側は、別に楽がしたくて保育時間を短くしようとしているわけではない。
それをすることが子育てのために、親にも子のためにも必要なことだとわかっているからなのだ。
子供が一人のときですら、その上の子を見きれない状態の人が下の子供が大きくなってきてからでは手がつけられなくなってしまうだろう。
そうなってしまえば上の子も下の子も、大変な子、育てにくい子となってしまいかねない。
以前に、一人の子を外出させたり、保育園につれてくるのにひとりでつれてこられず、祖母や父なども一緒にという人が増えていることを書いた。
こういう人たちも、もし下に子供が生まれたら、その子育て、兄弟関係というのは大変なものになりがちである。
兄弟関係の安定化のためもに、「
親が親になっている」ということが、それができていない人には必要だろう。
なので、見きれないからということでむやみに保育時間を長くしていたり、一人でみきれないので複数の大人で一人の子供を連れ歩くというようなことをしていると、親自身がその「親になる」ということを回避していってしまうことになりかねない。
そして実際、そのようにしていった人の多くが、子供たちが大きくなるにつれてさらに子育てが大変になっていってしまっている。
その中には、兄弟関係に余裕がないケースや、親自身子供と関わることが重荷になったりする人も少なくない。
また、妊娠中、出産後授乳中というのは母親も不安定になりやすいし、その影響を上の子も受けやすい。
いたずらに保育時間をのばして、上の子の情緒を不安定にしてしまうのは望ましいことではない。
そのつけは出産後の上の子の様子・問題行動や、不安定な兄弟関係になって返ってくる。
今回書いたようなことは、普段から子育てに前向きに関われている人にはあまり関係のない話だろう。
だが、近年になってあまりにこのようなケースが多くなっているので、ここに書いておいた。
づづく。