相談 子供への関わりをどこから始めるか - 2014.08.04 Mon
コメント欄で返信したものですが、こちらにもあげたほうがよさそうだったので。
7月17日 ちび母。さんの相談コメントへの返信。
おとーちゃんさんの育児にはとても共感していますし、何度も何度も読み返し参考にしています。しかし、受容を心がける子育てをしようと思えば思うほど、わがままで奔放な子供に対して過剰なストレスを感じて苦しんでいました。
小さな子供がわがままで奔放であってもそれはある意味当たり前の姿であることを、私たち母親は日々の育児の中で忘れてしまうのかもしれません。きちんということをきき、人に迷惑をかけず、良い子してくれないと困る、というのが子供を連れて外に出たときにどうしても感じることです。バスや病院で騒がないか、道路でふざけて飛び出していかないか、他の子供に誤って危害を加えてしまわないか、そんなことを考えながら子供を連れていると、子供のわがままさや奔放さを受け止めることが出来なくなってしまうのかなと感じています。
(小さな子供に無理やり友達づきあいをさせようと思って集団内に連れて行ったり、無理に外出させているわけではありません。近所の公園で遊ばせたり、日々のスーパーへの買い物や病院程度の外出です。)
こうした日々を送っているうちに、他人に迷惑をかけることが恐怖症レベルで怖くなり、子供を抱えていることが申し訳なく感じてしまったりしてしまいました。世の中では「子連れさま」といって、迷惑を顧みずに他人に配慮せず子供を連れ歩く母親を揶揄する言葉もあるそうですが、私はそれとは反対に、萎縮してしまっています。
ちなみに、息子は特別手がかかるとかかんしゃくが強いわけではありません。他の2歳児と比べても、平均的なイヤイヤ具合(?)だと思います。愛想がよく、他児や大人にもにこにこと話しかけるなどとても積極的な性格です。好奇心旺盛で、いろんなものに首を突っ込んだり、なんでもいじったりするタイプです。これも、平均的なものではないかと思っています。つまり、特に難しいタイプというわけではないんです。でも私にとっては大変に感じるのです。母親側のキャパシティもひとそれぞれで、私は許容量が少ないのではないでしょうか・・・。
おとーちゃんさんの言われるように、子供を満たされた状態に出来ていれば親が困るようなことも減ってくるのではないかと信じていますが、上記のようなことで常にストレスを抱えて余裕を失っている母親には子供を満たすこともうまくいかず、悪いサイクルに入ることが多々あります。
たぶん私のように育児に不安やストレスを感じている人は多くいると思うので、そんな状態に陥ったときにでも、おとーちゃんさん流の子育てにシフトできるようなアドバイスがあったら、ぜひ聞いてみたいと思いました。私のような未熟で器の小さい母親でも、子供を満たして幸せにしたいと切に感じています。
この記事の少し前に<『子供』と『子育て』の価値を高めたい>のシリーズを書いていますが、僕は多くの子育てする人たちを見てきて感じることとして、「親の持つ自己肯定感」というものがあります。
この部分が、子供の姿としても、子育ての大変さ、悩みなどにも密接に関わっていて、問題の深刻化、複雑化につながっているとしばしば感じます。
顕著なのは、もともと自己肯定感の少ない人が子育てによって、さらにそれを低下させるという問題です。
そのことは実は子供以前の問題としてあるのですが、結果的に子供のネガティブな問題として出現します。
なので、親自身もそれの原因の一部に自分のあり方が関わっているということに気がつかずに、子供の問題として認識し悩みます。ときには、子供を否定的に見ることにもなります。
とうぜん、それでは問題は解決しないし、子育ての大変さばかりが募ります。
僕がずーーーっと子育てについてばっかり四六時中寝ても覚めても考えてきて行き着いたのが、「子育てによって自己肯定はできないのか?」というところです。
たとえばの話、子育てについて大変さばかりを感じていた人が子供とくすぐりあそびを続けるようになって、「今日は笑顔で一日を終えられた」、「気がついてみたら昨日は一回も怒らずに過ごしていた」そういった実際に手触りのある感触を子育ての中で経験できること、それが子育てを通しての自己肯定を大人のほうができるのではないかということです。
そのために必要なのは、簡単な課題から挑戦して、実際の手応え達成感を感じていくことです。
公文式の算数学習と同じですね(笑)
だから、子育てを感情論、精神論にしてしまうのではなくて、それらをひとつひとつ具体的な関わりに還元して手触りのあるもの、手応えのあるものとして子育てする人に提示していくことだと思うのです。
人によりスタートラインというのはまちまちなはずです。
ちび母。さんはちび母。さんなりに、小さくてもいいから手の届くところからその手応えを積み重ねていくことができたらいいのではないでしょうか。
それは世間で立派と考えられていることでなくていいと思うのです。
子供が花に喜んで水をあげている姿を見てかわいいなーと思える、そんなことからでいいのではないかと思います。
7月17日 ちび母。さんの相談コメントへの返信。
おとーちゃんさんの育児にはとても共感していますし、何度も何度も読み返し参考にしています。しかし、受容を心がける子育てをしようと思えば思うほど、わがままで奔放な子供に対して過剰なストレスを感じて苦しんでいました。
小さな子供がわがままで奔放であってもそれはある意味当たり前の姿であることを、私たち母親は日々の育児の中で忘れてしまうのかもしれません。きちんということをきき、人に迷惑をかけず、良い子してくれないと困る、というのが子供を連れて外に出たときにどうしても感じることです。バスや病院で騒がないか、道路でふざけて飛び出していかないか、他の子供に誤って危害を加えてしまわないか、そんなことを考えながら子供を連れていると、子供のわがままさや奔放さを受け止めることが出来なくなってしまうのかなと感じています。
(小さな子供に無理やり友達づきあいをさせようと思って集団内に連れて行ったり、無理に外出させているわけではありません。近所の公園で遊ばせたり、日々のスーパーへの買い物や病院程度の外出です。)
こうした日々を送っているうちに、他人に迷惑をかけることが恐怖症レベルで怖くなり、子供を抱えていることが申し訳なく感じてしまったりしてしまいました。世の中では「子連れさま」といって、迷惑を顧みずに他人に配慮せず子供を連れ歩く母親を揶揄する言葉もあるそうですが、私はそれとは反対に、萎縮してしまっています。
ちなみに、息子は特別手がかかるとかかんしゃくが強いわけではありません。他の2歳児と比べても、平均的なイヤイヤ具合(?)だと思います。愛想がよく、他児や大人にもにこにこと話しかけるなどとても積極的な性格です。好奇心旺盛で、いろんなものに首を突っ込んだり、なんでもいじったりするタイプです。これも、平均的なものではないかと思っています。つまり、特に難しいタイプというわけではないんです。でも私にとっては大変に感じるのです。母親側のキャパシティもひとそれぞれで、私は許容量が少ないのではないでしょうか・・・。
おとーちゃんさんの言われるように、子供を満たされた状態に出来ていれば親が困るようなことも減ってくるのではないかと信じていますが、上記のようなことで常にストレスを抱えて余裕を失っている母親には子供を満たすこともうまくいかず、悪いサイクルに入ることが多々あります。
たぶん私のように育児に不安やストレスを感じている人は多くいると思うので、そんな状態に陥ったときにでも、おとーちゃんさん流の子育てにシフトできるようなアドバイスがあったら、ぜひ聞いてみたいと思いました。私のような未熟で器の小さい母親でも、子供を満たして幸せにしたいと切に感じています。
この記事の少し前に<『子供』と『子育て』の価値を高めたい>のシリーズを書いていますが、僕は多くの子育てする人たちを見てきて感じることとして、「親の持つ自己肯定感」というものがあります。
この部分が、子供の姿としても、子育ての大変さ、悩みなどにも密接に関わっていて、問題の深刻化、複雑化につながっているとしばしば感じます。
顕著なのは、もともと自己肯定感の少ない人が子育てによって、さらにそれを低下させるという問題です。
そのことは実は子供以前の問題としてあるのですが、結果的に子供のネガティブな問題として出現します。
なので、親自身もそれの原因の一部に自分のあり方が関わっているということに気がつかずに、子供の問題として認識し悩みます。ときには、子供を否定的に見ることにもなります。
とうぜん、それでは問題は解決しないし、子育ての大変さばかりが募ります。
僕がずーーーっと子育てについてばっかり四六時中寝ても覚めても考えてきて行き着いたのが、「子育てによって自己肯定はできないのか?」というところです。
たとえばの話、子育てについて大変さばかりを感じていた人が子供とくすぐりあそびを続けるようになって、「今日は笑顔で一日を終えられた」、「気がついてみたら昨日は一回も怒らずに過ごしていた」そういった実際に手触りのある感触を子育ての中で経験できること、それが子育てを通しての自己肯定を大人のほうができるのではないかということです。
そのために必要なのは、簡単な課題から挑戦して、実際の手応え達成感を感じていくことです。
公文式の算数学習と同じですね(笑)
だから、子育てを感情論、精神論にしてしまうのではなくて、それらをひとつひとつ具体的な関わりに還元して手触りのあるもの、手応えのあるものとして子育てする人に提示していくことだと思うのです。
人によりスタートラインというのはまちまちなはずです。
ちび母。さんはちび母。さんなりに、小さくてもいいから手の届くところからその手応えを積み重ねていくことができたらいいのではないでしょうか。
それは世間で立派と考えられていることでなくていいと思うのです。
子供が花に喜んで水をあげている姿を見てかわいいなーと思える、そんなことからでいいのではないかと思います。
| 2014-08-04 | 相談 | Comment : 16 | トラックバック : 0 |
相談 目が合わない、受容してこなかった(1歳9ヶ月) - 2014.08.04 Mon
*前の記事に長文の追記をいたしました(8月3日)
7月20日 むにむにさんの相談コメントへの返信
相談内容はかなりの長文なのでこちらのリンク先のコメント欄からどうぞ。
機械に子育てはできない Vol.1 ーリスクがあることー
コメント欄一番上
むにむにさんはじめまして。
できるだけ力になりたいと思いますが、僕からは限られた部分しかわからないし、お子さんの様子やむにむにさんの関わり方などもコメントの文章から推測するしかありません。なので必ずしも適切なことが言えるとは限りません。むにむにさんのケースには合っていないことを書いてしまうかもしれませんので、そのあたりを理解して参考として読んでくださいね。
例えば、お子さんの様子についてなどはなんらかの発達上の問題などがあった場合などは本当に対応がかわることもあります。なのでそういったものではなくいまの姿というのは、これまでの子育ての関わりの上でもたらされているという仮定で話を進めなければなりません。そう思って聞いてくださいね。
おそらく息子さんに必要なのは、むにむにさんからの「積極的なよい関わり」です。
「積極的」というところがポイントなのです。
現状、親子間の関わりの多くが、
子供がなにか要求する(または大人の困ることをする)
↓
それに大人が応える(ダメだしや力ずくでの対応をする)
というかたちになってしまっていると思います。
お子さんがして欲しいのは、むにむにさんの方から笑顔で楽しい関わりをたくさんしてもらうことなのです。
子供と楽しい時間を持ちたいとおもっていても、大人が子供のかわいい姿を待っているだけでは決してでてきません。
現状では、息子さんは「大人が困ることをしてそれになんらかのリアクションをとってもらう」という関わり方しか知らないのです。
なので、それを必死に一生懸命しているのです。
それに対して、むにむにさんは多大なストレスを感じますから「無視」するというところが着地点になってしまっているのですが、「無視」をすればするだけ子供はさらにたくさん求めなければなりませんから、さらにお母さんからのいい関わりを求めて「大人が困ることをする」という自分の知っている唯一の方法で関わりを求めることになります。
つまりは、悪循環です。この悪循環を変えなければならないのですが、そのきっかけを子供に求めてもそれは不可能です。大人の方にしかこの鍵は持てないのです。
で、大人はどうすればいいかというと、最初に述べた「積極的なよい関わり」ということなのです。
(『無関心をつくらない Vol.2』 この過去記事が参考になるかもしれません)
>また、歯磨きを本当に嫌がります。虫歯は待ってくれませんし息子は受け口のため、虫歯にもなりやすいようで
『歯磨きしてスッキリしよー』と誘うと必ず笑いながら逃げます。
このときに「笑いながら逃げる」のは、お母さんが自分を見てお母さんの方から関わってくれてうれしいためです。
親は歯磨きを「しなければ」という思いで追うのですが、子供からするとそれを自分に注目してくれる関わりととっているのです。
たぶん、食事のときも同じような子供が逃げ回るのを後ろから食べ物をもって追いかけている(もしくはイスに戻そうと追いかけてくる)というような状況があったのではないでしょうか。
子供が成長のためにどうしても必要な、親からの「受容」というものが不足していたためにこれが起こっているのです。
それが大人から見て「困る姿=ネガティブ行動」をたくさん生んでしまっています。
この歯磨きのときと食事のときの「逃げる」行動は、受容不足の親子間で典型的に出てくる姿です。
とりあえず、一日何回もくすぐり遊びをしてみましょう。
そのうちの何回かは、生活の流れの中できまったタイミングでするようにしてルーティン化すると効果的です。
例えば、朝:起きた後、昼:昼食後、夜:お風呂の前 など、ご家庭の事情に合わせてのタイミングでいいです。
また、戸外や広いところなどで追いかけっこもいいです。
「まてまてー」と大人が子供の後ろを追いかけてあげます。
「こっちだよーー」と大人が両手を広げてあげて、子供が来たら抱きしめてあげるという遊びでもいいです。
でも、たぶんこちらは「まてまてー」の追いかけっこをたくさんしてからでないとできないかもしれません。
追いかけっこの方が「注目」という実感が強いので。
これでなんの意味があるかというと、「大好きなお母さんが暖かく自分を見ていてくれている」という経験を「楽しい」という実感とともに積み重ねていけることです。
現状のお子さんはこの経験がマイナス状態です。それをこれからの関わりで埋めていかなければなりません。
(記事で言うとちょっと古いのであまりうまくかけていませんが「満たされた子供」のカテゴリです。『先回りした関わり』の記事もいいでしょう)
もしかすると、くすぐりをしても最初は思ったよりもあまりいい反応が返ってこないかもしれません。でも続けてみましょう。
また、それをするときは大人の側がイヤイヤだったり、うんざりしてでは意味がないので、義務でやるのではなく自分も楽しい気持ちになれるときにすることが大切です。
いくらルーティンにしてもそのとき楽しい気持ちになれないのでしたら、無理にする必要はありません。
当面はこまごまとしたこと、なにか困ることをしたときの怒り方などは気にしなくていいです。
とにかくこういったくすぐりなどで子供を「満たす」ということだけやってみます。
もし、バナナで釣ってむにむにさんがストレスなく過ごせるならばそれをしてもかまいません。
当面はこの「満たす」の貯金です。
現状では「じーー」も「いいきかせも」効果はありませんので、問題行動があってもリフトなどで無理矢理危険を取り除くということでかまいません。
その分の時間を「くすぐり」や「絵本の読み聞かせ」でもしてあげてください。
「無視」はいいことではありませんが、一対一で子育てしているむにむにさんの育児ストレスの多い状況を考えたら、当面はそうなってしまってもやむを得ないかもしれません。
「言うことを聞かない状態」(大人の思い通りにならない状態)の対応で、神経をすり減らしてしまうくらいならば、いったん子供を視界から離して落ち着いてみるということ、その分力を温存しておいて「満たす」の方に回すということでもいいでしょう。
くすぐりなどを続けていれば、必ずお子さんの姿に変化が出てくると思います。
頭をぶつけるという行為もおそらくは減るはずです。
吐くのもおそらくよい関わりを求めて、「お母さんに注目して欲しい」という気持ちの表れだと思います。
『喜怒哀楽と表情』の記事に書いた点も気をつけてみてください。
いくらくすぐりをしても「目が笑っていない」ような状態では少しも効果がないということもあります。
とにかくいまは「満たす」をして子育ての安定化・親子関係の安定化を目指す段階です。
さまざまな「できる」はその後からついてきます。
今の段階で、「ごまかし」や「釣り」はよくないとそういう点を気にしていても仕方がありません。
それらを使ってもいいから「満たす」が貯まるまでしのいでいきましょう。
「甘やかし」は関わりのイニシアチブが子供の側にあるので、それだといくらしても子供は親にして貰っているという実感が持てません。なので「満たす」が貯まらないのです。
なので、大人から積極的に関わる心地よい経験が必要です。
とにかくいまは「満たす」をすることです。
できるならば余裕のあるときだけでも、むにむにさんの気持ちを「おおらか」「のんびり」という時間を設けてみるといいと思います。
だら~~んと力を抜いて仰向けに寝そべって、そのおなかに子供をのっけてぐて~~っとしてみます。
どうなるというものでもないけれども、そういうことをしてみるとなにかが変わってくるかもしれませんよ。
はっきりいって現状は受容という必要なモノがマイナス状態になってしまっていますが、まだ1歳9ヶ月というかなり早い段階で対処が可能になっています。大人次第でなんとでも変えることができますので、自信を持ってこれから関わっていってあげてください。
7月20日 むにむにさんの相談コメントへの返信
相談内容はかなりの長文なのでこちらのリンク先のコメント欄からどうぞ。
機械に子育てはできない Vol.1 ーリスクがあることー
コメント欄一番上
むにむにさんはじめまして。
できるだけ力になりたいと思いますが、僕からは限られた部分しかわからないし、お子さんの様子やむにむにさんの関わり方などもコメントの文章から推測するしかありません。なので必ずしも適切なことが言えるとは限りません。むにむにさんのケースには合っていないことを書いてしまうかもしれませんので、そのあたりを理解して参考として読んでくださいね。
例えば、お子さんの様子についてなどはなんらかの発達上の問題などがあった場合などは本当に対応がかわることもあります。なのでそういったものではなくいまの姿というのは、これまでの子育ての関わりの上でもたらされているという仮定で話を進めなければなりません。そう思って聞いてくださいね。
おそらく息子さんに必要なのは、むにむにさんからの「積極的なよい関わり」です。
「積極的」というところがポイントなのです。
現状、親子間の関わりの多くが、
子供がなにか要求する(または大人の困ることをする)
↓
それに大人が応える(ダメだしや力ずくでの対応をする)
というかたちになってしまっていると思います。
お子さんがして欲しいのは、むにむにさんの方から笑顔で楽しい関わりをたくさんしてもらうことなのです。
子供と楽しい時間を持ちたいとおもっていても、大人が子供のかわいい姿を待っているだけでは決してでてきません。
現状では、息子さんは「大人が困ることをしてそれになんらかのリアクションをとってもらう」という関わり方しか知らないのです。
なので、それを必死に一生懸命しているのです。
それに対して、むにむにさんは多大なストレスを感じますから「無視」するというところが着地点になってしまっているのですが、「無視」をすればするだけ子供はさらにたくさん求めなければなりませんから、さらにお母さんからのいい関わりを求めて「大人が困ることをする」という自分の知っている唯一の方法で関わりを求めることになります。
つまりは、悪循環です。この悪循環を変えなければならないのですが、そのきっかけを子供に求めてもそれは不可能です。大人の方にしかこの鍵は持てないのです。
で、大人はどうすればいいかというと、最初に述べた「積極的なよい関わり」ということなのです。
(『無関心をつくらない Vol.2』 この過去記事が参考になるかもしれません)
>また、歯磨きを本当に嫌がります。虫歯は待ってくれませんし息子は受け口のため、虫歯にもなりやすいようで
『歯磨きしてスッキリしよー』と誘うと必ず笑いながら逃げます。
このときに「笑いながら逃げる」のは、お母さんが自分を見てお母さんの方から関わってくれてうれしいためです。
親は歯磨きを「しなければ」という思いで追うのですが、子供からするとそれを自分に注目してくれる関わりととっているのです。
たぶん、食事のときも同じような子供が逃げ回るのを後ろから食べ物をもって追いかけている(もしくはイスに戻そうと追いかけてくる)というような状況があったのではないでしょうか。
子供が成長のためにどうしても必要な、親からの「受容」というものが不足していたためにこれが起こっているのです。
それが大人から見て「困る姿=ネガティブ行動」をたくさん生んでしまっています。
この歯磨きのときと食事のときの「逃げる」行動は、受容不足の親子間で典型的に出てくる姿です。
とりあえず、一日何回もくすぐり遊びをしてみましょう。
そのうちの何回かは、生活の流れの中できまったタイミングでするようにしてルーティン化すると効果的です。
例えば、朝:起きた後、昼:昼食後、夜:お風呂の前 など、ご家庭の事情に合わせてのタイミングでいいです。
また、戸外や広いところなどで追いかけっこもいいです。
「まてまてー」と大人が子供の後ろを追いかけてあげます。
「こっちだよーー」と大人が両手を広げてあげて、子供が来たら抱きしめてあげるという遊びでもいいです。
でも、たぶんこちらは「まてまてー」の追いかけっこをたくさんしてからでないとできないかもしれません。
追いかけっこの方が「注目」という実感が強いので。
これでなんの意味があるかというと、「大好きなお母さんが暖かく自分を見ていてくれている」という経験を「楽しい」という実感とともに積み重ねていけることです。
現状のお子さんはこの経験がマイナス状態です。それをこれからの関わりで埋めていかなければなりません。
(記事で言うとちょっと古いのであまりうまくかけていませんが「満たされた子供」のカテゴリです。『先回りした関わり』の記事もいいでしょう)
もしかすると、くすぐりをしても最初は思ったよりもあまりいい反応が返ってこないかもしれません。でも続けてみましょう。
また、それをするときは大人の側がイヤイヤだったり、うんざりしてでは意味がないので、義務でやるのではなく自分も楽しい気持ちになれるときにすることが大切です。
いくらルーティンにしてもそのとき楽しい気持ちになれないのでしたら、無理にする必要はありません。
当面はこまごまとしたこと、なにか困ることをしたときの怒り方などは気にしなくていいです。
とにかくこういったくすぐりなどで子供を「満たす」ということだけやってみます。
もし、バナナで釣ってむにむにさんがストレスなく過ごせるならばそれをしてもかまいません。
当面はこの「満たす」の貯金です。
現状では「じーー」も「いいきかせも」効果はありませんので、問題行動があってもリフトなどで無理矢理危険を取り除くということでかまいません。
その分の時間を「くすぐり」や「絵本の読み聞かせ」でもしてあげてください。
「無視」はいいことではありませんが、一対一で子育てしているむにむにさんの育児ストレスの多い状況を考えたら、当面はそうなってしまってもやむを得ないかもしれません。
「言うことを聞かない状態」(大人の思い通りにならない状態)の対応で、神経をすり減らしてしまうくらいならば、いったん子供を視界から離して落ち着いてみるということ、その分力を温存しておいて「満たす」の方に回すということでもいいでしょう。
くすぐりなどを続けていれば、必ずお子さんの姿に変化が出てくると思います。
頭をぶつけるという行為もおそらくは減るはずです。
吐くのもおそらくよい関わりを求めて、「お母さんに注目して欲しい」という気持ちの表れだと思います。
『喜怒哀楽と表情』の記事に書いた点も気をつけてみてください。
いくらくすぐりをしても「目が笑っていない」ような状態では少しも効果がないということもあります。
とにかくいまは「満たす」をして子育ての安定化・親子関係の安定化を目指す段階です。
さまざまな「できる」はその後からついてきます。
今の段階で、「ごまかし」や「釣り」はよくないとそういう点を気にしていても仕方がありません。
それらを使ってもいいから「満たす」が貯まるまでしのいでいきましょう。
「甘やかし」は関わりのイニシアチブが子供の側にあるので、それだといくらしても子供は親にして貰っているという実感が持てません。なので「満たす」が貯まらないのです。
なので、大人から積極的に関わる心地よい経験が必要です。
とにかくいまは「満たす」をすることです。
できるならば余裕のあるときだけでも、むにむにさんの気持ちを「おおらか」「のんびり」という時間を設けてみるといいと思います。
だら~~んと力を抜いて仰向けに寝そべって、そのおなかに子供をのっけてぐて~~っとしてみます。
どうなるというものでもないけれども、そういうことをしてみるとなにかが変わってくるかもしれませんよ。
はっきりいって現状は受容という必要なモノがマイナス状態になってしまっていますが、まだ1歳9ヶ月というかなり早い段階で対処が可能になっています。大人次第でなんとでも変えることができますので、自信を持ってこれから関わっていってあげてください。
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