◆その他の対応例3 「包括的受容」
僕の保育研修を受けた人は包括的受容の話を聴いてると思います。
これは現代の保育士に必須のスキルと言ってもよろしいかと思います。
研修内では、この概念を印象づけるために半分冗談で「もし僕の名前が保育史に残るとしたらこの包括的受容の提唱者として残るはずです」と言っています。
包括的受容については、このブログでも過去記事に述べています。
「いい保育」と「上手い保育」 vol.8 『包括的受容』
http://hoikushipapa.jp/blog-entry-969.html子供が衝動的に逸脱した行動や、肯定を求めるためのネガティブな行動をとったとき、この包括的受容の関わりをすることで安定が得られるかもしれません。
ただし、それはそのときの状況や、周りの子の状況も関わってきますので、それをすれば絶対といったようなものではなく適宜判断が必要なのは言うまでもありません。
また、その子と保育者の間に、そもそも信頼関係が築かれていなければ包括的受容の形だけなぞったとしてもそれが子供に響くことはありませんので、多少なりとも信頼関係の構築が先に必要です。
では、このB君のケースにおいて、包括的受容を具体的に見てみます。
保(B君の行動を見て)「あら~どうしたの~~」
(間)
「そうかそうか~~。うんうん、わかったよ~~」
「でも、そんなことしなくても私はあなたのこと見ているから大丈夫だよ~~」
(上のような肯定的な言葉を掛けながらギューッと抱きしめる)
「はい、じゃあ落ち着いたら絵本みようか~」
このように、保育者は子供のネガティブ行動と同じ地平の上で注意をしたり、叱ったり、我慢をしたり、なだめたりするのではなく、それよりももっと大きな見地から子供の存在そのものと、子供の行動を包み込んで受容してしまうことにより、子供の心のネックになっている部分そのものに手を当ててあげる関わり、これが包括的受容です。
注意するだけ、叱るだけ、怒るだけならば、誰だってできるのです。それは簡単で、しかも自分の感情のままに行動できるのでラクでもあります。でも、プロとして子供を保育するのですからこういった専門性が要求されています。
つづく。
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