必要な行動の「カード」を提示すること - 2017.03.25 Sat
のお話からもう少し考えてみたいと思います。
「ママ友と電車で出かけたら、他のお母さんたちがみんな電車に乗ったとたん自分の子供にお菓子をあげだしてびっくりしました」というお話を聴きました。
僕もこういった関わりはよく見ます。
この背景にあるのも「子供の行動・感情は大人が作るものという意識」です。
・電車の中で静かにさせる
・ちゃんと座っているようにする
など、を達成させるために、お菓子で子供のコントロールをしようとしてしまおうと関わっているのだと思います。
「子供の行動・感情は大人が作るものという意識」に自分で気づいていなければ、こういった「子供の行動のコントロール」は無意識に行われてしまいます。
これを「当たり前のこと」としていくと、子育ては知らず知らず難しいものになっていく可能性を秘めています。
お菓子で子供を「正の状態」にすることは、ともするとお菓子がなければ「正の状態」にならない子供に育てていることになりかねないからです。
・お菓子が使えない場面
・通用しない年齢
などになれば、別の手段で子供をコントロールする必要がでてきてしまいます。
人によっては、スマホやゲーム機、はたまた脅しや怒る叱る、叩くなどが導き出されかねないでしょう。
「子供の行動・感情は大人が作るものという意識」が、そもそも子育ての方向性としては、あまり適切ではないのです。
子供はどんなに小さくとも一人の人格です。
コントロールするのではなく、必要なことを嘘やごまかしでなく大人として誠実に伝えることが大事です。
このケースで言えば、最初に「電車には他のお客さんも乗っていますから騒がずに座っていて下さい」など「必要なことのカード」を子供に提示して、子供自身に考え行動させる必要があったのです。
まさに、このことに子供を依存ではなく自立の方に向けて育てていく秘訣が隠れています。
よしんばどうしてもそれができない状況になってしまったら、それから「じゃあお菓子でも食べて静かに座っていて下さい」なり、「他のお客さんの迷惑です」と叱るなりしても遅くはありません。
必要なカードを子供に提示することもなくいきなりコントロールの関わり方を大人がしてしまうのは、実は子供の力を見くびっているということです。
子供の「管理・コントロール」で子育てを組み立てていけば、それでもはみ出してしまう子供に必要になってしまう次の子育てのステップは「支配」になっていきます。
日本の子育てがどんどん迷走して行ってしまう所以です。
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