保育士試験の季節になってきました - 2017.05.11 Thu
簿記だとか宅建だとかの資格のように、取り立てて一般の就職に有利になるといったものではないのですが、子育てや保育に興味を持って資格取得やその勉強をされる方が増加しているようです。
とてもおもしろい動きだなと思います。
しかし、その一方で講演やセミナーなど僕の話を聴きに来て下さる方の声に多いのが、そういった経緯で資格を取って保育施設で働き始めたのだけど、実際内部に入ってみてみると子供をかわいがるどころかその逆のことが多く胸が痛いですというものです。
これが、新卒でそのままストレートに就職してしまった若い人だと、そうは思いつつも「そういうものなのだろう」とそういった保育に同化していってしまう人もおりますが、自身の子育てをしてきた人や、他の社会経験もある方だとその点がより客観的に見えるようです。
もちろん、そんな保育施設ばかりではないのですが、管理的・支配的・威圧的な保育になってしまっている施設・保育士が少なくないのが日本の保育の実情です。
そういった保育のあり方が根強い中で、とりわけお金儲け主義で営利に傾いた施設になれば職員にも子供にもブラック化してしまうのはある種の必然です。
経営者が施設長を監視し、施設長が保育士を監視し、保育士が子供を監視するといったように・・・・・・。
これが子供にも働く保育士にとってもよい環境であるわけがありませんよね。
みんな日々ピリピリしてしまいます。
そこにもうひとつ拍車をかけるのが、子育てにまつわるところに必ずといっていいほど増えてしまうハラスメント体質です。
最近、保育研修の仕事が多くなってきました。
なんとか適切な保育を多くの人に伝えることで保育の専門性を上げ、よりよい子供たちの成長につなげる力となっていきたいと思います。
保育士試験についてこちらがよくまとまっております。
『保育士試験|筆記試験・実技試験の内容・科目と申し込み手続きの概要』(ジョブデポ保育士 保育のヒント)
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● COMMENT ●
まさに私も今年保育士試験を受けました
こんにちは
私のことかしらと思って出てきました。
その後再び保育園に勤める勇気がなくて、今は発達障害児の放課後デイサービスで働いてます。
発達障害のあるお子さん相手なので難しい部分もありながら、1人1人に寄り添う関わりが出来て、とても楽しいです。
私自身が子供の頃の保母さんは本当~に優しかったですが、ゆきさんが書いているように、私の親世代の保育士さんというのは一般的にしつけが一番という感じで高圧的なタイプの方が多いなというのが実感です。一昔前の学校の先生タイプというんでしょうか?だから、ゆきさんが保育士になりたくないと思った気持ちは理解出来るなと思いました。
でも、そんなゆきさんだったら素敵な保育士さんになれるんじゃないかと思います。
試験頑張って下さいね。
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まさに今年(先月の4/22.23が試験日でした)、保育士試験を受けました。当時は子供が0歳児、かつ、私自身が専業主婦だったということで、毎日子供とふたりきりで部屋にこもっていて。「このままでは社会に取り残されてしまう」との不安を感じて資格試験を挑んだ…というのも、正直なところでした。が、おとーちゃんさんのブログを拝見して「早期教育を受けてしまった子の事例」など、大人の都合で子供を著しく歪めてしまう例もあるのだな、と気が付いた頃から保育士に非常に興味が湧いてきました。
実を言うと、実母が保育士(当時は「保母」ですね)をしていたのですが、お世辞にも「良い育児」をしているとは思えなくて。(私を含めた3人の子供たちに常に過干渉で、結局、成人後に母と私達は疎遠になりました)だから「どうしても保育士にだけはなりたくない。母の真似はしたくない」と思っていたのですが。
自分自身が子育てを経験したことで、きっと、母とは違う種類の保育士になれるはずだ!なろう!と改めて本日の記事を読んで決意することができました。いつも心温まる記事をありがとうございます。
※ちなみに自己採点の結果、一科目落としてしまったので、また秋にリベンジする予定です…(^^;