11月は虐待防止月間 - 2017.11.13 Mon
少し前にも書きましたが、虐待そのものすら珍しくないですし(人の多い地域であれば、各保育園に最低1ケースは児相に関わっている案件があり、さらにその予備的なケースが複数存在するといったレベル)、現在虐待をしているわけではないが自身が受けてきた経験があるといった親も少なくありません。
なかには自分がされてきたことが虐待であったという認識のない人もおります。(その人にとっては、自分の家庭しか知らないのでそれが当たり前の子育て)
また、親が極端に偏った価値観を子供に押しつける『文化的虐待』、
勉強や将来のためという理由でおこなわれる精神的な虐待がメインの『教育虐待』といった新たなとらえ方も近年生まれてきています。
あたらしく虐待として明確に加えられたものとしては、『面前DV』があります。
親がもう一方の親や他者に暴力をふるうところを子供に見せてしまうこと。
直接子供に手を上げているわけではありませんが、これも虐待であると最近定義に加えられるようになりました。
僕の認識からすると、明確な虐待まではいかずともそれに近い子育てを受けてきた人が、いま自分が子育てをする立場になって、子育てのいろんな難しさとしてそれが出てきて、悩み苦しんでいる人が一般的に考えられているよりもはるかに大勢いると思っています。
虐待を防ぐことは、おそらくそういった人も救う、また今後増やしていかないことにつながるでしょう。
ミクロには子供への関わり方、マクロでは社会や福祉のあり方について、いろんなことを学び、考えていこうと思います。
さて、秋は講演シーズンなので、今週末には名古屋での座談会、保育士研修があります。
座談会の方はかなり早い段階で満員になり、すでにキャンセル待ちになっているとのことです。
保育士研修の方はまだ少し余裕がありそうなので、ギリギリいまからでも受講可能です。(申し込みは、講座・ワークショップのカテゴリをご参照下さい)
保育士研修の具体的テーマは『専門性の高い保育をめざす -自主性・主体性の保育、理念とその実践-』にしました。
僕は字で書くとどうにも固くなってしまうのですが、実際のお話は実践例をまじえてイメージしやすい形でお伝えしていきます。
子育てについてでも、保育についてでも、僕が目指すのは「パラダイム転換」です。
「当たり前」や枠組みそのものを変えることで、根っこから変えていくことを目的とします。
テクニックやうわべの上手さではありません。それらも必要な場面があるのは事実なので、そういったところもお伝えしますが、それがメインではありません。
当たり前を変えて視点を変える → 理念でそれを形あるものとして理解する → それを具体化できるだけの方法を伝える
こんな感じです。
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パラダイム転換ですか~。
よくあるハウツーや、理想的な言葉だけで具体例が少なかったり、しっくりこない浅くて表面的なもの。おと~ちゃんを知らない時は、それらに触れて、たっくさん(^-^)子育て迷走してきました。今は、子育てもあと少しですが、子供と気持ちを共有しながらゴールができそうな気がしています。
おと~ちゃんの内容は具体例が多く、また、絶対してはいけない、するべきという伝え方ではなく、親にも寄り添っているし、もっとその手前の人が人に接するときの大切な心持ちを教えてくれている気がして、とても深く、心に響きます。
これって、子供だけでなく、大人同士にも言える事だと気が付き、職場では指示を出し過ぎないようにしたり、仲間を信じて任せてみるなどが意識的にできるようになりました。
いつも、とても長い記事をありがとうございます。あの長さがあるからわかりやすく、たくさんの具体例があるから自分に重なるものがあり。おと~ちゃんが今までに本当にたくさんの記事を書き貯めてきてくれたことに、改めて感謝をしたいです。