addictionとconnection - 2017.12.29 Fri
先日、ある心理カウンセラーの方のお話をうかがいました。
その中で、「依存症を英語でaddictionといいますがその対義語は、実はconnectionなんです」と聴きました。
「依存」の反対にあるものは「人との関わり」というわけです。
タバコやアルコールなど、オーガニックなドラッグがひどく問題視される時代になっていますが、新たなドラッグに変わるものが生まれていると言えます。
この「addictionとconnection」の対比で考えるとそれは見えてきます。
昨日の記事のケースのように、本来家族の時間である食事の時間を個人的な没入の時間にしてしまっていたり、歩行中や自転車運転中といった危険な状況であっても、緊急性のないはずのSNSから目が離せないといった現象はある種の依存的な症状を示しています。
そういった意味で、スマホやテレビゲームといったものは、それが便利だから、おもしろいからだけではない問題をはらんでいることがわかります。
しかし、ではそれらをなくせば問題が解決するというものではありません。
大切なのは、依存的な状況にならならずに利用できるための、その人の内的な形成にあるわけです。
もはやスマホや携帯ゲーム機といったものは避けて通れない時代になっています。
そこで、それらを利用する以前の段階で、”connection”の部分を子供の内面形成の中に種まきする必要が現代の子育てには大きくあるのです。
難しいことはないんです。
家族で一緒の食卓の時間に、なにも子供とでなくても夫婦や家族での会話を持ったりするのを環境的に子供が味わえればいいのです。
なかなか家族がそろうことが難しくなっている現代の家庭では、よりその重要性がましているわけですね。
せめて家族がそろったとき、せめて子供が小さいうち・・・・・・。
そういったときに大人がそこを気に留める必要があるのだと思います。
家族でトランプをしたりボードゲームをしたりだっていいでしょう。
機械を介在させない人とのコネクションを味わう必要が、現代の子供には特に重要になってきています。
これは子供が小さいときほど大切なのです。
なぜなら逆はないからです。
「大きくなってからやればできるようになる」といった問題ではなくて、小さいうちからコツコツと積まなければそれを積み上げることが難しい類いのものだからです。
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● COMMENT ●
スマホとお父さん
きっかけはなんであれ…
夫はオンラインで戦場に出てるのですが(笑)、最初は正直嫌だなと思ってましたが、
息子(年中)も戦争に興味を示したので、興味を持ったらトコトン付き合おう!と思ってるので、
戦争についての絵本を色々読み、日本刀鍛錬の場へ出かけ見学し日本刀も実際に持ち、
子鉄なので跨線橋(線路をまたぐ橋)の歴史の話を聞きに行き、そこで建物疎開や防空壕の話に触れたり、
新聞で難民の記事を読みきかせたり。
それから息子が機械好きなのでプログラミング体験をしに行った時に、パパのゲームもこうやって誰かが作ってると説明したりしてるうちに、
パパにあれこれ質問するようになり、そこからコミュニケーションを取るようになりました。
ゴルフのゲームをやってたら、息子に本物見せたら喜ぶよーと伝えたらショップへ出かけて説明するようになったり。釣り動画も一緒に観て、息子は釣りデビューしました。
パパとゲーセンへ行ったらそれを工作にしたり。
ということで夫は相変わらず疲れると戦争に出かけてますが、息子と遊ぶ時間も増え楽しくなりました。2人で外遊びしたり、戦車や戦闘機のペーパークラフトを一緒に作ったりして楽しそうですよ。
それから以前、息子が ○○(戦隊モノ)は痛そうだし怖いから好きじゃないと言ってたので、
パパのゲームは痛そうじゃない?と聞くと、
パパのは嘘の話だし誰かが考えたものだから大丈夫って分かるよ。
と言ってました。
我が家の場合はこんな感じです。
ツールは使い方次第
付き合い方、使い方次第だと痛感します。
我が家ではテレビもスマホゲームもテレビゲームもほとんどしたことがなく、子どもたちも育っています。そのため「ごっこ遊び」が大半で、折り紙やのり、色鉛筆だけで遊ぶことができますし、友だちといろんな遊びをしているので安心します。
それでもスマホゲームを私自身、2カ月ほど前からやるようになり
ゲームにハマるのはもう10年以上ぶりですが、案外家族のコミュニケーションの潤滑油になっているなぁという感じがします。
ゲームをすることでストレス発散にもなっているし、うまい具合に付き合えている感覚があります。
そんなこんなで、「ゲームしかしない」状況はダメだと思いますが、リフレッシュにゲームをするような感覚ならば、ないよりはむしろあったほうが良いのかもしれません。
年配の方々にもゲームをしたことがない、というよりも毎日少しやっている人のほうが脳機能が高いと聞いたことがあります。
ゲームの効用、みたいなものを実感しました。
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お父さん方は子供優先の奥さんにとても気を遣っていて、自分の意見を否定され、家庭の中での優先順位が低い、存在意義はお金を稼ぐだけ、と感じている方がとても多く感じました。
もちろん奥さんに対し、自分の子供を産んで大切に育ててくれていること、家事など生活を整えてくれていることに感謝はしているけれど、家庭の中でもやりきれない思いを抱えている男性側の本音。
そして特に、「男らしく」を意識されて育てられたお父さんは、仕事の愚痴や家庭の不満を話せないで、ストレスを抱えています。
夫婦がお互いに、ほんの少しだけ感謝の気持ちや労いの言葉があれば、頑張ることに虚しさを感じることはないでしょう。
その虚しさをリセット、または逃避するためにスマホやゲームに向かってしまうのでしょうね。
なんて、男性側の気持ちを考えてしまいました。
お母さん達も疲弊していますが、お父さん達も疲弊しています。
子供の将来を考えるお母さん方には、安易に「スマホやゲームばかりのお父さんは悪」で思考を停止せず、「家族と、そして私と会話を楽しめない理由は何?」と考えて欲しいと思います。
ちなみに男性が話をしていて楽だと感じる女性の特徴は、逃げ道を用意してくれる人のようだと分析しているのですが、お父ちゃんさん合っているでしょうか^ ^