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2018-08

男性保育士のあり方について vol.1 - 2018.01.13 Sat

最近では男性保育士も増えてきて、若い男性保育士の話を耳にすることも多くなっています。

しかし必ずしも、いい話ばかりではありません。
男性保育士ゆえに、おちいりやすいところがあるように感じます。
まったくの私見ではありますが、なにかの参考になればと僕の気づきを書いておこうと思います。






◆他の保育士に対するライバル心からはステップアップしよう

女性中心の職場に飛び込むわけですから、それなりの意気込みやモチベーションが必要ではあるでしょう。

それゆえにか、「自分は女性保育士には負けない」とか、「他者に上回りたい」といった心情になっている人もおります。


若いうちは得てしてそういうものかもしれませんが、まあそう気負わなくてもいいでしょう。
なぜなら、それは子供の育ちには関係ないからです。


保育は、誰かに「勝つ負ける」ではありません。

その思いで保育をしていたとしたら、その人は保育と子供の向こうにいる「自分」を見ていることになります。
それでは、子供は誰かに勝つための材料になってしまいます。


個々の子供になにができるかが保育の目的であって、自分のための目に見える手柄を追求する必要はありません。

しかしながら、子育てや教育の本当の成果は短期的に結果がでないものなので、ともすると目先の手柄を追うことにおちいってしまいます。
その傾向は、男女問わず存在するものですが、男性保育士には特にそれが強くある人もおります。


そういったライバル心ゆえに、先輩保育士(特に女性)からの真摯なアドバイスも受け止めないケースがしばしばあります。
そうなると、保育はチームで取り組まなければできないことなのに、同僚との信頼関係の構築ができなくなってしまいます。

その結果、年齢や経験年数が上がったとしても、若いときから変わらない我流の保育のままになります。




◆主観(自己満足)の保育にならないよう、冷静に自分を見る視点を持とう

自分の手柄を追求するための保育をしている人は、本当に保育の専門性の必要な子へのケアができません。

できる子やできる子の親からすると、その人は「個性的でおもしろい」とか「いい先生」に映ります。
でも、そうでない子やそうでない子の親からは、プラスに受け止めてはもらえません。しかし、そうそうそのことを指摘する親はいないので、そういった保育を長年続けていてすら、その保育士は「自分は仕事ができている」と自己満足をし続けることが可能になってしまいます。

ある種の自己満足をすると、さらに同僚や先輩からのアドバイスを受け付けなくなってしまうので、悪循環が起きます。


男性保育士の問題点を指摘する声には、非常にこのふたつのケースが多いです。
方々から同様の意見が寄せられます。
男性保育士の方には、どうか気をつけていただきたい点です。




◆悪しき男性文化におちいらないだけの見識を持とう

僕自身、現場の保育士だったときに、男の子を持つ父親から「うちの子がなにか悪さしたら遠慮無くひっぱたいて下さい」ということをいわれた経験が複数あります。


ここに見られるのは、これまでの男性の価値観として「子供に対して強く出られる男性像」を美化する意識が世間一般にはあるということです。

平たくいえば、「子供をひっぱたける俺かっけー」という男性の持つマッチョイズムです。

(同時にここには、性差による対応の違い、「男子には叩いてよい」「女子は叩くべきでない」という理解も見受けられます。この意識は、ひいては性差別の多い生きにくい社会の元ともなってしまいます)



言うまでもなく、それは保育や教育においてしてはならないことです。

この意見に同調してしまうことは、現代の保育士として不適切な態度です。


それは単に「子供に手を上げてはならない」ということだけを言っているのではありません。
実際に手を上げなかったとしても、このスタンスで多様な子供に臨むことは、できない子、幼い子、弱い子、家庭に問題を抱える子などに対しての不寛容さ、非許容的な態度を形成してしまうことにつながります。


特に、上で指摘したような自分の手柄を立てるための保育になっていれば、そういった子に対して排除の論理・感情が生まれます。

例えば、

「練習に参加しないなら、あっちへいきなさい」

といった、不寛容で冷たい態度、疎外の保育が導き出されます。



ですから、男性保育士と言えども、昔あった価値観に流され、子供に対して強圧的になるなどの「男性の武器」を使うべきではないのです。

しかし、残念なことにこの傾向を持つ男性保育士の話は、いまだに少なくないのが現実です。



このブログのコメント欄でも、子供をあずける親や同僚保育士の声として、「整列しようとしない子に対してとても怖い顔を向けたり、怒鳴ったり、叩いている男性保育士がいて胸が痛い」といった意見がときどき寄せられます。


「男だから子供に強く出るものだ」
という理解は、社会が封建的だったり、前近代的だったりする古い時代の考え方です。

わざわざ男性として保育の世界に飛び込むのですから、むしろ「男なのに、ことさら強さや力を使わずとも子供を適切に育てられる」ということを体現できてこそ、プロとして男性の保育士をすることの意味合いがより大きいのではないでしょうか。




◆威圧でない保育を模索しよう

力に依存する保育は大変危険なことです。

家庭や子供の情緒、発達が安定している子であればまだしも、そうでない子がの問題の指摘が増えているのが現代です。
例えば、発達障がいのある子に、力や威圧によって「できること」を求めていくとどうなるでしょう。

それをしたところでその子はその保育士思い通りにならないので、結果的にだんだんとそういった威圧(怒る、叱る、注意、疎外など)は強まっていくことになります。

すると、その子は他者への信頼感や、自己肯定感、ものごとに取り組む意欲を奪われていきます。つまり、二次障がいを生みます。


保育士の不見識によって、本来の力を奪われ「落ちこぼれ」にされてしまいます。

このことは発達障がいの子だけではありません。全ての子において同様です。

威圧や体罰のような力に頼った保育をしてはならないのです。




余談ですが、僕のようにスポ根世代に育った人間にとって、野球の清原選手の一連の顛末は、こういったマッチョイズムのむなしさを端的に浮き彫りにしたものだったと思わずにはいられません。
あれが「男」をひけらかすことで生きてきた人の真実像ではないでしょうか。
自身の自尊心を、強い男性性に依拠することで、かえって生きづらさを持つことになってしまっていました。


すでに諸外国では、男性性、女性性によらない社会を作る努力をかねてよりしています。
日本も遅まきながらそれを目指す時代になっています。
しかし、昔ながらの考え方とそこから形成されている社会のあり方があって、それは遅々として進みません。


男性でありながら、保育というそれまで女性の世界だったところに飛び込んだ人には、単に「保育」にとどまらないさまざまな意味合いと可能性があるとは思いませんか。

それを果たしていけば、「男性保育士には、うちの娘のオムツを替えてもらいたくない」といったことも言われない日が来るはずですよ。


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