子育てと怒り vol.1 - 2018.01.29 Mon
怒りというのは、人の感情の中でもっとも強いものです。
感情を動かすことが苦手な人であっても、多くの場合、うれしい、楽しい、好意を持つといった感情は覚えなくなっても、怒りや悲しみといった感情はそうそうなくなりません。
数ある感情の中でも、「怒り」は特殊な構造を持っています。
なにか腹立たしいことがあると怒りを感じます。
・いま目の前でAという出来事があって、それを腹立たしく思い怒りを覚えた
普通はそのようになっていると思われるかもしれませんが、怒りに関しては実はそうではありません。
怒りはプール構造を持っていて、そのプールに過去にあった腹立たしいことの感情が蓄積していきます。
そしてそれがあふれたときに、実際の怒りとしてその人は感情をあらわすことになります。
ですから、Aという出来事以前に、B,C,D,E・・・・・・といった怒りを感じさせる出来事があって、それがたくさんプールにたまっている状態でAという出来事があったとき、怒りとして強く外にでることになります。
蓄積されている分、この感情はとても強いものになります。
これを制御するのは簡単ではありません。
なにかの怒りを抱えて、絶えずそれを外に出しているような人や、自身の怒りを押さえることを普段から頑張っている人は、精神的にとても疲弊してしまいます。
そのため、その感情の渦から目をそらしたり、その感情を鈍らせるために、お酒やなにかへの依存によって、無意識にそれを軽減するように動いてしまうこともあります。
さて、子育てにおいてもこれと同様のことが起こります。
むしろ、自分の子供を相手にしたとき、もっともその感情をだすことに歯止めがきかなくなるものです。
多くの人は、目の前の我が子の行動によって、自分がイライラしたり、怒っていると感じると思っているかもしれませんが、実はその元であるプールされた怒りは「我が子の子育て以前」のところにあって、単に我が子の行動はそのきっかけとなっているに過ぎません。
B,C,D,E・・・・・・は我が子とは別のところや、それこそ我が子が産まれる前から存在しているのです。
子育てをしている人の中から、こんな声がでてくることは少なくありません。
◆怒ってしまう自分が止められない
”そのことがそんな怒るようなことでもない些細なことであるのはわかっているのですが、どうしても子供への怒りが止められません。
子供を怒っている最中ですら、もうひとりの自分が「そんな怒ることないよ。それを言われて子供はきっとすごく傷ついているよ。怒るのをやめてあげて」とずっと言っているのがわかるのだけど、どうしても子供に怒ったり、意地悪なことを言ってしまうのが止められません。実際に子供を傷つけてしまっている自覚があります。
それがほぼ毎日です。
そのたびに、後悔して次はきっと怒らないようにしようと思うのだけど、結局その繰り返しで、どんどん自分を責めることになり、子供にも申し訳なく、正直言って子供と一緒に過ごすのがつらくて仕方がありません。
できれば、極力子供と離れていたいし、自分は仕事をしているときが一番充実しています。
きっと子供もこんな私と過ごすより、誰か別の人に預けられている方がいいのではないかと思います。“
こういったケースの背景にも、この怒りのプールが関わっていることが多いです。
つづく。
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