『児童虐待防止全国ネットワーク』のシンポジウムに行ってきました - 2018.02.05 Mon
第27回シンポジウム「メンタルヘルス問題をもつ親のもとで生活する子どもへの支援」
昨日、東京新橋にて行われた、こちらに行ってきました。
かなり密度の濃い講演、パネルディスカッションを4時間ぶっ続けというなかなか熱い会でした。
重いテーマにも関わらず、会場は満員で臨時のイスまで設けていました。
虐待への関心の高さがうかがわれます。
一般、当事者の方から、保育、医療、介護、学校さまざまな分野からの参加者がいらっしゃっていました。
一般に、「児童虐待」というと、それは悪いことというイメージがあります。
しかし、この問題は一方からの見方だけでは解決しないものです。
なぜなら、それは多角的な問題の表面に表れた一角であるからです。
今回のテーマは、「メンタルヘルス問題をもつ親のもとで生活する子どもへの支援」です。
メンタルヘルス問題とは、病のひとつです。
それはその人が悪いということではありませんよね。
しかし、その影響から虐待が引き起こされた場合、その人は「悪い人」ととらえられてしまいます。またその本人も、自分をそのようにみてしまいます。
すると、自分を守るために援助の手から逃れてしまったりといったことが起こります。
他にも、発達障がいや、貧困、複雑な家庭環境などなど、さまざまな要素がからみ合って虐待が引き起こされます。
虐待を本当になくそうと思ったら、虐待をする人を責めてもなにも解決しません。
そこにどういったアプローチができるかが、現代の課題となっています。
(「虐待に対して厳罰」といった方向では、市井の人の溜飲は下げても本当の解決にはならない)
しかし、そのアプローチ(援助、支援、その他)そのものも難しいことですし、それ以前に必要な人にそのアプローチを届けるためにどうすればいいかといった、その前の段階にも難しさがあります。
虐待防止運動はオレンジリボンをそのシンボルとしています。
ご存じない方は、上のリンク先に行っていただければわかりますが、リボンが輪になっています。
おそらくこれは、虐待にあう子供だけでなく、虐待をしてしまう大人へも手をさしのべますという意思の現れなのでしょうね。
こういった児童虐待への啓発によって、断罪ではなく社会的に許容的に受け止めていく姿勢ができることで、いまはまだ届きにくいアプローチの手が届きやすくなるのではないでしょうか。
実は、ここにおいて保育施設の役割は、他にふたつとない重要性を帯びてきます。
それについてはまたいつか。
“育つ"こと“育てる"こと 子どものこころに寄り添って (いのちのことば社) (Forest Books)
基調講演をなさった
東京都立小児総合医療センター副院長・子ども家族支援部門長 田中 哲先生のご著書です。
とてもいいお話でした。
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