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2018-10

子育てと怒り vol.5  ~目に見えない怒りをコントロールする方法~ - 2018.03.09 Fri

年度末が近づいてきて、なんだか忙しくしております。
コメントもたくさんいただいているのですが、ご返信する余裕がありません。申し訳ありません。

しばらく間が空いてしまいましたが、このシリーズの続きをちょこちょこと書けるところで書いていきます。


目に見えない怒り、自分では怒りと認識していない種類の怒りがあります。
それがあったら良くないということではありませんが、程度やバランスの問題でそのままではいろいろ難しくしてしまうこともあります。





一見それは、子供にルールを守らせたり、一般に「しつけ」と呼ばれることを子供に習得させようとする関わりとしてでています。

しかし、このとき「見えない怒り」が背景にある場合、それはその表の理由だけでないものがあるかもしれません。

それは表面上、その人その人の「規範意識」として存在しています。

例えば、「食事を残してはいけない」という規範意識を持っている場合。
その人は「食事のしつけ」や「健康のため」といった理由から、その子供に関わっているという表面上の理由を持っています。

しかし、人によっては、子供が残したり、食べこぼしをしたり、好き嫌いをすることに直面すると、イライラや猛烈な怒りを感じます。

もしかすると、その人がそのようになってしまう背景には、過去にその人がされた否定や自尊心を傷つけられたことが原因としてあるのかもしれません。

そこでためられた怒りのプールが、目の前の子供が残したりするきっかけを与えられてあふれ出てきます。


この怒りから導き出される関わりは、もしかすると自分が過去に受けた嫌だった行為と似たものになっているかもしれません。

もし、そうだとすると、それは怒りの、世代から世代へのバトンタッチになってしまいます。


これは実のところ、「子育て」そのものの問題ではなく、その人自身が持っている心のあり方に密接に関わる問題です。
それが「子育て」という場面に直面して吹き出し、多くの場合それが子育てに負の影響を与えます。

一見それは、「子育ての問題」に見えてしまうので、多くの人は「子育て」もしくは「子供の問題」と考えます。
でも、そもそも根っこにあるのは、子供自身の問題ではなく親の持っている問題なので、子供の行動を追及をしたところでそこに答えはありません。

大人が持っている怒りのプールに対処することが必要なわけです。



しかし、現実には、子育てを一生懸命しようとすればするほど、この子育てにおいて自分の怒りのプールをあふれ出させる状況を作ってしまいます。

まじめなひと、几帳面な人、神経質な人、自己肯定感の低い人、他者から子育てのプレッシャーを受けている人。そういった人ほどなりやすいです。

こういった問題はそれぞれが違うので、これで解決可能というわけではありませんが、ヒントになることをかければと思います。

できなければならないわけでもありません。
また、ムリなことはスルーした方がいいです。
やってみてできない結果にあたって、そこから深く自己否定をしたりしてしまうくらいならば、最初からやらなくたってかまいません。



◆ハードルを下げる(自分にも、子供にも)

規範意識を高く持っている人は、自分にもそういった「自分を律する」意識を強く持っています。
ですから、子供にどうこうと考える前に、自分を厳しく律することのハードルをさげるといいでしょう。
この意識が強い人は、そもそもそれが他者に比べて、自分がそれの強いことに気づいていないことも多いです。

心がそういう状況にあると、周りで子育てしている人をみても、なかなか「あら、あの人はずいぶんおおらかな子育てしていていいわね~。私もやってみよう」などとは思えず、むしろ、「なんであんな子供に甘いのだ。けしからん。だらしない親だ」といったように感じているといったことがあります。

こういう状況だと、他者との壁を高くしてしまったり、子育ても、自分の周囲の人間関係も難しくなりがちです。



◆ラクをする

自分を律する心のハードルを下げるためには、手抜きやラクを実際にやってみましょう。

「あ~今日はしんどいな~」
「仕事で嫌なことがあったな~」

などなど、そんなとき。
そんな理由などなくても全然かまいませんが。

いつもきちんとやっていることを手抜きしてラクをしてみましょう。

ご飯をレトルトですませてしまうとか、お弁当やお総菜を買ってすませるとか。
洗い物は明日でいいとか。洗濯物はたたまないとか。なんでもいいです。

大人がラクをしていくと、ピリピリとしていた意識がやわらぐので、規範意識に触れるような行動を子供が取ったとしても、怒りのプールがザブンと波打つことが減ります。

また、これは副次的効果ですが、子供も気持ちがラクになっていくので、いい姿が出しやすくなる場合があります。(ただし、反動で逆に難しい姿がでることもある。これは溜めていたものが大人のおだやかな気持ちに接して受け止めてもらおうとする行為なので、悪いものではない。その人からは一見悪く映るかもしれないけれど、ある種の前進)



◆自分を甘やかす

普段我慢してしまうことを、自分に解禁してみましょう。
甘いものを買って帰るとか、欲しかったものを買ってみるとか。
これも、規範意識をゆるめて怒りを出さない方に向けてくれます。



◆人を頼る

なにか人に頼ってみましょう。
断られたとしても、必ずしも「自分が拒否された」と取る必要はありません。
そのときはその行為をうけられなかったのでしょう。

頼れそうな人に頼ってみるのです。
別に深刻なものでなくてかまいません。

些細なことからやってみます。
例えば、スーパーなどで、店員さんに探しているものの場所をきいてみましょう。
当たり前ですが、教えてくれます。
「ありがとうございます。たすかりました」と言ってみましょう。

普段からそんなことができている人には、なんでもないかもしれません。

もし、あんまりそういったことをしたことがない人は、ちょっと試しにやってみて下さい。
きっとそこには何かがあるはずです。



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● COMMENT ●

おとーちゃん、まさに最近分かるようになったこと記事にしてくれてありがとうございます。おとーちゃんのブログがきっかけで人生良い方向に変わりつつあります。つい最近までの私は、完璧主義でやってもやっても満足出来ず、常に自己肯定感が低く、生き辛さを感じていました。子育てにおいても、例えば子供に絵本を読むのが苦痛で、でも読まないといけないと思い込んで苦しみながら読んでいました。絵本を読むのが苦痛なのは、小さいころ、自分が絵本を読んで貰った記憶が無いこと、かつ、親が絵本の定期購読をしていて自分で読まないと、折角買ってやってるのにと、責められたことが関係していると思います。思いきって心理士のカウンセリングを受け驚くほど心に変化があり、それが行動にも変化が出てきています。21日の講演会も楽しみにしています。

いつも素敵な記事をありがとうございます!
ここに書かれていること、少しずつ実践中です。
自分を緩めると、穏やかどころかしばしば罪悪感が出てきますが…。
でもこれはおとーちゃん様が言ってることが違うじゃん!!!て意味ではなく、
自分の中の問題だとわかっているので、更に深く自分を緩めるよう、自分と対話していっています。
子どもがいなかったらこんなに自分を知ることは無かったと思います。子どもが持っている、色々なことに気付かせてくれる不思議なパワーに日々感謝です。

恐ろしい話です

いつも読ませてもらってます。
このシリーズのお話のとても恐ろしいです。でも向き合わなければならない、と思いました。向き合うのは苦しいです。記事を読んでて、ドキドキしてしまう部分もあります。でも、子どものため、ひいては自分のためにこの問題に向き合わなければ、と思いました。
おとーちゃん先生も記事を書くのが大変な作業かと思います。
何度も読み返します。子どもが4歳の途中から、私の怒りが押さえられない ことが増えてきました。子どもも辛いでしょうし、私も苦しいです。でも、このシリーズの記事で、少し乗り越えられる気がしてきました。
続きを待っております。

ありがとうございます。
夫がまさにその通り(「○○になったら○○のせいだからな。」などなど、いろんな怒り)で困っていました。
昨日のお昼にラーメンを作って家族全員で食べようとしたときのことです。
夫がブラックペッパーミルを使い、私も使い、8歳の娘も自分で使い、5歳の息子は自力でできなかったため、私が挽いてやりました。
そのまま卓上に置きっぱなしのミルを見ながら食べる娘。
食べるのが遅いためテレビはつけないのですが、代わりにミルを見ながら食べています。
そのうち、娘は食べながら手が出てきてミルを触ってきました。
とたんに怒鳴る夫。
私はまたかと夫に嫌悪感。
私が「置きっぱなしにしていたのが悪かったんだよ、そんなに怒ることじゃないよ。」と夫を否定。
夫が面白くなさそうに片付けに行く。
しかし、違いました。私に原因があったんです。
このシリーズを読んで本当に反省です。
以前から夫が子供を怒鳴るたびに、私はどんどん夫を嫌いになって話もしたくなくなります。
そんな状況で「うんうんそうだねタイム」ができずにいました。
子どもが生まれるまで優しかった夫。
子どもが生まれてから子どもを怒鳴る夫。
もう嫌で嫌で仕方ありませんでした。
なんとか私が肯定したり、夫が目に付く前に片づけるとか、フォローしていきたいと思います。
真面目で家事も率先してくれる人なので、私が甘えすぎてしまいました。
それでも子どもたちは夫のことが大好きでいてくれるので、本当にありがたいです。
子どもたちに怒りを向けないように、私たちのハードルを下げたり、お互いに肯定しあっていきたいと思います。
どうもありがとうございます。

自分が子どもに腹を立てて怒る時、必ず脳裏に自分の母親が自分を叱っている過去が同時進行で蘇ります。怒りながら、すごく辛いんです。自分が言われて嫌だったことを同じ口調で言ってしまう。そして、頭の中の子どもの頃の自分が傷ついている。きっと目の前の子どもも、同じ気持ちでいるだろうに、止められない。自分の中に、腹立つ気持ちも傷つく気持ちもどっちも本当です。
おとーちゃんは、よくない子育てをしてしまうことに、しばしば自分の育った環境に原因があるように書いてくれますが、それを自分にだけ当てはめるのはズルいと思ってしまって。自分の母親に対して嫌だった記憶はいっぱいあるけど、だからって、子どもによくない関わりをしてしまう自分を許してはいけないし、また自分の母親も祖父母によくない関わりを受けていて、それが子育てに影響していたとしたら、辛かったけど、母を責められないし。
しかし、子どもが、親になった時に、いまの自分と同じ思いを抱えてしまうことだけは避けたいです。
怒るばかりで、他の言葉の引き出しを持たない自分が情けないです。

あなくまさんへ

辛い状況ですね。あなくまさんの頭の中の子どもの頃の自分をまず、癒してあげてください。環境に原因があると思っていいんですよ。原因が分かったら対処の方法もみえてきますよ。
世代連鎖とかインナーチャイルドで検索すると、助けになることが出てくるかもしれません。参考まで。

みかんさんへ

優しい言葉をかけてくださり、心の中が暖かくなりました。涙出るくらい嬉しかったです。ほんとは、コメントすることをためらっていました。自分の小さい悩みを大袈裟に書いて…と葛藤がありましたが、どこかに吐き出したかったんだと思います。まさかお返事をいただけるとは思ってもいませんでした。みかんさんの寄り添ってくれたお気持ちが、自分の中に起こる波を鎮めるお守りになります。ありがとうございました。


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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