『こどもの食事について Vol.2』 - 2010.08.18 Wed
昨日はじめて、「拍手コメント」というものに気がつきました。
以前からそういうものがあることも、自分がしたこともあったのですが、なんとなく自分のところにそういうものが着ているということに考えが及ばず、どこから見れるのか気にしたこともありませんでした。
ふと何気なくクリックしたところ、たくさんの拍手コメントをこれまでに頂いていて、昨日すべて拝読させていただきました。
これまでお返事もできずもうしわけありませんでした。
これからは気をつけてみるようにいたします。
通常のコメントだとメールが着て知らせてくれるので、過去記事に相談のコメントなど頂いてもお返事できます。
何かご質問とかありましたらお気軽にコメントなど頂けるとありがたいです。
不慣れなところも多々ありますが、これからもどうぞよろしくお願いします。
では、食事についてのつづきです↓
前回は、食事をするときに汚れるのを気にするあまり、大人が全部食べさせたりしてしまうのはよくないというようなことを述べました。
だからといって、逆にこどもに勝手に食べさせて放っておけばいいと言っているわけではありません。
食事のときの放置はこどもを不安にし、よい食習慣をつけることからは程遠くなってしまいます。
しかし最近、食事時の放置をする家庭がとても増えてきているようです。
こどもが勝手に食べてくれるからと、別室にいってしまったり、まったくの無関心でいたり。
こういう状態を続けていくと3歳くらいで座って食べない子になるのはほぼ確実です。
出来る限り食事のときはそばに座って、必要に応じて介助してあげたり、その必要がなくても暖かく見守ってあげましょう。
料理の準備などで離れなくてはならないときでも、出来るだけ見守りながらしてあげることが大切でしょう。
親も一緒に食事をとれる年齢であるならば、ともに食事をたのしむのが一番です。
こどもは親がおいしそうに食べる姿をみるからこそ、安心してその食材を口にすることが出来るのです。
こどもに苦手な食べ物があっても、親が「これおいしいな~」と食べる姿を見ていくことで、だんだんと食べられるようにもなっていきますよ。
「これは身体にいいのだから食べなさい」と栄養学の講義を始めてしまうよりも、「おいしいな~」と親自身が食べてみせることのほうが効果的だったりします。
以前にも書いていますが、よく使ってしまう「これ、やわらかくておいしいね」は禁句です。
固めのもの、歯ごたえのあるものをおいしくないと捉えるようになり、多くの食べられないものを生んでしまいます。
大人は「(硬いお肉があるのに対して)このお肉は軟らかくておいしい」という意味で使ったとしても、こどもはそういう風にはなかなか受け止めません。
ちょっと歯ざわりのあるレタスやキュウリすら、硬いものだと忌避してしまうことになりかねないのです。
おじいちゃんやおばあちゃんでも家族で使う人がいたら、そういうわけでこどもの前では使わないようにしましょうと伝えるといいかもしれませんね。
このことは逆によい方に使うことも可能です。
例えば、「これは歯ごたえがあっておいしいな」
「これ酸っぱくっておいしいね~」
など、こどもが苦手としやすいものを大人が口に出して肯定してあげるのです。
たったこれだけのことで食べる以前に拒否するようなことはぐっと減っていきます。
もし食べてみてだめなときは、「そだね~でも、大きくなると食べられるようになるさ」といってあげればいいことです。
些細なことですが、食事の際の定位置というのも大切なことです。
いつもきまった場所に座って食事をする習慣と言うのは、安心して食べられることにつながります。
これが座り場所が日々変わってしまうようであると、そのたびに目に見える情景に気をとられたりと食事に向き合うことがしにくくなりかねません。
こどもは大人が考える以上に周囲の環境の変化に敏感です。
食事をする時間の長さにもポイントがあります。
ヒトは最初の一口を食べてからおよそ20分で満腹中枢から信号が出るようになっているそうです。
つまり、たいして食べていなくても食事時間が20分間を超えてしまうと、それ以上食べられなくなりやすいのです。
だからある程度集中して食べる時間を持つことも重要なのです。
食がすすまない、食事に集中して向かえないからといって、いつまでもだらだら食事時間を伸ばしてしまうのは、よい食習慣の確立という点からはいいことではありません。
ある程度手伝ったりしてもすすまないようであれば切り上げてしまい、次からは一定程度の時間の中で食べられるよう配慮していくほうがいいでしょう。
それから「残食」という問題もあります。
かつては保育園でも幼稚園でも学校でも、とにかく残さず全部食べる。
強制的にでも全部食べさせるということをしてきました。
たしかに食べ物を大事にし、残さずきれいに食べることはいいことです。
できるならばそうであって欲しいと思います。
しかし、誰しも苦手なものがあったり、食べられる分量だって人それぞれ、また食欲のわかないときだってあります。
それでも無理やりにでも食べなければならないとするのは、食事を楽しいものではなく嫌なものとすることになります。
前回、最も食事で大切なことは、自分で喜んで食べようとすること。そしておいしいと食事を楽しく感じること。
このことができなければスプーンや箸がうまくつかえることなど瑣末なことだと述べました。
また今回も同じことが言えます。
最も食事で大切なことは、自分で喜んで食べようとすること。そしておいしいと食事を楽しく感じること。
このことができていないのであれば好き嫌いのないことや、残さず食べられるかどうかなど意味のないことです。
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● COMMENT ●
はじめまして。
No title
上の4歳の子は、とにかく葉物の野菜やきのこ類が嫌いです。
前は1口食べればヨシ!とかにしてたんですが、それでも嫌がるようになって、食事をし始める事自体を渋るようになってしまったんですよね。。
だから、これではイカン・・と、どうしても食べたくない物は食べなくてもいいよ、と変えました。
じゃー、お味噌汁のお野菜はちゃんと食べようか♪と続けると、
子供もうれしそうに「うん!」と、他の野菜を食べてくれます。
保育園では給食も残さず食べているし、これでいいかな~と思ってます♪
一口でも食べて欲しいなんて、今思えばなんの意味もないなと思える。
嫌いな気持ちを増幅させるだけだし、一口食べた所で、栄養的にも全然変わらないですもんね・・
No title
多分言ってないとは思いますが、うっかり言ってしまいそうな言葉ですよね(^^;)
食事中においしくないとかの否定的な言葉は使いたくないものです。
この間娘がポリポリとピーマンを丸ごと生のままで食べてる姿を義母が見て「そんなおいしくないもん食べんとこっちのきゅうり食べ~」と言ってピーマンを取り上げてしまったのですが、それ以来ピーマンの生のものはもちろん炒めたものもあんまり食べなくなってしまいました。
子どもってもともとピーマンとかは嫌いな子が多いし、偶然ピーマンを食べなくなる時期と重なったのかもしれませんが・・・。
何気なく言った言葉でも子どもは敏感にちゃんと聞いてますね。
義母は結構これは生臭いから嫌いとかよく言う人なので泣き寝入りせずにやんわりと伝えてみることにします。
あとうちの娘、食べる時に食べさせて欲しいと言う時があります。
きちんと食べる時は自分で食べるのですが・・・。
本か何かでそういう時は甘えさせてもいいと読んだような気がするのですが、これって甘やかしになるのでしょうか。
あと食事時間も最近は1時間以上かかることも多くて('〇';)
でもいやいや食べてるわけではなく、きちんと椅子に座ってほとんど残さずに食べるんです。
ペースが落ちてきたら「もうおなかいっぱい?」と聞くのですが、「まだ食べる」と言うし・・・。
テレビもできるだけつけないようにはしてるんですが・・・。
すごい時は1時間半とかかかっちゃうので横についている私も最後には疲れてしまいます。
長々とすみません。
あおむしさん
> いろいろと子育てのことをインターネットで調べていたらこちらにたどり着きました。
> とても読みやすく、面白くて分かりやすく、過去記事もゆっくりですが全部読ませていただきました。
はじめまして、よくこんな零細ブログがみつかりましたね~。
僕自身、自分のブログ検索で探そうとしてみつけられなかったくらいなのに。(笑)
たくさん読んでいただいてありがとうございます。
> 子どもって本当に大人の対応の仕方でこんなにも変わるものなんですね。
> とても奥深いですよね。
> これからももっともっと愛情をかけて子どもに接していきたいと思いました。
本当にこどもは大人の関わりかた次第で大きく変ってきますね。
良くも悪くも簡単に変ってしまうのが恐ろしいところなんだよね。
これからも子育て楽しんでいってくださいね
hanemama さん
だから食事を嫌がるくらいなら、苦手なことをみとめてあげるっていうのも手なんだよね。
まあ、一口だけと勧めるのも親の食べて欲しいっていう気持ちが伝わるっていう意味では無駄ではないのだけどもね。
そうそう、こどもってお味噌汁にいれた野菜だとよく食べてくれるね、食べやすいのかな。
さっちんさん
うん、「食べさせて欲しい」っていうときはまだまだ手伝ってあげていいと思いますよ。
それは甘やかしではないから、そういう場で手伝ってもらうことで受け入れてもらうことを確認しているのでしょう。
時間が長くても最後まで食べるのならば、それはその人のペースなんだろうね。
だからそれは尊重してあげていいと思う。
ただ、時期を見てある程度の時間内で食べることも伝えていくといいかもね。
幼稚園や学校などにいったときに、あんまり長いと困ってしまうからね~。
言葉がけ
うちの子も、1歳代の頃から硬いものが嫌いでしたが、
最近、気づくと「軟骨のから揚げ」や「揚げ餃子」「れんこん金平」等、硬いものにも好物が出来てきました。
内心「しめしめ!」(笑)と思っていたのですが、今回のエントリーを読んで、「そっか!さりげなく言葉にしてみると子供の中でより確実になるのか!」と気付き、
「こりこりした歯ごたえが美味しいよね~」と言ってみました。
「そう、カリカリしたとこが好きなの」と言っておりました。
「最も食事で大切なことは、自分で喜んで食べようとすること。そしておいしいと食事を楽しく感じること。」
そのとおりですよね。
食事中に「絵本読んで~」と持ってきたり、「おっぱい飲みたい~」と言ってきたり(2歳7カ月なのに。。)まだまだ散々な食事風景で、ついつい怒ってしまいそうになりますが、大切なことを忘れないように、楽しくおいしく食べることを心がけたいと思います。
miketarou さん
そんなところからもこどもは自信をつけて成長していけるんだよね。
>食事中に「絵本読んで~」と持ってきたり、「おっぱい飲みたい~」と言ってきたり(2歳7カ月なのに。。)
↑こんな風に甘えが出せるのも大事なことだと思いますよ~。
No title
1歳8ヶ月の娘を持つ者です。
ネットで育児について調べていたところ偶然こちらのブログにたどり着き、大変興味深く読ませていただきました。
子育てに関しては、正解というものがなくまた様々な情報が溢れかえっている事実を日々深々と感じております。
そんな中、こちらの記事は、ご経験と理論が盛り込まれていて素晴らしいと思いました!なるほどという内容ばかりでとても参考になります。
私の子育てに関して何か少しでもアドバイスをいただければと思い、コメントさせていただきました。
母として、やはり一番大変というか対応に困るのは食事の場面が多いです。娘はどちらかというと少食の部類にはいるかと思います。
お菓子とジュースはほとんど与えておりません。
週に一度、実家に遊びに行くと100パーセントジュースを半分に薄めたものと、たまごボーロを食べますが、これはおばあちゃんの家に遊びに行ったときのお楽しみなので問題ないと考えています。
好きな食べ物は、豆腐、黒豆、夏野菜(トマト、オクラ、キュウリ、ブロッコリー、枝豆、インゲン、パプリカなど)と、骨付き肉(手羽先と手羽元)で、豚肉牛肉は噛みにくいのかあまり食べません。あとご飯も好みません(ふりかけをかけても)
親の分は欲しがっても貰えないことになっているので、自分のオカズを完食し、その後は、ご飯をスプーンですくって他の器に移す遊びをしてしまいます。少食なので、ここでお皿をさげれば問題なく食事終了になってしまいます。仕方ないので、海苔を巻いたりしてご飯をなんとか私が食べさせます。おかずは自分でスプーンで食べるので、これでもまぁいいかと過ごしておりました。
ところが最近は、スプーンが嫌になってしまったようで、お箸を持ちたがります。また、私が娘に食べさせるときもスプーンを使うと嫌がります。もちろんお箸を持たせても上手に使えるはずもなく…時間ばかりかかって食べる量もぐんと減りました。
娘はスプーンは上手に使えます。
大人の真似が大好きで、食器洗いの後一緒にお皿を拭いてくれたり、洗濯物をたたむ真似をしたり、ゴミを拾って捨てにいったり、靴下を自分で履こうとしたり、脱いだ服を洗濯かごに入れたりしてくれます。私も少し手伝いますが、基本的に、すごいねー!これもできるようになったのー!ママ嬉しいなー!と娘の行動を褒めています。お箸を使いたいという娘の欲求に対して、どのように対応すべきか悩んでいます。何かアドバイスをいただけたら嬉しいです。
かれんまさん
子供が要求するからと、それに振り回されていたら子育てはいろいろなところでつまづいてしまいます。
正しいと思うことを毅然となさればいいでしょう。
>親の分は欲しがっても貰えないことになっているので
↑このように考えそうしているのですから、お箸に関しても同様に振る舞えばいいのではないでしょうか。
食事にかかる時間を短くしたい
3歳1ヶ月の男児がおり、あと1ヶ月少しで2人目出産予定の者です。
4月に入園も控えており、1時間かかることもあるのを20~30分で切り上げるにはどのようにしたら良いか、悩んでおります。
「完食してもらうとこちらも息子も嬉しい」というスタンスできてしまったせいかもしれません。息子は年齢の割には細身ですので、適量以上を出しているということはないと思います。少な目を意識して食べきらせてから、もう少し何か(好きなもの)食べさせたりはしています。
食器などで遊び始めたり、話に夢中になったりで、今までは朝食だけに見られていた傾向が、毎食になってきました。切り上げようと毎回「○分になっても食べ終わらなければご馳走様だよ」や「遊ぶならご馳走様だよ」と、下げようとすると、「食べる」と言って聞かず、こちらが罪悪感から負けてしまい結局完食まで付き合います。
食事の手助け(食べさせる)は、年齢からももう出来ればしたくないのですが、まだまだ必要なのでしょうか?
こちらのブログを知ったのは最近です。おおらかとは正反対の子育て(毎日のように怒鳴ってしまう、育児を楽しめていない)が悩みのきっかけでたどり着きました。これからも少しずつ読み進めたいと思っておりますが、この悩みは早めに対処し始めたかったのでまずご相談を…と思いました。
よろしくお願い致します。
鬼母さん
もしかすると、食事の際にお母さんが側にいてくれたり、向き合ってくれる、自分に積極的にかかわってくれる(それが例えイライラしたものであったとしても)そのような時間であることを心地よく捉えていて、長引いてしまっているのかもしれませんね。
>毎日のように怒鳴ってしまう
このあたりのことが安定できたら、自然とその食事に時間がかかるという問題は解消されることでしょう。
また、おそらくは入園した先ではその環境に合わせた自分というものを作り上げますから、「先のためにいま訓練しなければ」的な関わりはあまり必要のあることではありません。
よしんば、園に入って「食事が遅い」という問題に直面するならば、どうどうとそれに直面させて子供自身に乗り越えさせればいいというそれだけのことです。
「できること」にとらわれた育児は窮屈になります。
そのような目的ありきで、そこに子供を当てはめなければと思えば、大人のイライラも募ってしまいます。
「先回りした関わり」などで検索して書かれているようなことを試してみて、子育ての安定化をまずは目指すといいでしょう。
幼少期の子供の行動というのはそのほとんどが、満たされて安定して過ごすことができれば、あとからついてくるものでしかないのです。
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いろいろと子育てのことをインターネットで調べていたらこちらにたどり着きました。
とても読みやすく、面白くて分かりやすく、過去記事も
ゆっくりですが全部読ませていただきました。
うちには1歳8ヶ月の娘がいるのですが、いろいろな所で迷うことも多かったので
とても参考になりました。
特に、具体的な方法が書いてらっしゃったのがありがたかったです。
子どもって本当に大人の対応の仕方でこんなにも変わるものなんですね。
とても奥深いですよね。
これからももっともっと愛情をかけて子どもに接していきたいと思いました。