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2018-11

「がんばれ、がんばれ」の秘密 - 2018.08.21 Tue

「がんばれ」(頑張れ)は、一応「人を応援する言葉」と理解されているけれども、実はそれが意外と純粋のそればかりでもない。






以前、子育てが自己犠牲に知らず知らずおちいってしまう、またそのように仕向ける雰囲気があることをいくつか記事にも書いたけれども、「がんばれ」には、言われた人を自己犠牲的にすることによって、かえってその人を追い込む場合があること。これがひとつ。




もうひとつは、善意であれ、悪意であれ、その人の「現状の否定」を前提として「がんばれ」と言ってくる人がいること。

例えば、「もっと算数の勉強をがんばりましょう」という良く通知表に書いてありそうな言葉。
これは、「(現状あなたのその算数の理解ではダメなので)」という前提があって、「がんばれ」と言っている。
これは、「応援の言葉」はおまけに過ぎなくて、メインになっているのは「相手の否定」。

善意で言おうと、悪意で言おうと、「わたしはあなたの現状を否定します」というスタンスに変わりはない。程度の差だけ。

場合によっては、善意で言われることの方が相手を追い詰めることがある。
悪意で言われるのは、「なんだそんなのむかつく!」などと突っぱねることもできるが、なまじ善意でいわれてしまうと、それもできないのでより強く追い詰められる。


例では算数を引き合いに出したけれども、大人に対してもこの論法の「がんばれ」はたくさん使われている。
そして、「がんばれ」が使われる文脈で一番多いのも実はこれ。



◆松岡修造の「がんばれ、がんばれ」の秘密

「がんばれ、がんばれ」で有名なのはなんといっても松岡修造だけれども、彼の「がんばれ」はある意味で一般に使われる↑の「がんばれ」とは別の用法になっている。


彼は、「現状の否定」からの「がんばれ」ではなく、「あなたならできると私は信じている」という前提からの「がんばれ」になっていること。

また、そのスタンスが単なるポーズではなく、本心から本気でそのようにとらえている。

さらには、それを相手の責任にして言いっ放しなのではなく、自身の責任として「その人ががんばれる状況」を次々に提示できるスキルも持っていること。

どういうことかというと、
その人が、ある練習方法では(その人自身)満足・納得いく結果が出せない場合、次々とその人に適した練習方法を提示し、その人が頑張れる状況を自身の責任として相手に用意するところまで含めた上で、その人に「がんばれ、がんばれ」と言っている。

これはなかなかできることではなく、相手に厳しいのではなく自分への厳しさを前提に持っている。
だから、彼の「がんばれ」にはイヤミがない。


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● COMMENT ●

なるほど!

松岡さんのがんばれには、こういう背景があるのですね。なるほど!
自分も、子や周囲に、こういう、がんばれ、ができたらいいなと思いました。
がんばれる状況を提示できるスキルがないときは、がんばれ、はガマンして、肯定、なのかな

無責任な「頑張れ」に代わる応援の仕方

現状ですでに十分頑張っている人に向かって「頑張って!」と言う言葉を掛けることに違和感を感じて、じゃあ何と言ったらいいのだろう?と考えていました。(その人がしんどい状況に置かれている場合においては特に)
なので無難に、「無理しないようにしてね」と言ったりしたけれど、でもそれだけだと自分が思ってることがきちんと伝わってない気がして、もっと適切な言い方はないのかなと。要は「あなた自身が納得いく結果になるように応援してます」とか「たとえすぐには上手く行かなかったとしても、いまとても頑張っているあなたを私は支持しています」ということが伝えたくて、結局不恰好ではありますがそれをそのまま言葉にして伝えたのではありますが…。(全然言葉が整理されてないなぁと言う感が否めないですが。)
あとは、その人の気持ちや方針をとことんまで聴くことも、「頑張れ!」と言う言葉の代わりになる応援の仕方なのかなとも思います。(私は、その人が頑張れる方法を提示出来るスキルに乏しいので、せめて、どうしたらいいか一緒に考えることしか出来ませんが、その人だけの責任にして突き放してしまうような応援の仕方はしないように気をつけたいと思いました。)

マーク・トウェインの格言で、最近知ってとても気に入ったものがあります。
「正しい友人というものは、あなたが間違っているときに味方してくれる者のこと。正しいときには誰だって味方をしてくれるのだから。」
「あなたの大きな夢を萎えさせるような人間には近づくな。たいしたことない人間ほど人の夢にケチをつけたがるものだ。真に器量の大きな人間は自分にも成功できると思わせてくれる。」
松岡さんは特に後者の言葉を体現しているような方なのですね。


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