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2023-03

『こどもの食事について Vol.5』 - 2010.08.27 Fri

意外と知られていませんが、食事に際してこどもを「待たせる」ことはよくありません。

なんとなく日本の考え方のなかで、食事を前にして待つということを重んじる風があるようです。
学校などのみんなそろって「いただきます」とかの印象がつよいのかな?


ある程度の年齢、例えば3歳以上で社会性の芽生えてきた年齢ならばそれでいいと思うのですよ。
しかし、それ以前の乳児期の子にこれをすることはよくありません。






食べ物を目の前にして待たされたりするのはとてもイライラ感をつのらせ、その後の食事が荒れたりします。
食習慣の形成の前にはデメリットになります。
赤ちゃんから、乳児期にかけては「待たせない」ようにしましょう。

特に、この↓2箇所で待たせないよう気をつけて。

一つは食事のイスに座らせて料理を並べるまで待たせること。

もう一つは食事を目の前に並べてから、食べ始めるのを待たせること。


こどもを食事に呼ぶのはテーブルに用意を終えて、大人が傍につける態勢になってからすればいいのです。




不勉強な保育施設では、こどもにおもちゃの片付けをさせ、片付けを終えて「待たせ」。
トイレにクラス全員を行かせてそこで順番がくるのを「待たせ」。
食事のイスに座らせてテーブルに食事を並べるまで「待たせ」。
並んでからいただきますをするまで「待たせる」ところがあります。


「待たせる」のは自由を奪って拘束することです。
これを多くするのはけっしてこどものよい育ちにつながりません。

「食べる」というのは生物が根源的に持つ欲求です。
お腹が減るとイライラするものです。
それはかつては闘争心を起こすことで、活発にさせ狩りや採集などの食料を得る行為への活力となったのかもしれませんが、文明的な現在ではよりよい食習慣をこどもにつけたいという点からはあまりいいことではありません。

食べるものを前にして「おあずけ」のような行為をするのは、心をイライラさせその後の食事が穏やかにいけなくなることになりかねないです。
しつけの一環と称してあえて待たせることをする人もいたりするので、ちょっと心配です。


必要があって「待つ」のならいいのですが、この点を心に留めておかないと、多くは「大人の都合」で「待たされる」ことが多くなってしまいます。

家庭でも同様ですので、特に食事の前は「待たせ」ないでスムーズに取り組めるように、大人が配慮しましょう。

たったそれだけで、こどもの食事に向く意識が大きく変ってきます。

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● COMMENT ●

待たせるのはいけないことだったのですか~
1歳高月齢児クラスです。
うちのクラスでは待たせてます。手を洗ってから座らせ手の消毒スタイをして食事が並ぶのを待ち食べます。
それまでは手はお膝です。
子供はそれができるので保育士は満足している状態です。

その保育士さんにブログ見せてあげたいけどなぁ
きっと理解されないでしょうね

No title

いつも本当に目からウロコの情報がいっぱいです!
待たせるのはダメなことだったんですね。
たまたまそういうことはうちではしていなかったけれど、
特に気にもとめていませんでした・・
「しつけ」といわれればそれっぽく感じてしまうところでした。
保育施設でもいろいろな所があるんですね。
それもびっくりでした。

それと、質問に答えてくださってどうもありがとうございました!
とっても丁寧なお返事嬉しかったです^^
そうですね、うちの場合、小食でまだまだ好き嫌いが多いので
そこはちょっと改善しなきゃいけないところですが
それほど大幅に体重が減るわけでもないし
病気らしいものもほとんどないし心配しすぎなくていいみたいですね。
よかったです。安心しました~
本当にありがとうございました!!

あくびさん

保育所に限らず日本のこども関係の施設は、とにかく昔っから「集団での行動」を重んじます。

だから、当たり前に乳児相手にもそういう保育をしてしまうのですね。
ほんとに日本では言っているほど個性とか個人を尊重して、実際は関わっていないのですよ、残念なことです。

まあ、人員配置でそういう風にせざるを得ないってこともあるかもしれないけど、それも「大人の都合」でこどもを動かしちゃうってことだから、満足していいことじゃないんだけど、そういった視点自体持ってなかったりもするしな~。

実際問題、多くのとこがそういった古い考え方に基づいた保育してるのが現状だと思う。

あおむしさん

どういたしまして、こどもが育っていく上でいろいろなことがあるけれども、長い目でみてあげるのが大切なことだね~。

心配だから変えなきゃと思っても、どんなにうまく対応してもそんなすぐ変わるものではないし。
そこであせっちゃうとこどもに余計な負担をかけたりして、ほかに問題を引き起こしたりすることが多いからね。

子育ては楽しみながらが一番だよ~。


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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