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2018-11

連帯責任は最低の指導法 - 2018.10.24 Wed

コメントで複数「連帯責任」を子供に課す教員や指導員の話が出てきました。

正直言ってあまりにお粗末です。
教員は大学に行って、中には教育学部で学んで資格を取り難関試験を通って採用されている訳でしょう。
その人達が「連帯責任」などを振りかざして子供を指導、教育する。この21世紀に。
あり得ないほどお粗末です。

連帯責任というやり方は、人を伸ばす、もしくは教育するメソッドではなく、支配をするためのメソッドでしかありません。
これを教育と錯覚してしまっている人たちは、ただちに適切な研修なりが必要でしょう。





教育基本法の前文にはこうあります。

 我々日本国民は、たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家を更に発展させるとともに、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することを願うものである。
 我々は、この理想を実現するため、個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求し、公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する。
 ここに、我々は、日本国憲法の精神にのっとり、我が国の未来を切り拓く教育の基本を確立し、その振興を図るため、この法律を制定する。


さらに続く第一章 教育の目的はこうなっています。

第一条 教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。


さらに第二条 教育の目標の 二 には

二 個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと

このように書かれています。
太字にした部分を見て下さい。これら教育基本法のさらに基本のところに重複して、民主的、個人の尊厳、自主、自律が述べられています。

民主的とは、どんな小さな個人であれ尊重する態度のことです。
昨今では、しばしば多数決のことを民主主義であると短絡的な理解をする人が増えているようですが、それは誤りです。民主ということの基本理念は個人の尊重にあります。
多数派による決定というのは決定のプロセスとしてそれを用いるだけであり、個人に立脚する本来の民主主義は、多数決でものごとの決定をしたとしても多数派以外の意見の尊重を重視するという理念が大きく含まれています。

もし我が国が北朝鮮のような全体主義国家であれば、連帯責任を指導法として用いることに問題はないでしょう。しかし、まったくそうではないはずです。


さて、このように教育において、個人が尊重されるというのが現代の日本の教育の基本姿勢です。
なにも教育基本法を見なくても、近代社会の発展を基礎的な教養として当然持っているであろう教員という仕事に就く人間であれば、「自立した個人を育てること」が教育であるということを理解していなければおかしいほどのことです。


「連帯責任」とは、それらの真逆の行為です。

個人を集団の下位にいる存在と規定し、しかも、生徒のグループを相互扶助の目的でもちいるならばまだしも、集団に対して自分が劣っていないか、他者が集団から逸脱していないかという分断の方向で利用しています。

分断を利用して人を支配することは、近代社会おいてもっともしてはならないことです。


連帯、共生、ソリダリティ、ダイバーシティ、多様性。

これらの語を今日的なテーマとして目にしている人も多いことでしょう。

ソリダリティ【solidarity】が、ときに「連帯責任」の意味で使われることがないわけではありませんが、今日的なテーマとして使われるときのそれは、団結、結束の意味です。
つまり、分断とは正反対の意味で用いられています。

世界中の人々が、社会的な進歩を模索していかに結束した社会を作ろうとしているときに、学校で子供を導くべき立場の人間が安易に連帯責任を使い分断を支配の道具として用いる。

許しがたいほどの暗愚さであり、恥を知るべきです。


連帯責任を言う教員は、いじめの風土を醸成しているとも言えます。
それははみ出した人間を否定して良いという分断の理屈になっているからです。


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● COMMENT ●

ありがとうございます

連帯責任を取り上げてくださり、ありがとうございます。
おとーちゃんさんの発言で、連帯責任の不気味さが広まって欲しいです。

先生がおかしいと思ったときは、どうしたらよかったかな?と家で話し合います。学校批判にならないよう、気をつけてますがはらわた煮えくりかえってます!

これから学芸会の季節ですが、私は学芸会も大嫌いです。
言うことを聞かせるためにキーキーどなる先生。やりたい子もやりたくない子も同じやる気を求められ、イヤイヤやってる子は荒れる…

保育園はまだ良かったんです。出来ばえ重視じゃなく、子供達がやりたい範囲でやらせてくれました。先生の気合も入り過ぎず、出来ること、じゃなくて見せる楽しさをちゃんと追求してました。
まともな保育園は、学校よりずっと高度な人間教育をしてくれる、と思います。この差は何なんでしょうね?

連帯責任について

今二年生の娘の、昨年の担任の先生がそれをする方でした。

給食当番の子たちが支度が遅いので、先生が決めた時間までに給食の準備が出来なかったら、その班は次週も給食当番をさせられるというもので、本来一週間交替でしていた当番を娘たちは1ヶ月近くしていました。

当番自体が嫌だとかどうのと言うのでなく、班の中でもおかず係や配膳係、テーブル準備など個人で仕事が別れている為、遅くなってしまう子のフォローが誰もできない体制であった上での罰のような当番であることに疑問を感じ、娘と家で話し合って、どうしたら良いかを考える日々でした。

そのときは自信を持って連帯責任を取るという考え方がおかしいと先生に伝えられなかったのですが、今回のブログを読んで、あのときの私のモヤモヤが晴れました。

保育者の影響

おとうちゃんさん、こんにちは
幼稚園時代は、家庭がしっかりしていれば、子どもは大丈夫だと私自身も思っていますが、外で受けてくる影響も大きいものだなあ、と最近常々思っています。

園で、ある事で連帯責任(?)を取らされた時に、帰宅した娘が「〜のせいで〜できなかったんだよ」と話してきました。
正直驚きました。話しを聞きましたが、なんだかもうその子がどう感じていたかを考えると悲しくなり、またその時に娘が何を感じ思ったのかを考えるとさらに寂しくもなり、、

娘は最近、先生悪いよね、と言う時があります。
色々な考えがあるからね、と話しながらもなんだかな〜です。
否定と支配でまとめあげる(ようにしか私には思えない)クラス。それをきちんと見てもらえてる、と思う親も多い中、どうしたものかな〜、と考えています。

言い方を変えてもらうだけでも違うんだろうな〜とも思っているのですが、どうなのかな〜、、
難しいですね。

食育?

来春娘が入る小学校で、まさにそのようなことがあると在校生の方から聞きました。なにやら食育に熱心な先生のクラスで、給食を残すと罰として宿題が増えるというのです。しかも、連帯責任として同じグループのメンバーも増えるとか。あとは、給食に付く牛乳がなかなか飲めない子が、5限目の体育の時間になっても牛乳を持って見学していた、とか。
他には、完食シールというものがあり、全て残さず食べた人はシールを貼っていけるというシステムもあるそうです。
先日、小学校の学年主任と校長からの話を聞く機会がありました。小学校へむけてと題して、「給食で嫌いな食べ物にも箸をのばせる子に」とありました。全体的に話を聞いていると、小学校での生活を、スムーズにさせるために子供をこう育ててください、という内容だなと解釈しました。
自由な幼稚園に通わせていたため、ギャップに戸惑っています。
娘は嫌いな食材があります。アレルギーではないですが無理にたべたら気持ち悪くなり吐きます。私も主人も大人になってから美味しいと思えるようになった食材もありますし、子供のうちから好き嫌いは許さないという考えではありません。
その先生が担任になった場合、親としては食べれないものがあっても、給食を残してもシールなんか貰えなくても、気にしなくていいと言うつもりですが、学校では先生からそういう指導をされたとしたら、娘は混乱しないか、心配しています。


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