日本の子育て文化 排泄の自立 その2 - 2009.11.08 Sun
昨日は、・脳の発達が必要
・時間で排尿させると返って長引くことがある
・失敗の経験により劣等感を持つことがある
ということを書きました。
では、排泄を確立させる方法ですが。その1で述べたように、僕は早期にオムツをとるということを重視しません。その代わり、排泄の自立を通して身につけられる「心の育ち」を重視します。
難しく言えば、昨日のエリクソンの説明にあった「自律性の獲得」ということです。誤解の無いように言うと、早くとったから自律性が獲得できない、遅くとったから獲得できるというものではありません。
僕が保育士になったばかりのころ大先輩からこういう言葉を聴きました。
「私は、なんでもこどもができる力をじっくりためてからやったほうがいいと思ってるんだ。」
それは確か、お箸の使い方の話をしているときだったと思いますが、ほかの多くのことに対しても言えます。
排泄もそのひとつだと思います。十分にできる力が育ってからやるほうが、こどもの負担は最小限に達成感は最大限にできるでしょう。
まず、あせりは禁物。現在ではオムツは3歳までにとれればいいと考えられています。あくまで目途なのでなにがなんでも3歳ではないですよ。個人差を十分に考慮してあげましょう。
オムツでじっくりおしっこを溜めさせる。この経験をオムツをしている間に十分にさせる。理由は昨日述べた通り。
成長するにつれて(年齢は個人差)「おしっこでた?」など聞いたときにオムツをたたいたり、「デタ」などと反応をしめすようになることもあります。なければまだ排泄に対する関心がないのだね、それならそれでよし個性とか個人差だから気にしない。オムツ換えの際などに「わ~おしっこたくさんでたね~」「はい、これでさっぱりしたね~」などなど、心地よいコミュニケーションを心掛けることで少しずつ排泄に対する関心が高まったり、素直にトイレへ移行するさいの心構え、下地ができていきます。
ここで大事なのは、しつこく「おしっこでた?」などと聞かないこと。
「勉強しろ」「勉強しろ」「勉強しろ」ってずっと言われてたら勉強なんてぜったいしてやるもんか!みたいな気になるでしょ。こどももそれと同じだよ。しょっちゅう言われてたら、返って無反応になるからそれなりに出たころに、さらっと「おしっこでた~?」って聞くだけでいいのね。反応ないならないでいいの。「どれどれ、おったくさんでてるじゃ~ん。きれいしにいこ~」とか明るく言いながらオムツ換え誘いましょう。
個人差があるのではっきりしたことは言えませんが、僕は1時間くらいおしっこ出ないからといってパンツに移行しません。それより注目するのは「全般的な生活経験」というものです。
ときどき3歳で初めて保育園に入園する子でオムツの取れてない子がいます。それまで家庭ですごしていたけど、特にトイレトレーニングとかしてこなかった。というケースも少なくありません。
あれ、おかしいじゃない3歳までオムツしっかりしてたなら、脳も発達してオムツとれるはずじゃないの?と思うかもしれませんが、この場合はそうではないのです。障害があるとか、発達に遅れがあるとかでないのに成長がそこまでいってない場合があります。保育園ではこれをよく「全般的な経験不足」と呼びます。簡単にいってしまえば、「ずっと赤ちゃん扱いされていてとっても幼い」というとイメージしやすいかな。幼く育てられてきたので、排泄に限らず着替えや言葉の理解、食事、遊びや人との関わりなど全般的に経験が不足していてその年齢でできそうなことまで出来なくなっている状態です。まあ、これはさしたる問題ではなく、「おちゃなくってかわいいな~」などと言われながら半年から1年も集団生活をしていればたいてい追いつきます。
本論に戻ります。要するに、オムツを取る取らないはおしっこの時間の間隔のみならず、その子の排泄以外の様子、発達の程度を総合して考え判断します。逆に言えば十分な生活の経験をさせ、さまざまな物事を身につけていけば、排泄の自立にもつながるということです。
「物事を身につける」といいましたが何かを教えこむということではないですよ。普通にやることを、こどもにしっかりやらせるだけです。例えば「着替え」、よく「ばんざいして~」などと言って両手をあげさせて大人が服をひっぱって着替えさせますね。これは手早くて大人も楽チンですが、毎日生活習慣としてする着替えがこどもにとってはただ突っ立っているだけですね。僕はこうしません、1歳過ぎから大人が袖口をもってあげて、「手からぬいてね」と左右ともこどもが自分で袖から手をだし、脱がせるようにしています。もちろんちゃんと出来たときはしっかりほめます。これを毎回することで2歳くらいには、服をうらがえしにすることもなく自分で脱ぐことが出来るようになります。
その頃には脱いだ服をたたむことも、「はんぶんこはんぶんこ(たたむこと)してみる?」などと誘ってそれもできるようになります。けっしてやらせること(強要)はしません。したくないならそれはそれでよし、次のときはやるかもしれない、そして出来たら(うまくできなくても)しっかりほめます。『信じて待つ』が大事です。
(息子が通っている保育園は3歳になってもバンザイで着替えさせていて、脱いだものも裏返し、ぐちゃぐちゃのまま汚れ物袋にいれてました。昔の保育なんです、勉強不足すぎ・・。ハァ、悲しいな~)
そういうわけで、僕はトイレで排泄させようさせようと努力する代わりに、普段の生活習慣や遊び、会話、スキンシップなどをしっかりとやります。別に排泄の自立を促そうとしてやってるわけではないですが、こどもの成長に必要なことをすることで結果的に排泄にもつながっているわけです。まあ、これを排泄という視点からみれば、「外堀から埋めていくように」すんなりと排泄に移行できるわけです。
それ故に前回書いた、「15分で排泄に誘っていた男の子」はほんとに母子ともに実らない努力を必死にしていたと僕は感じたのです。そんなトイレットトレーニングをするくらいなら、その時間を散歩を一緒に楽しんだり、絵本を読んだり公園を走り回るほうがよほど心も育って、結果的に排泄の確立につながるでしょうから。
排泄の説明はやっぱり難しい、たくさん書いたけどまだオムツとって確立するところまで書ききれませんでしたね(笑) そういうわけでまた次回に続きます。ながなが読んでくれてありがとう。
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● COMMENT ●
No title
No title
トイレトレーニングを通じて、心の育ちを身につける。そう思うと、私のトイレトレーニングに対する考え方が変わり、私自身が気持ちにゆとりができるというか、出る前に教えてくれるようになるといいなぁっていう私の希望はありますが、強要せずにやっていきたいと思います。
あと服の脱がせ方、さっそく変えてみます☆ついさきほど、バンザイでパジャマを脱がせたばかりですが(汗)
コメントありがと~
勉強したことわすれちゃうのはしょうがないですよ。僕も勉強してるときはなんのことかいまいちよくわかってなかったけど、実際仕事で何年か経験をつんでから、「あっ、あれはこういうことを言ってたのか」って再認識できたから覚えていたようなものですから。心理学ってわりと基盤のあいまいな学問だけど、それでもエリクソンはほんとすごいと考えさせられます。
>けいさん
周りから「オムツまだとれないの?」なんていうとプレッシャーになったりしちゃいますよね~。でも大丈夫、はると君のペースでやればいいんですよ~
はじめまして
2ヵ月くらい前におとーちゃんのブログに出会いました。きっかけはトイレトレーニング。っと言ってもまだまだ始めるつもりは無く「皆どんなきっかけで始めるんだろう?」「いつ頃までオムツしてていいんだろ?」って感じで、悩んでいるワケではありませんでした。
でも読んでいくと今1番悩んでいる事が書いてあったので、凄く驚いて少し安心し「子育てって色んな事が繋がっているんだなぁ」と色々考えさせられました。
息子がもう2歳になるんだと思ったら、色んな事を振り返り考えるようになりました。そして色んな事が心配になってしまいました。「外
遊びや他の子供達と遊ぶ機会も少ないし、何よりも人付き合いが苦手な私とずっと2人で、私はこの子とちゃんとコミュニケーション取れてるんだろうか、言葉が遅いのは私のせいかな?理解力や意思の疎通もあまり感じられないし、同じ年齢の子より幼いような…」保健センターに相談にも行きましたが「言葉がゆっくりめだから幼く感じるのかな?」って言われ、何かスッキリせずに悩んでました。
そんな時におとーちゃんのブログを読み、原因は私の過保護にあったのかなと気付く事ができ、今は自分でわかる事から少しずつ変えてるところです。
私は何でもかんでもやってあげてました。着替えはバンザイだし、ご飯も食べさせてあげてました。離乳食の頃から食べてくれなかった心配など色んな思いがあっての事ではありましたが、今考えると全部自分が楽な事を選んでたように思います。
過保護が良い事だとは思ってなかったけど、そんなに悪いとも思ってませんでした。なので過保護により経験や成長を奪ってしまっていたなんて考えもしませんでした。それにより子供も自分でやらせてもらえない不満を感じていた事も…
今は、つい支えようと伸ばしてしまう私の手を「自分でやる!」って感じで思いきり振り払ってきます。最初は持ちたがらなかったスプーンも今は離そうとはしません。
まだまだ私もついやってあげてしまいそうになるけど、息子も主張できるようになってきたので、ハッと気付かされます。
本当に子供の為を思うなら心配ばかりするより信じてあげる事が大切なんでしょうね。
今おとーちゃんに出会えて本当に良かったです。これからもおとーちゃんのブログを参考にしながら、息子の成長を楽しみたいと思います♪
ゆうさん
少しでもお役にたててよかったです。
これからも子育てを楽しんでいってくださいね。
時期の見きわめについて
以前もコメントさせていただいたさくらです。
娘のおむつを外す時期についていろいろ考えていて、
おとーちゃんさんのお考えをお聞きしたいです。
娘は現在2歳8カ月ですが、まだおまるに座らせたり、トイレに座らせてみたことはありません。
少し身長が低めというのもあるのかもしれませんが、朝起きたときにおむつがしっかり濡れているので、膀胱の機能がまだ発達していないのかなと思います。
まだおしっこの感覚があまり空いていないこと、それから本人も濡れていることをあまり気にしていないみたいで、教えてくれることがありません。
ウンチなどは「出た」と教えてくれていた時期もありましたが、今は毎回教えてくれるということはありません。
これまで、住んでいた家が古く、トイレが結露でびしょびしょだったり、段差があったりしたこともあったし、娘の状態から見ておむつはずしはまだだなと思っていたのですが、近々新しい家に引っ越します。
今度の家は今の家よりもずっとトイレは使いやすいと思います。
娘には、「新しいおうちになったらトイレに行ってみようか」と話し始めてはいます。
排泄以外の面では、おしゃべりはもうかなりしますし、こちらの言っていることも理解しているようです。
絵本や時々私が見せたりしてトイレでおしっこをするということもわかってはいるようですし、お人形のおむつを替えるしぐさをしたり、ぬいぐるみを使って「トイレでしてるよ」などと話しています。
食事も座ってできますし、自分で最後まで食べます。
おとーちゃんさんにお聞きしたいのですが、おむつを外す時期なんですが、
・朝のおむつがあまり濡れなくなる
・自分でおしっこやウンチを「出た」と言えるようになる
が目安でしょうか。
おしっこの感覚が空くのは、本人の身体の発達の進み具合だと思いますが、自分で「出た」と伝えられるようになるために、こちらからはたらきかけてあげることはできますか?
もちろん「教えなさい!」とかいうのではなく、本人がしやすくなるような言葉がけなどはありますか?
今、まだイヤイヤ期のせいなのか、「おむつかえよっか」と言うと、「今、○○してるから~」となかなかしようとしません。
おむつがえはすごくいやみたいです。
そういうところも、おむつはずしはまだまだだなと思っていたところでした。
こちらで排泄の自立を読んでいたので、焦る気持ちはなかったのですが、
知り合いに「うちは1歳10カ月でとれたよ。親の頑張りも必要だよ」などと言われたりして、最近動揺してしまいました。
でも、教え込んだり、無理強いしたりせずに、本人が自立できるように勧めてあげたいです。
お忙しいところ、申し訳ありませんが、おとーちゃんさんのご意見をお聞きできればうれしいです。
よろしくお願いします。
さくらさん
>・朝のおむつがあまり濡れなくなる
>・自分でおしっこやウンチを「出た」と言えるようになる
こういったことを参考にはもちろんするけれども、「目安」になるとはあまり考えません。
時間があくようになったり、出たと言えるようになっても、まだ自立まで遠いい子もいるし、言えないのに自立できてしまう子もどちらも普通にいるからです。
とりあえず、夜間は時間がながいのでおいておくとして、日中でしたらどのくらいの時間もつようになっているのでしょうか。
2歳8ヶ月ということであれば、個人差も大きいので一概には言えませんが体の機能としてはほぼ整っているといっていい時期だとは思います。
そうなりますとあとは精神面・情緒面の問題ですね。
また、子供にしてみるとおむつでいることには安心感があるので、そこをなかなか脱しきれないということもあります。
そういうときには、「きっかけ」というものが大切ですので、全般的に排泄の自立ができそうと判断されるのでれば、引越しを期にトイレに行こうという話をしていることですし、そのときからやってみてもいいのではないでしょうか。
そしてそこでの経験を通して、認めたり褒めたりをうまく使っていければ、気持ちもだんだんそれに向いていけるのかと思います。。
ありがとうございました
よく言われている朝のおむつの状態や、「出た」と言えるかということばかり気にしていましたが、おとーちゃんさんの
>僕は排泄の自立において、機能的な発達よりも全般的な発達、主に精神面・情緒面の発達を重視してみていくので
というところでなるほどと思いました。
時間があくようになったり、出たと言えることが一概に自立ということではないんですね。
精神面を重視することも大切なんですね。
おとーちゃんさんも言われるように、引っ越しはほんとうにいいきっかけになると思います。
本人はおむつがえは好きではないみたいですが、先日「おむついやだったら、トイレでするようにすればいいんじゃない」と言ったらちょっと興味があるようでした。
それに、最近おもちゃの車にこしかけて「今おしっこしてるの」と言ったりしているのですわってするということもわかってきているようです。
ただ、まだ日中のおむつは2時間は持たないようなので、もう少し様子を見て、進めていきたいと思います。
今年もおとーちゃんさん一家のご多幸をお祈りしています。
お忙しい中、いろいろなコメントに真摯に回答していただいて大変だと思いますが、今年もブログを楽しみにしています。
ありがとうございました。
No title
息子のおむつ外しのタイミングや時期について、お忙しい中大変恐縮ですが、アドバイスをお聞き出来たら嬉しいです。
息子は今2歳7ヶ月です。
・朝のおむつはいつもたっぷり濡れています。
・自分でおしっこが出たと言える時もあれば、ほとんど出た事に気づいてないのか出たと言えません。ウンチは出る感覚が分かるのか「ウンチ出そう」と言ってくれるのですが、トイレでしたがらずおむつでする!!と言います。
・日中はおしっこの間隔が1時間くらい持ちます。
・おしゃべりはかなりします。
「トイレ行く?」「おしっこ行く?」と聞いた時に、嫌だとか行かない、出ないと言ったときは「そっか~また行こうね」とさらりと返しています。 「行く」と言ってすんなりトイレでしようとしてくれる時もあるのですが、トイレで数回しか出た事がありません。
どのように声掛けをしたらいいか悩んでいるのがトイレに座った時です。
出そうになさそうなので、「出そうにないなら終わりにしよう~降りようか」と言っても、「おしっこもう少しででるから」「まだ座ってる」と言って5分10分座っています。しまいにはトイレの紙等で遊びだします。トイレは遊ぶ所じゃないよ~、出そうなときに行くところだよ~、出なかったら降りようねと怒らずに(トイレに関しては怒らずに接すると聞いているので)言っているのですがなかなか聞いてくれず…どのように声掛けをすればいいか困っています。
以前、おとーちゃんさんの他の方へのアドバイスで、2歳7ヶ月くらいだと体の機能はほぼ整っている、あとは精神面情緒面の問題というのを見ました。また、トイレで排泄させようとする代わりに普段の生活習慣や遊び、会話、スキンシップなどをしっかりやると書かれていました。
私が未熟で理解不足で恐縮なのですが、
オムツを無理にとらずにオムツしたまま過ごしながら「おしっこ行く?」「トイレ行く?」と聞いて嫌だと言ったらそっか~とさらりと対応し、それを繰り返していくうちに自分でおしっこ出るなど言ってくれるようになるのでしょうか?
オムツを取るまではしっかりと貯める力をつけていくというのは時間の経過を待てばいいというわけではなく生活遊びの場面での経験自信をつけていく事で排泄の自立につながると書いてあったのですが、経験や自信をつけていく中で、どのようにして声掛けし、実際にはどのようにして実践移行していけばよいのでしょうか?
おとーちゃんさんの記事を何度も読み返したのですが、その実践のやり方についてどうしても分からなくて…
また周りの方はトレーニングパンツを使ってオムツがはずれたとか、だだもれでいいから思い切って布パンツにして濡れたりもれるという感覚を持たせた方がおしっこ出たという感覚が分かるから、トイレに行くようになったとかおまるでちゃんとするようになったとか聞くので、思い切って布パンツにしたほうがいいのかなぁと思ったりしております。
おとーちゃんさんはどう思われますか?このような方法は効果があるのでしょうか?
乱筆で申し訳ございません。どうぞよろしくお願い致します。
みなみさん
僕が過去に書いた排泄についての記事のいくつかは、安直に排泄にもっていってしまうことの問題点を指摘するものですので、あまり具体的なおむつの取り方ということについては書いていません。
排泄の自立は、個々それぞれの差が大きいものなので、それを書いてしまうとそれに合わせなければと子供に意識してしまう、働きかけてしまうことの弊害が予想されるからです。
>また周りの方はトレーニングパンツを使ってオムツがはずれたとか、だだもれでいいから思い切って布パンツにして濡れたりもれるという感覚を持たせた方がおしっこ出たという感覚が分かるから、トイレに行くようになったとかおまるでちゃんとするようになったとか聞くので、思い切って布パンツにしたほうがいいのかなぁと思ったりしております。
おとーちゃんさんはどう思われますか?このような方法は効果があるのでしょうか?
そういうことが有効な場合もあるでしょうし、子供によってはそうでないこともあるでしょう。
残念ながら、僕から実際の子供の様子がみれない立場として、具体的な排泄の自立のためのアプローチを言うことはできません。
そのようなことは、子供の状況や個性によってプラスになることもあれば、なんの役にも立たないこと、マイナスにすらなってしまうこともあるからです。
僕から言えるのは、その周辺の一般的なことだけです。
とりあえず、そういったことでコメントからわかることだけ書いておきます。
まず、けっこう重要なことなので確か過去記事にも書いていたと思いますが、「トイレや排泄の行為を遊びとして常習化させない」ようにしたほうがいいです。
これを子供にさせてしまうと、トイレに行く行為が「排泄」以外の目的のものとなり、排泄の自立につながらない、場合によってはそれを邪魔してしまうようになるからです。
ときには、「トイレ」をだしに使うことで、子供が大人の目を向けることや、言う事を聞かせたり、嫌なことを中断させたり、退屈になってきたときの遊びの手段としたりとなっていってしまいます。
けっこうきっぱりと僕はこれをさせないように、子供がトイレを遊びやそのようなことに使い出したと思ったときは、そこでやめさせます。
養育者が「弱い大人」になっていると、子供はわりと簡単にこの手段を身につけてしまいます。気をつけましょう。
あと、僕から言えるのは、「過保護」「過干渉」になっていないか確認してみるということです。
記事に書かれているように、排泄の自立は心の自立と密接な関係があります。
心が自立するように持って行っていなければ、いくらトイレトレーニングをしたところで、排泄の自立にはなかなか完全にはいたらないということです。
なので、過保護や過干渉が常習的になされていて、なかなか子供の心が自立に迎えない状況にあれば、排泄の自立も進んでいけません。
それゆえに、例えば「普段の生活習慣」と書かれたところは、服の着替えを自分でやろうとしたり、食事を最後まで座って食事に気持ちを向けて、ある程度自分で食べられたりするようになることなどの排泄以外のことが、結果的にはまわりまわって排泄の自立につながるわけです。
みなみさんのところがどうかわかりませんが、僕の経験ではトイレを遊びにしてしまう段階の子は、このような生活上の習慣もあまり確立出来てない段階にいることが多いです。
子供のもともとの育ちなどもあり、過保護や過干渉だけがこのようにしてしまうわけではありませんが、それらは大人が人為的にしてしまうものですから、もしそういう点があるならば、気をつけることで子供の成長にプラスになるわけです。
そしてそういった心の成長というのは、生活上のことだけでなく、遊びや人との関わり・会話(つまり人間関係や言語)といった能力、それから情緒が安定していたり、満たされていたりという心の有り様とも密接につながっています。
なので、まだ直接的におしっこやトイレの使い方を教えていく段階の前にいる子には、このようなそれ以外の部分を大事にしたほうがよいという意味なのです。
花をみて「きれいだね」と共感し、大好きなお母さんと追いかけっこやくすぐりっこをして楽しい時間をすごし、「今日も楽しかったね」と眠りにつく、そんななんでもないことも十分に子供の成長につながっていて、結果的には排泄の自立にもつながっているのです。
僕からお子さんの発達状況がどうなっているかわからないので、具体的なことは言えませんが、まずはそういった生活面・情緒面などの様子、普段の関わりの姿などを今一度確認してみて、それである程度自立の方向に心が育っていると思われるようならば、実際的な排泄のアプローチをしてみるといいでしょう。
その心の自立が伴っていない段階で、大人が焦りからトイレットトレーニング的なことをすることが、返ってうまくいかない場合があるということは過去記事に書いたとおりです。
>経験や自信をつけていく中で、どのようにして声掛けし、実際にはどのようにして実践移行していけばよいのでしょうか?
↑これに関しては、おおよそ「心の育て方」や「過保護と過干渉 」「子育てノウハウ? 」などのカテゴリに参考になりそうな記事がいくつかあると思います。(例えば『Fがない』の記事など)
No title
頂きまして本当にありがとうございます。沢山の方の悩み
を一人一人丁寧にかつ親身になって応えて下さるのはおとーちゃん
さんだけだと思います。
おとーちゃんさんの記事や他の方へのアドバイスを見て
どれだけの人が子供への関わり方を学び、救われたか…
いつも感謝しながら、ありがたくいつもの記事も今回のアドバイスも読んでおります。
おむつを外す時期について、私は周りのママさん達の話を
聞いて焦り、周りの子と同じようにしなければと思っていたの
だと思います。
おとーちゃんさんの言葉
「心が自立するようにもっていかなければ、いくらトイレット
トレーニングした所で排泄の自立にはなかなか完全にはいたらない」
という所に心から納得し、自分の息子への関わり方に
過干渉や過保護の関わりがあるかもしれないと気づかされました。
いくら親が頑張ってトイレトレーニング的な事をしたり、
トイレへの誘いをしても、心が自立するような親の関わりが
なければなかなか難しいのですね。
今一度、自分の関わりを見直し、自分でしたい!!とよく言って
いるのでさせてみるなど、トイレトレーニングのような事は
まず今おいといて、心が自立したなぁと思えるくらいにゆっくり焦らず待ってから、トイレへの声をしていきたいと思います。
本当にお忙しい中、時間を割いてアドバイス下さりありがとうございました。
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私もできるだけしつこくならないように「でた?」と聞くようにしてますが、できるようになるにつれて嬉しくなってしつこく聞いてしまっていたこともあります。
最近は自分から言ってくれることも増えたのでほとんど声かけせず、本人にまかせて、あとは数時間出ていないときとかに声をかける程度にしています。
排泄に関してはいろんな考え方があり、自分なりに色々研究して自分に合うものを取り入れているつもりですが、まだまだ知らないことばかり。
保育士の資格を持っていながらほとんど活用していないペーパー資格なので、もちろん「エリクソンの発達心理学」なんてもう全然記憶にありませんでした(^^;;
もう一度保育について勉強しなおしたいです~。
高い学費払いながら何していたんだろう。あの時はいつかこどもを生んだ時に役立つなぁ~なんて思ってたのに(^^;)
本当に毎回毎回勉強になります。