しつけと子育て vol.1 - 2019.06.17 Mon
子育てをシンプルにするために、「できる子やちゃんときちんとした子ではなく、かわいい子を目指しましょう」というお話をしました。
メッセの講演ということで当日来られる方もいるので、あまりネガティブなことに触れないようにお伝えしました。
講演の後、ホールの入り口で1時間くらい、いろんな方の相談を受ける形で皆さんにお伝えする講演の第二部みたいな形になったのです。
その悩みを受けていて、もう少し突っ込んだ話をしてもよかったかなと感じましたので、少しここで掘り下げておこうかと思います。
子育ての悩みは、個々に違うので一概には言えません。
しかし、子育てメッセに来てさらには講演まで聴こうという人は、そのほとんどの方が子育てに一生懸命な方であることでしょう。
すると、子育てに一生懸命さゆえの問題に直面しやすい傾向があります。
<子育て上の傾向>
・過干渉
・過保護
・依存
・過剰なしつけ行為
<子育てする大人の持つ傾向>
・不安、心配の大きさ
・まじめさ
・自己否定
・自己犠牲
たとえば、こういったものが強くなります。
相談の中でいくつかでていたのが、過剰なしつけ行為による子育ての諸処の問題です。
大人の持つ規範意識 → しつけによる子供への否定・干渉 → 子供の反発やそこからの反動 → その姿に対する大人からの直接的否定。同時に大人のイライラなどのネガティブな心境が子供に与える目に見えない否定 → 肯定不足から来るネガティブな子供の姿 → (以下ループ)
子育ては常にバランスなので、こうした関わりをしたからといってそれが即、子育ての破綻ということになるわけではありません。
それの程度次第で、一生続くほどの問題になることもあれば、一時的なもので終わること、バランスがとれて結果オーライになるものなど、それぞれです。
ただ、この子育ての枠組みの中でいると、そうした難しさとは常に隣り合わせとなりかねません。(さらには、大人の側の問題が過剰に投影される可能性がある)
そこで、この枠組みから少しでも距離が置けるようにというのが、この講演のテーマであった「子育ての方向はかわいい子を目指すこと」ということです。
「できる子」「ちゃんと、きちんと、しっかり」「よい子」「正しい子」を目指すのではなく、ただかわいがったり肯定の関わりをすることで、人を信頼できる子供にしていけばいい。人を信頼できるようになれば、規範意識は子供が自然と信頼関係を通じて習得する。
「かわいい子を目指す」というのは、「親であるあなたが頑張って努力してかわいがりなさい」という意味ではない。親自身もムリをしたり、我慢を重ねる方向で子育てを考えるのではなく、むしろ素の自分を出したり、ポジティブな感情もネガティブな感情も出すことでムリのないところを模索していく。というのがこの講演の骨子でした。
◆
しかし、この規範をゆるめるのが難しいことでしょう。
・社会的なプレッシャー(いわゆる周囲の目線)
・自身が要求されてきた既得の価値観になってしまっていること
・価値観のみならず、強く感情に入り込んでいるので、子供が規範に沿った姿を出さないことにより、コントロールしきれない怒りやイライラなどの感情のうねりがあること
・不安、心配から「いま持たせなければならないのでは」といった強迫的な気持ちが強くなること
日本の子育て観では、こうした「規範の習得」に大変重きを置く形になっているので、ここからくる弊害にブレーキをかける機能がないとそのまま難しい状況が悪循環を生み、それがさらにさまざまな難しさを呼び込んでしまいます。
程度の問題だから、「そういうときはこう関わっていくといいんだよ」といった、否定でないアプローチを知ることでブレーキになりバランスが取れる人もいることでしょう。
会場では、肯定で積み重ねていくアプローチをいろんな例を取ってお伝えしました。
それで済む人はいいのですが、その程度が重い人はおそらくそれでは解決しないことでしょう。
今回の講演は、会の性質上そこまで踏み込みませんでした。
ここでは、いま少し深くみていきましょう。
つづく。
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一生懸命に育てている上の子に対して悩みがあり、いつもうまくいきません。
自分のイライラなどブレーキがきかず
いうことを聞かない子どもに手をあげてしまったり、どうにもいかず
お前なんか捨ててくる、嫌いだと
傷つけてしまうことまで言ってしまうようになりました、自分がコントロールできまさん
そうすると子どもも同じように
下の子や私にするようになりまた怒れしまって悪循環です。
自分に原因があるとわかりつつ
子どもが思い通りにならなかったり私の話を聞かないと尋常でなく怒りが涌き出てきます。
本当に可愛がれなくて
可愛く思えなくて辛いです。
子どもが寝てる時間や
あそびに集中してる時間はほっとして可愛く思えます
ちなみに下の子は可愛くてしょうがなく
なにをしても許せてしまいます
自分も寛大になれます
どうしたら、上の子を可愛がれるのか知りたいです