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2020-04

【保育】支配しない保育 - 2019.12.23 Mon

今月予定していたふたつの保育研修が満員の内に無事終わった。

1,受容と信頼関係の保育 ~子供を支配しない保育~
2,自主性・主体性の保育 ~「つくる」から「伸ばす」へ~

保育をする上でもっとも大事なのが、そして難しいのが「支配しないこと」。
どちらの研修のテーマも、支配でない保育の形を浮き彫りにしようとするもの。

支配には、わかりやすい威圧的な強い支配もあれば、強く出ているわけではないので一見わかりにくい優しい支配。そして、保育者が自分の価値観に子供を合わせようと型にはめるタイプの支配もある(承認欲求の保育や子供の搾取になる保育)。

そもそも日本のかつてからの一般的な子育ての形が、子供への支配を旨とするものでそれが保育の中でも無自覚に行われ、「支配をしなければ保育など成り立つわけがない」といった考え方をしている保育者もめずらしくない。

僕の講座には、現に勤めている施設のやり方が支配的でそれに対して「なにかおかしい」と感じる方が来ることも少なくない。



僕の講座には、現に勤めている施設のやり方が支配的でそれに対して「なにかおかしい」と感じる方が来ることも少なくない。

元々支配型の保育をしている施設が多いことに加え、近年の保育施設の急増にともない安易な支配の保育になっているところはさらに増えていると言える。
別にその人たちに「子供を支配してやろう」というつもりはなくとも、専門的な理解なしに保育をすると結局のところ支配の保育になるのが現実だ。

支配の保育は保育をする側にとっても負担。しかし、それ以外の方法を知らなければ、それを繰り返すしかなくなってしまう。


僕はこうした支配にならない保育の理念と実践を、保育士経験が浅い人と経験のある人両方に受けて欲しいと考えている。

実務経験が浅い内に支配の保育を身につけさせられてしまうと、それは容易にぬぐい去れなくなる。
そのまま年数を重ねて、それが自身の職務スキルになってしまうとそれを是正することはとても難しくなる。
経験ある人、それこそ支配でない保育ができる人には、周囲の人に伝えることができるようになってもらうために、保育スキルの言語化のプロセスとしてこの研修を受けてもらいたいと思う。


保育界は、仕事を伝えること、後進を育てることが下手だとはっきりと言える。
そのため本来専門性に裏打ちされていなければならない職務が、個人の人格や、個人のスキルに任せきりになってしまっている。これだと保育の質は下がりこそするが上がっていくことがない。
預けている保護者の側からすると、たまたまいい人に当たるかそうでないかになってしまう。それではとても保育士の専門性を社会的に認めてもらえることはないだろう。


さて、僕が支配でない保育を重視するのには、もう少し別の視点からの見方もある。
それは、現に大人になっている人で生きづらさを感じている人の背景には、この「支配」が大きく関わっているからだ。

幼少期から、過度な支配や自尊心を傷つける支配を受け続けていくと、その人も支配をせずにはいられないメンタルを持たされたり、自己肯定感の低下や自尊感情の低下、意欲の低下、人やものごとへの大きな怒りなどを持たされ、生きづらさに直面することが多くなってしまう。

僕は保育とは福祉のひとつだと考えているので、単に目の前の子供というだけでなく、その子そして家族の幸福という視点が大事だと思っている。
だからこそ、保育者自身がまず、支配を使わなくても子供と関われ、子供を育てられるということを理解、実践し、そうした支配による難しさ生きづらさを抱えてしまっている人も援助していくことが必要だと感じる。


子供を支配しない保育を実践できるようになると、保育は本当に楽しい仕事。また、その施設がそうしたスタンスを持てていると、そこの保育士たちは他者と適切に関われるスタンスを持てるようになるので職場環境も著しく良くなる。
保育施設における人間関係の難しさの話は山ほど聴く。そこには「支配」に無自覚な日本の保育のあり方が関わっているのではないかと思う。


今回のふたつの講座は早々に満員になってしまったために、参加できなかったという声をたくさんいただいた。
日程調整と会場の設定をして来年春に再度行う予定。
おそらく、またPeatixを使って募集をする予定なので、
https://peatix.com/user/5063934/view
こちらをフォローしていただけると新規講座をUPしたときにお知らせがいち早く届くと思われる。

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● COMMENT ●

支配保育をしている人に責められた受容を大事と考える保育士です

私は、若い頃支配保育が普通の私立の幼稚園に勤めてきて、違和感を感じ、地元に帰り先輩たちのもと受容保育を学び、それを大切にしてきました。
しかし、保育園が私立化し、働く人たちがガラッと変わり、その中に一見優しく見える支配保育をしている人がいます。

一見正論を言ってるように聞こえるし、威圧保育のほうが、子供が落ち着くのが早いのでうちのクラスはできている!と自信と正論で、受容を大事にしている保育を攻めてきます。

私は、耐えられなくなり辞めるんですが、普段あまり保育の内容を見ない園長も保育研修でも、子供達がきちんとできるので、威圧保育をしている先生は認められるというか、褒められています。

受容保育をしていると、

子供を甘やかしすぎ!もう4歳で来年年長なんやけん、そんな保育していたらだめ!
子供らは人を見てしてる!私が保育するときはもっとちゃんとやってるよ!この子達。

というような事を言ってきます。

きっとこの園も受容保育している先生は甘いと言われ、保育が一本化し、いなくなるでしょう。

本当に大事なことは違うと大きな声で言いたいけど、受容保育の子供たちの方は1年かけて成長していくから、できないと言われてしまうから、何を言っても言い訳と言われるので言えません。何か、相手を納得させるものはないでしょうか。

ブログが商業的、哲学的、神様みたいにになっていて驚きました。
今5歳の子が赤ちゃんだった頃、保育園にあずけたてで自分のほうが泣いていたころ支えていただいていた雰囲気はもう感じません
お世話になりました。本当にありがとうございました

名無しさん

名無しさん
それでも、おとーちゃんに支えられた時があったんですよね。
私もおとーちゃんに支えられました。
最近ではちょっと遠い人になってしまった気がしますが、このブログにお世話になり
プラスになったことは変わりません。


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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