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2020-06

性教育と子育ての問題 vol.1 - 2020.04.27 Mon

性教育と聞くと、それは思春期とか子供が大きくなってからのことと考える人も少なくないと思う。
でも実際は、そうした年齢になっておもむろにやったからといって適切に身につくものではない。
そもそも、性教育は性の問題についての学びと考えられがちだが、実はそればかりではなく自分や他者との関係などの根っこにつながっている。
例えば、近年増えていると言われる未成年の自殺未遂やリストカットといった問題もここにつながってくる。
僕はこうした分野の専門家ではないが、思うところを書いてみたい。なにかのきっかけにでもなってくれればうれしい。


◆性教育は0歳から始まっている
性の問題の根っこにあること。それは自分を大切にすること。
自分を大切にできない人が他者を大切にするのは難しい。



大きくなってからの性の問題の多くが、他者を大切にできないことに集約されてくる。
では、大きくなってから「他者を大切にしましょう」と教わったからといって、それができるようになるか?答えはNO。
それができるためには、自分を大切にされ、自分自身を尊重できる心が育っていなければ、いくら後にそれを道徳的に教え込まれたところで人はそれを身につけることは難しい。
自分を大切にされ、自分を大事にする気持ち(自尊感情)を育まれてきたことによってそれが可能になってくる。

これまでの日本の子育ての方法の中には、子供の自尊心を傷つけることがナチュラルに含まれている。

例えば、言うことを聞かなかったり、なにか間違ったことをしたときにそれを正そうとして、どこかに閉じ込めたり、家に入れないとしたり、置いていくと脅したり。または、何々してあげない、どこどこに連れて行ってあげない、などの攻撃的な言動したり。
こうしたことを当たり前のこととして無自覚に使ってしまう人も少なくないと思う。

日本の「しつけ」という子育ての方法には、こうしたことが当たり前に含まれてしまっている。
もし仮に、これを大人である自分自身が会社・職場でされたら、それはモラルハラスメント、パワーハラスメントと言われることだろう。

子育てにおいて、こうした行為はされた子供の自尊心や心の安定した形成、他者との適切な関わり方を身につけることをはばんでしまう。


大人で、ドメスティックな男女関係・対人関係での問題は多い。
そうした根っこには、このような自身の成長過程での感情や人格形成が関わっている。

だから、性教育とは思春期になってぽっとやればいいわけではなく、小さい頃、それこそ0歳の時から大切にされ、肯定され、なおかつ自尊心を攻撃されずに安定した情緒の中ですごし、負の感情を形成されずに子供時代をおくることが関わってくる。


では、子育てをする親自身、大人自身はどうなのだろうか?
親自身が、もし自分を大切にできない人であった場合、子供を大切にすることは難しくなってくる。
これは、そういう人は子育てができないと言っているわけでも、責めているわけでもない。
子供を大切に思っていても、実際どう関わったらいいのかがわからなかったり、大切に育てようと強く思っていても子供の自尊心を傷つけることを止められなかったりする場合があることを述べている。
この問題に僕は多くの人の相談を受ける中で数多く直面してきた。

子供を大事にするとは、まず自分を大事にすることから始まる。
このことを覚えておいて欲しいと思う。

子育ての中で子供の自尊心を傷つけてしまう人の少なからずが、自己犠牲的な人格を形成していたり、自己犠牲的に子育てを頑張ろうとしてしまっている。

「自分が大事、あなたも大事」
これが性教育を考える上でも、人権を理解する上でももっとも基礎にあること。

大人も自分を大事に思っていい。
自分を犠牲にした分だけ子供を大事にしていると考える風潮が、どうにも日本の子育てにまつわる文化の中にはあるようだ。(例えば、布オムツでなければならない、母乳でなければならない、愛情弁当などといった考え方の中にもそれは含まれている。これらは主に母親の自己犠牲を要求している)
これはもはや過去のものと考えた方がいいだろう。


・子供を大事にすること、自尊心を傷つけないで育てることが性教育の基礎
・子供を大事にするためには、大人自身も自分を大事にすること


今後も、こうした性教育について思うところを時間のあるときに書いていきたい。

性教育の問題は社会のあらゆる所につながっていると僕は感じている。
例えば、男女間の賃金格差。
現在の日本では圧倒的に女性の所得は男性に比べて低くなっている。
これは、どストライクに性の問題と直結していて、もし社会の中で適切な性教育がなされれば解決に近づく問題。
だから、性教育は大事。ものすごく大事。

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● COMMENT ●

自慰行為

コメント失礼します。性教育のテーマでご相談します。7才になった男の子がいます。一人っ子です。股間を私や夫に押し付けて上下に動かしてきます。本人はチンチン体操と名付けて気持ちいいからと無邪気です。…自分の幼少期を思うとこっそり行っていたので、頭ごなしに否定しても良いものか解らず、「人前ではやらないんだよ」「ひとりでこっそりやるんだよ」と伝えていますが、中々止まず…その対処でいいのか日々悩んでいます。アドバイス頂けたら助かります、よろしくお願いいたします。

2歳の息子との自粛生活でちょっと疲れ気味です。
イライラしすぎた日は、このサイトを覗いて気持ちを落ち着かせてもらっています。

おとーちゃんのオンライン座談会があったら参加したいのですが、予定はないでしょうか…?
おとーちゃんと少し話せるだけで、元気になれる人が沢山いると思います!
なかなか難しいかもしれないのですが、検討していただけると嬉しいです。

Re: 自慰行為

基本的にはその対応でよろしいかと思います。
自慰行為は時間の経過のなかで、成長や経験によってやんでいくことが多いです。
もし、なにかお子さんに過剰なストレス要因がある場合、それを軽減することが必要な場合もあるようです。
ストレス要因は、例えば強く叱られる、過干渉、厳しい習い事、不適切な保育など。

Re: タイトルなし

やってみます。

お答え感謝です

対応の方向が大きく外れていなくて安心しました。強く言わなきゃいけないのか悩んでいました。

どちらかというと、甘やかしすぎと友人にも言われているので、厳しい対応はない方なのですが、過干渉は気付いていないだけかもしれず。

年齢を経て自然になくなる事と、ストレス要因について、よく考えて軽減したいと思います。
本当にありがとうございましたm(__)m

本当にその通りだと思います

「相手が要らないと答えたなら、紅茶をいれるのをやめてください」
イギリスの警察が2015年に公開した動画が、性行為において相手を尊重することを、紅茶に例えて、とてもわかりやすく説明してくれています。
ご存知かもしれませんが、お時間のある時に、一度ご覧になってみてください。

Re: 本当にその通りだと思います

ありがとうございます。
その動画も存じ上げております。
僕もこの「同意」が、まさに性教育の核心だと考えておりますので、それについても触れていこうと思います。


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