おふざけばっかりになってしまう子供 -過保護と過干渉- その2 - 2010.10.16 Sat
4歳児を担任していたときです、普段はどちらかというとおとなしい子なのに何かを伝えたいとか、注意しなければならないときになると特におふざけになってしまいアプローチしにくいな~という男の子がいたのですが。
その時は「見ているテレビなんかの影響でこうなっているのかな?」と思っていました。
月齢は4月生まれでとても高く、身体もしっかりしているし、頭を使って遊ぶことも上手なのだけれども、どうも普段からオドオドしているし、自分に自信がもてていない様子の子でした。
また、対大人だけでなく友達と関わることもその年齢にしてはうまくありませんでした。
なんとか自信をつけてあげたいとは常々思っていたのだけど、関わろうとすると引いていってしまうのでうまく関わりきれないままでした。
それから数年経ってしまいましたが、なぜその子がそういった様子になってしまうのかがようやく自分なりにわかったような気がします。
その子は人と関わる上で「おふざけ」にならざるを得ない状況にあったのです。
その原因は「過干渉」であったと思われます。
お母さんは、かなり細かい人で何かというと注意されることが多かったです。
また1つ年下の妹がおり、「お兄ちゃんだから~~」「お兄ちゃんなのに~~」という風に言われることも多いようでした。
小さいうちから日常的に大人の関わりの多くが、注意・小言・口出しといった類のものであると、子供は大人からのそういった関わりを回避しようとするようになることがあるようです。
それが寡黙な子にしたり、大人の話を聞けない子にしたりすることもあれば、こういった「おふざけ」をすることで真正面から大人の関わりを回避する。
または「おふざけ」をアピールすることで大人から良い(注意などでない)関わりを引き出そうとしてくる子にしてしまったように感じます。
もちろん、4~5歳という年齢はふざけたりするのが年齢的に楽しくなる時期でもあるので、注意をたくさんされていない子でもおふざけばかりになってしまうという時期はあります。
それならば別になにも気にすることはないのですが、大人からの関わりを回避したりするためにそうなってしまうのは、人格形成上気になるわけです。
最初にあげた4歳の男の子は特に表われ方が顕著だったのですが、こういった子は少なからずこれまでにもしばしばみかけます。
最近このことに改めて気づかされたのは、周りに同じような事例が複数あったためです。
そのうちのいくつかは小さいうちからの過干渉の様子を実際に見てきて、やはり4歳くらいの時期に「おふざけ」による大人からのネガティブな関わりを回避する、予防しようとするという行動を現すようになってきました。
そういったことから、さかのぼって先の事例の4歳の男の子のことが思い至ったわけです。
あのときそのことに気づけていたら、また違ったアプローチもできていたかと思います。
そのことが心残りです。
そのお母さんも、子供が人と目が合わなかったりオドオドした様子が多いことに気づいてはいたのだけど、原因がそういったところにあるとは気づかなかったことでしょう。
早いうちにそういうことに気づくことができたら、また彼の『育ち』というものは変っていたかもしれません。
今回あげたことはあくまで「過干渉」の内の一例です。
他にも「過干渉」の及ぼす影響はさまざまにあります。
前回も述べたように現代の子育ては「過保護・過干渉」というものになりやすい面があるので、カテゴリ『過保護と過干渉』を設けました。また機会がありましたらまとめて行きたいと思います。
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● COMMENT ●
No title
sachi さん
> そこで思ったのが、ママが子供に謝らせすぎてるのかな?とか子供の行動に制限をかけすぎていてストレスが溜まってるのかな?なんて思えてきました。
>
> ちょっと危なそうなことをすると、すぐにダメよと止めさせたり、砂場遊びの中にも水はダメ、裸足はダメなど制限が多い気がします。
↑こういうのはかなり強い干渉になってしまっていますね。
そのお母さんが早めに自分のしている行為が子供のそういった様子を出させてしまっているんだときづかないと、それらの(蹴ったりする)行動をやめさせようとさらに強い干渉・否定を積み重ねていってしまうことになるので、どんどん悪循環に陥ってしまうおそれがあります。
> →楽天のウィジェット、私もよく分からないんですが、そのブログの持ち主ではなく、ブログを見ている人が楽天でチェックしたものが載るのかなって感じてます。
なんかどうもそのようですね~ブログパーツもいろいろあって面白いですね~。
No title
うちの息子がまさに そうです。。
読んでいてびっくりしてしまいました。
注意や叱る時など、その4歳の子と同じ感じなんです。
いつもではなく、たまになんですが。
こちらとしては真剣に話しているのに、ニヤニヤして・・・聞いているのか分かっているのか。。余計にイライラしてしまいます。
最近の悩みの一つです。
上の方のコメント返しにもあったように、うちでは既に悪循環?!
私としては、過干渉のつもりはないんですけど(冬でも水たまりで遊びたいと言ったら遊ばせたり、着替えを持っていたらです、結構自由にやらせてるつもりでした)
やっぱり最初の子ということもあってそうなっているのかもしれません。
下の子へは関わり方が違っていますから。
それに、最近は私に余裕がないからか 指示や小言?が多いです。
ちょっと意識してみようと思います。
わんわんさん
そういったおふざけって他の原因で多くなることもあるから、一概には言えないけどもしかすると関わり方も影響しているのかもしれませんね。
でも、親が気づきさえすれば関わり方次第で子供はかわれるものだから大丈夫ですよ~。
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まだまだ子育て半人前ですが、最近は余裕ができて、自分の子供以外もじっくりと見て、「もしかしたらここがよくないのかな?」なんて思ったりしていることもあります。
ママ友の一人に人に対してとても気を遣う人がいるんです。
自分の子供が他の子をたたいたら(軽くですが)かなり厳しく注意して、謝るまで許さない。その上、(私は子供のことなので、その場限りで気にしていないんですが)あの時はごめんねなんていうメールを改めてもらったり、次にあったときに謝られたり。
私は正直、そこまで謝らなくてもなんて思うんですが。
最近、その子供の乱暴が多いなって感じるようになりました。大人(私)に対しても気に入らなければ蹴りを入れるって感じで。
そこで思ったのが、ママが子供に謝らせすぎてるのかな?とか子供の行動に制限をかけすぎていてストレスが溜まってるのかな?なんて思えてきました。
ちょっと危なそうなことをすると、すぐにダメよと止めさせたり、砂場遊びの中にも水はダメ、裸足はダメなど制限が多い気がします。
保育士おとーちゃんさんの話を読んでいると、これも過干渉農地のひとつなのかな?なんて思ってしまいました。
そういう私も過干渉な面はありそうなんですが。。。^^;
→楽天のウィジェット、私もよく分からないんですが、そのブログの持ち主ではなく、ブログを見ている人が楽天でチェックしたものが載るのかなって感じてます。
多分、見る人で商品が違うんじゃないのかな?
ちなみに私がこちらのブログで見た商品は、あきたこまちのお米でした。