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2020-07

【保育】スキルのない保育士ほど「愛情不足」のせいにする - 2020.06.16 Tue

例えば午睡時に寝ないで騒いだり、他の子を起こしたりする子がいると保育者はとても困ることになる。
その子に必要なこと積み重ね、適切に安定させることができれば、なんでもない。



しかし、プロとしてそうしたスキルを持っている人は必ずしも多くない。
多いのは「なめられている」などの価値観からその子に厳しくする方向の関わり。ごまかしや脅しを使ってとりあえず静かにさせる関わり。
こうした関わりで本当に子供が落ち着くわけはなく、その一時抑えるだけになる。しだいに子供は慣れてくるので次の時はより強く抑える必要がでる。
やがては、抑えが効かなくなる。

こうなったとき、保育者の心理は責任転嫁をしたくなる。そこで「家庭の愛情不足」とくに「母親の愛情不足」がターゲットになる。

これらは、保育士が適切なスキルを獲得していないために起こること。
じゃあどうした関わりが適切なスキルなのかを次に書く。


◆子供の姿を安定させる保育スキル

まず、この午睡時に騒いだり保育者を困らせるケース。
a,受容、肯定を求めての行動
b,保育者が適切な信頼関係を築けていないゆえの行動
一般論として大きなところではこの2つが考えられる。他にも個性ゆえの行動も考えられるが、ここでの文脈とは違う対応なので割愛。

●対応
多くの人が午睡時に問題を感じると、午睡のこととして対応しようとする。
つまり、視野の中に午睡しかおけなくなる。これだと対症療法的になり、根っこからの解決につながらない。また、「その子が悪い」もしくは「その子の行動をなんとかしなければ」の見解が導き出される。これは悪手。
視野を広く取る。午睡以前も見てみる。
保育中の様子は?そこでの安定感は?対人関係は?などなど。
ライトケースでなければ午睡以外にもなんらかの気になる点があることだろう。
さまざまな個別対応のケースは割愛するが、さまざま問題の集約点になりやすいのが肯定不足の状態。
これは「愛情不足」とはまったく関係無い。注意や過干渉の多さ。叱る怒るのアプローチの多さ。過保護すらも肯定不足の一因となる場合もある。教育熱心さが肯定不足の原因となることもある。

慢性的な肯定不足になっている子供は、他者への信頼関係が低下した状態になりやすい。
肯定不足、信頼関係の不備。このふたつのがあれば子供にはさまざまな気になる様子がでてくる。
家庭がそれをできているか否かは、ここでは問題ではない。家庭でできないのならば、園で補えばいい。それができるのが国家資格としての保育士資格を持ったプロ。

もし、その園の保育が、注意や小言の多さ、過保護過干渉な関わりで子供をコントロールすることに終始しているのであれば、それは子供の足りてないものをさらに不足させるだけなので、子供の姿が安定することはない。
足りないものを補うのが保育の役目。

様々な形でその子を受容、肯定していく。
肯定の具体的アプローチは以下。個別の説明は省く

・肯定的雰囲気
・「あなたかわいいね」など直接の言葉
・スキンシップ
・共感
・話を聴く
・やりとりのある遊び(キャッチボール、あやとりなど)
・役割から有能感を獲得させる

これら肯定のアプローチの積み重ねをすることにより、必然的にまずその特定の保育者への信頼感が厚くなっていく。まず目指すのは大人全般でなく、特定の保育者へのそれでよい。

ここを目指せば、結果的に午睡時のその子の姿には変化がでる。
それが一見良い変化ばかりではないこともある。信頼関係が形成されたことにより、もっと受け止めて欲しいという気持ちが行動としてでてくることもある。つまり、一時的には大人からすると困って見える姿が増えることがある。それは通過点なので、恐れることはない。

こうした積み重ねによって、意図的に、つまり配慮を持って子供の姿を安定させることができる。保育者がこうした関わりを専門性として獲得していれば、子供の思い通りにならない姿に接して、保護者に責任を押しつける「お子さん愛情不足になっている」などの言葉をそもそも言う必要はなくなる。


◆「愛情」について
愛情って、決して他者が推し量れないことなのね。
感情の問題だから。
子供を叩いているからといって、必ずしもその人の愛情が不足しているとは言えない。
だから、そもそも他人がその人の愛情をどうこう言うことはできないのよ。
なので、愛情を問題にすること自体がナンセンス。

援助者は感情の問題の指摘ではなく、定量的なものごとつまり具体的に何ができるかを伝えなければならない。
もし自身が親の立場で「愛情が~」と言われたら、「じゃあそのためにはどうすればいいのですか?」と質問してみよう。それですらすらと可能な具体策を出せる人だけがプロ、相談に値する人。

抽象論に終始したり、自分にできない具体策しか出せない人ならば、今後期待しなくていい。
どんなに肩書きの立派な人でも、ベテランそうでも。40年子供に関わっているのに、まったく素人レベルの理解という人はゴロゴロいるので。
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