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2020-10

【保育】保育者の個 - 2020.07.26 Sun

しばしば感じるのが「子供の尊重」の理解の難しさです。
叩いたり、怒鳴ったりすることは子供の尊重になっていないというところまでは多くの人がムリなく理解できます。
問題はその後です。



大人が子供に対して下手に出ること、子供の許容しがたい姿を我慢して許容すること、子供をヨイショすること、子供のご機嫌を取ること、子供にごまかしで理解させようとすること、その子を特別扱いすること。
こうしたことが「子供の尊重」なのだと理解する人が少なからずいます。

こうした状態は子供と大人の位置が非対称的になっており、かえって過保護・過干渉、依存の助長などの弊害を生み出します。
しかし、この理解におちいってしまう保育者はあまりに多く、僕の長年の課題となっていました。
このほど少し気づいた所があります。
この解釈や実践になってしまう保育者の傾向として、自己主張が苦手だったり、自己抑圧的にものごとをとらえやすかったり、ものごとをネガティブにとらえる人が多いことです。

対して、この子供の尊重概念を適切に実践している人は、自分の考えを明確に持っていたり、自己表現や自己主張がそれなりに屈託なくできたりする人が多い傾向があります。
(「我が強い人」という意味ではありません。我が強いだけの人は子供と信頼関係を築くことは難しくなる傾向を感じます)

また、この傾向は子供との間に信頼関係を的確に築ける人の特徴ともかぶります。信頼関係が築くのが上手い人という意味ではなく、より正確には、「子供が安心して信頼できる人」の特徴です。


一口にざっくりといってしまいますと、保育者自身の「個」を持っている人ほど、無理のない関係性で子供の尊重が実践しやすい、理解しやすいです。
さらに子供の方も、その関係性にムリなく適応しているようです。

ですが、現実には自己抑圧的な人が多く、自己表現や適切な自己主張ができる人は少ないのが、保育者に限らず日本で教育を受けた人の特徴と言えるかも知れません。
(「自己抑圧的であるがゆえに我が強くならざるを得ない」という人はいます)

現実に保育施設の会議では、ほとんどの人が議題の時は黙っていて、一部の我の強い人だけがしゃべりものごとが決まっていくといったことが多く聴かれます。黙っていた人はあとでグチとして不満をもらすなどということもあります。
もし、こうした状況が常態化していたら、針の両極端に触れているだけで適切なところにたどり着きにくいですね。


さて、こうして見えてくると、子供との適切な関係性を作るために保育者育成として取り組まなければならないことがわかってきます。

保育者自身の個の尊重です。
尊重というとまたここで解釈のブレがでてくるので、個を引き出すこと、自己主張をできる人材を育てることと言い換えます。

しばしば研修などの導入として、ゲームやレクリエーションを取り入れているものもありますね。
この点においてそうした取り組みは、大きな意味があるのだろうと思います。

また、年齢や経験年数にこだわらず自由に会話ができる職場の雰囲気(最近では「同僚性」といった言葉もありますね)などを作ることが、実は保育の安定に直結している可能性があります。

僕はさまざまな保育現場を見る上で、保育者それぞれが屈託なく過ごしている施設が安定した保育をできているのを感じています。
これはたまたまのこの資質というだけでなく、取り組み次第で構築していけるものだと思います。
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