子供に「寄り添う」関わりを -過保護と過干渉- その6 - 2010.10.30 Sat
「~~しちゃだめでしょ」
「この前~~しないってお約束したよね」
「~~しないって約束ね」
「どうなの、わかったの?」
「お返事はっ?」
こういうのって当たり前のようにみるけれども。
大人の世界で、怖い顔して納得してないことに、返事させたり約束させられたりしたら、それは「強要」「言質をとる」とか「脅迫」って呼ばれちゃいますよね。
だから大人の世界では通常こういうことはしませんね。
大人が考えている以上に子供の自尊心というのは大きいものです。
同じ人間ですからね、年齢が小さいからといって自尊心も小さいとは限らないですよね。
なのでこういう関わり方は、心を傷つけるし、「いい、わかった?」などと念押しするのは子供を信頼していない行動です。
こういったときに使われる「約束」という言葉も大人が前提としているルールのことであったり、子供はした覚えもない約束であったりすることが多いです。
「ハイ」と言うのを強制された約束には、大人の世界でも強制力はありませんし。
子供のためにも、その後の大人の信頼をそこなわないためにも、あまり「約束」という言葉は振りかざさないほうがいいと思います。
小さい子供にルールであるとかを教えようと思ったときに、ただ「教え込もう」と「説得」したところでそれはすんなりと入るものじゃないんだよね。
ルールとか人と関わる上での決まりごととかマナーとかって、子供からすると自分を制限するものになりがちだから、制限されたとしても納得できるだけの心の余裕がまず出来てないと、いくら押し付けたところで入るものではないみたい。
では「心の余裕」ってどうしたら出来るものでしょうか?
それは認められたり、褒められたり、可愛いといわれたり、そういった肯定的な関わりがたくさんあってから少しづつ徐々に出来てくるものです。
なので、「叱る」という否定的な関わりを積み重ねることは、結局は子供になにかを伝えたいと思ったときに逆の方向へ行ってしまうわけです。
おおよそ3歳までは人間の基礎のさらに基礎の部分を作っている時期です。
教え込むことをする前に、たくさんたくさん肯定することでその下地を形成してあげれば、社会性が芽生え、人との関わりが出来るようになってくる時期、つまりルールが必要になる&理解できてくる時期(3歳以降)に、だんだんと獲得できるようになっていけます。
しかし、そういった肯定する関わりよりも、「教え込む」「しつける」「叱る」「怒る」といった否定的な関わりを優先させたらどうなるでしょう。または肯定よりも否定のほうが多くなったら小さい子供の成長中の心はどういった方向へ伸びていくでしょうか?
それがまた「成長期」(昔で言うところの反抗期)などにそういう対応をしてしまえば、その度合いはさらに高まります。
「しつけ」などを念頭において、大人が望むほうに子供を持っていこうとすればするほど返ってそれは難しくなりかねないのです。
乳児期(3歳以下)の子供への関わりは、特に否定よりも肯定をもってするべきです。(ほんとはどんな年齢に対してもそのほうがいいのだけどね)
甘やかせばいいといっているわけでも放任するのがいいといっているわけでもありません。
いわゆる「しつけ」に対抗するうまい言葉がないのですが、過度に干渉するのでも、甘やかすのでも放任するのでもないという意味で、子供に「寄り添う」というのが近い表現かと思います。
そういう「寄り添う」関わり方というのは実はこれまでにも何度もこのブログで出てきています。
(カテゴリの『叱らない子育て』や『あそび』カテゴリ内の「遊びの中での声のかけ方」、『日本の子育て文化 』カテゴリの 『自己肯定感』のシリーズなどなどです)
ですが、「過干渉にならないように」という観点で次回紹介できたらと思います。
↓励みになります。よろしかったらお願いします。


- 関連記事
-
- 乳児の遊び・関わり Vol.8 力で子供を動かしてしまうこと (2011/05/27)
- 少しでも過干渉を変えていくには (2011/05/21)
- 過干渉の悪循環からの脱却 -過保護と過干渉- その8 (2010/11/14)
- 正論を押し付けない対応 -過保護と過干渉- その7 (2010/11/06)
- 過保護・過干渉についてとても高い関心が寄せられています (2010/11/04)
- 子供に「寄り添う」関わりを -過保護と過干渉- その6 (2010/10/30)
- 正論では子供を導けない -過保護と過干渉- その5 (2010/10/27)
- 心の過保護 -過保護と過干渉- その4 (2010/10/24)
- 過保護・過干渉とは -過保護と過干渉- その3 (2010/10/22)
- おふざけばっかりになってしまう子供 -過保護と過干渉- その2 (2010/10/16)
- 失敗はさせてみるもの -過保護と過干渉- その1 (2010/10/12)
● COMMENT ●
きららさん
>
> 肯定する認めるということって大切ですよね。
> しかし多くは、いけないとこばかり目について直して欲しくて小言を言ったり否定的な言葉が増えてしまいますよね。
ほんとにそうなんだよね。
人間って不思議なもので、小言をいうようになるとそれが癖のようになってとまらなくなっちゃうし、ヒステリーを出すようになるとどんどん出てきちゃうし、叩くことを自分に許しちゃうとそれが止められなくなっちゃうんだよね。
> 大人から見て悪いとこばかりに目を向けるとますます悪くなるので
> いいとこばかり見るといいとこが伸びますよね。
> これからも心がけて子ども達に接していきたいですo(^-^)o
なかなか心がけても難しいことなんだけど、気持ちの持ちようで子供の様子がぜんぜn変わることもあるからね。がんばってくださいね。
トラックバック
http://hoikushipapa.jp/tb.php/141-6c95fbbf
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
肯定する認めるということって大切ですよね。
しかし多くは、いけないとこばかり目について直して欲しくて小言を言ったり否定的な言葉が増えてしまいますよね。
大人から見て悪いとこばかりに目を向けるとますます悪くなるので
いいとこばかり見るといいとこが伸びますよね。
これからも心がけて子ども達に接していきたいですo(^-^)o