幼保一元化とこども園制度 Vol.2 - 2011.01.17 Mon
これはおそらく僕一人だけでなく現場に関わる人間に共通する思いではないでしょうか。
にもかかわらず、政治・社会の流れはそれを推し進める方へ動いています。
なぜなのでしょうか。
今回の「新システム法案」通過のことで現政権がクローズアップされていますが、この動き自体は以前からあるものでした。
元々あるこの幼保一元化の動きなのですが、それは子供への利益のために行われているわけでなく、実際は「大人の都合」もっといえば「お金」の問題から発しているものだとはっきりと言えるでしょう。
幼保一元化がとりざたされるようになった理由としては・・
ひとつには少子化により、幼稚園・保育園の経営が難しくなっているという問題がありました。
子供の数が減ればそれらの経営が難しくなってしまうわけです。
実際少子化により廃園したところもありますが、こういった幼稚園・保育園というのは私立のものであっても、社会的・公的に必要なものでもあるので、利益がでないからといって「はい、そうですか」と潰してしまうわけにもいきません。
なので、自治体はそれにたいしてさらに(損失を補填するという意味での)補助金を出すことで経営を支えなければなりません。(赤字でなくても基本的に元々補助金はでています)
少なからぬ出費は自治体としてもお荷物です。
そこで、保育園と幼稚園で同じ子供を食い合っているなら、一緒にしてしまって赤字にならないようにすればいいじゃないか、というしごく乱暴な解決策が浮かんできたわけです。
しかし実際には設置の根拠となる法律が違っており、一緒にすることはできません。
(当然、施設の目的自体が違うのですが、前述のようにその違いをきちんとわかっている人が少ないのでしょうね)
自治体というのはずいぶん無駄遣いや横暴なこともしますが、基本的に法律にそってしか物事を行えません。
なのでこれまでにも幼保一元化を実行したところはありますが、法的にまったく別物であるので同じ建物でやっていても、すべてにわたり別個の手続きが必要だったわけです。
このことがこれまで「幼保一元化がうまくいかないうまくいかない」といわれていた原因です。
その「うまくいかない」という声が、現場からあがっているように感じていたかもしれませんが、実際は行政と経営サイドから出ていた言葉なのでしょう。
この少子化による経営難というお金の問題がまずひとつです。
そしてもうひとつ、こっちの問題点が一般の人からは見えにくいのだけど、さらに大きな大きな問題なのです。
少子化のことは、ちょっと考えればだれでもわかるものなのですが、このもう一個の問題はあまり見えません。
また、この法律を通そうとしている人たちも、その問題が見えないようなやりかたでこの「こども園」について説明しているし、見えないうちに決めようとしているようです。
「子ども・子育て新システム」というこの名称からして、この問題を隠蔽しようとしている感があります。
その問題とは、ずばり福祉の切捨てという問題です。
長くなってしまいましたので、続きはまた次回にしたいとおもいます。
むーちゃんメモ:朝一番で機嫌よく起きたとき布団の山をのりこえておとーちゃんにチューしに来てくれるらしい・・。
↓励みになります。よろしかったらお願いします。


- 関連記事
-
- 幼保一元化とこども園制度 Vol.5 (2011/04/03)
- 親子遠足 (2011/03/09)
- 子供の泣きは言葉 乳児の保育というもの (2011/02/20)
- 幼保一元化とこども園制度 Vol.4 (2011/01/29)
- 幼保一元化とこども園制度 Vol.3 (2011/01/20)
- 幼保一元化とこども園制度 Vol.2 (2011/01/17)
- 幼保一元化とこども園制度 Vol.1 (2011/01/14)
- 保育園に預けたときのフォローの仕方 その3 (2010/12/27)
- 保育園に預けたときのフォローの仕方 その2 (2010/12/11)
- 保育園に預けたときのフォローの仕方 その1 (2010/12/09)
- 『赤ちゃんの目は青い』 (2010/04/09)
● COMMENT ●
トラックバック
http://hoikushipapa.jp/tb.php/156-b1fca054
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)