最も多い検索キーワード 「早期教育 メリット」 - 2011.01.24 Mon
それを見ると「なるほど世の中の人はこんな子育ての悩みがあるのか~」などいろいろ参考になることがあって、そういったことも今後記事の中で反映していければと思っています。
その中でも、特にというか圧倒的に多かったのが「早期教育 メリット」などの「早期教育」関連の検索ワードです。(ちなみに次くらいに多かったのは「叱らない子育て」でした)
ただ、早期教育の「デメリット」や「弊害」というのはとても少なく、やはりこのところの「早期教育ブーム」を反映してか、「メリット」を調べるために検索している方が大多数のようです。
でも、「メリット」を調べているということは、まだ「早期教育」に懐疑的な部分もあるということなのかもしれませんね。
このように「早期教育」の関心が高まっているようなので、これまで「日本の子育て文化」の中に入れていましたが、新たに「早期教育」カテゴリを設置しました。
早期教育に関連の過去記事はそちらから見やすくなったかと存じます。
ためしに自分で「早期教育 メリット」という一番多い検索ワードでグーグル&ヤフー検索してみました。
そしたら「早期教育 wiki」の次くらいにこのブログが位置していてびっくりでした。
「これから子供に早期教育をさせようかしら? させたほうがいいのかしら?」と思って検索していらっしゃる方には、「弊害」「欠点」などでも合わせて調べて見られることをお勧めします。
やりようによってそういったデメリットが出てしまうこともかなり明らかとなってきています。
そして、メリットばかりを強調するところが商業的・利益がらみなところが多いのに較べて、学者や研究者などが利益と離れたところで客観的に分析しているものに、「弊害」「欠点」などをきちんと述べられ早期教育に慎重・懐疑的なところが多いことにも気づくと思います。
「早期教育」の一連の記事のなかでも述べましたが、僕自身は「早期教育」を必ずしも必要なことだとは思いません。また、むしろ「早期教育を施すこと」がいろいろな点から子供を伸び悩ませたり、問題を作ってしまうことを現実に見てきました。
しかしだからといって「教育」の重要性を認めていないわけではありません。
ただ現代の日本で言うところの「教育」がとても狭い範囲でしか語られていないようには常々思います。
知識つめこみ型の日本の教育がこれまでにもさんざん否定されてきたにもかかわらず、今いわれるところの「早期教育」もほとんどが知識つめこみ型に落ち着いてしまっているようです。
そして、その教育の目指すところが「いい学校(大学)にはいること」や「いい会社」に入ることを目的としたさらに狭い範囲での「教育」であるように思えます。
「天才児をつくります」なんていう宣伝文句の早期教育が目指しているところが、結局有名大学に入れるようにというところでの話しに終始していたり・・・。
そんなのをみると「天才ってそんなことなのか~?」と感じてしまいます。
湯川秀樹やアインシュタインのように世界や宇宙の謎に挑んだり、シュバイツアーや野口英世のように多くの人を救うような発見をしたり、シェークスピアやヘミングウェイのように何百年も渡って読まれるような文学作品を残したり、シーザーのような歴史的偉業をなしとげたり、ほんとに天才になれるんだったらそのくらいのことを望んだ方がロマンがあっていいんではないかと思うのだけど。
大学はいるくらいなら天才である必要なんかないのにね~。
「教育」っていい学校に入るとかいい会社に入るとかそんなちっぽけな目的のためにあるものではないと思うのです。
「教育」を現代人は国語算数理科社会みたいな学校的なものと捉えがちだけれども、実はそれは教育の一側面でしかないのです。
中世・近世など子供に対する公的な学校教育のなかった時代、人は教育を受けなかったかというと、必ずしもそうではなくて、徒弟制度、丁稚制度などが人をつくる上での大きな教育を担っていたわけです。
それらは学校教育に少しも劣るものではありませんでした。
なぜならそれらはまぎれもなく「社会の中で生きる、人をつくっていた」点でうまくいっていた事実があるからです。
日本の小中学校には掃除の時間があります。
西洋の学校にはあまりないようです。
日本にそれがあるのは仏教の影響を受けているからだそうです。
仏教では学問もするけれども、身の回りのことをするのも人間をつくる上での重要なことであると捉え、生活全般が「修行」と考えられているからです。給食の配膳をしたりするのも同様の考えからかもしれませんね。
それゆえに日本の学校では「掃除」の時間があるのです。
学問以外のものも「教育」のひとつの要素ということです。
「修学旅行」というのも、同じく仏教の影響を受けています。
机上の学問だけでは必ずしも十分でなく、「学を修める(おさめる)にあたって人の中でその学んだもの、学んだ自分を見つめなおすべし」というのは「修学旅行」の本来の意義だったわけです。
ほんとにお坊さんだったら托鉢でもしながら旅をしたのでしょうかね。
そういった意義を知った上で、沖縄やハワイにバカンスに行く今の修学旅行を考えると、果たして必要あるのかしらと思ってしまいますね。(笑
ちょっとそれてしまいましたが、教育を「人をつくる教育」と捉えた場合、いわゆる「お勉強」だけではその「教育」はまっとうできないのではないかということが言いたかったわけです。
そんなところからつらつら考えますと、いまの「教育観」「早期教育ブーム」というものは実に狭い視野の中にいるような気がしてなりません。
「視野の狭さ」が大きな失敗を生むことは、最近ではバブル経済が破綻したときに痛いほど学んだはずですよね。
確かに、かつてに較べれば人が生きていくうえで必要な「学校的なお勉強」の量は増えているのかもしれません。
しかし、だからといって幼児期はおろか乳幼児期までにそれを早めて行ってしまうのって、人間をつくる上でどうなのだろうと感じます。
「教育」というのはつきつめてしまえば、人が生きていくうえで「豊かに」(必ずしも経済的な意味ではなく)「幸せに」あるためにあるものだと思うのです。
それを「いい大学に入るため」「いい会社に入るため」としてしまうと、それを受けた人の人生に何かしらの齟齬が出てきてしまうこともあるのではないかと感じます。
うちの息子は先月誕生日がきて5歳になりました。
そんな彼はいまものすごい勢いで周りの物事を吸収しています。
子供には自然にそんな力がそなわっていると思うのです。
その辺のところを次回書いてみようかと考えています。
むーちゃんメモ:お茶の匂いをかぐのが楽しい。おとーちゃんのところにお茶(紅茶、緑茶など)の缶を持ってきては開けてもらい、匂いをかいでは「ぎゃははは~」と喜んでいる。
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● COMMENT ●
No title
こんにちは!

むーちゃんは匂いにはまっているんですね(笑)
中身は入ったままですか?まさかお茶っ葉ではないですよね

うちはお茶缶は子供たちの手の届かないところにあって、
子供たちは「お茶の臭いを楽しむ」という機会がなかったな~と思いました。
お茶に限らずいろいろな面で、「壊すから、散らかるから」と手の届かないところに置いていたな、と。
おとーちゃんのお宅では、危険な物以外は子供たちが探索できる環境なんでしょうね。
日本のタテ社会の原則が、子育てにも反映されているのかなと最近思います。
欧米のグループは、グループに加入するためには全員の承諾が必要で大変だけど、加入できれば全員と対等になる。
日本のグループは、一人の会員の紹介があれば加入は簡単にできるけど、在籍期間が長いほど上位に位置するという序列がずっと続く。
(ずいぶん昔に読んだ中根ちえさんの本がこんな内容だった気がします)
欧米では、子供は「いずれ自分と対等の発言力を持つ存在」として扱っている。
日本では、子供は社会(家庭)に後から来た存在として、「永遠に自分より下位の(自分より発言力を持たない)存在」という扱いになっているのかも?
日本人全員がそんなわけじゃないでしょうが、今思えば私はそうやって育った気がします。
この呪いを自力で解きたい!!!と思うようになりましたが、なかなか・・・。
そういった意味でも、保育士おとーちゃんのブログがとっても参考になります。
書籍化されれば良いのに~!
同感です!
そうですね、最近では東大卒のニートもいらっしゃるそうですしね。彼らを批判する気は
全くないですが(自分も一歩間違えたらそうなってたかも)、どう考えても親御さんの
子育てについては疑問を持たざるを得ないです。
私自身も、バイトや仕事の中で学んだことの方が「生きていく」という意味では非常に
重要だったように思います。だからと言って、「因数分解は将来使うことないから
勉強しても意味がない」とかそういう暴論ではないですけど。社会に出るということは
どういうことなのか、などそういうことを学ぶ機会が全くなかったことが悔やまれます。
親にしてみたらそんなものは自分で学んで来い、ということなんでしょうけど。
でも親自身の仕事の話とか、世の中どんな仕事があるかとかそういうことはもっと
教えてくれてればなぁと思うところもありますね。
いわゆるお勉強をサポートするばかりではなく。
保育士おとーちゃんさんの早期教育についての記事は、本当に分かりやすくて
ぜひたくさんの方に読んでもらいたい!と私も思います。
微力ながら、私のブログからもリンクさせてください!
あ、リンクフリーって書いてありますねwwそのうちこっそりリンクさせていただきます~
あおむしさん
珍しい病気だといろいろ対応が難しかったりあると思いますが、これからもがんばってくださいね。
保育園と幼稚園の違いに関してはけっこう大雑把です。
こども園問題もまだ進行中なので、今後実際にはどういった制度になるかまだ未知数なところもあります。
また進展があったら紹介していこうと思います。
成長期に関してはすべてを網羅しているわけではないけど、「魔の2歳児」カテゴリでまとめてあります。
よかったらみてください。
↑の状況のときでは、たしかに真正面から受け止めたほうがいいときもあったり、軽くいなしたほうがいいときもあったり、そのときの状況・子供の様子などでいろいろな対応があるので、「どっちがいい」となかなか断定はできない感じです。
この時期の対応にはいろんな正解があるといえるのだけど、かなりざっくりと言ってしまえば次の3点に気をつけるといいかと思います。
それは、
・子供の「ゴネ」を回避するためにいいなりになってしまうこと。
・子供の主張に対してごまかしでそれを回避してしまうこと。
・感情的に叱って封じ込めないこと。
この3つだけは頭の片隅にちょこっと置いとくといいかもです。
まあ、そういってもなかなか思い通りにはいかないので、臨機応変も大事かな。
てんさん
子供の5歳なんてあっというまでした。
それがお茶っぱなんですよ。
わりと自由になんでも触らせています。
最初の子のときは、洗剤とか包丁とか入っている棚なんかにはシールでくっつけるようなチャイルドロックっていうのかな留め金みたいなのをつけてたけど、よくよく考えたらそんなに必要なかったな~と。
むーちゃんは心がつながる子に育てたので、「そこは困るな」と声をかけたり、「う~ん、ちょっとどうだろそこは・・」なんて思いながら見ているとそんな気持ちを察知して危険なことは避けられる子になってくれました。
なのでわりと安心してなんでもやらせています。
まあ、わざとじゃないのだけどオレガノの葉っぱを振りまいたりしちゃったってことはありましたけどね(笑
そんなときも「まあそういうこともあるさ~」と笑って過ごすようにしています。
いまだに日本にはそういった昔からの因習みたいなのは多分に残ってますよね。
そんなところからも、子育てが(子供の育ち)が難しく・質の低いものになっているところは、たくさんあるような気がします。
他にそういう「子育ての大枠」みたいなところで話をする人ってあんまりいないようなので、そういう気づきを示せるのが僕の役目かなと感じている部分でもあります。
> 日本人全員がそんなわけじゃないでしょうが、今思えば私はそうやって育った気がします。
> この呪いを自力で解きたい!!!と思うようになりましたが、なかなか・・・。
↑僕もそんなに大きなことはできないけど、自分の子供を尊重して育てるだけでも大きな一歩なんじゃないかな~と思いますよ。
> そういった意味でも、保育士おとーちゃんのブログがとっても参考になります。
> 書籍化されれば良いのに~!
ありがとうございます。そんなことが出来たらそれはやりがいがあっていいですね~。
へぶぶさん
コメントありがとうございます。
実はへぶぶさんのブログ過去記事まで全部読みました。
各記事ごとに「なるほどな~」「そうかそうか~その通りだな~」などなどたくさん思うところはあったのだけど、一度にたくさんコメントしても(まして過去記事に)、「なにこれストーキング・・」みたくなっても悪いのでほんのちょこっとだけコメントさせてもらいました。(笑
ほんとどれもよく考えてあって読み応えありましたよ。
確かに人の価値観なんて良くも悪くも変わっていって当然なのだけど、へぶぶさんもブログ内でおっしゃっていたように、結果ばかり求めすぎて近視眼的にしか自分の子供をみれない、という状況が昨今ではとても多くなっているように実感します。
それでうまくいってしまうのなら言うことはないのだけど、どうにもそれでうまくいくように思えないというまったく老婆心さながらにつらつら拙い文を書いております。
現場の子供の代弁をしつつ、「子育て」そのものよりもちょっとだけ大枠から見た「気づき」を示していくことをできるのが僕の役目なのかと思って、(わりと)言いたいことをそのまま言ってます。
これからもどうぞよろしくお願いします。
リンクありがとうございます。ほんと感謝です。
それから子育て、仕事にと参考にさせて貰っています。
きららさん
> それから子育て、仕事にと参考にさせて貰っています。
そうでしたか、叱らない子育てというのもけっこう世間の興味のあるテーマみたいですね。
近いうちに、「叱らないでいい子育て」の続編を書こうと思っています。
はじめまして
ちょうど1歳から保育園に預けていて、2歳になったとたん、急に園に行きたがらなくなりました。今までの関わりが影響しているのかと、反省しながらの毎日の送り迎えでした。車中、いろいろなことを会話してみたり、うんと抱きしめたり。登園時、先生に預ける際泣くのですが、だんだんと信頼関係が築けていけている気がします。
私は沖縄出身なので、修学旅行はぜひ、バカンス気分でも訪れていただきたいと思ってます。観光バスから見える基地はどれほど大きいのか、戦争を生き抜いてきた方達はどんな事を語るのか。京都や奈良のように、文化的遺産は少ないのかもしれないけれど、沖縄の事を少しでも理解していただくきっかけになればなぁと思います。
これからも娘と楽しく過ごすためにブログで勉強させてください。よろしくお願いします。
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どちらかというと私は早期教育には反対・・なんです^^;
小さいうちは遊びが勉強、って思ってるところがあって。
私自身が小さい時から結構お稽古事に通っていて、
しんどかったから、って言うのもあるんですけれどね^^;
ところで、娘が珍しい病気であることが分かったんです。
普段見ていて、特に病気があるようには見えなかったので、
びっくりしましたが早くに見つけられてよかったです。
これから大変になりそうですが、頑張ります^^
発達のことはゆっくりですが、普通の子と同じようにたどっていってくれると思うので(そう願いたいです)、
またこちらのブログもじっくり見させていただきますね。
保育所と幼稚園の違いも、個人的にお尋ねしようと思っていたことだったので
詳しく書いてくださってとてもよく分かりました。
娘もありがたい事にここ数日前から「成長期」に入ったようで、
何に対しても「いやんの!」って言ってます^^;
嬉しいことなのですが、ちょっと親としては困ったなぁ~と思うことも多いです。
時々、嫌すぎてだっこしてもだめ、話しかけてもだめ、何をしてもだめ、って言うときがあるんですが、
そういう時ってそうっとしておいたほうがいいのでしょうか・・?
温かい無視、みたいな感じの^^;
昨日も1時間近く怒って泣いていて、どうしても電話しなければならない用事があったので、
声をかけてから電話し始めたら、5分も経たないうちに機嫌よく一人で遊びだしたんですね^^;
娘にもクールダウンする時間が必要だったのかな~?なんて思ったんですけど。
友達には「深く考えすぎ!ほっといたらいいのよ」みたいに言われるんですけどね^^;