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2023-04

乳児の遊び・関わり Vol.8 力で子供を動かしてしまうこと - 2011.05.27 Fri

前回の事例の中で「子供を持ち上げてつれもどす」ということがでてきました。
これを保育士は、あまり良くないニュアンスをこめて「リフト」と呼びます。

このことは普通にしていますが、実は気をつけなければ子供の力を奪うことになります。



親が子供を思い通りに動かすためについしてしまうのですが、子供の意思とは関係なくしていることです。むしろ子供の意思と反して使うことも多いでしょう。
いわば、まだ言葉で反論することはないかもしれませんが、力ずくで言うことを聞かせてしまっているのです。

子供の意に反する状態でこのリフトをし続けていくとどうなるでしょう。
例えば15歳の子を力ずくで言うことを聞かせて、それがうまくいくと考える人は多くないでしょう。
10歳でも同様ですね。5歳の子ですら、もう力でどうこうすることはできません。
現実には3歳くらいですでに大人が無理やり移動させてなにかをさせようとしたり、なにかをやめさせようとすることは難しいです。

1~2歳では当たり前にしていることが、もう3歳ではできないことなのです。
そればかりか、1~2歳で慢性的にリフトなどの大人の力で動かすことをしていれば、大人は自分の意思をはばむものと考えるようになり寄り添うことをしなくなります。
具体的には、食事の際に座らせようとしても嫌がり歩き回るようになったり、戸外に出ても一緒に手をつなぐことをしなくなってしまう可能性があります。

1~2歳のときに「子供だから」とたかをくくった行為のつけが、その後より大きくなってもずっとつきまとうことになります。



残念なことに保育施設でもこのリフトを多用しているところもあります。むしろとても多いです。

例えば、乳児の部屋には遊びのスペースと、部屋の出口や着替えなどの場所がロックのかかるスライドドアでしきられていたりしますが、着替えの終わった子供をドアもあけずに身体ごと持ち上げて中に入れたり、大人から大人の手へと渡したりします。
子供が反対の方へ行きたいという意思に反しているときではないかもしれませんが、こういうことは個人としてのその子を尊重しない行為です。
子供を物あつかいしていると言えます。

今の保育の現場では、こういうことをしている所がまだ少なくありません。
それも、いい悪いを考えることもなく無自覚に行っています。
このことに気づいてさえいないのです。

保育業界自体が、本当の意味で子供にどう向き合うべきかといった議論・視点もなくきてしまっているからです。
このような保育の質の問題は数限りなくありますが、それについてはまたの機会にお話したいと思います。


前回のところで述べたように、リフトや力ずくですることは子供の育ちを損ない、力も奪ってしまうことです。
今回みたように、子供を持ち上げて物あつかいしてしまうことは、子供の自主性・主体性を損ない、オーバーなようですが個人の尊厳を傷つけることですらあります。
大人は楽だからそのとき特に何も考えずそのようにしてしまったのでしょうけど、これがさっきあげた着替えあとの事例でも、「ドアを開けて、自分で室内へ歩いていく」少なくともこれだけの子供の行動を奪っているわけです。
それだけでなく、これからすることを大人から伝えられたりそれを理解するという思考の部分の行為も奪っています。

そういったことが一日の生活の所々にあり、何日もそれを積み重ねていったとしたら子供の育ちにどれほどの差がでてくるでしょうか。

1年後、2年後をそうしていった子育てとそうでない子育てとを見比べたら、明らかな違いが出てきます。
家庭と違って保育園でそれをしたばあい、クラス単位で育ちの差がでてきてしまいます。


小さい子にしている何気ない当たり前のそういった持ち上げて動かしてしまうといった行為が、実はその後の子供の育ちに少なからず影響してしまうというお話でした。

あ、念のために言っておくと、子供が登れないので困っているとか、あっちへ行きたいけどいけないときに持ち上げて手伝ってあげたというのとは違いますからね~。

*補足(5月29日)
わかりにくい部分がありましたので付け足します。

一見似たような行動がたくさんあり、意味するところが正確に伝わりにくいようでした、すみません。
抱っこしたり、抱き上げたりすることがよくないわけではありません。

また、子供の意思に反してつれもどすこと、手渡ししなければならないことも状況によりありえます。
それは危険であったり、そうしなければならない他に選択肢がなかったりする場合です。

例えば、保育園で登園してきて預ける際に泣いていたりすれば、不安にさせないために保育士にそのまま抱っこで渡したりします。
これは子供が別れたくないと泣いていて、その意思に反しているかもしれませんが、親は仕事に行かなければならない状況で他に選択肢はないのです。子供は感情で泣いていますので、いくら納得させようと言い聞かせたところでなかなか理解するものではありません。
たいていは親の姿が見えなくなれば気持ちを切り替えて遊びだすことができますので、ながながと言い募るよりさっと預けてしまったほうが子供にとってもいいようです。(安心して過ごせるようになってきて、自分から歩いて入室できるようになってきたら、そのときはぜひそうさせてあげてください。そしてそれを認めていってあげるようにすると、子供は大きく自立のほうへ成長していけます)

本文で言いたかったのは、遊びの状況などで気持ちを伝えることができる場合にそれをせず、「子供だから」・「どうせ言ってもわからないだろうから」と連れ戻す・大人が力で誘導してしまうようなときです。


また、物あつかいというのは、抱っこしている子を人から人へ渡すこと全てが物あつかいではありません。

例えば、5歳の子が食卓を乗り越えて反対側へ行こうとしたら大人は注意をしますね。
しかし相手がごく小さな子だと、大人が子供を抱き上げて食卓越しに渡したりすることがあります。

大きい子ならば注意するようなことを、小さい子にはしてしまっています。矛盾がありますね。これが物あつかいです。
小さい子供とはいえ一人の人間なので、するべきことは大人と同じです。
柵や棚越しに子供を渡したりすることは生活の中でささいなことのようですが、人を育てるということはそういうことを大切にしてこそ、本当の育ちが得られるのだと思います。


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● COMMENT ●

聞いて下さい!!!

いつもありがとうございます。今日とっても嬉しいことがあったので聞いて下さい。なんと!息子が豆イスに座ってごはんを食べてくれたんです!!小さいことかもしれませんが、私にはすごくすごく大きなことでした。

お返事頂いた、ごはんをひっくり返してしまうことに関しては“子どものすることだからしょうがない”と思う(諦める)余裕すらなく感情的に怒ってしまっていたのですが、イスに座ることに関しては完全に諦めモードでした。前回のblogにあった、正にやめてほしいのに追い掛けてまで食べさせている状態でした。今日座れたから明日からも座れるとはいかないかもしれませんが、大きく前進した気がします。もし、座れずに遊びに行ってしまった場合は戻るのを待つべきでしょうか?それともごちそうさまでいいのでしょうか?

“食べ物で遊ばないで”は折れることなく言い続けてるのですがなかなかです。ごはんの量に関しては、やはりおやつ(お菓子)が原因だと思います。グズグズ泣かれついついあげてしまっていたので、これをなくし空腹感を感じさせられるように改善中です。

長くなってしまいますが、今回の内容に関しても質問させて下さい。いつも“境目”がわからなくて‥。例えば今回のリフトに関して、息子は公園のすべり台(特に階段)やデパート?のエスカレーターが大好きなのですが、まだたっちもしないので抱っこでの往復になります。9キロの息子を抱えての往復はつらく、満足する前に引き上げてしまうことがほとんどです。これも息子の意に反して、親の都合ですよね?本人が帰ろうとするまでもっと付き合ってあげるべきでしょうか?それとも今日はもうバイバイだよ。また来ようね。と伝えられたらイヤイヤしてても引き上げても平気でしょうか?

少しずつですが、こちらの話すことは理解出来るようになってきたので、叱らずにいいきかせる‥を忘れずにいきたいと思います。

親の何の気ない行動が…

「リフト」って言うんですね。実は、私もおとーちゃんのブログに書いてあった「何も言わずに赤ちゃんを持ち上げていませんか?」というような事が書いてあった記事を読むまでやっていました(>_<)ほんとに何の気なしにやっていたのですが、子供を物扱いしていたんだと気付かされてハッとしました。

物扱いと言えば、義妹は姪の事を第三者に話す時に本人の目の前で「これ」と言います。姪はいつも憤慨して「物じゃないんだよ。これって止めてくれる?名前で呼んでよ。」と訴えてるのに義妹は本気で受け止めてないのか、もう癖なのか直ってませんね。

リフトも然りですが、親ってどうしても子どもの事を所有物扱いしてしまいがちなんですよね。でも、小さいうちからひとりの人間として尊重して接することによって、その子の自己肯定感を育むことができ、ひいてはその子の他者に対する思い遣りの心をを育むことになるのかなぁと思いました。「思い遣りのある子になって欲しい」と多くの親は望むのでしょうが、そのためには、親自身が意識して言葉や行動を気を付けなければいけないですね。簡単なことではないけど、人ひとりの人格形成に関わることだから、努力したいですねぇ。   

教えて下さい

今回の内容は当たり前に染み付き過ぎていて少々理解ができないでいるので教えて下さい。

まだ立っちも歩きもできない子を持ち上げて、柵付きベビーベッドの中に入れるのも×ですか?それはOKだけど、その際声掛けをせずにいきなり持ち上げて入れたら×ということでしょうか?

親戚の0歳児の赤ちゃんを抱っこさせてもらうのに、大人から大人へ手渡して抱っこするのも×ですか?この場合も声掛けすればOKなのでしょうか?

我が家の子供たちはいま3歳になりますが、生まれてから2歳過ぎまでずっとこのリフトを続けてきました…。何も考えずに…。怖いことです。

みぃたん★! さん

座って食べてくれることができてよかったですね。
それはほんとに大きな一歩だと思いますよ。なにかをするべきときにするということは食事だけに終わらず、すべてのことに関わってくることです。

そういう姿を認めてあげることで、子供にも自信がついていい循環になっていけます。
また元の姿に戻ることもあるけれど、このいい流れを否定でとぎれさせることのないように対応していけるといいですね。
また、みぃたん★! さんもきちんと通じることがわかって大きな自信になったと思います。
ほんとに大きな一歩でしたね。

遊びにいってしまったとき、待つか終わらせるかはそのときそのときで変わってくるかと思われます。
待って戻ってきて食べられるのならば待てばいいし、ある程度満腹感を感じている状況で待ったところでいくらも食べないと判断されるなら、いっそ終わりにしてしまって気持ちよく遊んだほうが、次のときに食事に対する抵抗感をつくらずに臨めるのではないでしょうか。

大人の都合で動かしてしまうことと、大人が断固としてできないことをできないとするために連れ戻してしまうことはちょっと違います。

滑り台は子供が遊ぶためにあるものですから何の問題もありませんが、これがエレベーターとなるとまた違ってくるでしょう。例えば、子供が3歳5歳になったときを考えてください。今は抱っこして乗るだけであるからたいしたことはないかもしれませんが、ある程度年齢がいったときに同じことをさせられるでしょうか?
その年齢ならば、エレベーターでは遊ばないというルールを大人は教えますよね。
それはやはり相手が0歳でも1歳でも80歳でも同じです。

エレベーターで遊ぶべきでないのならば、いまから同じ対応をしていなければあとになって大変困ってしまいます。それは泣いても連れ戻してでもなんでもやめさせるのがいいのではないでしょうか。

また、子供にとってごねたからといってそのとおりにしてしもらってしまう習慣は、そのときだけでは済みません。
それは食事のときに座らないことの大きな原因にすらなっていきます。

ゴネれば親は言うことを何でも聞いてくれるという習慣は、遊んでしまったりして避けてしまえばご飯を食べないで済むという習慣にそのままつながってしまうので、普段のそういったときも大人として、泣きに負けたりせず毅然と対応するのがいいですよ。


こんにちは

お返事ありがとうございます。

どうせ出来ない聞けないと諦め半分でいたのが、大きく変わり、息子が‥というよりは本当に私の自信に繋がりました。これもすべておとーちゃんさんに出会えたおかげです。ありがとうございます。

好きなものだけ(というよりは、介助を嫌がり自分で掴んで食べれるものだけ)しか食べず量はなかなか増えませんが、いい循環がとぎれないようにしていきたいと思います。遊びに行ってしまったときも、様子を見ながらやってみます。いい方向に回り出すと本当に可愛いですね☆

子どもになめられてはダメだと、いけないとことはいけないと強めにでも泣かせてでも言ってきたつもりですが、そうゆうことだけではないんですね。反省です。

確かにエレベーターは遊ぶものではないですもんね。子どもが喜ぶから‥とルール違反を黙認してしまってました。今までの分時間は掛かるかもしれませんが、直していきます!

外に出るのが大好きな息子に梅雨時は今まで以上に手を焼きそうですが、室内遊びの楽しさを伝えられたらなーと思います。

No title

はじめまして。いつも楽しみにブログを見させていただいてます。
今回この記事でとても思い当たることがありどうしてもコメントしたくて・・・。
私もこのリフトということをしたことがあり、とってもつらい思い出として残ってます。
今3歳(この春から年少組)の子の母なのですが、息子が2歳1ヶ月のころにこのリフトということをして、無理やり息子を保育園へやったことがあります。
私が2年の育児休暇明けに、息子を保育園へ預けなければならず、事前に「ママは働かなくてはいけなくて、○○は保育園にいくんです」と話はしていたのですが、息子にとって今まで毎日いっしょにいた私が働きにいくということが理解できなかったようで、2日目からすごい嫌がって、絶対いかない態度でした。でも、どうしても行ってもらわなければならない状況でしたので、無理やり抱っこして(えびぞりのような状態・・・)保育園の先生に無理やり渡して、息子が私の服をひっぱってもそれを引き剥がして帰ってきてました。その後、私の母に息子の送り迎えをお願いしていたのですが、息子は半年~一年ほどは積極的に保育園へ行きたい!という感じでは全然なく、1週間に一度ほどは行きたくない~というような日があったようです。年少になったこのごろようやく朝すんなり玄関をでてくれるようで、「保育園でいやなことはある?」ときくと「お友達とわかれるとき」という答えがきけるようになりました。
そのような場合、私はどのようにすればよかったのでしょうか。答えがわかってももうそのときには戻れないのですが今でもあのときのことを思い出すと胸が痛みます。
そのようにしてしまった場合、どのようにそれをフォローしていけばよいのかも教えていただけるとうれしいです。
長々とすみません。今後も楽しみにしています。がんばってください。

kyomiuさん

子供のときに親にされたことっていうのは、そのときどんなに自分が嫌だと思っていても、越えられない壁になって将来その人の子供や人との関わりにでてくることがしばしばありますから、そういった意味でも親が我が子を所有物扱いしないで尊重して関わるというのは大切なことだと思います。

ゆふママさん

いろんな場面によってちがってきますものね。
ちょっとその辺がわかりにくかったようなので、同記事に補足として付け足しました。
わかりにくかったみたいでごめんなさい。

みぃたん★! さん

エレベーターのエピソードが食事につながっているように、子育てっていろんなことがつながっていますからね。
どこか一箇所でもうまくいくようになると、いろんなところがいい方向へ回っていけるようになるものですよ。
ほんとよかったね~。

orang-utan さん

orang-utanさんはじめまして。
今回のこのリフトの話はちょっとわかりにくい部分もあったため、同記事に補足をのせました、よかったらみてください。

子供と関わる上で、やむをえない状況と言うのはあります。
そういう必要があってすることは子供も、そのときの反応はどうであれ、理解してくれるものだと思います。

もし、そのときの対応でなんらかの気になることがでたのならば、それを受け止めるようフォローすればいいことです。
子供は大人よりも大きな柔軟性をもっていますから、ときにそんなことがあったというのならばそれほど気にせずとも大きな影響をあとまでひきずることはないようです。

今回の記事でもっとも言いたかったのは、無自覚的に子供を力で普段から慢性的にあやつってしまうことによって、子供が返って大人に寄り添わない、いわゆる言うことを聞かない状態になってしまうことでした。

こういう問題と保育園や、人にあずけるときの母子分離の問題とはまたべつのことです。
orang-utanさんが、母子分離のときのことをいまでもそれほど気にしていっらっしゃるというのならば、それだけでもうその問題はクリアされていると僕は感じます。
だってそれほどお子さんのことを大事に思って、心配しているのだからお子さんにその気持ちが伝わっていないわけはありません。
もうすでにそのことのフォローはできているはずですよ。

娘(4歳2ヶ月)について相談です。

はじめまして、いつも子育ての深さを考えさせながら読ませていただいております。現在4歳2ヶ月と1歳4ヶ月の娘がおり、上の子は10ヶ月から、下の子は6ヶ月から保育園に通っています。上の子のことなのですが、過保護と過干渉のシリーズを読んでいて、うちにあてはまると思いました。私は弁護士で理屈っぽく、きっちりしていないと気がすまないタイプです(子供に対してそうならないよう努力していますが)。上の子は気難しい性格と思ってましたが自分がそう育てたのかと思い落ち込んでおります。下の子が産まれてから上の子が子供らしくなったように思えるのも、私が少しおおらかになれたからかもしれません。
上の子は、とても素直に甘えるときもあるのですが、「可愛いね。」とかいってもむすっとして「可愛くない。」と言ったり(頻繁に)、どういうタイミングでか、「●ちゃん(自分のこと)に意地悪って言って。」とか言うこともあります。「意地悪じゃないから言わないよ。」と言っても、「言って!言ってよ!」とヒストリックになったりすることもあります。また、何かが上手くいかないと(ちょっとしたことです、お祭りのヨーヨーをぼんぼんしたり、風船をポンポンしたり)「できない!ねえ、できない!」と叫び、「できなくてもいいよ。今はできなくてあたりまえだよ。できるように頑張ればいいじゃない。」言っても「できないー!」とまたエスカレートして顔をひきつらせてちょっとびっくりするようなヒステリックな声で私に対して叫んだりします。私はこれまでも、今も毎日「可愛い、可愛いねー。」と(実際とても可愛いので)ハグしたり触ったりしています。最近、気にいらないことがあると「ママの馬鹿。意地悪。」とか、「化け物(保育園で覚えた言葉のようです)」と言い捨ててさーっと他の部屋に逃げたりします。その際は、そういう行動に私も怒ってしまい、追いかけて腕を捕まえて目の前に立たせ、「そんなこと言ってはいけない!わかったの!」と念押ししてしまいます。「なんでそんな言葉を言うの、誰かに言われたの?」と聞くとたまに保育園で誰々ちゃんのゴムを触ろうとしたら「化けもんだな」といわれたとべそを書きながらいうこともあります。

言葉はとても早かったですし、周りから人の話が理解できて落ち着いた子、といわれることが多いです。保育園でも先生に怒られるようなことは基本的にはせずたまにふざけてるけどまあまあいい子という感じです。下の子に対しても、しょっちゅうモノの取り合いはするものの、可愛いと思ってるみたいで、デレーっとしながら「可愛いね~。」と可愛がったりしてくれます。下の子は活発で、感情がストレートでよく笑う陽気な感じの性格、上の子のような複雑な感じは今のところ感じません。上の子の神経質な感じに私がイライラしてしまう際にも、下の子の可愛い行動で雰囲気が和らぎ、助けてくれています。
上の子がヒストリックな感じになる様子を見るとすごく辛くなるのですが、どうしてこうなってしまったのでしょうか。また、自虐的(自分の事を意地悪と言ったり、可愛くないとか言う)な行動も健全な姿とは思えません。このような姿を直すには私の態度をどう改めればよいのか、少しでもヒントを頂ければ大変ありがたいです。思い当たるのは、上の子が1歳から2歳くらいで一番手のかかる頃、仕事のプレッシャーも非常に高く、忙しさも365日24時間体制という感じで(今は、子育てを優先するため職場と仕事内容を変え、余裕をもつことができました)、夜子供が寝てからも明け方まで自宅で仕事をしているような状況だったため、時間的・精神的に余裕がなくいつもせかしていて、言うことを聞かないと大きな声で怒鳴って言うことをきかせ、保育園の帰りなどはベビーカーにも乗らない、歩くのもいや、というので毎日もめ、「だったら置いていくからね!」と置いてさっさと先に数十メートル歩いたり、着替えをいやがる場合には最終的には無理やり押さえつけて着替えさせるなど、今書いて思い出しながらもひどいことをしていたと思います。子供のかんしゃくもひどく手を出しそうになる自分が怖くなり、自己嫌悪で泣いて別室で横になっていたら「ママちゅき」と言って抱きついてきてくれて更に涙が出たことは忘れられません。夫も忙しく子供とは朝しか会わない、休日も半分以上は仕事という感じでしたので忙しい中一人で育てているという閉塞感もありました(今は、協力的な態度に変わってきました。)。
その頃も、毎晩反省しながら「大好きだよ。宝物だよ。」と愛情は伝えていました。上の子がヒストリックに叫んでるのを見ると、当時の自分を見ているようです。今は職場と仕事内容を変えたので時間的精神的余裕が出て、なるべく怒らずいつも笑顔でいるよう心がけているつもりです。私がきちんと受容できていなかったその頃の反動が今来ているのでしょうか。どうすればほぐしてあげれるのでしょうか。上の子の可愛げない行動に私の未熟さゆえ今でもカッとなってしまう時もあり、悪循環に陥っているように思い、何か糸口を見つけることができればと願い相談させていただきました。

Satoさん

コメント拝見しました。

今のお子さんの姿が、これまでの関わりの経緯によるものかもしれませんし、お子さんがもともともって生まれた癇の強さという部分もあるのかもしれません。
おそらくはその両方でしょう。だから全部が全部Satoさんが悪いというわけではないのです。

ですので、Satoさんがこれまでの関わりを後悔して自分責めすぎないようにしましょう。
また、自責の念にかられたところで、それで子供がよくなるというものでもありません。

子育てに手遅れということはないですし、これからできることはたくさんあります。前向きにいきましょう。


>「可愛いね。」とかいってもむすっとして「可愛くない。」と言ったり(頻繁に)、どういうタイミングでか、「●ちゃん(自分のこと)に意地悪って言って。」とか言うこともあります。「意地悪じゃないから言わないよ。」と言っても、「言って!言ってよ!」とヒストリックになったりすることもあります。

当然ながら↑こう言っていることは本心ではないでしょう。
でも、子供にはどのように関わったら自分が望むものを手に入れられるかがわからずに、大人からすると逆のことをしてしまうことがしばしばあります。


ではどう対応していったらよいかといえば、まずはこれまでにしてあげられなかったことを今からでも埋めていくこと。
コメントによるとそれはすでになさっているようですから、それでいいでしょう。


子供は成長の上でしのこしたことを、大きくなってからでも取り戻せます。
ただ、ある程度の年齢になると、心の自立に伴って恥ずかしさとかもでてしまうので、すんなりと受け止められないということもあります。


普段はそうやって、満たしていくことを積み重ねていけばいいとして、現に「可愛くないっていって」「意地悪って言って」というような状況になってしまったときの対応としては、

まずは受け止めてあげることです。
なぜならお子さんは、全面的な肯定を望んでいるからです。
そのため、
「可愛くないって言って」に対して
「そんなことないよ」と返されてしまうことも、それの邪魔をしてしまうのです。

なので、「可愛くないって言って」に対して受け止めるというのは、
まずは「可愛くないって言って欲しかったんだね」などと、否定のニュアンスを含まない言葉を返していくといいでしょう。

「どうしてそう思うの?」
「ああ、そうだったんだね」
「うん、わかったよ」

など受け止める形の対応していくことで、すぐは変わらないにしても積み重ねていくことでだんだんとそのヒステリックな姿も収まっていくのではないかと思います。


一旦受け止めたあとでならば、「あなたは可愛いんだよ」と伝えてもいいかもしれません。


ただ、子供は「全面的な自分への肯定」に自信がないとき、ごねることで大人からの関わりを求めてしまうことがあります。

「可愛くないって言って」
「そんなことないよ、あなたは可愛いんだよ」
「ギャーーかわいくないのーー」とごねることをして、自分の気持ちの穴埋めをしてしまっているわけです。


なので、「そんなことないよ、あなたは可愛い」といってしまうことで、返ってごねる口実を与えてしまうことがあるので、僕はこういう時に受け止めたあとで「そんなことしなくても大丈夫だよ」「そんな風にいわないでいいんだよ」とか、相手の術中にはまらないところにもっていってしまいます。


当面は、出来ることとか、しつけだとか、ルールを教えるだとかを気にするよりも、「受容・肯定・認める」を積み重ねていくことをしていくのがいいと思います。

あとは「先回りした関わり」です。
ブログの相談コメントの返信などでたくさんでていますので、これに関してはブログ内検索で探してみてください。





No title

保育士のおとーちゃん様
長文にもかかわらず読んでくださり、お返事をいただきありがとうございます。具体的な対応の仕方、ぜひ参考にさせていただきます。娘の態度にどう対応してよいか全く分からなかったので、ありがたいです。
今日は上の子がお風呂で下の子とおもちゃのとりあいでケンカになり、1歳の妹に物を投げだしたので危ないので「危ないよ。けんかするならお風呂からあがりなさい」と一緒にあがったのですが機嫌の悪いまま、「ママはおしゃべりしないで」とまたイライラした感じで言い出したので、落ち着かせようと抱き込むようにして「怒らなくていいよ」と言ったらぎゅっとつねられたのでびっくりし、「どうしたの、ママは痛いよ」と言うと、「だっておしゃべりしたから」と言いました。腹もたち、どうしたらいいのかと思いましたが、アドバイスを思い出し、「そっか、おはなしされたくなかったんだね、でもママは痛かったよ。」と伝えるとうん、と頷き、むしろはしゃいだ感じでご機嫌になり、一人でさっさとお風呂を出て服を着て出て行きました。普段は一人でさっさと服を着るということはないのですが、気まずくてはしゃいだような行動に出てさっさと着替えて出て行った気もします。娘の行動にもやもやし、こんな対応でよかったのか?とも思いますが、少しは受容・肯定ということはできたのかもしれないかと思います。積み重ねが大事と思いますので、少しづつ、いただいた貴重なアドバイスを実践したいと思います。こちらのブログは非常に貴重なアドバイスが沢山盛り込まれていて、心より応援しています。今後も参考にさせていただきますので、ぜひ続けていただけますようお願いします。

はじめまして。最近子育てについて悩み始め、おとーちゃんさんのブログを見つけ、勉強させていただいております。
我が家には2歳6ヶ月と、4ヶ月の2人の息子がおります。
リフトについて、物理的ですぐに行動した方がいいのかもしれないと思う事と、長男の行動で気になる事があるので相談させて下さい。

まずはリフトについてです。
我が家は2LDKのアパートです。構造は、玄関を入りすぐに階段、登った2階が自宅です。そして廊下、右手が風呂、洗面、寝室、正面に台所、台所の横を通って家族が日中過ごす隣合った2部屋があります。長男がハイハイを始め、台所の方へ来るようになった頃から台所とリビングの間にベビーゲートをつけるようになりました。扉を開くタイプではなく、またぐタイプです。
ですので何をするにもその間を通るのには大人が抱っこしてあげないと通れません。例えば朝起きてからリビングに行くのも、夜リビングからお風呂に入る時も。
私が食事の準備をする時に台所へ来られると危ないし、集中できないから取り付けました。しかし、おとーちゃんさんのブログを読んでる限り、子供の自立をかなり阻害してると感じました。
このゲートはすぐに取り外した方がよいでしょうか?取り外したら台所の方へ来て、色々なイタズラをするのが目に見えています。(普段自分では入れない所なので、外から帰って来た時など、台所に入って引き出しを物色します。その時私は触られたくないから抱きかかえてリビングの方へ連れて行ってしまいます…リフトの悪い例ですね…)
本来ならハイハイ時期にガードを付けずにきちんと理解してもらうべきだったのでしょうが…
もし取り外すとしたら、子供にどう説明し、また台所に入ってきてしまった時にどう対応すれば良いと思われますか。

2つ目に長男の行動について相談させて下さい。
例えば絵合わせのカードをしていて急に机からばらまいたりします。絵が合わせられずにイライラという感じではなく、何かストレス溜まってるかのように。見てるこちらも怖いくらい急に真顔で。このような時に私は「落とすとカードがかわいそうだよ。大事にしようね」と優しい口調で言うのですが、厳しく言うべきでしょうか。最近、こういう鬱憤晴らしみたいな物を投げる行動が多い気がするので、とても気になりまして…鬱憤の元となるものを取り除きたく、親子の信頼関係を深める為にもくすぐりごっこをしたり、共感をする言葉をかけるよう心がけたりし始めた所です。でもこの途中の段階で何と声かけするのが一番良いのか、教えていただけたら幸いです。
長男は、お友達を叩いてしまうタイプです。ものの取り合いの時もそうですが、何もないのに叩いたり、押したりする事がたまにあります。(そもそもその行動心理を知りたくて色々調べ始めました。年齢と元々の性格のせいだと思ってましたが、大人との関わり合いによりできた行動だとわかり、反省と共に私自身の子供に対する言動を改めている所です)あとは、あまのじゃくな事を言う。「赤信号は進め〜」とか、私が「○○君好きだよ」って言っても、「好きじゃない」と言ったり。←これは照れた感じで言うので照れ隠しなのかな?と思います…

初めての投稿で長くなってしまい申し訳ありませんが、何かアドバイスをいただけたら幸いです。

よろしくお願いいたします。

リーツさん

補足の部分にも書いてあるように、抱っこして移動することやまたがせることがいけないわけではありません。

必要があってしていることならば、どうどうとすればいいでしょう。


そういった作りならば、子供自身もそこは大人に手伝ってもらって通るところなのだと理解しているはずです。


また、安全を確保するために物理的に柵などを設けることも、「悪い」わけではありません。

必要があると判断されているのならば、それをするのは親の方の怠惰だなどと考えることもないでしょう。



「○○をすべき、○○をしてはならない」といった「正解」を求めながら子育ての情報を探していくととても疲れることになってしまいます。
子育ての方法というのは、個々の子供・親・その状況・環境というもので大きく変わるものです。

話半分、参考程度に意見を取り入れ、それと我が家でのありかたというのを考えながら進めていくといいのではないでしょうか。



落として遊ぶというのは、おそらくはそういう発達段階に来ているためでしょう。

悪意があるからするのではなく、そういう行動ができるようになり、それを楽しく思い始めたからです。


カードを落として困るならば、ほかに落としていいものを設定したり、落とす遊びというものを用意してあげるといいですよ。


「これは困るけど、こっちならいいから存分にやりなさい」というようにしていけば、わざわざ怒る必要のないところで怒らなくてもいいでしょう。


「叩く」というのはいろいろ原因があってなることなので、簡単にどれがどうという風には言えません。

単に幼いためだったり、環境や周囲の子供に不安・おそれがあることが一因だったり、そういったテレビなどの影響などなど、本当にたくさんあります。
また、「過干渉」などの大人の関わりからくるストレスなどからということもありますし、大人がいいなりで甘やかされている故に放埒になってしまっているなどということもあります。


受容するべきところは受容し、子供を満たし信頼関係を強めていくと、困る行動をしたときに強く言ってもそれを素直に受け入れられるようになっていきます。

まだ悪意があってするという年齢ではないでしょうから、その受容・信頼関係のところから進めていくといいのではないかと思われます。


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Author:保育士おとーちゃん
当ブログはあくまで個人ブログであり、記事の内容および相談・コメントの返信等は効果を保障するものではありません。
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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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