だいじ だいじ! - 2011.11.26 Sat
「片付けを教え込むことは重要ではない」(早期に片付けさせることにやっきになってしまうことはない)といったことを述べました。詳しくは↑
あれからもときどき「片付け」について考えていたのですが、僕は片付けを仕込もうとは思わないけど「物が大事」というのは小さいときからきちんと伝えてきたな~ということに思い至りました。
この頃の子供の様子をみていると、物を大切にしない子が増えていることに気づきます。
本来子供は物を大切にするものなのですが、この頃はどうもそうではありません。
なぜ子供が物を大切にするかというと、「アニミズム」と「強い愛着形成」をもっているからです。
小さい子供が花や虫に話しかけたり、ぬいぐるみなどまるで生きているかのように可愛がったり、話しかけたりすることがあるのを知っているかと思います。こういったいろいろなものに心があると考えるのが「アニミズム」です。
子供のときの思いでのある物や本などをいまでも大切に持っているという人もいるでしょう。
子供のときほど物に対する感情移入・愛着というものがとても強いものです。
そういった心のあり方は子供一般が生まれながらに持っているといっていいものですから、実に自然な子供の姿です。
ですが最近は、遊具が愛着を持って大切に使ったり、大事に使ったりするものではなくたんなる消費物のようになってきてしまっているようです。
つかった玩具を投げ捨てるようにしたり、本を踏んづけて歩いたりしている子がとても多いです。
物を大事にする気持ちが無ければ片付けに意味を見出せない子になるのもしょうがないのかもしれません。
こういった物にたいする見方というのはやはり身近な大人の姿勢から形成される部分は少なくないでしょう。
また能動的に関わるモノとしての玩具でなく、単に刺激を発するだけの玩具に慣らされてしまっていても、やはりなかなか愛着を持つというのは難しいかもしれません。
僕は片づけを教え込まずとも、多くの子供を片付けられる子に育ててきました。
なぜか?とそれを振り返って考えたとき、僕自身モノを大切にしたいと思っているから、そしてそれを子供にも伝えたいと思っているからこそ、子供たちにもそれが伝わってくれたのかなと考えました。
物はなんでも大切なのですが、特に本は大事にします。
それは心を育てるものだからです。
またぬいぐるみなどは子供の前では「モノ扱い」しません。
それは「心」があるものだからです。
僕は、「心」のある物に囲まれて育った方がそうでないよりも、「心」が育つように思います。
よく片付けを競争にするといいとか遊びにすると片付けをする、なんて話を聞いたり読んだりしますが、僕はあんまりやりません。
まあ習慣化させようとしたときのテクニックとしてはいいのかもしれないけれど、僕は子育てというのは子供の心を育てることでもあると思うので、結果だけを求めても意味はないので。
大人の姿勢から、物を大切にすることを学んでから、大事に扱ったり片づけができるようになってくれるというのがいいのではないかと思ってます。
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● COMMENT ●
質問です
コメント欄しか記入する方法がわかりませんでした。すみません。。。
もし不適切なら削除してください。
来年1月に2歳になる娘がいます。(上に6歳♂、3歳♀がいます)
この子が1歳を過ぎた頃から手がかかるようになったと言うか、
1歳前より難しくなったな、と感じるようになりました。
成長の証?この子の個性?と思って、自分なりにやってきましたが、
いよいよ私の我慢が限界にきてしまいました・・・
色々あるのですが、その中で今一番とても辛いのは、この子が「叫ぶ」ことです。
「キャー」というのか、「キー」というのか、甲高い声を発します。
自分の思うようにいかない時が多いのですが、
声も大きくて高いので回りに響き渡ります。
病院、スーパー、図書館、本屋、場所を選ばず叫びます。
子供だから当たり前ですか?
出かける前に「静かにしようね。大声出さないよ」などと
言い聞かせるのですが、全然ダメです・・・
上の子達はこんなことがなかったので、どうしても
なんでこの子は・・・と思う自分がいます。
叫び声で周りの視線も感じるので、この子を連れて外に出るのがイヤになってきました。
私はこれからどうしたらいいですか?この子の叫ぶのを我慢するしかないのですか?
できればこの子が叫ばないように教えることができればいいのですが、
私にはどう対応したらいいかわからないのです。
このままでは我が子であるけど、可愛いとさえ思えなくなりそうです。
何度も「うんざり。。。」と思ったこともあります。
また、叫ぶことだけじゃなく、兄姉やお友達を噛んだりもします。
口から先に攻撃しようとするので、お友達といる時は
常に見張っていないといけないというか・・・
それにお友達や他の子を見ると威嚇するような声も出したり、
お友達は何もしていないのに、わざわざ寄っていって
めっ!って感じで手を出したりすることもあって、
「なんでそんなことするんだろう・・・」と悩んでしまいます。
過去の記事を拝見して、スキンシップをしたり、
ダメではなく、他の言い方を心がけたりしていますが、
なかなか上手くいってません。
やっぱり私がガミガミ言うから?私の育て方が悪いから?でしょうか?
それなら、これからの親子関係のためにも直したいです。
まとまりがなくてすみません。。。
どんなことでもいいです。何かお気づきの点や気になることがありましたらお聞かせください。
よろしくお願いします。
きらりさん
キャーといったりキーといった声をあげたりするのは、親からしても心地いいものではないし、周りの迷惑とか考えてしまうのでとてもストレスになってしまいますよね。
本当にそれは大変だと思います。わが子であっても「うんざり」してしまったりするのもわかります。
できることならば、それは直していきたいですよね。
僕としてもできるだけお手伝いしたいと思いますが、実際にきらりさんとお子さんの対応やお子さんの様子を見ていないので、ドンピシャリというアドバイスまではうまくいきません。
一般論的に大まかなことになってしまうかとは思いますが、とりあえず思い当たることを書いていきますね。
そういった子供の様子の原因になることは、それこそ数限りなく考えられます。
原因がわかれば対応も考えられるのだけど、現段階ではそこまでわからないので可能性のあることを述べます。
まず極端なところでは、あまりに激しい奇声をいろいろな場面で長時間にわたってあげたりするというのであれば、自閉的な症候群ということもあります。ただしその場合はそのほかの面でも様子の違いなどが現れるはずですので、とりあえずここでは除外して考えていきます。一応可能性という話です。
「キー」といったりするのはどういった状況でなのでしょうか?
なにかいやなことがあったり、思い通りにならないことがあったときにあげるのでしょうか?
とりたてて奇声をあげる理由もみあたらないのに、外出先だけであげるというのであれば「場所見知り」ということも考えられます。
生まれつき繊細な子のなかには、なれない場所に大きな不安を感じる子がいます。
このこと自体は別に珍しいことではありません。
まずもってほとんどの子が慣れない場所に対しては、それを表現するかどうかは別として不安を持つものです。
なかにはその不安を奇声によって表して、なんとかその状況を回避しようとか、親に安全を確保してもらいたい、安心させてほしいと伝えようとする子がいます。
また、なかには活発な年齢の兄弟がいるなかで育ってきて、「心の休まるときがない」「安心感をなかなかもてない」というようになってしまっている子もいます。
上の子たちにもみくちゃされて育ってきてそれをなんでもなくあっけらかんととらえる子もいるのですが、なかにはそうされることでおびえてしまう・不安にさらされっぱなしになってしまうという性格の子もいます。
そういう子がそういう状況で育ってきてしまうと、ちょっとしたことでも不安になりがちになってしまい、慣れない人や慣れない場所に拒否反応を起こすという場合があります。
>やっぱり私がガミガミ言うから?私の育て方が悪いから?でしょうか?
きらりさんの子育ての様子を見ていないので僕はそれが悪いかどうかわかりませんが、なにかこれまでの娘さんへのかかわりの中で思い当たるようなところがあるのでしょうか?
小さいときから常に否定やダメだしで育ててきてしまうと、なかには自己肯定感がもてずに攻撃的になったりネガティブな関わりを出すことが多くなったりしてしまうということはあります。
それが奇声という形になっているということも可能性としてはありえるかもしれません。
なにか関係ありそうなことはあったでしょうか?
それともこういったことが要素としてちょっとずつ積み重なっているということももちろんあります。
もし、なんらかの原因のあることならば適切に対応すればなんとでもなります。
とりあえず、思い当たる対応法としては
○先回りした心地よい関わり (ブログのあちこちにでていますが、くすぐりなど )
○相手の意を汲むような声がけ・代弁の言葉 (どうしたの? そっか、この場所が慣れなくて嫌なのかな?じゃあ用事が終わったらすぐ帰るからもうちょっとまっててね など その際大事なのは大人が否定的な気持ちで言わないこと、子供はそれを簡単に察して返って不安・不満を持つので、あくまで相手の気持ちを汲む、寄り添う )
○安心・安定した時間・空間をちょっとでも持てるようにする。
あまりににぎやか・騒がしいときばかりでは乳児は不安感を増大させていってしまいますので(個人差ありますが)、穏やかにくつろいだり安心してすごせる場を持つように心がける。
○否定の関わりを減らす
ダメ→どうしたの? に変える。 「うるさい」 「はやく」 といった制止・禁止・指示の言葉というのは子供をネガティブ行動に駆り立てることがあるので、あまりに多ければ少なくすること無くすことで改善がみこめるかも。
状況がわからないのでとりあえず思いついたことを書いてみました。
また子供の中には、生まれつきの気質として泣きや感情の激しい子というのがいます。
例えば、起きている間中泣いているというような子です。
こういう子の場合、ある程度の発達段階を迎えることで様子が落ち着くことが多いようです。
なにか思いついたことなどあればまたコメントください。
ゆふママさん
「わたし」を十分に認められ・肯定され・大事にされてこそ、「わたし」以外のものに対しても「わたし」と同等のものと考え接することができるように育っていっているような気がしますよ。
No title
どうあがいても光の見えないトンネルに入っている状態で、
なんとかできないかと思って質問させていただきました。
でもアドバイス頂いて、少し心が軽くなりました。ありがとうございます。
おとーちゃんさんのアドバイスを頂いて、今の自分の子育てや子供とのかかわり方について考える時間が必要でした。
まだ始めたばかりですが、少しずつ実践?していますが
なかなか自分を変えるのが難しく上手くいかないものですね(笑)
娘の難しさが自閉的なものかはまだ判断しかねます・・・
もしかすると見た目ではわかりにくい部類の可能性もあるかもしれないので、今後よく注意しないといけないなと思いました。
ほとんどが自分の思うようにいかない時に奇声をあげます。
例えば子育て広場で、絵本の読み聞かせの時に(同じ年齢でも)他の子は座って聞いているのに、娘は他の事で遊びたくて
私が言い聞かせても「イヤー」と言う・・・
また買い物中はカートに乗ってるのですが、自分が気になるものを
持たせてとか取って!みたいな意思表示をして、
私がそれをしないと怒り出す・・・
などという感じです。ダメと言うと余計に聞かないのでなるべく言わないようにしていますが、他の言葉でなだめても娘の気分がおさまらないので、最終的にはダメと言ってしまうことも多いです。
もうすぐ2歳ですが、私の言ってることはほとんど理解できています。
なので娘にとって都合の悪いことは聞いてないんですね。
あと、兄姉や他の子を噛もうとしたらどういう言葉かけがいいのですか?
一瞬の出来事なので咄嗟的に「ダメ」とか「○○○!(名前)」、
「噛まない!」などと言ってしまうのですが・・・
また、噛んでしまったあとはどう言って教えていけばいいのでしょうか?
兄姉と物の取り合いになったり、自分の思い通りにいかないと、
どうしても口が先に出て噛もうとします。お友達にも口から攻撃しようとします。
噛むまではいかなくても、手をあげて叩いたり叩こうとします。
気が強い性格で済ませるのではなく、どうにか直していけたらと思うのですが・・・
最初の相談とはズレてしまって申し訳ないのですが、
何かいい対応の仕方があれば教えてください。
きらりさん
こういうときはまずは、「あ~そうなんだ~いまは聞きたくないんだね」とあるがままをまず受け入れてあげると大人も子供も気持ちが楽になりますよ。
別に「あ~そうなんだ」と言ってもそれは子供へのアプローチをあきらめたとか投げたというわけではなくて、専門的に言い換えれば「いまはまだこういった発達段階なのだ」「いまは気分や情緒がそうなっていないのだ」と認識することでもあります。
また子供の側からすると、なにかを無理やりさせられたのではなくて、受け止めてもらえたという安心感を持つことが出来ます。
本当にどうしてもその時点で出来なければならないこと、というのであれば無理にでもやらせる必要があるかもしれませんが、まだこの年齢ではそういったことはあまりないはずです。ですから、それをしたくないからといって無理にさせることもありません。
なにからなにまで「させなければ」と子供に対してずっと思って向き合っていると、本当にやってほしいことまでしてくれなくなってしまうものです。
なので不要不急のものであれば「あ~そうなんだ」とまず受け止めるのがいいです。
子供はしっかり受け止めてもらえてると思うと、そのうち自分からやりはじめたりします。また時間の経過がそれを可能な発達段階までもっていってくれるということもあります。
否定と指示を減らして受容と肯定を増やすようにすると子供はずっとかかわりやすくなります。
>あと、兄姉や他の子を噛もうとしたらどういう言葉かけがいいのですか?
危険な行為に対してはこれはもう「ダメ」でも「かまない!」でもいいです。子供自身わかってくるとそういった強い否定の言葉でなくても「あっ」とかだけでも止まるようになりますが、まあ危険なことを止めるためにははなんと言ってもいいです。
問題は止めた後です。
子供の噛み付きというのは基本的にはなんらかの思いがあってなされています。
言葉がでなかったり、ボキャブラリーがなかったりするために、または感情のコントロールが発達していないためにその思いが「噛み付き」となってでてしまいます。
なので危険だから止めることで否定したままにしたり、その後怒られたりしてしまっては、その子がもっていた思いまで否定したままになってしまいます。
すると子供は自己否定感を持ったまま成長していくことになります。
これは子供をたくさんのネガティブ行動にかりたてます。
なので、噛み付きを止めたら怒って接するのでなくて、落ち着いておおらかな気持ちで「どうしたかったの?」と聞いてみてあげましょう。
このとき子供が気持ちを整理するまでちょっと時間がかかることがあります。少し待ちます。
それから、子供がたどたどしいとしても言葉でなんらかの思いを話すならばそれをきちんと聞いてあげて相手が話し終えたら、大人からおうむがえしで「あなたは○○だから~~したかったんだね」と受け止めてあげます。
もし言葉で言えないようだったら、大人が子供のしたかったことを汲んであげて代弁してあげます。
「あなたは○○がしたかったんだけど、それがさせてもらえなくて噛んじゃったんだね。」
↑これをしてあげることが噛み付きの対応としてはなによりも重要です。
「噛むことはよくないのだ!」などと叱ったところで、けっして噛み付きはなくなりません。それよりも思いを否定されなおかつ叱られることで抑圧されさらに噛み付きや他のネガティブ行動が増えるだけです。
もし、物のとりあいとかではなくて、「なんの理由もない噛み付き」がたびたび出ているのであればまたこれには別の対応が必要になってくるでしょう。それはまた別の話になってしまうのでここではおいておきます。
この聞いて受け止めるということを繰り返していくだけでも噛み付きはなくなっていきます。
ただし大人に見守られているという安心感がなければなりませんが。
放任された状況ではその「自分の気持ちをきちんと受け止めてくれる人」がいない状況になってしまいますので、なかなかなくなってはいけません。
でも見守られていると、子供が思いをうまく言えずにそれまでなら噛み付きのでる状況になったとき、大人の方を一回見るようになります。そのときにアイコンタクトしたりすることで噛み付きを思いとどまるようになっていけます。
なので気持ちの受け止め、代弁というのをまずします。
こういったことや、受容・共感・肯定ということを(噛み付きの対応以外のところで)平行して行っていって、気持ちに余裕ができてきたり情緒が安定してきたりすれば、噛み付きがでそうになり受け止めたりしたあとに「そうだったんだ、わかったよ。でもお母さんは噛んだらいやだな」とか「お兄ちゃんを噛んだら痛いよ」などと付け足すことも可能です。
ほかにも、「適切な言葉」を知らせるということもあります。
例えば物の貸し借りで噛み付きなどがでそうになったというならば、気持ちを受け止めたあとに「あ~そうだったんだ、わかったよ。そういうときはね~カシテって言うんだよ」
場所のとりあいだったり、通り道でのトラブルだったら「そういうときはイレテっていうんだよ」「そういうときはチョットドイテっていうんだよ」
などです。ただこれも上と同じで気持ちに余裕が生まれてでなければ生きてこないので、きちんと受け止める関わりの積み重ねがやはり大切になります。
なんにしても基本になるのは受容・肯定・共感を普段からたくさんすることです。
そのためには「先回りした関わり」が役に立つはずです。
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ここにあげたようなことがちょっとずつでいいから形成されてくると、子供のネガティブな行動が減って素直なかわいらしい姿が多くなってくると思いますよ。
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子供にキャンディのおやつを与えてるときに思ったのが、ひとつひとつ包装してあってひとつ食べる度に包装紙をきちんと捨てさせてた私。捨てなさい捨てなさいが口癖になっていて、子供は『捨てる=物を粗末にする』ことを覚えてしまったのでは…と思うようになりました。怖いことです。
子供に言うまえに自分が正さなければと思いました。