保育士が施設病 Vol.2 - 2012.03.01 Thu
床にテープをはって立ち入り禁止にすることが、なぜ保育の根本に関わっているのか。
なぜそれが「子供への視点」の問題なのか。
学校などでならば、入っては困る場所や危険な場所に「立ち入り禁止」の札をたてて、「そういったルールは守りましょう」という教えをするかもしれません。それはそれでわかります。
しかし、お雛様はもちろん危険物ではありません。
それを「いじったりして壊してはいけない」ということを伝えたいのであれば、普段から作られているはずの保育士と子供との信頼関係の上で、子供に伝えていけばいいことです。
もっといえば、「いじってはいけない」というルールを伝えるのでははなくて、その前に「物を大切にする」とか、きれいに作られているものをきれいだと感じたり、人形に対する愛着であるとか、お雛様という文化を楽しめるというような「心」を子供に作ってあげるのが、人間の根っこの部分を作る仕事である「保育」というものなのです。
線を引いて「ルールだから入るな」というのは、そのすべてをすっ飛ばしたところで子供に対時していると言えるでしょう。
子供と信頼関係を築いた上で、寄り添ってそのひな祭りという行事やお雛様というものを大切にしたり、綺麗だと感じたりする子にしていくという関わりではなく、
大人が上、子供が下という位置にいて、上意下達でルールを教え込むという保育になってしまっているのです。
登降園のときなど、物珍しくていじりたくなってしまう子供もいるでしょう。
そんなときは、担任や保育士に限らず用務員や給食員など誰でも、気づいた人間が声をかけたりして、そういうものへの接し方を伝えていけばいいことだし、そういうことはそうやって多くの人間に関心を持たれているということを子供に感じさせるとても大切な機会です。
それが保育園として子供を大切にするということであり、保育用語で言えば「全園的に子供をみる」ということでもあります。
それを物理的に囲ったり、ルールで押さえつけてしまうというのは保育士の子供への視点が施設的になりきってしまっていると言えます。
この保育園では(というより僕の住んでいる区の公立保育園では全般的に)こういうことがたまたま、ではなく頻繁にあるのです。
園舍を新築するために昨年度は仮園舎でしたが、そこでは2階にあがったところにある木の柵(転落防止柵)が床から天井まであるとても大きなもので、唖然としました。
まるで刑務所のよう。
これに関しては多くの親から苦情があったそうですが、それに対する答えが「柵が天井までないと、乗り越えてしまう子がいるから」というものでした。
そういった危険なことをしない子に育てたり、子供を安全に見守るのが、保育士に課せられた使命であって、それを物理でできないようにしてしまうというのは、子供を大変見損なった・子供を貶めた行為なのです。
また、廊下にはペットボトルにカタツムリの絵を描き「あるこう」とかいたものを、どまんなかにおいています。
可愛く描いたところで、結局のところ上意下達の命令でしかありません。
では、子供たちは廊下を走ったりしないかというと、全く逆で平気で走ったり、膝から滑り込んだりしています。
そういう姿が日常的にあるのに、そこの保育士はとりたててそのときになんのアプローチもしません。
子供へと寄り添った関わりの姿が見られないのです。
子供を日常的に「見守る」という姿勢が、保育士のなかに感じられないのです。
本来ならば、小さいうちから見通しをもって積み重ねの関わりをしていけば、だんだんとすべきことすべきでないことというのは身についていくはずです。
でも、その「保育士が上、子供が下」という視点の保育では、「子供に問題な姿がでてきたから、じゃあそれを押さえつけよう」といった関わりになってしまっているのです。
その保育園では、1歳児の担任から主任までが平気で子供の腕をつかんでひっぱって歩いています。
1歳児を事務所で健康診断受けさせに行くのに、廊下を避難車(バギーの大きな様なもの)に乗せて移動させていました。最初避難訓練なのかと思ったけど、移動が楽だから、子供がうろちょろしてしまうからという理由で乗せているようでした。
それらのことを指摘したことがありますが、なぜそれが問題なのかそこの保育士はわからないのです。
怠けているとかやる気がないということではなくて、そもそもの視点が上から見下ろした位置にあるので、理解できない・話が通じないのです。
お雛様のテープのことを話した次の日、園長が「ご指摘ありがとうございました。職員で話し合ってテープをやめることにしました。」と言ってきました。
さらに「その前日にトラブル(子供がいじったという意味のことらしい)があったので、そうしてしまったようなんですよ」と言い訳めいたことを言われたのですが、問題があったからそれを規制する対応をしたというのでは、なんにもわかってないということであり、さらに残念な気持ちになってしまいました。
でも、視点・問題意識のありかが違うのでわからないのです。それをもう何十年も変わらずやってきてしまっているから、ベテラン職員も若手職員もそれ以外の視点が持てなくなっていて、期待できないという状態になりきってしまっていました。
やはり同じ区の公立保育園に10数年前に子供を通わせていた同僚保育士も、「昔からそうだったよ。今も変わってないんだね」と嘆息していました。
自分の住んでいる区だけに、このようなレベルの保育をしているというのは大変残念です。
また、僕としては公的保育の重要性を強く訴えていきたいのに、保育のレベルが低いのはともかく、改善すべき点を自分たちで見つけて良くしていこうという意識・能力がないというのでは、公的保育が切り崩されて、民営化・場合によっては商業化していってしまうのもやむをえないと思ってしまいます。
保育園であれば子供のより良い育ちを目指して、日々向上しようと努力していかなかればならないでしょう。
なかんずく公立の保育園には、保育業界を牽引していく役割があると思います。
しかしながら、前動続行な公務員体質や、優遇された諸条件などに甘んじてしまって、進歩どころかはるか昔のまま停滞してしまっているところが少なからずあります。
どうか公的保育をこれからも維持していくために、組合活動だけでなく、保育の質の向上というところでもがんばって欲しいと強く願います。
注) 「公的保育」という語は公立保育園という意味でなく、行政が維持・保障すべきものとしての保育という意味で使っています。
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● COMMENT ●
No title
返信ありがとうございます
いつもながら、丁寧であたたかいお返事ありがとうございます。
到底許しがたい事であれば、怒ってもいいのだと、けれど怒る時には気をつけなけらばならない大切なことがあるということを教えていただき、またひとつ、娘への対応を学びました。あまりにも理不尽な要求や駄々の時は、それは聞き入れられないと、おかしいよと、きっぱりと伝えつつ、あなたの事は大好きだよと伝えていけたらと思います。感情的になり難しい時は、せめてくすぐり攻撃して母娘ともに笑顔を取り戻したいと思います。それさえ難しい時があると思いますが・・・。
子育てで苦しんでいる事、周りの人は知りません。娘は基本、外ではそこまで激しくやらないので「難しい子」とは思っても、こだわりの強さや激しさや理不尽極まりない部分はもちろん見えませんので・・・。よくあるケース、というわけでは決してないでしょうから、理解、共感されづらいだろうなと思うので、ママ友にも当たり障りのないことしか話しません。娘の事でこれほど行き詰っているのに、吐き出す、解放する場がありません。ですのでおとーちゃんの「できるならお子さんと関わってあげたい」という言葉、「一緒に考えましょう」という言葉、どれほど心にしみわたったか・・・。本当は、こういったパソコンの文字でなく、お礼の手紙を出したいくらいの気持ちです。
本当に本当に、ありがとうございます。
娘ですが、あの、私が切れて泣き叫んだ日から、こだわっていた椅子への座り方をやらない時も出てきました。(こだわることの方が多いですけれど)かなり我慢しているようで、気も使っているようで、涙目になっていたりします。
0歳台の頃から、きちんとしているというか、たとえば伝い歩きをしていて何かを落としてしまった時など、そのまま歩き続けることはせず、落ちたものをちゃんと元に戻して、でも赤ちゃんなのでうまく戻せずまたすぐ落ちてそしたらまた戻して・・・を繰り返したのちに、ようやくまた歩き出す、といった部分がありました。元来きちっとした所があったのかなあ、そして私も厳しくしてきてしまったせいで余計にカチカチになっちゃったかなあと思うところもあります。
相変わらずこだわりの強い、気難しい日々ですが、やさしいところもたくさんあります。鬼の絵が描いてあるチラシを一生懸命高いところに置こうとしているので「どうしたの」と聞くと「○○(弟)が怖くないようにしてるの」と。(弟は、鬼さんが怖いのです。)この間は、風邪を引いた私に、弟がひっきりなしに話しかけてるのを「あのね、ママはのどが痛いからあんまり喋れないんだよ」とたしなめていました。そして、もちろん常にそうできるわけではないですが、弟がぐずっていたら、自分も眠たくて疲れていても、すっと私とつないでいた手を離し、弟にゆずります。「あなたも眠たいでしょ。○○にバギーに乗ってもらって、手をつなぐ?」と提案しても、「そしたら○○が泣いちゃうからいいの。」なんて言ったり。
機嫌のいい事がほとんどの弟と違い、機嫌のいい事は極端に少ない娘ですが、こういった優しさに、癒されたりします。
こういった娘のよさを台無しにしないよう、つぶさないよう、できるだけ、娘の短所に適切に対応していきたいです。けれどそれは私にとってはとても難しいようです。もうしばらくの間、行き詰った時、おとーちゃんに相談してしまうことを、どうかお許しください。
今回の記事ですが、おとーちゃんのような方が、ご自身のお子さんをそういった園に通わせるのは、どれほどやるせない事でしょうね。もちろん家庭でしっかり関わってあげれば大丈夫なのでしょうけど・・・。
うちの下の息子は、いたずらや、してほしくないこともよくしますが、お雛様にはさわりません。ニコニコ見ています。部屋にお花もよく飾りますが、そーっと触っています。最初からそうではなく、徐々に、わかってくれたようです。(娘はもともと、そういったことは一度教えると、やらないです。)
我が家から徒歩5分にある公立保育園では、「だめよ!」「いけません!」そういった怒鳴り声、あるいは強い口調をよく耳にします。腕をひっぱって園児を連れているのも、ひっくりかえってぐずる子の足を引っ張って廊下からお部屋に引きずって連れて行ったのを見たこともあります。さすがに黙っておられず、その園に子供を通わせている近所のママにそれを伝えると、似通ったことがよくあるらしく、憤り、園に話をしたようです。が、何も変わっていないようです。
娘は今年から保育園に行くのですが、徒歩5分とはいえ、とてもその園に希望を出す心境にはなれず、第一希望ではありませんが、別の園に決まりました。こどもは「どこでも適応する」とは思いますが、どういう風に「成長」するかは、その子次第でもあり、、どういった保育を受けるかでも変わってくるという事も事実なんじゃないかという気がします。
うまく言えませんが、保育園という場が、あたたかくこどもを見守り、受け止め、寄り添い、向き合い、示してくれる場所であってほしいと願ってやみません。
おとーちゃん、色々な気持ちがおありだと思いますが、このブログを見ているたくさんのママが、心ある保育士の方がおとーちゃんに共感し、応援していると思います!
おひなさま
今回の記事、私は保育士さんでも何でもないですが、とても考えさせられました。
娘はこのところ、イスを大小並べて私の胸くらいの高さにあるものは何でも触ろうとします。それは冒険心・好奇心と興味からだと思うのですが、大きいイスはバーのスツールの高さなのでそこに上がると危ないから止めてと言っているのに、毎日のぼってしまいます。自分はこれをやりたい!という気持ちが強いのと、私が言うことの反対のことをしたくてたまらない…という感じです。(身体能力的な成長を感じられて嬉しい反面、転倒の危険もあるから心配で…)
家の外ではそういう危険なこと、やってはいけないことは大体聞いてくれるのに、家の中では面白がって反抗してきます。
それで、今年はまだお雛様を飾っておらず…。飾っても頻繁に注意したり怒ってばかりになるのでは意味が無いと思って。(そういうのに私が疲れたということもあります。)
お雛様を娘に贈ってくれた実家の母にその話をすると、触られてもいいから出してやれば?と言われました。小さな親王飾りなので台ごとひっくり返されるのではないかという不安があり、すごく悩んでしまいます。(娘はクリスマスツリーの飾りを引っ張って、倒してしまいましたから…。引っ張ったらどうなるか試しにやってみたと言っていました。運良く、娘の頭の上には落ちませんでしたけど。)
お雛様はツリーほどには危険では無いので、週末だけでも出してみてようかと思えてきました。
よそのお宅の花は手折ってはいけないということはわかってくれているので、お雛様のこともちゃんと説明していけば、あまのじゃくな娘でもわかってくれるかもしれませんよね。それに、もしも触って壊してしまっても、それも勉強…ですよね。
保育園開園にあたって
今日たまたま保育士おとーちゃんさんのブログにめぐり合い、夢中で読んでしまいました!
私は二児の母として子育て中ですが、毎日がみがみ言うのが習慣になってしまっていて、ちょうどこのままじゃいけないなと思っていました。
反省してはまた・・・という繰り返しなのですが、自分の子育てをときどき振り返り、修正する指針としてこれからも度々覗かせていただきます♪
ところで、私の両親が幼稚園を経営してまして、来年4月に保育園も新たに開園することになりました。幼保一体ではなく、あくまでも別々の施設として0歳から入学前まで100人程度の規模です。兄がメインとなって準備をすすめているのですが、私も事務を中心に手伝うことになっております。
そこで、私も娘も幼稚園出身。保育園についての知識が薄いのです。色々と勉強中ですがまだわからないことだらけです。
ただ、もっとも大切なのは良い人材だと思っています。これから保育士さんなどを募集し面接するのですが、どういったことを重視して選んだらよいか、具体的な質問など、もしアドバイスがありましたら是非お願いします!
お忙しいと思いますが、よろしくお願いします。
家庭内でも…
今回の話は家庭内でも言えることだなと思いました。
うちの夫は触って欲しくないものにガムテープをグルグル巻きにしていますよ(汗)私は「危険な物以外は口で教えればいいんじゃない?」というのですが、『子供には言っても無駄』という考えなようです。
実際、以前おとーちゃんが書いていた背中に大人が引っ張るための紐がついたリュックを買おうとしたりしてましたし。(当然買いませんでしたよ!)
よく夫婦間で話し合っているのですが、主人は気が短いせいか、大人から見て手っ取り早い方法を探してしまうようです。
保育園の話ですが、私が住んでいる町の公立保育園もおとーちゃんの地区の保育園のような感じです。
園庭を開放してくれるのでたまにいくのですが、私の個人的な感想ですが『いかに怪我させずに問題を起こさずに一日を終えられるか』を第一に考えているように見えます。
先生方はお話するととても良い方なのに、先生方が園児さんを見ている姿がなんだかピリピリした感じです。
教えてください
いつも大変参考にさせて頂いています。
2歳半の高機能自閉症グレーな息子がおります。4月から通園が決まっています。
メインは言葉の遅れですが、最近になりポツポツと出始めました。
息子は発達ゆっくりのため、むーちゃんの所はちょっと切なくなりますが…(苦笑)おとーちゃんの話は私の育児における心がけとして大変参考にさせて頂いています。
本題ですが、通園施設には沢山の赤テープの×が貼ってあります。確かに施設なので、視覚優位の子どもが多いから仕方ないのですが…
息子は施設の中ではおそらく一番軽度のような気がします。
言い聞かせればわかる子です。
今回の記事を読んで、施設的対応という考え方があることを知りました。
視覚優位の対応ばかりの中での通園に少し戸惑いを感じております。
実際に遊びに行くと、×が(というかテープや×という形)が気になって仕方ないようです。
こういった場合は、×の意味を言い聞かせしていけば良いのでしょうか、×イコールダメと教えていけば良いのでしょうか…
とにかく×ばかりで、気になってしまいコメントさせて頂きました。
まとまりのない文章ですみません。読んでいただけたら嬉しいです。
素敵なブログですね!
脱放射能生活を目指し頑張っています!少しでも皆さんと情報を共有し、子供たちを明るい未来へと導きたいと思いブログを書いています。
子育てをしている方なら、お役にたてる情報だと思うのでよろしければ相互リンクを貼ってもらえませんか?また、ランキングを上げることでみんなに知ってもらえるのではないかと考えています。気が向いた時で構わないので相互応援クリックも含めお願いしたいです!
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ふぅママさん
ふぅママさんのように、資格をとって働き始めたところしかしらなければ、その保育が良いのかそうでないのかわからないというのも保育士にとって普通のことになっているでしょう。
ほとんど、いまの保育は担当になった保育士の人柄次第というのが現実です。
そういうのが少しでも良い方へ変わっていけるように願っています。
ふぅママさんも仕事復帰はいろいろ大変かと思いますが、無理せずお体に気を付けてがんばってくださいね。
まきすけさん
ご質問の件ですが、おっしゃるとおり保育はもう良い人材次第ということに尽きると思います。
そしてまた、良い人材を判断するのもこれまた難しいんですよね。
人当たりよく優しそうだと見える人が、保育の現場にはいると全然そうでなかったりすることもあるのが保育の仕事の難しいところだと思います。
そういうことでもあり、また僕は人を使う立場にもましてや採用する立場にもなったことがないので、どうしたら良い人材を見いだせるかというのは正直わかりません。
なのであまりお役に立てないと思いますが、僕がもし自分で人をとるのだったらどういうところに気をつけるかだけ書いておきます。感想程度のものだと思って聞き流してください。
最近、よく保育士不足と言われています。
資格を持っている人はたくさんいるのだけど、募集してもなかなか人が集まらないと聞きます。
僕も周りで公設民営や新規開園など見聞する機会がそれなりにあって、なんとなく情報が入ってきますが、慌てて人をとったところだと、なかにとんでもない人が混じってて、あとで虐待まがいのことがあったりということもいくつか知っています。
どうしても新規開園だとある程度の経験をもった中核になるベテランの職員が必要になるとは思いますが、僕だったらよほど信頼できる人か、実績の分かっている人以外では50代、60代はとらないでしょう。
まあ、年齢が全てではありませんがベテランほどハイリスクハイリターンのようになるかと思います。
いい保育が出来る人ならばもちろんそれはいいのですが、逆に古い考え方や、質の低い保育を長年続けていただけという人も少なからずいます。
そういった人は、新しい園にきたからと言って保育がよくなることはないし、なまじ経験とプライドがあるので研修などしてもいい保育になることはまずありません。また、親対応でのトラブルなどの原因もなります。
だったらむしろ若くて柔軟な人を育てる方がよいからです。
もっとも選びがたいと思われるのは、園長経験者です。
もちろん、評判のいい人ならば問題ないでしょう。
しかし、園長経験者で再就職し保育施設の施設長になった人で良い人は僕の知る限り、聞く限りほとんどいません。
なぜか、皆同僚にあの人の元では働きたくないと言われるような人からなっています。
新規開園のところほど、それで失敗ししばらくして園長がかわって良くなったというところがいくつかあります。
経験者を採用するとしたら、
地域にもよりますが、僕は東京ですので都内であれば、一概にはいえませんが公立>私立認可>>>>認証・無認可のような形で保育の質が推移していくかと思います。
ただし公立の質の差は自治体によりさまざまです。必ずしもいいとはちっともいえません。
きちんとした保育理論を全園的に取り組んでいる私立認可保育園は、公立の平均値よりもはるかにいい保育をしているところもあります。
ただ、あまりに凝り固まった考えだと新しいところでのやり方に馴染めないということもあるかもしれませんので、その点は程度問題でしょうか。
認証・無認可・ベビーホテルなどでの経験は、大部分が質より量といったものですので、きちんとした質の保育を目指すのであれば、むしろ低い質の保育の経験を積んできてしまっていると判断するかもしれません。
それを変えられる柔軟さのある人ならば問題ないですが、他と比べて自分の保育を見るということのとても少ない体質の業界なので、とんでもなく質の低い保育をしていてもそれに高いプライドを持っている人が少なからずいます。そういう人が入ってしまうと、保育の質うんぬんだけでなく園全体の運営がずいぶん難しくなるというのを経験しています。
また、職務経験は幼稚園だけだが両方の資格をもっていて、保育施設に再就職という人も多くなっています。
僕はたまたま職員は幼稚園経験者と新規採用だけという保育施設を知っていますが、失礼ながら保育とくに乳児に関してはまったく素人知識でやっていたので、惨憺たるものでした。人柄や人当たりはいい人たちだったので、保護者からクレームがでるような大きな問題にはなっていなかったのが幸いでした。
今回の記事に書いたような、上から子供を指図するような関わり方の癖が抜けない人もなかにはいますので、もちろんこれもその人次第ですが、経験としては100%そのまま保育園に通用するという風に考えるとその通りにはならないかもしれません。
どういう人を取りたいかと考えると、子供の成長に寄与したいとい思える人でしょうか。
経験者に対してであれば、対応の難しい子の事例をあげて「あなたならどういった対応をしますか?」と聞けば少しその辺の姿勢がわかるかもしれません。
事例としては「受容にどれだけの意味があるか ~事例より~ Vol.1」このあたりのこととか、噛み付き、指しゃぶりが出ている子についてなどでしょうか。
対応の上手い下手や直そうとするよりもまず個々の背景を考え、その子の育ち自体に目が向ける人であれば言うことないかと思います。
型にはめたり矯正しようという対応は過去のものです。
子供ひとりひとりを尊重し「援助」しようというスタンスをもっている人ならば、保育に対して柔軟な考えを持ってもいるでしょう。
また、親対応についても見るべきポイントかもしれません。
これは幼稚園でも同様のことでしょうから、よくお分かりのことだと思います。
最後に、これだけは譲れないという条件をひとつだけあげるとしたら、僕は一もニもなく「意地悪でない人」をあげます。
まじめにやればやるほどストレスフルな仕事で、結局のところいきつくところは人間性なので、もうこれにつきます。
あまりお役には立てなかったとおもいますが、とりあえずいま思いついたのはこんなところです。
ありがとうございます!
中でも、園長経験者は・・という内容ですが、学校の校長先生のことで全く同じことを耳にしたことがあります。どの世界にもあることなのでしょうね。
私は保育士経験がないので、なんとなくベテランが多くいたほうが心強いのでは・・・と思ったり、でもプライドがちがちの年配者の聞く耳持たずも体験済みだったのでどうなんだろうと思っていましたが、やはりベテラン採用はかなり慎重になるべきですね!確信できました!
本当にありがとうございました。またご相談することがでてくるかと思いますが、そのときはよろしくお願いします。
ちなみに東京都です。
桃さん
うまくいかないと、そういったところばっかり気になっちゃう人がいるけれども、いいところも見えているのはとても大切なことだと思います。
子育てはうまくいかないことも、思い通りにならないこともあって当たり前です。
僕でよければいつでもちからになりますよ。
娘さん、4月から保育園なんですね。
ずっと一緒にいて対応に疲れきってしまうよりも、少し離れる時間をもてることで気持ちに余裕がもてたりもするので、保育園に入れてよかったと思います。娘さんにとっても、しばらくは慣れるまでかかるとは思いますが、同年齢の子供や外の世界に触れることがプラスになるかもしれません。
保育士といっしょに二人三脚で子育てに取り組んでいけるといいですね。
やこさん
その点、娘さんは好奇心強そうな顔しているもの。それって素晴らしいじゃない。
以前みたテレビで、ジュニアでシングルぐらいのゴルフプレイヤ―に育てた人の話をやっていました。
その人は子供はなんでも実際に経験させることが大事だと、止めずになんでもやらせたそうです。
家の中でドライバーでボールを打ったりとかも、見守ったそうです。
僕にはそこまでの度量もないし、さすがにそこまでやらせなくても伝える方法はあるような気もしますが、それはそれで一理あるような気もします。
たしかに、好奇心の強い子はその芽を摘まないようにすると、いずれ大人が思いつかないようなことをたくさんできる子になりますから楽しいですよ。
そうなんです
やっぱり見たらわかりますか。(苦笑)そうなんです、とっても気の強い、好奇心いっぱいの子です。
できるだけその気持ちを満たしてやりたいので、娘の手が届く範囲が広がるたびに部屋の中のものを気をつけ、なるべく見守ってやるように考えていたんですが、夫がこういう点で私以上に神経質で、イスの上にあがること自体危ないからダメ!と禁止するので…。私は、ダメというだけでなく、なぜ危ないのかとか、危なくないやり方・うまくやる方法を教えるほうが自己防衛になると思うので、パパのいない間にイスに上がることには目をつぶっているのですが、パパが帰宅してそれを見てすぐ怒られてるので、かわいそうにもなります。。。
私も常々、何でも見たり触ったり味わったり、自分でやって五感で体験するのが一番だと思っているのですが、こと危険なものに関しては、夫はすぐダメといいます。育児は一人でしているのでは無いので、芽をつまないようにすることは、なかなか難しいですね…。
お雛様は、結局一日だけ出したんですけど、娘が雛人形を怖がって(笑)近寄らなかったので、結果的にアクシデントは無く。こちらの記事を読んで思い切って出してみてよかったです。パパのお友達を呼び簡単なひなまつりをし、娘も楽しかったようでした。(本当に、タイムリーにこの記事が読めてよかったです。ありがとうございます。)
先日お話した空想もだんだん強くなっているようで、今うちには見えない動物やお友達がいろいろいるようです。(苦笑)でも私は自分の子ども時代にこれが原因で遊びから仲間はずれにされたりして、同じような空想少女とでないとうまく遊べなかったので、将来のことがちょっと心配でもあるんですけど…。
もし、空想(妄想?)の強い子に関することで、こうしたらいいよとか、何でもいいのでおとーちゃんさんの思いつくことがあれば、いつでも良いですので教えていただけると嬉しいです。先回りして心配するのは良くないとは思うのですが、自分が失敗しているだけに、このままのんびり見守るだけでよいのかちょっと不安でもあります…。(たぶん私も、当時適切な大人の援助があれば大丈夫だったのではないかと思うので。。。)
専業おかーちゃんさん
こういったのはここ最近とても増えてきました。
保育士達も上から、「怪我をさせないように」ということを強く言われているのでしょう。
確かに僕もどんなにいい保育をしていたところで、怪我をさせてしまえばいい保育の意味はないのと同じとも思いますが、怪我だけを過度に気にしすぎてはとうていいい保育をすることなどできなくなってしまいます。
しかし、この頃では親も昔ほどのおおらかさがなくなってきて、些細なことでもクレームがあるのに怪我などさせてはという気持ちが保育園側にもあるのでしょう。
園長・主任がピリピリしていて、その下で保育士がビクビクしている、そのストレスが子供への冷たい対応としてでているなんていうのを目にすることも、もちろん全てではありませんがときどきあります。
いろいろなことが、なんとも難しくなってきていますね。
はろはろ星さん
なので今回の記事とはちょっとニュアンスがちがってくるかな。
ご質問の件ですが、もし息子さんが本来の意味の部分で、少しずつでもそれをなぜ触ってはいけないかということをわかっていけるのであれば、そこを伝えていってあげればいいので、いきなりバツ=ダメということで教えなくてもいいかと思います。
おそらくその施設では、そういった意味を伝える働きかけだけでは伝わらない子がいることを前提として、あらかじめ危険を避けるためにそういった対応をしているのでしょう。
また園としては複数の子を預かるために、バツのところは触らないよ、いかないよ、といった包括的な伝え方をしてしまうかもしれません。
しかし、はろはろ星さんが親として関わる分にはお子さんの様子に合わせた伝え方をすればいいのだと思います。
OGUROCK さん
現地以外の人が、ニュースや新聞などの報道で知る以上にそちらではいろいろなご苦労がおありのことと思います。
OGUROCKさんのブログ拝見いたしました。
実はこちらでは、リンクはフリーにしてあるのですが、相互リンク希望が増える一方で管理・表示しきれないことから、だいぶまえよりこちらへのリンク表示はお断りしておりました。
ですがOGUROCKさんの『KATSUSHIKA BASE ~放射能情報配信センター~』は多くの方の関心事でもあるでしょうし、また大変有益な情報もたくさん発信されていると思いますので、リンクさせていただきます。
どうぞこれからもよろしくお願いします。
最後ではありますが、みなさんが一日も早く心身ともにお健やかに過ごせる日が来ることを祈っております。
まきすけさん
保育士は不思議なもので、できる人ほど平職員でいることが多いです。
実際、子供をみるのが好きじゃなかったり、苦手で、もしくは単に我が強いために園長になってしまう、なんて人もいますから・・。
でも確かに、経験が物をいう部分ももちろんたくさんありますので、経験豊富で人柄も優れた人であれば是非とも欲しいところです。指導的立場に立てる人として何人か、せめて最低乳児幼児(できればさらに0歳に)で一人ずつでもいるといいですよね。
その人たちが保育士として後輩を育てられる人であれば、ほかの職員が経験は浅くともやる気のある新人であってものちのちよい保育園となれると思います。
また、職員一丸となって保育を学んでいこうという姿勢のある園は、多少経験が浅かろうともとてもいい雰囲気を持つものだし、それも新設園の大きな強みだと思います。
僕の口からは明言できませんが東京都であれば、公立でも全体が橋にも棒にもかからないという保育をしているところが、いくつかあります。
耳をそばだてていると、あずけていた保護者や保育士などからそういったうわさが入ってくるかと思います。
保育や子育ては自分のしてきたことにこだわってしまう傾向があるので、「前のところはうんぬん・・」という不毛な議論は避けたいものです。
僕がもし新しく人をとるのあれば、これまでの経験はもちろん尊重するけれども、よりよい保育を目指して新しいことも身に付けようとしていくつもりはあるでしょうか?というのも重視して確認していくだろうと思います。
是非ともいい保育園を作ってくださいね。影ながら応援しております。
ありがとうございました
改めて読み返して、何だか当たり前な質問をしてしまったようで…恥ずかしいです(汗)
成長がゆっくりな子どもとの育児は、どうしても普段から療育的な考え方になってしまって、こちらの記事を読んでハッと気づく事が多いです。
お返事の中の言葉で、「親としての関わり」という一言に本当にハッと致しました。
なんてことない質問でしたが、私にはやっぱり収穫のあるお返事頂けて良かったです。
ありがとうございましたm(_ _)m
ほんとにありました!
見学の最中もいくつか気になりました。
ちょうどその日は前年度の子供たちの終了式の練習だったのですが、列を作らせてる先生の手。
子供の手首のあたりを掴んで並ばせてました。
あと、三人いた先生方が皆さん50代だと思われるんですが、指示を出した後の一呼吸がないんです。結果、畳み掛けるようにもう一つ指示が飛ぶ…というのが何度かありました。
ヒーターは危ないものだし、手の握り方や指示の後の一呼吸がないのも大勢を見てたら仕方ないのかな…と思いつつも、一度気になりだしたらずっと気になってしまいました。
以前の私なら気にとめてなかったかもしれません。おとーちゃんのブログに出会っていてよかったな、と思いました。
えりぃさん
幼稚園というのは、家庭の代替としての保育園とはやや違って、「学校」の一種ですのでそういうルールを教えたり、上からものをいう部分というのは当然あることなのかもしれません。
ただ、ストーブは危険だからという意味でそういうことをするのならば、不可抗力でぶつかったり、押されてしまったりということが考えられるのだから、「最大限の安全のためにしている」という理屈ではまかないきれない、大人>>>子供の立場に甘んじてそういう関わりを容認してしまっていると取られてもしようがないことでしょう。
日本はまだまだ、「[子供]って書くのが子供蔑視だ」などと言ったりする割にはちっとも子供というものを真剣にとらえてはいないのだよね。
なんとも歯がゆく残念です。
まなざし
この記事を読ませていただいて、改めて我が子の通う保育園は恵まれていると感じました。親から見ていて園の行事や作り物等どんなにか忙しく大変だろうと思うのに、日々子供達を見る先生方のまなざしが優しく、愛情に満ちていて、子供を待ってくれる、意図を汲もうとしてくれる。そんな様子を見ていて、今日は息子の担任の先生方に感謝の手紙を書いてしまいました。
厳しい労働環境の中、よりよい保育士を目指して日々がんばっている先生方に、くじけないで続けていただきたいなと思います。
これから保育士さんになられる方もよい環境でよい学びが出来ますように…。
友里さん
僕も少なくともこれからなる人にだけは、いい保育を身につけて欲しいと思います。
個人としてよい保育士というだけならまだしも、園として職員が一丸となって子供を受容し育てていこうというところは、実際そう多くはないと思います。
本当によいところに入られましたね。
保育園のことで相談です
こちらのブログを見つけてから、とても興味深く、勉強になり、一気に読み進めさせて頂いております。
私も2歳2ヶ月の息子を保育園に通わせており、最近モヤモヤ考えていることがあるので、宜しければ相談にのって頂けますでしょうか。
去年の4月、1歳の頃から保育園に預け、仕事を始めました。
去年は第一希望の園に選考落ちしてしまい、自宅からは少し遠い私立認可園に通園させていました。その園は送迎バスを出しており、自宅からは遠いこともあって、朝は園のバスを利用し、帰りは自宅近くに住んでいる祖父母にお迎えをお願いするという形を取っていました。つまり私自身は毎日担任の先生と顔を合わせることなく、連絡帳のやり取りだけで毎日の様子を確認していました。(時々、私がお迎えに行ける時は行ったり、行事等では園に行っていましたが。)
連絡帳は毎日とても丁寧に詳しく書いてくださっていたので、特に大きな不安や不満もほとんどなかったのですが、やはり今後何年間も通園することを考えると、第一希望であった自宅近くの公立認可園の方がいいかなと思ったこと、またおやつにスナック菓子を出すことが多かったこと(この辺は私立園なので経費削減かと思われます)、バスに乗っている際にシートベルト等が一切ないこと(園バスにシートベルトは必須ではないんですよね。)の3点が気になっていたので、転園申請を出したところ、受理されこの4月から自宅近くの公立認可園に通っています。
今の公立園は、朝は通常通り私が送って行っているので、少しの時間ですが園の様子を実際に見ることができます。転園するまで、毎日園内の様子を見ることがなかったため、また最近おとーちゃんさんのブログに出会って古い体質の保育園がたくさんあるということを知ったからということもあって、私自信が過敏になっている部分もあるかもしれないのですが、なんとなく今の先生大丈夫かなと思ってしまうことがあります。
登園すると、毎朝ブロックだけがバーっと広げられていて、みんなこれで遊びなさいよ。という感じで、先生は3人いるのですが3人ともそのブロックの海の中に座り込んで、子供たちと一緒にブロックをしているようです。何人かそのブロックの海から外れて走り回っている子が何かいたずらをすると、座ったまま声をかけるといったことが見られました。
今朝は、部屋の中にある机をブロックてガンガン叩いている子がいて、その子にまた座りながら「○○くーん!おーみーみーいーたーいー!!」と大きな声で言っていました。当然その子はそんな声かけでやめるわけないので、結局先生がその子のところに走り寄って「○○くんお耳痛いよ!!」と言ってやめさせていました。
なんか、私でもこんな保育の仕方しないので(私は息子には「ガンガンしたら机壊れちゃうよ。」とか「机痛いって言ってるよ」と普通の声で言うと思います。)、なんだか大丈夫かなと思ってしまいました。
前の私立園では、毎日実際の様子を見ていないから気にならなかっただけなのか。でも時々見た限りでは、そんな先生が大きな声で何かを止めさせるなんて光景は見なかったような。。。
前の私立園は若い先生がとても多く、先生の経験としても少し心配なところはあったのですが、若い分フレッシュ感が感じられて、いつも元気にハキハキしているという良い印象はありましたが、今の公立園はフレッシュ感はもちろんなく、先生の経験があるからこそなんだかなーなーな保育になってしまっているのかなと、心配になります。
なんだか、転園が決まった後におとーちゃんのブログに出会い、いろいろと保育園に対しても思うところが出てきてしまったので、私の浅はかな考えで、息子に良い保育園を提供できていなかったら申し訳ないなとおもってしまい。転園ということだけで息子にもストレスを与えてしまっているのに。
長くなってすみません。何を相談させて頂きたいかというと、実際の個々の保育園の保育実態というのは、なかなか親からは見えませんが、仮に通園している園が、おとーちゃんのおっしゃる「受容」「肯定」「共感」「個人の尊重」等々をあまり理解できていない園だとしても、家庭でしっかりと満たしてあげていれば、大丈夫でしょうか。
子供それぞれ個性がありますので一概には言えないというのは承知しておりますが、何かおとーちゃんが思うことがありましたら教えて頂けないでしょうか。
保育園のことで相談です(追記)
もし今通っている保育園に、おとーちゃんさんの考えるような保育を知って頂きたいな。と思った時は、「忘れがちだけど大切なのは基本的なこと」のタイトルのブログでおとーちゃんが紹介されているプロ向けの本を紹介してみると良いでしょうか。
そんな紹介すると余計なお世話だと思われますかね…。
でもなんとか保育の質を上げてほしい。というか、知識がないというのは誰にとってもとても損なことだと思うので、知るだけでもしてほしいな。と思うのです。
yokoさん
>家庭でしっかりと満たしてあげていれば、大丈夫でしょうか
おっしゃるとおり、この通りだと思います。
僕自身も息子を地元の保育園に通わせていましたが、正直満足のいく保育内容ではありませんでした。
それでも、子供にもっとも影響力を与えるのは結局のところ親ですし、子供は心にも柔軟性がありますので、外でいろんなことがあったとしても、それはそこだからそうなのだと割り切って受け止めることもできます。
なので、家庭がしっかりしていれば多少の保育内容の差は気にせずともなんとかなると考えてきました。
園や施設長、職員の姿勢・体質にもよりますが、最近ではいろんな意見を謙虚に受け止めていこうというところも多くなってきていますので、気になる点があれば「こういうことがあったのだけど、どういう意図でしているんですか?」とか「そういう扱いをされていると思うと、ちょっと心苦しいです」などと園長なり、保育士なりに伝えていってもいいと思います。
普段の保育内容につてであればクレームとしてでなく、こういう風に受け止められるという感想とか疑問として出していくと、改善につながると思います。
もちろん、明らかにおかしいということであればクレームとしてでもいいし、園長や職員に誠意が感じられなければ公立なら役所に伝えて適切な対応を求めてもいいでしょう。
保育園の質の問題の多くは、やっている保育士たち自身が「気づかない」ということに原因があります。
外の社会から見たらおかしいことが、自分たちにとっては「当たり前」であったりするために、子供に雑な扱いをしたりしてしまっています。
質の低い保育をしていても、保育士たちはいたって気のいい優しい人たちということもありますので、「それはどうなんですか」と伝えることで気づきが得られれば変わっていくかもしれません。
まあ人がいい優しいとしても、言ってみればそれは無知と怠慢であるので、仕事でしている以上許容されることではないのですが・・。
ですが、初めに申しましたとおりよしんば保育の質が低かったとしても、家庭でしっかりと受け止められていれば大丈夫だと思います。
保育士や虐待や意地悪をしているのであれば、もちろん影響がないわけはありませんが、多少雑な扱いくらいであれば、子供はスルーしていきます。
子供は人を見るのにとても敏感な心をもっていますので、真心のない人には重きを置きません。
なので雑な扱いをするような人にそもそも信頼感をよせません、信頼を置いている人にされるとつらいので、母親に虐待されたり意地悪されたりすればそれは大事ですが、そもそも信頼していない人からであればそれほどウエイトのおおきいものではないからです。
成長してから子供に聞くと、優しく接してくれた人のことはよく覚えていますが、そうでない保育士のことなど記憶からすっぽり抜けているほどです。
是非保育園が適切な対応をしてくれるところであることを願っています。
お返事ありがとうございました
>よしんば保育の質が低かったとしても、家庭でしっかりと受け止められていれば大丈夫だと思います。
そう言って頂いて、安心しました。
子供って、本当に未知なる能力の宝庫ですよね。私と、保育士さんと対応が違っていてもそれを受け止められる能力がある。本当に順応性があって、すごいと思います。
また、保育士さんも、おとーちゃんのおっしゃるように、保育に対して勉強不足な点があったとしても、基本的には良い人が多いのだと思います。ですので、私が親として感じたことは素直に嫌な感じでなく保育士さんとも良い関係を築きながら伝えて行きたいと思います。
ところですみません。また相談させて頂いても宜しいでしょうか。
お忙しいところ本当に申し訳ありません。
おとーちゃんがこれまで見て来られたご家庭に、祖父母と同居しているご家庭などもあったかと思いますが、そういったご家庭で、両親の育児方針と、祖父母の育児方針が違った場合、子供は混乱していませんでしたか?
実は私は、私の両親(子供にとって祖父母)と同居ではないのですが、とても近くに住んでいて、保育園のお迎え~私が仕事から帰宅するまでの毎日約2時間を祖父母と一緒に過ごしております。
祖父母はそれこそ昔ながらの育児方針で、叱るありきですし、完全に大人が上、子供が下の考えですし、過干渉ですし、自分達の子育てに絶対の自信を持っています(私を含め子供3人育て上げているので)。
私自信もそんな両親に育てられ、今思えば子供ながらに疑問を感じていたこともありましたし、今でもその過干渉による自分への育ちの影響を自分自身で感じることがあります。
ただそんな私でも紆余曲折を経てまっすぐ育てたのはやはりそこに愛情があったからかなと、今は思います。
先日おとーちゃんから頂いたお返事に、
>子供は人を見るのにとても敏感な心をもっていますので、真心のない人には重きを置きません。
とありましたが、祖父母は真心がないわけではないですし、また保育園とは違って多くの子供の中の一人ではなく、直に息子だけに祖父母の育児方針が下ってくるので、息子が混乱しないだろうか。と最近心配になっています。
それでも家庭でしっかりとしていれば大丈夫でしょうかね。
私がお迎えに行ければ良いのですが、それだと1時間半保育園に長くいてもらわないといけなくなるので、それはそれで息子に寂しい思いをさえてしまうのではないか。また、祖父母は叱るだけではなく、やはり愛情があるので、私が帰宅するまでの間、お散歩に連れて行ってくれたりということもしてくれるので、多くの人に関われるということは息子にとっても良い面もあるとは思っているのです。
また長くなり申し訳ありません。
育児方針の違う祖父母との関わりが増えることによって、どんな影響が考えられるでしょうか。お時間のある時にお返事頂けると嬉しいです。
yokoさん
このことは、様々な状況があるので一概にいえることでもありませんが、子供はそれなりに自分の中で受け止め消化していくようです。
子供へのアプローチは一貫していたほうがいいとは思うのですが、現実には周囲の人全部がまったく同じかというとそんなことはないわけです。
同じことを言ったとしてすら、微妙にその人その人で意味することが違ってきたりします。
人はそれぞれで、同じではないということは子供も理解しているものです。
なので、一方が他方の悪口を子供へ吹き込んでいたというようなことではいけないですが、養育方針が違うというようなことであれば、多少のことは子供も消化していけるようです。
親と祖父母で方針が違うというようなことをたくさん見ていますが、(なかにはそれはちょっと・・・というのもありますが)それでも祖父母が子育てにちょっとでも協力してくれるというのは、祖父母が居ない状況よりもずいぶんと子育ての助けになることのほうが多いようですよ。
No title
またまたとてもご丁寧にご返信頂きありがとうございます。
そうですね、おっしゃるように祖父母が子育てに参加してくれることで、私自信が楽になる部分はたくさんあります。
やはり昔は祖父母と同居等で身近に協力してくれる人がいることが多かったから、今のようにママ一人で鬱々としてしまうことが少なかったのかもしれないですね。
親と祖父母との養育方針の違いを、子供はちゃんと理解することが多いとのこと、本当に子供はすごいですね。
私も自分の子供を信じて、また私自信は子供にきちんと向き合っていくことを忘れないで、祖父母の協力も得ていきたいと思います。
ありがとうございました。
実はまた別にご相談させて頂きたいことがあるので、違う記事に相談として書かせて頂けますでしょうか。
保育士です
保育士をやっております。
1ヶ月前から保育園で働き出して、最近このブログを見つけ、なるほど・・・と読ませていただいております。
相談させていただきたいことがあるのですが・・・
うちの保育園は認可外の為、0歳~4歳までの園児現在15名を、ほぼ2名の保育士でみています。
認可外によくある異年齢保育なので、ワンフロアに全員が一緒にいます。
朝は私が一人で園を開けて、その後園長が来ますが事務室にいるためほぼ私が一人で保育、2時間後にようやく遅番の先生が来ます。保育の様子は、事務室からよく見えます。
園長は、子供に振り回されるんじゃなくて、保育士が子供をコントロールして!と言います。そうすれば保育がやりやすくなるし、子供をコントロールできるのが良い保育士だと・・・。でも、保育をやりやすくするため、大人の都合で、子供を上からおさえつけるのは、私は嫌だなと思うのです。
朝一人で保育するときも、できるだけ子供とスキンシップをとりながら、子供が今日一日楽しく過ごせるように接しようと努力しています。でも、朝は登園してくる園児の対応、保護者との対応、かばんの中の荷物は朝全部園側で整理しますからその作業、オムツをかえたり、お熱をはかったり、赤ちゃんが泣いたらあやしたり、電話が鳴ったらとったり、全部一人でやる中で、子供たちとのスキンシップはなかなか難しかったりします。そしてどんどん園児が増えていく中、15人の中一人でてんやわんやになっています。
長くなりましたが、今私が悩んでいるのは、どうしたら子供たちが朝の時間、楽しい気持ちで過ごしてくれるかです。今、子供たちは心が不安定な気がします。もっと、子供たちをまるごと受け止めたいのですが、園長のイライラ、カリカリがないように子供たちを「お願いだから、静かにしてて」とおさえようとしている自分がいて嫌です。自分の保育にも自信がありません。
もしこの文章を読んでいただいて、何かアドバイスなどがありましたら、お願いしたいなと思います。
長文失礼いたしました。
しらぼーさん
コメント読みました。
>子供に振り回されるんじゃなくて、保育士が子供をコントロールして!
これは確かに事実だと思います。
ただ、やり方はいろいろあります。
極端に言えば、「怖い先生になって、なんでも言う事を聞く子供にする」ということもできます。
「怖い」の部分が「厳しい」「冷たい」「声が大きい」など、いろんなバリエーションに置き換えることもできるでしょう。
これまでも、そして今でもそういうことのできる人が「できる保育士」と考えている施設や人もいます。
しかし、そうやって上から関わるやり方でなくとも、子供をコントロールすることは十分可能です。
それは過去記事にもあったように、子供と信頼関係をきちんと形成して、その信頼関係の上に子供が大人に寄り添おうとするという形にすることでコントロールすることです。
そのためには知識や経験、根気強さなど必要なので一見難しいようですが、一度身につけてしまえばむしろそのほうが楽に保育できるようになります。そしてそのほうが圧倒的に子供の成長を助けることができます。なにより日々の保育がやっていて楽しいものにできます。
支配されて言う事を聞く子供よりも、自分の信頼し気持ちを汲み取ろうとしてくれる子供の方がずっと可愛いからです。
しらぼーさんはまだ実務経験が1ヶ月ということであれば、いますぐにそれを完璧にしようなどと思わなくても全然いいです。
どうしても経験でしかわからないこともあるので、無理せずちょっとずつ身につけられればそれで十分でしょう。
年齢の内訳はちょっとわかりませんが、それでも0歳から4歳児の15名を実質保育士1名で見るというのはものすごく大変だと思います。
僕は主に認可園で働いてきましたが、人が少なめの認証保育所であったとしても、その体制でみるということはまずないです。
受け入れ・視診・おむつなどの子供の世話・遊びの形成・子供の安全確保などをすべて一人の保育士ですることは大変困難だと思います。
ですが、ないものねだりをしてもしょうがないですから、そのなかで何ができるか考えてみましょう。
まず、その時人手がなくとも簡単にできることは、あらかじめの環境づくりです。
「遊び」の確保ができ子供が、あそびたくなる、遊び込めるものがしっかりとあれば、その時間も安定しやすくできるかと思います。
とりあえず、今ある遊具を見直してみましょう。
それだけの人数が遊びに入れるだけの十分な遊具の数・種類があるか?
スペースの確保は適切か?
今ある遊具に飽きが来ていないか?
いつも取り合いになるような、飛び抜けて刺激の強いおもちゃが置かれていないか?
スペースの確保というのは、空間づくりです。
子供がひとつのところに大勢でいると、それだけでもう子供を不安にさせる、軋轢を生む原因になってしまいますので、一つの部屋であっても、工夫して空間分けをします。
例えば、ままごと遊びのコーナー、机と椅子をのあるパズルなどをできる机上遊びのコーナー、乳児用遊具を置いてある乳児用スペースなどというふうに、状況・人数・発達段階などを考慮して空間そのもののあり方を、年間通してときどき見直していくことが、直接保育士の関わりをしなくとも子供に遊び込ませる大きな要素になります。
保育士向けの空間・環境づくりなどの本も出ています。
そういった本に載っているのはモデルですから、同じようにはいかないかもしれませんが、なにかヒントになることがあるかもしれません、よかったら参考にしてください。
それから直接でなくとも出来るのは、保育士の仕事量の軽減です。
別にさぼろうというわけではもちろんありません。
しなくてもいいことを、しないようにすればその分目も届くし、子供にもいろいろな援助ができるからです。
例えば、コメントで気づいたのが、「お熱をはかったり」というところです。
これはたまたま具合の悪そうな子供がいたら計ったということなのかな?
もし、入室時に全員計っているということならば、家庭で測ってきてもらって、ノートなり検温表に記入をしてもらうなど、検討の余地はあるかもしれません。
ただ安全上、「万全を期すために登園時に全員計る」というのであれば、それはそれで意味のあることなので、異は唱えません。
あくまで保育士の負担の軽減の例です。ほかになにかそういう改善点が見いだせないか検討の余地があるかもしれません。
それから、各家庭に生活リズムやきちんとした朝食をとってくるように働きかけることも、朝の時間の安定に大きな効果があります。
そういった生理的な不安定さゆえに、不機嫌になっている子どもなど少なくないからです。
直接「早寝早起きしましょう」「朝ごはんを食べさせましょう」などと言うと煙たがる人もいますから、必ずしも押し付けなくてもいいです。
受け入れ時にときどき「今日は朝ごはんたべてきましたか?」とか「何を食べてきましたか?」などとちょっとした会話の中に入れるだけでも、親は意識することもあるので無駄ではありません。
直接的な関わりとしては、
>「お願いだから、静かにしてて」
の部分など、ちょっとした隠し玉をもつことで、とりあえずちょっとだけでも減らせるかもしれません。
例えばですが、
エプロンシアター付きエプロンなどありますね。
そういうのでぐずっている子供に、気分を変えさせてあげたり、遊びに気持ちを切り替えさせるきっかけづくりに使えるかもしれません。
そのつど全部のお話をする必要はありません。
登場人物がでてきて、その子に話しかけてあげたりするだけでも、子供の気持ちを切り替えることはできるでしょう。
また、人形や車のおもちゃなどポケットにいれといて、すかさず出してあげたりもいいかもしれません。
基本はきちんとその子の気持ちを受け止めるべきで、ごまかすことは必要ありませんが、こういった気持ちの切り替えは状況によっては必要ですので、なんでもかんでも物でごまかすということになってはいけませんが、「お願いだから、静かにしてて」という状況を打破するためには使えるかもしれません。
それから、簡単な顔遊びや、ルーティンとしてできる簡単なスキンシップなどもあると、子供の安定に一役かえるかもです。
「ルーティンとしてできる~~」というのは、ほっぺむぎゅーでも髪の毛くしゃくしゃでもなんでもいいのだけど、それをするのと同時に、保育士自身の笑顔と自信、受容の気持ちを同時に送ってあげることを毎日繰り返すことで、子供はそれを期に気持ちをきりかえたりできるようになります。
そういう自分の得意技を作ってしまうことです。
そして、「お願いだから、静かにしてて」と思って静かにさせようと思っても、なかなか焦った気持ちではそれはうまくいかないものです。
深呼吸して自分の好きな童謡でも歌ってみましょう。
不思議と子供は歌を聴くと落ち着きます。
もちろん、「お願いだから、静かにしてて」の状況になる前に回避できれば一番ですね。
「なんか落ち着かなくなりそうだな・・」という空気のときに、本当に荒れる前に歌ったりすることで安定を維持することもできます。
僕は「どんぐりころころ」が好きだから、しょっちゅうそればっかり歌ってました。
長いこと「~~どんぐりこ~♪」だと思っていたのは内緒です。
とりあえず思いついたのはこんなところです。
全部を一度に出来る必要はないから、ちょっとずつやってけばいいですよ。
参考までにどうぞ。
ありがとうございます
>子供と信頼関係をきちんと形成して、その信頼関係の上に子供が大人に寄り添おうとするという形にすることでコントロールすることです。
そうですね。
できればそのような保育を目指していきたいと思っています。
ただ、園長は子供を支配して保育をしていくやり方なんだと思います。
だから、自分の言うとおりになる子は可愛いけれど、そうでない子は可愛くないと言います。
私がまだ実務経験が1ヶ月ということであれば、いますぐにそれを完璧にしようなどと思わなくても全然いいという言葉を受けて、少し余裕ができました・・・。
年齢の内訳は、15人のうちほぼ1歳、2歳で、0歳が数人・・・。
小さい子がとても多いので大変です。
>とりあえず、今ある遊具を見直してみましょう。
この部分で、決定的なことに気がつきました。
うちの園では、おもちゃや絵本などは同じところにあるのですが、たとえば全員でおままごと遊びをして終わったら片付けて、ブロック遊びをして終われば片付けて、絵本を出して読み終わったら片付けて・・・と、全員が同じ遊びをして、一回一回片付けるのが園の方針なのです。
そして、広いワンフロアでできれば子供たちが同じところでまとまって遊ぶように指示します。
子供が色々なところに走っていくと危ないから・・・という理由です。
園の方針なので、これを変えることは難しいのですが、このような環境で子供たちが落ち着いて遊べるようにするにはどうしたらよいでしょうか。
>これはたまたま具合の悪そうな子供がいたら計ったということなのかな?
>ただ安全上、「万全を期すために登園時に全員計る」というのであれば、それはそれで意味のあることなので、異は唱えません。
そうなんです。
全員園で熱をはかります。
家ではかった時から熱が上がっているかもしれないので、必ず熱をはかることになっています。
それは意味のあるもので良いのですが、体温計が、ちょっとでも子供が動くとはかれなくなってしまったり、ピピッとなるまでに時間がかかるものなのです。
もっと、子供がはかるのに適した、速くはかれるものが良いな、と思うのですが、予算の関係で難しいようです。
また、自分の得意なものや、人形や車をポケットなどにしのばせる・・・など、早速明日からやってみたいなと思います。
子供って、先生のポケットに何が入ってるか、とっても気になりますもんね!ありがとうございます。
それから、手遊び歌なのですが、私も色々とためしているのですが、少し困っていることがあるのです。
たとえば、子供たちの好きな歌を歌います。ほとんどの子が好きで、集まってきて一緒にやっていても、一人の子がイヤイヤ、と首をふります。そうすると、首をふるのがおもしろくてみんなマネしてしまいます。それで結局歌えなくなってしまったり・・・でも、楽しそうなので1歳や2歳ならしょうがないかな、と思って一回私も一緒に首をふって途中でピタッ!と止めたりして、それはそれでみんな大笑いだったのですが、4歳の子が「そんなのヤダ!」と泣き出してしまい、結局まとまるどころか変な空気になってしまいました。
なかなか、全員をまとめるといっても、年齢が違う子供の中で小さい子供に合わせてばかりもよくないし、どうしようかと悪戦苦闘しています。
異年齢で、何かコツのようなものがあれば教えていただけないでしょうか。
今回もたくさん書き込みしてすみません。
なかなか、このようなことを相談できる方もいないので、とても有難く思います。
よろしくお願いいたします。
しらぼーさん
過去記事のどこかでも少し触れていましたが、このやり方の保育をしているところは未だにたくさんありますが、保育としてはあまりよいものではありません。
これをしているところは僕は「あぁ。30年前の保育をしているな」と思います。
それがなぜかを説明すると本が一冊かけてしまうのでここではしませんが、北欧やドイツなど保育について真剣に考えている国の保育を少しでも勉強すればわかります。
そういうものを知ると「子供が色々なところに走っていくと危ないから」という配慮自体がおかしいことにも気づくと思います。
同じ「遊ぶ」でも方向性や中身、子供のなにを伸ばすかという観点など全く違ってきます。
はっきり言って、一種類の玩具をバラバラとだしてそれで遊びなさいという保育には時間つぶし以外の意図などないわけです。
しらぼーさんのお勤めのところは無認可ですし、スペースの問題などでそうせざるを得ないということもあるでしょうから、とりあえずそれは置いといて話を進めます。
ただ、今言ったように僕はそういう保育をしてきていませんので、それをうまくやるという方法は教えられません。
では、まず異年齢でいるときの配慮として覚えておきたいのが、どうしても生活上の世話など小さい子に手を取られてしまいますが、意識して年齢の高い子を育てることであとあと全体をいい方向へ育てることができます。
特に、年齢の高い子を「遊べる子」にしてしまうことです。
そのため、例えば新年度が始まりある程度クラスが落ち着いてきたと思える頃から、年齢の高い子に意図的に関わって、遊べるように配慮していきます。
もし、その子供が遊び以前につまづいているところがあるならば、そこから満たしたり、信頼関係を強くするなりの配慮をしていきます。
大きい子が保育士を信頼していい関係ができると、小さい子にもその雰囲気はつたわりますので、それだけでも全体が落ち着きます。
逆に大きい子が手のかかる状態だと、いつまでも全体が安定しません。
そして、遊びこめる子供にすることで、小さい子にはよい遊びのモデルを提供することになりますので、小さい子も遊びがだんだんと上達していきます。
大変さにおわれていると、どうしても年齢の大きい子・手のかからない子というのは、なかなか関わっていくことができないので、そういう意識を保育士がもっていることで全体を変えていくことができます。
具体的には、褒めたりフィードバックをしっかりとすることです。
15名もの子、しかも年齢も違う子を1つのもので遊びなさいということをしたら、どうしたって何人かはそれで遊ぼうとしない子供もでてしまうでしょう。
それはどう考えても仕方がないことなのだけど、それを「できることがよい」という価値観で保育をしていたら、どうしても管理する・君臨して命令したり・言う事をきかせる強さ怖さをもつ保育になってしまいます。
僕だったら、それで遊びたくない子には顔遊びや、手遊びなど個別にできる遊びをして気持ちを落ち着かせてから、遊びに取り組めるようにして遊びにもどれるようにしむけてあげるかな。
次に体温の計測についてだけど、僕の知っているところでも園に来てから全員計るという方針のところもあるけど、そういうところは受け入れ時に保護者に目の前で測ってもらっていたかな。
全員保育士が測っていたらものすごく時間とられるし、ましてや一人体制で保育している状態でそれをやってたら、そのあいだに子供同士のトラブルや噛み付きなんかがもしあったら即座に対応できないよね。
それはすごく大変だとおもう。
耳で2~3秒で測れるものもあるけど、精度的にいまいちらしいね。
とくに1歳児とか小さい子は正確に図るのが難しいらしい。
もしかすると、いまは機械が進歩して僕の知っているのよりも良くなっているのかもしれないけど。
手遊びで困っていることについてだけど、これはまあ経験を積んでいくうちにうまく惹きつけてできるようになるかとは思うけれども、ひとつアドバイスするとすれば、ちょっとにぎやかで楽しい手遊びを覚えておくといいよ。
そういう風に、気がそぞろになってしまったときそれで引き戻すことができるからね。
まぁ、遊びと同様に1歳から4歳までを同列にやろうとする前提そのものが、そもそも無理があるからどうしてもそういうことは出てきてしまうと思う。
そちらの園の方針には合わないかもしれないけど、僕だったらやりたい人だけこっちへどうぞという形でやるかな。その手遊びなりお話なりを聞きたくないと思う子は、そっちで遊んでていいよというふうにそもそも分けてしまいます。
生まれて数歳の子がしたくもないことを強制される必要なんてないのだから。
保育は自分のとろこのものしか知らないと、何も成長しなくなっちゃうからいろいろ勉強するといいよ。
そういう本とか保育セミナーとか探せばたくさんあるから。
とくにしらぼーさんみたく若い人は、実際にいろいろなところを見てみるのがいいよ。
友達とか知り合いとかで保育園で働いている人がいたら、その人を通して保育の様子を、保育中がだめなら園舎の見学だけでもお願いしてみるといいよ。
いろいろ知るのはけして無駄にならないよ。
遊びがいまいち振るわないならば、遊具を見直してみる。新たに購入できないのならば、遊べる手作りおもちゃを作ってでも用意してあげたりするのもいいよ。
そういうのもいろいろ本とか出ているからね。
ありがとうございます
初めて勤める保育園で、何がいいのか自分の感じていることは正しいのか分からなくて悩んでいましたが、コメントを読んで気づかされることばかりでした。
1つの遊びをみんなでして、片付けて次の遊び・・・というのは、やはり良くなかったのですね。
小さい子が多いので、1つの遊びですぐあきてしまい、いろんなところに走っていきはじめると、お片づけ!ということになりますが、それだと集中して遊んでいた大きい子に我慢させることになり、しかも短時間で「はい、お片づけだよー!」というのが、子供たちの気持ちが安定しないのではないかと心配していました。
保育園の方針としては、いろんなおもちゃをバラバラと散らかして遊ぶのは良くない、しつけという意味でそうしているようなのです。公園に行っても、15人もいるのにブランコだけで遊び、それが終わったら滑り台、と1つ1つの遊具で遊ぶように誘導します。ブランコは当然そんなに数ありませんから、順番に待つように指導しますが、1、2歳の子がそんなに待てるわけありません。
しつけの意味で、手遊びもお歌や絵本よみなども、全員一緒にやること、誰かやらない子がいればつれもどす、というやり方です。私自身、そこまでやらなくても・・・と違和感を感じていますが、園の方針、園長にいつも見張られていますのでそのとおりにしなくてはいけませんし、新人の私がとやかくは言えないのです。
ただ、その違和感は信じていいものだと思えただけでも、救われた気持ちになりました。自信がまるでなかったので、保育士に向いてないのではないかと思ったほどです。
たしかに、1つの保育園しかみていないと、そこを基準にしてしまいますね。もっと色々なセミナーなどに参加しようと、コメントを読ませていただいて感じました!
また、大きい子の気持ちを満たすということですが、うちの保育園では逆のことが行われています。
大きい子は、もしかすると満たされてない子なのでは、と思うほど、保育士にだだをこねたり、わがままを言ってきたりします。わがままを1つきくと、また次の要望が出てくる、といったかんじです。
どうしても保育士が小さい子にかまってしまうので、寂しいのもあるのだと思います。たしかに要望を全部聞くわけにはいきませんが、きけないことは線引きしてできないことを伝え、あとはその子の気持ちに寄り添って、甘えてきたときは甘えさせてあげようと思っていました。
しかし、園長を筆頭に、大きい子には自立させることを目的に、要望を無視したり、大きいんだから自分でやって、と突き放したり、意地悪なことを言ったりしています。
そうすると、信頼関係がなくなってしまうのではないかと心配です。
ただ、私にできることで、大きい子たちと信頼関係を作ることはたくさんあるかと思いますので、色々と悩みつつ、がんばっていきたいと思います。園児のことは、本当に可愛く思いますので・・・
アドバイスをありがとうございました!
新人ですが、もっともっと経験を積んで、子供たちと楽しく関わっていきたいと思います!
アドバイスいただきありがとうございました。
私なりに色々と考えて保育をしている毎日です。
そこでまた、相談したいことがあるのですが、園に通っている子の特徴なども書かなくてはいけないので非公開コメントにしたいのです・・・。
非公開コメントは受け付けてません、と表示が出るのですが、どのようにしたらよいでしょうか。
お忙しいところ申し訳ありません。
いつでも良いのでお返事いただけたらと思います。
よろしくお願いいたします。
しらぼーさん
どうしてもというのであれば、コメント欄の「メールアドレス」のところにしらぼーさんのアドレスを入れてコメントしてください。
こちらから返信いたします。
お手数おかけしてすみません
子供が満たされていないのは親の愛情を求めているからで、保育士がどんなに子供を受け止めても親の代わりにはなれませんが、少しでも子供の気持ちを受け止めてあげたいので、アドバイスをいただきたいと思いました・・・
お忙しくないときに、メールアドレスにお返事くださいませ。
よろしくお願いいたします。
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実は私も保育士です。
と言ってもペーパー保育士で、経験はわずか一年程しかないなですが、四月からまた保育士として働く予定です。
ぺーぺーの私ですが、おとーちゃんさんのような保育士を目指したいと思っています。
今回の様な記事、とても勉強になりますし、はっとさせられます。
以前働いていた保育園は、おとーちゃんに言わせれば保育の質は最低レベル。
しかしそれに気付いたのは退職した後こちらのブログに出会ってからです。
もう、自分のしていた保育が恥ずかしくて、受けもっていた子どもたちに申し訳なくて‥
私自身勉強不足なのがいけなかったのですが、初めての保育の職場だったのでそれが当たり前と思い込んでしまった部分もあり。
本当に残念ながら質の悪い保育をしているところはかなりあると思います。
少しでもそういったところが減るといいですね。おとーちゃんの声が多くの保育士に届きます様に。
また保育に関する記事、楽しみにしていますね。
私も日々勉強。