歌やアニメなどで子供に教えること - 2012.09.10 Mon
多くの人はわかっていると思うのだが、こういうものを使うことで気になることがある。
それはあくまで、実際の生活習慣のなかで行われることが主であって、こういったものは気持ちをそれに向けるための方便である従にすぎないことである。
こういったものをたくさん見せたからといって、それだけでそれらの生活習慣が身につくわけではない。
しかしときどき、子育てについてあまりにもわからなかったり、自信がなかったりするために子供に対する直接的な働きかけはほとんどせずに(or できずに)、テレビでの歌やアニメでの生活習慣を伝えるものに頼りきってしまう人がいる。
それらの例でときどき見かけるのが、ふだん甘やかし放題のいいなりで、成長のための働きかけがほとんどできず、そういったものに頼りきってしまうケースである。
このケースの多くは、甘やかそうと思ってそうしているのではなく、子供のへどう関わっていいか全くわからないがゆえに、結果的にいいなりになってしまい、自分では子供への働きかけが「お手上げ」状態になってしまうので、それらが落としどころになってしまっているように感じる。
また、子供にはそういったものを見せておけば身につくのだと勘違いしてしまうことで、実際の経験がおろそかになって、その年齢でおおよそできることの幾分かも身についていないということになっている人もいる。
このパターンになってしまうと、子育てはとても大変になってしまう。
そして、迷走してしまう。
こういう形で子育てをすると、子供が生活習慣を身につけることは遅れる。
そして、別に知能が遅れるわけではないが、知的な発達は遅れる。
遅れるというとオーバーだが、いわゆる「他の子と比べた時に幼い」という状態になりがちだ。
子供は様々な経験をすること、物事に取り組むことで知的な部分を発達させていくから、経験が少ない子はそれだけ「幼く」なりやすい。
そして乳児はそういう経験を、実生活とそこでの大人とのやりとり・関わりの上で身につけている部分が多くをしめている。
人によってはその段階、つまりある程度年齢がいった状態で、他児と見比べる機会が増えてしまった時に焦ってしまう。
それゆえにそこから、どうしようと悩んだり、あわてて何かをしなくてはと思って、迷走してしまう。
しかし、生活の習慣というものは基本的に、日々の経験の積み重ねの中で身についていくものだから、焦ってなにかをしたからと急激に身につくものでもない。
実は、そこであわてなくとも落ち着いて順序よく生活経験に取り組めば、年齢が上がっている分だけたやすく身に付くのだが、慌ててしまうことで急にできることを求めてしまうので、その際に子供に劣等感を持たせてしまったりという人もいる。
やはり、生活経験は小さい頃からの日々の積み重ねを大事にしたい。
実はこれらの、歌やアニメで子供に身につけさせるものの存在で気になることがもう一つある。
それは、こういったものは言ってしまえば一種の「子供だまし」である。
こういうものがいまはたくさん世に溢れている。
しかも、それらは「子供を育てるもの」という認識のもと存在している。
そのことで、一般の大人たちが子供への関わり全般を、そういった「子供だまし」でいいのだと無意識の内に受け取ってしまわないだろうかというところである。
子供への関わりの多くが、「ごまかし」や「おどし」になってしまっている人が大勢いる。
普通に話せば伝わるのではないかというところでも、そういう「子供だまし」の手法で子供に関わってしまっている人がたくさんいる。
そうなってしまうことは、人を育てるということにおいてプラスにはならないだろう。
なので、ああいうものを見るにつけ僕は少しその点が気になる。
そういうものがメインになっている教材や本もたくさん売られている。
それそのものは害になるものではないが、子育てをする大人たちに、子供への対し方を誤解をさせてしまわないか心配になってしまう。
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● COMMENT ●
ごまかし・おどし
おとーちゃんさんの記事を読むとハッとさせられますね
娘は1歳2ヵ月です
こどもが沢山動けるようになって、
最近ちょっと困る事が増えてきたのでなんて伝えてよいやら迷ってました
こんな小さな子にこんな風に言っても難しいかな?と
ごまかす方法を自然と考えてしまうので
きちんと正直に話せばいいんだとわかって嬉しいです!
オシッコやウンチを「デタ」とおむつを叩きながら教えてくれたりもするし
ついこの間までねてばっかりだったのにと驚いています
不安だけど伝えて、待つ のが大切ですよね。きっと
返信不要です☆
関わり
しつけという言葉にしばられずに、「人生の先輩(親)から後輩(子)に、教える」と思えば、少しは客観的になれるのかしらと思います。
私は2歳5ヶ月の息子に言葉や行動で教わることもたくさんありますし、縁あって、私のところに生まれてきてくれて、共に今を生きている、と思うと、息子の心の味方であろうとは思っても、子供だましは裏切りのように思えて出来ません。
子供が理解してくれる、ということを含めて子供を信じているから、普通に接することができるし、そういう親を子供は心から信じることができると思うのです。
基本はお互いの信頼関係ですかね~、って、えらそうに語ってしまいました(^_^;)
息子に以前、理屈を説明して止めてと言っても分からないけど、ママが困るから止めてと言うのは分かるから止めるというようなことを言われました。
理由が、「それをするとママが困る」で、十分なんですね~。
私もそうかも。「それをするとパパが嫌がる、息子が困る」なら、やりませんから(*^o^*)
きららさん
友里さん
ちょっとしたことならば、さして問題でもないのだけど、いろいろあるからほんと難しいです。
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