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2023-12

レストランでどうすればよかったか - 2012.10.23 Tue

『しつけの弊害』の記事での、レストランでのケースで、では実際どう対応したらよいのかという質問がありました。

当然そういう疑問がわきますよね。

父親の育児参加の記事以来、「子供を伸ばす関わり」「叩くこと」「しつけ」についての記事が取り混ぜられてUPされているのですが、これらの記事は実は互いに関連し合っています。







このレストランでのケースの答えも、すでにここ↓で述べられています。
『子供を伸ばす関わり方 Vol.2』


その時の弟の方は2歳になったばかりくらいであったが、2歳の子はまだ「なぜレストランで静かにしなければならないか」ということを知ってはいない。
これまでにも同様の経験をして、そのことを伝えられているかもしれないが、まだ学びきってはいないという場合もあるだろう。

だったら、まずなぜ「そうしなければならないか」ということを知らせてあげる必要がある。

「ここはレストランだから静かにお話するんだよ」
「ほかのお客さんもいるから小さい声にしてね」

小さい子であっても「基礎」ができていれば、だんだんと身につけていける。
「基礎」については後述する。


このように理由を知らせて、子供自身に考えるプロセスを与えてあげれば、子供は自覚的・自律的にその場で必要な行動をとることがいずれできるようになる。

その考えるプロセスが身についてていれば、注意などほとんどする必要がなくなる。

言葉も少しで済むようにもなるだろう。

「いまはお食事中ですよ」
「ほかのお客さんいるよ」
「考えて」


例にあった親の関わりは、「子供そのものを伸ばす」過程に働きかけることは一切ない。

ただ、「あるべき姿」というものだけを、そこに引っ張り出そうとしていた。

「あるべき姿」を求める気持ちが強いあまりに、脅したり、叱ったり、ごまかしたりまでが出てしまっている。

そこがまさに粘土細工なのだ。



このときの子供そのものを見てみよう。

この子は年齢なりにわりとしっかりしていた。
家ではきちんと座って食べたり、食事中騒いだりせずすごしているのではないだろうか。

だが、いつもと違う場所に来たり、家族みんなで外出したりして楽しかったり、興奮していたりしているので、子供が「静かに」できない理由というのが、子供の責任ではない部分で普段よりも多いのである。

だが、逆に家庭で過ごす時よりも、大人からの要求のハードルは高くなってしまう。
子供のこういった姿には、やむを得ない部分もあるのだ。

だが、その子供のあるがままの姿を受け止めずに、例えば大人がひどく怒ったりしたらどうだろう?
子供はそれに不満や抑圧を感じることだろう。
自分自身に非がなければないほど、その不満や抑圧はより大きくなってしまう。
積み重ねられたら、怒りすら心のなかで育てていくこともある。

「みんなで来たから楽しくなっちゃったんだね。 でも、レストランでは騒がないんだよ」


大人がどうしても伝える必要があることならば、子供の意志や気持ちを理解した上で、その気持ちに反することだったとしてもしっかりと伝えればいい。

子供は大人の気持ちを受け止めて、だんだんと理解し、考え、身につけていくだろう。



ここで先ほどでてきた「基礎」とはなにかについて説明しておく。

いま、でてきたような言葉だけ真似すれば、子供がそういったことを身につけるか?といえば、そんなことはもちろんない。

それが子供のなかに浸透するには、必要なそれなりの前提条件というものがある。

それは、これまでにもたびたび出ている、「受容」や「満たされている」、ずっと前の記事の言葉で言えば「クッキーの缶にたくさん入っている」ということなどである。


そこから生まれる気持ちの余裕があって、その大人との信頼関係や気持ちや言葉の通じ合う「心のパイプ」というものがなければ、いくら言葉を重ねたとしても子供の気持ちにまで浸透することはない。
普段から否定や指示ばかりしていたら、本当に伝えたいことは伝わらない。

それらがきちんと形成されている、もしくは形成されつつあるのであれば、脅したり、ごまかしたりせずとも、子供は大人のしてほしいことを身につけることが簡単にできる。


子供のあるべき姿を引き出すのに、上から下への関わりで型にはめていく必要などないのだ。

むしろ、ごまかしや脅し、「適応的でないからという理由」で叱ったり・怒ったりや、子供の気持ちを一方的に抑圧していくことなど、「しつけ」のプロセスで出てくる行為そのものの中に、子供との信頼関係を損なったり、気持ちを通じなくさせたり、大人の気持ちや言葉をスルーしたりするクセ、大人に対する反発など、子供が大人の望む姿にならなくするような働きかけが含まれてしまっている。

「しつけが身につかない」や「しつけの迷走」、「しつけの行き過ぎ」は、なるべくしてなっている部分があると言えるだろう。


なので、子育てにおいて「しつけ」を第一に考えるよりも、「甘えること」や「受容」「共感」「満たす」ということをしっかりとした方が、いろいろとすんなりといくのである。
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これは成功のうち???

最近の出来事です。

一歳0ヶ月の娘は、絵本を読んだ後に、本の上にドデーンと座り込んでおもちゃで遊ぶ(本人は気付かずに)ことが多いです。
本は大事に扱って欲しいので今まで「本の上には座らないよ」「痛い痛いって言ってるよ」と言いながら私が抱き上げて本をお尻の下から抜いていました。
が、最近の記事を読んで過去記事も遡ってみたところ「リフト」の一部になっているかも知れないと思い、力ずくで本を救出するのをやめて「うさこちゃんが痛い痛いって言ってるよ」とお尻の下の本を指さして言い、しばらく様子をみることにしました。
すると!なんと!
すぐに指さした先の本を見て、本からお尻をずらして、またおもちゃ遊びを再開しました!
他の本でも、外出先でも、同じように自分で本から降りてくれました。
これは、おとーちゃんさん流育児がちょっと成功したと見ていいのかしら…!?
全体的に発達ゆっくりめ、意思疏通もほぼゼロで、私の言うことを理解して行動するなんてまだ先だと思っていたので不思議というか半信半疑です。
このやり方を他にもアレンジできればいいのですが…すぐにダメダメ&手出ししてしまいます。知恵も余裕もないと難し~い!
とは言いながらも、ビシビシ躾するつもりだった私がおとーちゃんさんのブログの影響で頑張って自分を変えてきました。
少し光が見えた出来事でした。
これからも記事を楽しみにしています!

記事、ありがとうございます!!
頭では理解できても、今までの育て方が違いすぎた為、
実際なんて言えばいいんだろう??ってわからない事ばかりでした。
解りやすくご説明、本当にありがとうございます!!
今までの記事も全部読んではきてますが、もう一度しっかり読んで、しつけしない育児していきたいと思います。
がんばります。
ありがとうございます!!

おもちゃとおやつ

こんにちは、小春日和です。

かなり前になりますが、息子のテレビとの付き合い方で相談させていただきました。最近では妹や近所の子と遊ぶ方が楽しくなってきたようで、以前よりもテレビへの執着がなくなってきたような気がします。なのでひよこマグネット制度もいつの間にかなくなりました。おとうちゃんからアドバイスをいただけてとても嬉しかったです、ありがとうございました^^

今回もおとうちゃんに教えていただきたいことがあり、コメントさせていただきました。子どもの欲求についてです。おもちゃとおやつについて…かな?

息子は今4歳5カ月。幼稚園の年少です。うちでは3時のおやつの時間に好きなお菓子を食べさせています。大体いつも、かっぱえびせんなどのスナック菓子を一袋あげています。一袋といっても、よく4連パックで売っている、その小さい一袋です。夏はそこに小さいアイスなどが加わることもありますが、多すぎず…少なすぎず…の量かな~、と思っています。お菓子を食べるのは3時のおやつの時間だけです。それ以外の時間にねだってきても、特別の時でない限り、あげません。

3時に幼稚園から帰って来て、おやつを食べて、そのあとは家の周りで近所の子と遊ぶ、というのがいつもの流れです。近所の子は幼稚園、保育園、小学生、と色々です。その中で何人か、おやつを外に持ってきて、食べながら遊んでいる子がいます。おやつに関しては、好きなものを好きな時に好きなだけ、という感じのようです。

息子はそれを見ると欲しくなるようで、お菓子をちょうだい、とねだってきます。一応「欲しくなっちゃったんだね~」と気持ちを受け止めつつも、「でもさっきおやつは食べたよね。もうすぐご飯だからいま食べるとごはん食べられなくなっちゃうよ」と伝えます。多少ごねる時もありますが、大体引き下がります。でも、私の言ったことに納得したというよりも「この人(私)にこれ以上言っても絶対にくれることはないだろう」というあきらめのような気がします。きちんと理由は説明していますが、「まわりの子はいいのにどうして僕だけダメなの?」という疑問が息子の心の中では解消されていないような気がします。

普段のおやつで市販のお菓子をあまり食べていない子は、友達の家へ遊びに行った時などにそういうものと出会うと、そのお菓子にとても執着するということを良く聞きます。実際私もそういった例を目の当たりにしたことがあります。

おもちゃ(ゲーム等)についても同様です。家でゲームの時間をとても制限されている子や家に無い子は、友達の家に遊びに行ったときに、ゲームの前から離れない、と。

うちはおもちゃを買うのは誕生日、クリスマス。例えばお祭りのときや妹の誕生日などの時に、特別に、ということはありますが、基本的におねだりは受け付けません。「欲しいよね~。サンタさんにお願いしてみようか」という感じです。「うん、そうする!」と、息子もそれで引き下がります。

先日近所の3年生の男の子のお母さんと話したのですが、最近モノやお金に対する執着心がすごいそうなんです。その子の家でも我が家と同じスタンスです。でもその子以外の近所の子は、おじいちゃんやおばあちゃんにねだれば大体買ってもらえるらしいのです。「なんでうちだけ?欲しい!お金たくさんちょうだい!もっと買ってもらいたい!クリスマスだけ、とか、誕生日だけ、とかもう嫌だ!」と、事あるごとにお母さんに噛みつくそうなんです。

おやつやおもちゃに関して、それぞれのおうちでそれぞれのルールがあると思います。周りのおうちに比べて厳しいのかな?とは思いますが、うちはこのスタンスでいいと思っています、今後も崩すことはないと思います。

ただ、そのお菓子に執着する子の姿や、おもちゃやお金が欲しくて爆発する小学生の姿を見聞きしたりすると、少し心配になります。

おとうちゃんのブログを読ませていただき、実践できるところはがんばっています。おかげで息子との関係はとても良好だと思います。もう、息子がかわいくて仕方がありません。

でも、食べたい、欲しい、という気持ちを受け止めたところで、結局お菓子やおもちゃをあげなかったら、それは息子にとって大きなストレスになっているのかなあ…。わたしは必要以上に息子に我慢を強いているのかなあ…。うちは厳しすぎるのかなあ…。いつか爆発するのかなあ…。と、少々不安になっています。

おとうちゃんは、どう思われますか?

お忙しいところ、本当に申し訳ありません。もしコメントいただけましたら嬉しいですが、お時間があるときでかまいません。また、このようなことをテーマに書いていただけたらさらに嬉しいです^^

よろしくお願いいたします。



まゆさん

申し訳ありませんが、すでにもう二つランキングに参加してしまっておりますので、ご遠慮させていただきます。

ぽんさん

それで成功していると思いますよ。

子供をどかしたり、引き抜いて本だけとったとしても、それは大人が結果だけを作り出しているということなので、子供自身はさして学ぶ部分は多くありません。

でも、自分で行動してそこを大人に褒められたり、認められたりすれば、その行動を明確にいいものと思えるし、大人の言葉にしたがおうとするモチベーションも高まっていきます。


もし、本を大人が動かすにしても、それで通じなかったときからでも遅くなはいのです。


「しつけ」はどうしても「してはいけないこと」を教えることで、子供を行動の適正化をはかろうとするのですが、もともと素直な性格でそれに向いた子でなければなかなかうまくは行きませんし、今見たようにしてはいけないことは学べても、どうすれば良いことなのかを学ぶ部分はありません。


きちんと通じたときは大人も嬉しくなりますよね。

「すごいね~、ちゃんとわかってえらいね」
とその都度伝えていたら、大人を信頼してきちんと寄り添ってくれる子に育っていけます。

小春日和さん

こういったことも、しばしば問題になりますよね。

大人はよろしくないと思っていながらも、周りがしているからとか、自分のとこだけないと可哀想などという理由で結局与えてしまうというもの。

よくあるのが、このおかしやファーストフード、ヒーローもののアニメやグッズ、テレビゲーム、玩具特にキャラクター物などでしょうか。


僕はここで大事なのは、大人のブレない自信ではないかと思う。

「いいのかな?悪いのかな?」と大人の方が揺らいでしまっていると、子供も揺れ動いてしまいますが、大人が信念を持って毅然としていれば子供もそれを理解できると思います。

もちろん、それができるにはそれを可能にするだけの基礎的な信頼関係というものが必要にはなるでしょう。

親子関係の上でいろんな不満がくすぶっている上に、そのように「うちではそれはしない」といってもさらなる不満の種にしかならないかもしれませんが、受容や心の通じる関係ができていれば、それが伝わるのはさして難しいことではありません。


もし、子供がそれに疑問をもって「どうしてうちではくれないの?」と聞いてきたなら、それは大人の思いを伝えるいい機会になるでしょう。

「あなたが大切だから、お菓子よりもごはんをしっかり食べて大きく健康に育ってほしいからだよ」
そう言えばいいことです。


ほかの子がもらっているからとか、健康や子供自身のためよりも「うちの子だけないと可哀想だから」などという理由でひよってしまう親を持つことのほうが、本当は子供にとっては何倍も可哀想なことです。

子供のためになると思うならば、しっかりと向き合うのが大人のあり方だと僕は思います。


うちではテレビゲーム類や電気で動く玩具はほとんどありませんが、子供自身それにさして不満を感じてはいません。
それがなくてもそれ以上に楽しく遊んだりする術を、きちんとそれまでに身につけさせることをしてきたからです。

そこに自分自身をしっかりと持っているので、そういったものがないからといって仲間はずれになったりはしないし、むしろ他の子からも魅力的に見える遊びが展開でき、そこにほかの子も加わってきます。

よしんば、テレビゲームがなければ遊べない友達しかいないならば、無理に大勢の友達が出来る必要もなと僕も妻も割り切っています。

そんな大人の揺らぎ無い気持ちが、子供を不満なく導けると僕は思いますよ。


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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