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2023-12

信頼関係  Vol.2 - 2013.01.08 Tue

今回も保育論のような内容になってしまいました。
一般の方にはあまりおもしろい内容ではないかもしれません。






ご存知のように保育園では、年度替わりにクラス担任が変わることがあります。

以前にもどこかで少し触れましたが、なかには「大変なクラス」「手のかかるクラス」とされて、それまでの担任が持ち上がりを希望しなかったり、受け手がなかなかいないということがあるのですが、こういったとき力量ややる気のある職員、人のいい職員、事情のわからない異動者や新人などにお鉢が回ってきてしまいます。

ある意味合わない職員をそのまま持ち上がりにするよりも、職員を変える余裕があるというのは子供のためにはいいことなのでしょう。
人員がギリギリの施設では、その職員では子供を伸ばしていけないとわかっていても、持たさざるをえないということになってしまうでしょうから。

まあ、それはさておいて、そういったクラスを引き継いでみると、子供たち個々の育ち具合や家庭での養育に由来している部分もあることは確かにしても、十中八九保育士と子供たちとのあいだの信頼関係が形成されていないということがはっきりとわかります。

当然それまでの一年かそれ以上のあいだ保育園に来ているのですから、それなりのことを行っているはずだし身につけているはずなのですが、そういった積み重ねが子供たちの中に根付いていないのです。

結局のところ、信頼関係の上に子供を内的にその子自身の力をつけていってあげるのでなく、ただ外側から「やらせる」ことで様々な行為をさせてきたところで、身にはつかないのです。


年度が替わり、外圧をかけることで子供に「させて」きた職員がいなくなるととたんに、その子供たちはそれら出来ていたはずのことすらできなくなってしまいます。

じゃあ、ずっと外圧をかけ続ければいいじゃないかとも考えられるのですが、これまでの記事に述べたようにそれでうまくいってしまう場合もありますが、現代ではそれは難しくなっています。


これには保育園と幼稚園の違いを考えればわかりやすいかとおもいます。

幼稚園というのは『学校』に分類されます。
そこでは、集団生活を経験しそのなかで様々なことを身につけたり、初歩的な学習などに触れる場としてあります。

そのためには前提として、家庭での十分な養育というものが要求されているのです。
ですから、基本的には年齢も幼児からですし、保育時間も短いものとなっています。

受容や情緒の安定、親や人に対する信頼感というものが家庭で十分になされているという前提があって、様々な物事を「やらされる」ことだったり「学習」することが可能になるわけです。
(ただ、幼稚園の先生の話を聞くと、最近ではどうもそのようにはいかなくなっているそうです)


保育園ではそもそも『保育に欠ける児童』が入ってきているわけですから、その前提の部分から形成していかなければなりません。

前記事で書いたように、かつては保育園と言えどもあまりその前提の部分に力を入れずとも成り立っていたケースも多かったという経緯があります。

しかし、家庭での養育力が下がってきたり、保育時間も長時間化したりなどで、その前提部分、つまり受容や肯定をしてその養育者(保育士)に対する信頼感、大人全般に対する信頼感というものを形成するところから始めなければ、子供の成長を的確に援助することができなくなっています。




話を「手のかかるクラス」を引き継いだというところに戻します。

その子たちを年齢並みの発達に達していないと否定的に見てもなにもいいことはありません。

「できる・できない」など後から勝手についてくる問題なので、まずは信頼関係をしっかりと形成していきます。

その保育者との信頼関係がきちんと良好に形成されていれば、普通に生活する中でのことや遊び・関わりひとつひとつが経験なのですから、ことさら「できる」を追求しなくとも、子供たちはそれら経験の中で様々な積み重ねを吸収し、力をつけていきます。

そしてひとたび大人に対する信頼感を持てるようになれば、年齢ベースの成長というのはすでにあるわけですから、それまで「できなかったこと」もできるようになります。

それらは本当は「できないように見えていた」だけであって、本当はその力はついているのだけど、大人に対する信頼感が薄いばっかりに、それらをしようとする「モチベーション」が足りなかっただけということが少なくないのです。

なので、信頼関係さえ形成できれば「させる」をせずとも、子供の力は目に見えてでてきます。


それでもまだ、個々の発達状況や、情緒の問題、親子・母子関係からくる問題などは残るでしょう。
しかし、そういったものは保育士と子供の信頼関係が形成できてから個別の問題として考えていけば良いのです。

「このクラスは大変だ・手がかかる」と言っていた保育士の多くは、保育士と子供間の信頼関係が出来ていないことから来る子供の「大変さ」までも、個々の子供の問題としてしまったり、家庭での養育が悪いということに問題を押し付けがちです。

そうなってしまってはなおさら子供の力を伸ばすことができなくなってしまうのは、言うまでもないことですね。



・まとめ
たしかに、子供に「できる」「させる」をすることは保育士に要求されていることです。
そして実際、その年齢なりの「できる」が身に付かなければ、子供の成長にもなりませんし、クラス運営にも支障をきたします。

でも、外側からの「させる」に心や発達が達していない子に「させる」をするのは無意味なばかりか弊害すらあります。

そして保育園、特に乳児の保育においてはその段階から出発するものです。
それゆえに、保育士は信頼関係を形成することを怠ってはならないし、むしろその信頼関係さえあれば、日々の生活がそのまま子供の力となっていくのであるから、信頼関係を形成することが保育士の第一義的な職務であると言えるだろう。


保育士にそれらが出来ない、理解されていないために子供がこころよく通園できなかったり、安心して過ごせていないということが厳然としてある。
そういった状況を保育士はもっと真剣に考えていく必要があるだろう。
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● COMMENT ●

No title

こんばんは。

信頼関係ですか。大事ですよね。
でも、信頼関係はどのようなに築けばいいのでしょう?
また、信頼関係はどのようにして確認すればいいのでしょう?

僕は、小学生にサッカーを教えています。
子どもというか誰かに何か教えるときには、まずは信頼関係を築くことが大事だと思っています。
まぁ、大体教えることに夢中になる人が多いように感じます。
それはさておき、僕は信頼関係を築くにおいて、相手の気持ちを理解するように心がけています。
そして、理解したこと相手に伝えるようにしています。
その上で、相手の欲求を受け入れるか受け入れないかを判断するようにしています。
受け入れないときも、ただ拒否するのではなく、僕の気持ちを相手に伝えるようにしています。

まぁ、正直なめられていますが、大体本心を教えてくれるので気にしてませんね。
それなりに、こちらの欲求も聞いてくれますし。

No title

こんばんは。今回のお話もいちいち腑に落ちます。

「信頼関係」は、子どもたちが一日起きている時間のほとんどを過ごす場、生活の場そのものである保育園において、特に第二の母親ともいえる担任保育士との間ではとても大切だと、担任をヘルプする立場にいて私ですが日々実感しています。

特に、「大変なクラス」とされているクラスには、多動やかみつき、食事の強い偏り、こだわりの強さなど、一見、発達障害の教科書の見出しのような状況を呈する子どもたちが多かったりしますが、その子どもたちに安易に「グレーゾーン」などというレッテルを貼ってみたところで、何かが改善することは少なくて、案外年度が変わって担任が替わったら、問題行動がピタリと収まるというようなこともあるようです。

いわゆる「愛着障害」=親との間に十分な基本的信頼関係が築けていないことが、発達障害に似た状態を引き起こす【場合もある】ということが研究の結果わかってきているそうです。最近は、自分は子育ては得意でない、子どもと一日いると飽きてしまう、といったような理由が先にあって就職先を見つけ、保育園に子育てを代替してやってもらうのが当然という考え方の保護者の方もいらっしゃいます。
そんなときに、預けられた保育園で担任とも信頼関係が築けなかったとしたら、その子どもは、人間というもの全部に信頼を置くことができず、他者との交流から「自己」を確認して確立していくという、内面の成長が難しくなってしまうということが容易に想像できます。

誰かを信じたい、でもできない・・・結果が「お試し行動」「気をひく行動」としての多動や乱暴、しつこいほどの質問になったり、不安から同じことの繰り返しを止められなくなったりと、「手のかかる子」に仕立て上げられてしまっていると言えなくもないのかもしれません。

私は、短い経験の中からですが、「信頼関係」を築くための第一は、子どもの目を見ることとスキンシップだと思っていて、手をつなぐ、抱きしめる、でんぐり返しや鉄棒などのワクワクする体の動きを誘って介助してやること、それから手遊びやダンスつきの歌をとにかくたくさん歌ってあげることを心がけています。

パート保育士の私が、子どもたちから信頼のまなざしで迎えられることは、子どもによって鍛えられ認められつつあることに他ならないと考えて日々努力しています。

No title

はじめまして。いつも興味深く読ませていただいています。
私は国家試験組の新米保育士です。子育て歴は我が子1人で、過去はまったく畑違いの仕事をしていました。

去年、保育に関する種々の本を探すうちに、「THE保育101の提言」という、著名人が各々の保育観について語っている本を読む機会がありました。 
私が読んだのは3巻あるうちの1巻だけですので 提言のうちの3分の1のみなのですが、実感として驚いたのは、提言の方向性が随分違うということです。 大人の数だけ保育観があるなぁと言っても過言ではないような内容で、この方たちの中でコンセンサスなどとれないのではないかと思いました。

それだけ、人間は違うのだと思います。
そして、ある程度の違いは、受容し合うべきなのだろうと思います。


ただ、「保育士」は児童福祉法で規定される資格仕事なので、保育所保育指針に従って仕事をするのが任務だ という方向付けが強化されるほうがよいと思います。
おとーちゃんさんのブログを読んだり、現場で働いてみて、とてもそう実感します。
 
それがどうしたらできるのか・・・。 第三者評価を積極的に取り入れていくように行政側から働きかけるとか、保育士の評価システムを構築するとか、世間からの要請があることが必要なのでしょうか。


自分の働く場所にも、高圧的で冷酷だと思える関わり方をするベテランがいて、その生の姿を保護者に見せることができるのだろうかと不思議でしかたなかったことがありましたが、幸いにもそういう態度を取る保育士が少数だったのと、園長が的確に指導されたためか、かなり改善しました。 

評価システムにあわせて、悪い態度を示す子どもに暖かい受容が必要なように、そういう態度をとる保育士にも実は励ましが必要なのかもしれませんね。

現場にいる新米の立場でできることは その場にいる子どもたちをできるだけ守るために、そういう冷酷さを見せる保育士さんの懐柔策を考えて、決して子どもの前で険悪にならない、ということくらいですが、地道に、気長に、がんばりたいと思います。

No title

こんばんは。
2歳7ヶ月と0歳7ヶ月のママをしています。
子どもとの信頼関係。。。今私はまさにこのことで悩んでいる気がします。
2歳の娘は、イヤイヤ期だということもあるかもしれませんが、なかなか言うことを聞いてくれません。
オムツ換えも着替えも歯磨きもお風呂も嫌がります。
イヤイヤ期なので、こちらのブログを参考にさせていただきながら関わったりしているのですが、その信頼関係ができていないからか、なかなかこちらの思う通りにいかず、最後には怒ったり、突き放したりしてしまいます。
うちは子どもたちと私と夫の核家族で、昼間は夫が仕事で、私が子どもたちを家でみています。
当たり前ですが、家事も育児も昼間は一人でしなければならないので、家事をやっていると、娘に対して、着替えやごはんやお昼寝など最低限のことでしか関わってあげられず、一緒にじっくり遊んだり、愛情を与えることができていません。
でも時間ができたときは、抱きしめて大好きだよと伝えたり、くすぐり遊びをしたりしているのですが、それでは足りないのでしょうか。
親としてウソを言ったり、ごまかしたり、甘やかしたりせず、一貫性を持ってやっているつもりなのですが。。。
やっぱり言うことを聞かないのは、魔の2歳児という理由だけでなく、信頼関係ができてないという理由でもありますよね?
娘の特徴としてもうひとつ気になるのは、全然知らない人にほめてもらいたい、かまってもらいたいという思いがあるのか、その人の前で何らかのアクションをとります。
これは親からの愛情が足りないから、他の人からの関わりで心を満たされようとしているのでしょうか。

テレパシー

保育士である夫が、よくこんな言い方をします。
「担任してる子供たちとテレパシーみたいに意志疎通が出来る」
何だかメルヘンチックな表現をするなぁと思ってましたが、つまりは子供たちとしっかりした信頼関係が結べてるってことなんでしょうね。大人同士で考えたら、テレパシーレベルの以心伝心ってよほど互いを信頼し合った関係ですから。
大人同士だと、なかなかそれほどの間柄になることは少ないと思うのですが、大人次第でテレパシーが通じ合える子供はとても素敵な存在なのだと思います。
私も夫が言うように、息子とテレパシーが通じ合えるようになりたいなぁと思います。

No title

信頼関係の記事、興味深く拝見しております。

息子の園生活でも、行き届いた担任のクラスだと、例えば家庭で困難なことが起きても、逆に園の生活が家族の困難を乗り切る支えになったなあと、本当にありがたく感じました。
そういうクラスでは、子供同士の意地悪がエスカレートすることもないし、抑圧がないのに不思議とテキパキ物事が進む印象です。

本当にスキルと気配りと体力のいる難しいお仕事だなと、身を削るように頑張られている先生方を見て感じます。

保育園がこどもの育ちに寄与している影響力がもっと社会的に重視され、保育士さんたちの待遇(給与や休暇、職務環境)がもっと良くなればいいのにと、いつも思います。

親としても、信頼関係は本当に難しいです。
嘘をつかず、誠実にしているつもりでも、忙しさに追われたり、疲れてしまったりして、結果として子供を無視する形になったり、約束を忘れてしまったり、そういうことでも信頼感が損なわれる気がします。日々気を付けてやっていきたいなと思います。

保育園への転園

いつも拝読しています。今、悩んでいるので相談させて下さい(長文失礼します)。
4歳の息子が私立幼稚園に通っています。幼稚園バスで約20分、保育時間が割と短く(週1回は13時、行事の際は前日11時、夏休みなどもかなり長いなど)、2歳の娘もおりもう少し長く預かって欲しいと感じてきました。
私は、約2年前から軽いうつでカウンセリングに通っており、昨年夏にかなり悪化したため、秋に公立保育園への転園を申請し許可が降りました。が、かなり繊細な息子が、友達と離れるのが嫌で転園を嫌がり泣きます。
今更ながら保育園と幼稚園の違いも知り、私自身保育園に不安も感じます。 保育園に移るメリットは、
・徒歩10分で災害時など安心
・保育時間が伸び、私の負担が減る
・保育料がかなり安くなる
など、大人の都合ばかりになってしまいます。保育士さんたちが強圧的かどうか保育の質なども、私には判断できず不安です。うつで預けることにも、やはり抵抗も感じます。周り(夫や両親)には、「波風立てず幼稚園のままがいいのでは?」と言われます…。
受容や肯定のフォローを忘れなければ、転園させても大丈夫でしょうか。保育士さんが、「うつの親」と何か偏見持たれることはないでしょうか。
うつになるような性格のため、小さなことが気になって、決断ができずにいます。こんな内容ですが、何かアドバイスを頂けますでしょうか。

No title

こんにちは。
最近、夫にこちらのブログがとても為になるよ。と教えてもらい、
毎晩のように過去のブログから拝見させていただいています。
今回、ご相談させていただきたくて、メールいたしました。

我が家には、3歳半になる娘と一歳二ヶ月になる娘がいます。
上の娘が、とても大人しく控えめな子で、4月から幼稚園に入園するのですが、お友達をうまく作って、園生活にうまくなじめるかとても心配なのです。利発なお子さんのママ達からは、『育てやすくていい子ね』と言われる事が多く、確かにその通りかもしれませんが、親にしてみると、いつも友達の輪に入れず、一人で寂しそうに遊んでいたり、遊んでいた玩具を横取りされても何もいえず、じっと我慢している姿などをみていると、とても辛いのです。
私自身も、幼少時はとても大人しい性格で、いつも気の強い友達に支配されるような扱いをされていて、とても辛かった経験があるので、娘には同じ思いをさせたくないのです。

少しでも活発に、いやなことはいや、と言えるようになってほしくて、
夫婦共、なるべく外遊びに連れて行ったり、絵本の読み聞かせを毎晩行ったりして、満な親子関係を築いて、子供の心の成長にプラスになればいいな。と思っているのですが、どうしたらよいのかわからずにいます。

もちろん、子供のもともとの性格で、気持ちの優しいところは大好きですし、このままでいてほしい。という気持ちはあるのです。

ただ、優しい故、幼稚園で気の強いお友達にいじめられたり(そもそも園児にいじめという概念があるのかは、わかりませんが。)、なかまはずれにされたりしないか心配で。

このような性格の娘でも、園にはいればそれなりに順応して、変わっていくのでしょうか。

長文な上、わかりにくい文章で失礼しました。
ご意見いただければ幸いです。

幼稚園の絵本購入について

こんばんはo(^▽^)o
いつも楽しく拝見させてもらっています♪
すごく久々の質問なのですが…
4月から年少で幼稚園に入園します。
そこで絵本の購入があって毎月園児に渡されるそうです。
私はいらないと思っていたのですが、周りのママはみんな購入するようで…その事はちゃんと娘にフォローすれば大丈夫かな?と思っていましたが、教室でみんなの名前が呼ばれて絵本をもらい、うちの娘は自分だけもらえないのにがっかりするんじゃないかと想像すると少しかわいそうに(ーー;)
主人も皆が買うのにかわいそうだと言うし、おとーちゃん、どうしたらいいでしょうか?
私はどうしても欲しいと本人が言うなら年中から購入しようと思ってました。なんでも言わずに手に入るよりも欲しくて欲しくてやっと?手に入る喜びみたいなものを感じてほしいと思ったからなのですが…
考えがおかしいでしょうか(⌒-⌒; )
おとーちゃん、是非アドバイスを下さい。

No title

おとーちゃん、こんにちは。
お時間のある時で構いませんので相談に乗っていただけないでしょうか。

2歳半の保育園に通う息子がいます。
息子の全般的な発達具合を見てトイレトレーニングの時期を決めたいと思っています。息子の通う保育園では、保護者からの要請を待って、トイレトレーニングを開始するそうですが、まだ始めていません。

とはいえ、保育園側から「お母さん、すこしのんびりしすぎですよ」と言われ、保育士さんが少しずつトイレに誘っているようですが、まだまだメインはオムツです。また、息子の通う園は以前も書きましたが躾に厳しい園です。

過去記事を拝見させていただき、息子の発達状態は果たしてトイレトレーニング開始をする段階まできているのだろうかと思い、悩んでいます。

言葉の発達はしっかりとした文章で大人・子供とも話ができ、コミュニケーションにまったく問題ありません。うんちが出ればうんち出たーと言います。

「うんちうんち」というときもあって、トイレに行く?と聞いたら「うん」と言うので座らせたことも数回ありますが結局トイレで出ず、おむつをはかせたらおむつにうんちをした、ということもありました(その時は怒ったりせず、出ちゃったねー今度からトイレでしようねーと言いつつ綺麗にしますが)。

おしっこのときも、おしっこが出たら「おしっこ出たー」と言って自分でおむつを脱ぎ、新しいおむつに変えろ、と言ってくるときもたまにあります。

トイレに誘っても、トイレで何をするのかが分かっていないのかなぁ、と思い、3歳まではおむつのままで過ごして、その間に心の成長を伸ばしてあげればいいかなと暢気に構えていましたが、保育園からの指摘(お母さんがのんびりしすぎて子供の成長の機会を奪っている)もあって悩んでいます。

自分でできることといえば、食事・靴をはくくらいで、まだ自分で洋服の着脱はできません(ズボンはできるときもあります)。

他者との関わり合いでは、おもちゃを共有して一緒に遊ぶことはできませんし、なんでもかんでも僕の!僕の!となります。気が向けばお友達にどうぞができますが、できないときもあります。積み木で一緒に遊ぶことはできています(積み木は量が多いので取り合いにはなりませんが、お友達が作ったものを破壊して喧嘩になるようです)。

保育園で過ごす時間が長い(8時間ー9時間)ので帰宅するとぐったり疲れているのがわかるし、私から見たら息子はまだまだ精神的に幼いような気がします。その「幼さ」の原因はもしかしたら私が甘やかしていることにあるのかもしれないし、過干渉・過保護なのかもしれません。
他者を思いやれない(お友達が作ったものを崩したりする部分がすごく気になります)部分もありますし、まだまだ排泄の自立には遠いような気がして。。。

保育園からは暗に甘やかしている、と言われています。

何かアドバイスをいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。

No title

上記コメントに追加ですが、たま~にらしいのですが、
お友達をおもちゃで突然何の理由もなく叩くことがあるそうです。
この半年で数回あったと報告がありました(不定期でたまーにあるそうなので保育士さんも対応に困っているようです。ホントに突然らしいので)

また、気に入らないこと(お友達が持っているおもちゃであそびたいんだけど、おもちゃ貸してもえらないときなど)があると、お友達を押すようです。保育士さんがその場面場面でどう関わっているのかは分かりませんが、そういった息子の行動を親がどうやってフォローしていってあげればいいのでしょうか。公園なんかでは、「そういうときは貸してって言うんだよ」って教えてはいますが、口より先に手が出ているようで・・。噛み付きとかはないようですが、「押す」という行為が目立つと言われました。

miuさん

国家試験組だと僕とおなじだ。

保育を良くしてくのって難しいことだよね。
そうでないものが市民権を得てしまっていることもあるし、職場として業界としてのそれが必ずしも良い保育を求めていなかったり。

内部努力が必要なのはもちろんなのだけど、極端なことを言ってしまうと僕としてはそれだけでは多分本当の意味では変わりきれないような気がしてる。

鍵は、一般の人たちがもっと高いレベルでの子育てを求めるようになるような価値観が出来ることなのではないかと思う。


世の中が子育てにもっと価値を見出し必要とされていけば、旧態依然としたやりかたに疑問符がつくようになり、新たな知識や優れた人材が保育の世界にたくさんはいってくるだろう。


そしてその鍵である、子育ての価値を高めていくことの鍵は当の保育士たちが少なからずもっているはずなんだよね。

まあ、それが簡単にできるならなにも問題ないのだけど、やっぱりそこが難しいんだよね。





りなみうママさん

あんまりネガティブに考える必要はないと思いますよ。

成長期ということもあるでしょうけれども、最も大きいのは下に赤ちゃんがいることからくる甘えとそれを素直に出しづらいという葛藤ではないかという気がします。

これは兄弟のいるうちは、ほとんどの人が経験することです。

母親の気持ちが赤ちゃんだけでなく、自分にも向いているかという確認作業みたいなものです。


それ自体はどんなに頑張ったとしても避けることのできないものですから、出来る範囲で認めたり褒めたりする部分を増やしてあげたりするといいんでないかな。

また、ときにはお姉ちゃんの赤ちゃんだった時の話をしてあげたり、お姉ちゃんを赤ちゃんにして赤ちゃんごっこをしたりして遊んでみたりするのもいいかもしれない。


おそらく今のお子さんの姿は、愛情不足とか信頼関係ができていないなどとは別のことからきているものでしょう。
そんなとき、そういった情緒的な原因に理由を求めてしまうと、よけいに悪い方向へといってしまうので、気にしすぎないで前向きにいきましょう。

ピアットさん

>受容や肯定のフォローを忘れなければ、転園させても大丈夫でしょうか。保育士さんが、「うつの親」と何か偏見持たれることはないでしょうか。

まず、結論から述べますと、偏見を持つようなことはありません。

なかにはそういった保育士や、意識の低い園がないとは言えませんが、保育園は福祉のための施設であり親への支援がその設立の第一義です。

一般に仕事のために預ける施設と思われていますが、病気などで子供を十分に見れないことも入所の理由となります。

最近では、うつやPTSDなどを理由として入園する人も増えています。

病気などで育児そのものが負担になる場合、保育園に子供を預けるのは適切なことだと思います。

また、うつなどで子供を積極的に受容できなかったりする家庭には、できる限りその代わりに子供を受容したりする配慮などもしていきます。

そういった意味では、保育園を利用することも考慮してよいのではないでしょうか。

ありがとうございます

アドバイスありがとうございました。
一般的にうつの親への偏見はないと伺って、安心しました。あとは息子が通う予定の保育園が、いい保育園であることを願います。
息子が生まれて4年(下の娘が生まれて2年)、出来うる限りの愛情を注いできたつもりです。ただ、大きなストレス源(当面避けられない)を抱え、自分自身の精神状態がかなり不安定になってしまい、家事育児の負担が重くのしかかってきたため、保育園を考慮するに至りますした。
ただ、私さえもう少し頑張れば、このまま幼稚園でも何とかなるかと思うと、息子に申し訳ない気持ちが膨らんで…。
もう少し自分の状態を見極めて、転園させるか決めたいと思います。
いつも相談に乗って頂きながら、お礼ができないことが多く失礼しています。ありがとうございました。

ぷみさん

コメント拝見しました。

親はどうしても子供の足りないところが気になってしまいますよね。
やっぱり僕もそうです。
子供によりよく生きていってほしいと思えばこその親心とでもいうものなのでしょうね。



でも、多くの子供と関わってきて感じるのは、短所は長所でもあるということです。

泣き虫な子は、そこをマイナスに見てしまえば短所になってしまうけれども、裏返せば優しい心をもっているという人としての長所でもあります。

ひっこみ思案だったり、自己主張が苦手な子も、裏を返せば自分よりも他者のことを考えてあげられる正確だったり、外面よりも内面に大きな世界を作り出せる子だったりと、そこをプラスに認めてあげれば実はその大人から一見短所に見えるそのことこそが、その子の大きな可能性のジャンプ台になるかもしれないのです。



やはり多くの子供を見てきて、子供がどうしたら伸びるのかというのでわかったことがあります。

それは、否定したところから出発してもなかなかいい方に変わることは難しいということです。


大人が言葉や態度に出さなかったとしても、「この子は自己主張が下手な子ね。このままでは心配だわ」と思っていれば、子供は端々からそういったきもちを感じます。

それがどういう風に子供に受け止められるかというと、「否定感」として捉えられてしまいがちです。


そこからですと、なかなか前向きに進めません。

だから、ときに気にしている人ほど、その子供のネガティブな部分が直らない、それどころか強まっていくということがしばしばあります。

そのような感覚を覚えるくらいなら、ほうって置かれたほうがよかったのかもしれません。



とはいえ、例えば自己主張の苦手な子に発表会のあるような習い事でもさせて、度胸を付けるというような積極的な対応というのもひとつの手ではあるかもしれません。

でも、僕は小さいうちにはまず現状を、とりあえず否定せず、「いまはこういう姿なんだ」とありのまま大人が受け止めることからスタートするのを勧めています。


>遊んでいた玩具を横取りされても何もいえず、じっと我慢している姿などをみていると、とても辛いのです。

こういったとき僕は、「あなたは人にものが譲れて優しい心をもっているね」というように、ポジティブにその姿を受け止めて上げるようにしています。

なかにはこの同じ場面で、モノをとった相手に激しく攻撃するなんて子だっているわけです。
我が子がそうであったら、それはそれでまた心配のたねですよね。


子供は自分のありのままの姿を認めてもらえるか、否定されるかでその後の育っていく姿というのはずいぶんと変わっていきます。



3歳というのはまだまだ人間関係がうまくできなくても、なんの問題もない年齢です。

ましてや、これから幼稚園にいくということでしたら、そこでの経験で様々なことを自分から身につけていけるでしょう。


そもそも幼稚園というのはそのためにいくところです。
入る前からしなきゃいけないことが全て身についている必要はありませんね。

えぷりさん

僕は幼稚園のことは詳しくわかりませんが、任意ということになっているのだったら、ちっともおかしくはないと思いますよ。

ただ、日本は本音と建前ってことがよくあるので、任意ということになっていても購入するのが前提となっていたりなんてこともありますからね。

ただ、おそらく「おすすめ図書だから、子供たちに読んでもらいたいので園でまとめて購入しますよ」といったものが多いのではないでしょうか。
でしたら、周りが買うからといってそれに合わせることもないでしょう。


人から与えられるものよりも、一冊一冊親が吟味したものを子供に読ませたいという気持ちはとても素敵なことだと思います。

それを子供も理解していれば、そのときに自分だけ渡されないからといって、それでひがんだりはしないものです。

絵本はもともと、好みが違ったりすれば子供ごとに面白いと思うものも違うのですから、その子その子に合わせたものを選んであげられるのが一番良いと思いますよ。

Hiroさん

実際の様子を見たわけではないので正確なところは言えないけれども、2歳半であればまずたいてい体の機能的な部分はほぼできているだろうし、保育園に通っているということであるから、そこからの経験や刺激などでそれなりの内的な準備というものも少なからずできているのではないかと思われます。


そして、過去記事に「排泄の自立は同時に精神の自立」であるというようなことが書かれていますが、その排泄の自立のステップを踏むことで、そういった人との関わりなどの幼い部分が成長していくということもあります。


たしかに、あまりに準備が整っていない段階でおむつはずしをする必要もありませんが、あまりに先回りして囲ってしまう必要もありません。


保育園的な事情としても、2歳児クラスのいまならば職員配置の関係などもあって、きめ細やかな対応もとりやすいということもあるでしょう。
3歳児クラスになってしまうと、かえって排泄の自立にしっかりと手をかけてあげられなくなってしまうという現実的な事情もあります。

園側が、はずすことを勧めているというのであれば、発達段階についてもそれなりの判断をしてのことでしょうし、やってみることを考えてもいいかもしれませんよ。

もし、どうしてもまだ全然無理そうというのであれば戻したっていいのですから。

ありがとうございます

おとーちゃんさん、お忙しいところお返事ありがとうございます。
排泄の自立を促すことで精神的な部分での成長につながることもあるとのコメントではっとしました。
確かにそうですね。
私もトレーニングという言葉はあまり好きではありませんが、
保育園と連携取りながら始めたいと思います。


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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