兄弟関係について - 2013.01.28 Mon
その解決法というものではありませんが、それについて気づいたことをメモ的に書いておこうかと思います。
まず、兄弟関係をよくするためにどうこうしよう、というのは考え方の方向性としてちょっとずれてしまうと思います。
個々の子供が満たされ安定していれば、自ずと兄弟関係は作られるものだからです。
なので、兄弟関係が安定的につくられるとしたら、それは兄弟が生まれる前から、上の子にどのように関わっていたか、どのように成長してきているかという点から影響してくるといえるでしょう。
このことについては、また改めて事例とともに関連したことを書いていこうかと思います。
簡単に言ってしまえば、下の子が生まれる以前から受容や信頼関係、情緒の安定、気持ちの満たされ具合がそれなりにクリアされていなければ、下の子が生まれてその子を可愛がる余裕などもてないということです。
普段から満たされている子供ですら、下に弟妹ができれば情緒の安定を欠いたり、甘えが強くなったり、ひがんだりすねたり、赤ちゃんがえりしたりということは避けられません。
それがもともと満たされていない子であればなおさらです。
さらに言えば、下の子が生まれてしまえば、その子供の問題はもっと難しくなるし、解決も容易でなくなります。
つまり兄弟関係の良し悪しというのは、まずは兄弟関係以前のところにその根っこがあると言えるでしょう。
では、つぎに実際に兄弟関係がいるときについてみていきましょう。
よく、「下の子が生まれたら、より意識して上の子に関わるようにすべき」ということが言われています。
このことは確かにその通りだと思います。
生まれたばかりの下の子つまり新生児には、意識しなくとも山のように手がかかります。
一方で、上の子はどんなに親が気にかけたところで、また実際下の子が生まれる以前と同様に関わっていてすら、精神的な疎外感を持つことは避けられません。
なので、赤ちゃんの世話は大変だけれども、上の子への関わりを意識することも必要なことではあるでしょう。
しかし、中にはこのことを気にするあまり、「赤ちゃんのことはおばあちゃんや、お父さんにすべて任せて、お母さんは上の子にかかりきりにするようにした」なんていう話も聞きます。
これはこれでおかしなことになりかねません。
それではまるで、過保護や神経質な子育て、腫れ物に触るような子育てになってしまうからです。
たしかに、上の子を意識して受け止めていくことは必要です。
でも、同時に下の子ができたということは避けられないことであり、また上の子がその事実を乗り越えなければならないことでもあります。
なので、まるで下の子がいないかのような環境にしたところで、それは成長の上で健全とはいえないのです。
また、上の子に手をかけることを意識するあまり、下の子の世話でいっぱいっぱいになっている母親が無理をして上の子の相手をしようとすることで、母親のバランスが崩れ、一生懸命関わったところでちっともよい関わりにならないなんてのもあることです。
うまい言葉がみつかりませんが、上の子への関わりにおいては、このような「受容と自立のバランス」とでもいうようなものが必要になります。
このことはそれ以降でも具体的な関わりをしていく上で、念頭においておくべきことにもつながります。
例えば、「上の子だから」という理由で我慢させたり一方的に叱られたりということは不当とすらいえることです。
ですが同時に、そういう「上の子だから」を押しつけるのはよくないのだけど、一方でやはり「上の子としての振る舞い」もしくは、「年齢相当の理解・行動」というものを要求されることは上の子自身も納得するべきことでもあるのです。
このようなバランスが、兄弟関係がある以上その後もずっと必要になってくるでしょう。
このバランスをとらずに、ただ上の子を受け止めることだけ意識していても、それはかえってその子の依存を高めたり、自立を損なったりということにもなりかねません。
そして、このような状況を上の子が納得し、乗り越えていくためにも、基礎的な関わり(受容・自己肯定感・信頼関係など)が大切になってくるのです。
つづく。
● COMMENT ●
そうですね
思い出しました
上の子が2歳10ヶ月の時に下の子が産まれたのですが、それはそれは!ものすごいヤキモチで大変でした。
小さな頃から何かと手がかかり、おとーちゃんさんのいう、入れ物の大きな子なんだと思います。
目の前で下の子を抱っこも授乳も出来ない日々が何ヶ月も続きました。
スリングにすっぽり入れて見えなくしたり、コソコソ授乳したり、出来るだけ外出したり、試行錯誤の毎日でした。
下の子を受け入れてくれるのに、半年以上かかったでしょうか。
下の子が産まれても、すぐにはお兄ちゃんになれないんですよね。
上の子の気持ちも考えながら、赤ちゃんとの生活していくうち、いつの間にか優しいお兄ちゃんになってくれていました。
上の子はがんばって乗り越えてくれたんですね。
祖母も忙しく、そんなに頼れない中二人を育ててきたのですが、今では兄弟いつも一緒に過ごしてきてよかったなと思います。
この記事を読んでふと大変だった時のことを思い出し、久しぶりにコメントさせてもらいました。
上の子は小さな頃から何かと手のかかる子で、おとーちゃんさんのブログには大変お世話になっています。
子育てで大事なポイントなど、色々考えるきっかけをいただいています。
ボーっとなんとな〜くの子育てをしてこなくてよかったなと思います。
長くなってすみません。
これからもよろしくお願いします。
返信不要です。
早速ありがとうございます
あれからママさん達と話していて、年の近い姉妹は特に大変なのではと話していました。女性特有の『ねたみ』があるからです。実は私自身三歳離れた姉がいて(弟もいますが)、小さい頃から姉は比較してはひがんでいました。おとーちゃんさんがいうような器も大きかったのでしょう。母と性格が合うのも私だったので淋しい気持ちもあったかもしれません。可愛がっていたのは弟だったし、いまだに姉は心の器が満たされないままです。
まだ続きがあるのですよね。続きまた読ませていただきます。
ブログへの紹介の件
記事紹介へのご快諾、ありがとうございました(*^_^*)
「兄と妹 その3」とこちらの「兄弟関係について」の記事を
紹介させていただきました。
また、うちの子たちが大好きな「ごつんぐりぐり」のお話も
掲載させていただきました。
沢山すみません・・。
不都合な部分がありましたら遠慮なくおっしゃってくださいm(__)m
兄弟関係に関する記事、
つづきがあるとのこと、楽しみにしています♪
いつも参考になる、素敵な記事をありがとうございます。
これからも楽しみに訪問させていただきますね

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私は周りがよく「上の子優先」と言ってることが好きではなくて、それぞれにたいしてその時その時の優先順位を考えながら、それぞれに相手の要求を説明しながらやって来ました。
元々上の子が不安の少ない性格の子だったのもあり、下の子に対して嫉妬が激しいこともなく、全く攻撃することもなく、自然に優しく接してくれます。
私も意識して上の子にはお願いしたり感謝したりしながら、甘えさせることも忘れずに、時には叱ることもありますが、大好きだということを伝えながらやってます。
親バカながら二人ともスクスク素敵な兄弟に育っています。
周りの親子、兄弟関係を見ていると大変そうな人がたくさんいます。
大抵上の子が満たされていない事が多い気がします。
親側の関わり方で改善することもあるとは思いますが、その子のもって生まれた性質というか、満たされやすさ、満たされにくさもあるのかなと思うことがあります。
愛情がその子のコップに満たされていれば、溢れんばかりの愛情をもらっていれば、他者(兄弟や友人)にも優しく接することができる気がします。
でも中にはいくら親が注いでも、満たされにくい子っていないのでしょうか?
その子のストライクゾーンが狭いのか、それとも親がその子の欲することに気付けていないのか、見当違いなのか…?
よく「うちの子はかんしゃくもちで育てにくいから」という人も多いです。
確かにやりにくそうな子だなあって思いますが、果たしてもって生まれた性質と、育てかたなどの環境因子と、どっちが原因なのかなぁと考えさせられることがあります。
私の考えとしては、もって生まれた性質と、関わり方と、環境とがうまく絡まりあって、その子の成長の方向が変わってくるのではないかなぁと言うことです。
兄弟の存在も一つの環境因子かなあと思います。
兄弟の存在から得られる成長もたくさんありますよね。
話が少しそれてしまいましたが、タイムリーで共感できる記事だったので、つらつらコメントしてしまいました。
いつもためになる記事をありがとうございます♪