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2023-03

兄弟関係について その2.1 - 2013.02.01 Fri

今回は前回の補足のようなものなので「その2.1」としました。


産休に入りながら保育園に上の子を預けているような状況について前回少しでてきました。
正確にはそのような状況で、上の子を安易に預けることで子供を見ることを回避してしまうことについてでした。

これにはもちろん、なんらかの事情や妊娠に伴う諸症状によって子供をみれない状況にある人たちのことではありません。
みれるのにみたくない・大変だからという理由で回避してしまう場合についてです。







このようなケースは、そもそもが妊娠中であるとか、兄弟ができるからなどで、子供がみきれないような大変さになっているのではなく、それ以前から母子関係がうまくいっていなかったり、「育てにくい子」に育て上げられてしまっているために、親が「みきれない・みたくない」という状況になっている子が多い。


つまりこの子たちには、むしろ積極的な親からの「よい関わり」が必要である子たちなのだ。

そして産休中にその上の子に積極的に関わることをしないのならば、だれが考えてもわかるように出産前よりも出産後に「よい関わり」ができるような余裕が生まれるはずもない。

オーバーな言い方をするようだが、その産休中こそがその子にとって最大限関わることのできる最後のチャンスなのだ。


ただでさえ母親が妊娠していれば子供は不安定になるし、下に新生児が生まれても不安定になる。
そういった状況では常よりも情緒の安定に、大人からの良い関わりが必要になる。

それなのに逆のことをしていたら、「育てにくい子」は「さらに育てにくい子」になるし、「大変な子」は「もっと大変な子」になってしまう。



このことの最良の解決策はなんでしょう?

僕は、最初から「可愛い子」に育てることだと思う。

以前の記事ですがこんなことを書いています。↓
乳児の遊び・関わり Vol.14 駄々っ子の言いなりになるよりも、可愛い子供にしてしまおう



しかし、現に下の子を妊娠中というこの状況になっている以上「最初から」というのは不可能なわけで、この現状での最良の策といったら、いまのこの産休中にできる限り子供に肯定的な関わりを積み重ねていくことではないかと思う。

なかには「上の子は育て方を失敗したから」と切り捨てて、下の子に期待をかける親もいる。
しかし、そのようなエゴイスティックな考え方で子育てしていては、下の子も育てやすい子になることはない。


ここで良い関わりをもらえているという自信を上の子が持てないまま弟妹ができれば、その「確認作業」を少なからずネガティブ行動という形で出してくるだろう。

新生児+大変な上の子 という組み合わせでの子育てなど、どんな人であっても容易ではない。

そしてこうなってしまうと、「子育ては大変」というスタンスで子供と関わるようになっていくだろう。

そういった親の姿勢は、さらに子供の情緒や育ちの不安定に、育てにくい子という方向へ向かっていくので悪循環となる。



逆に考えると、産休中・育休中というのは大きなチャンスでもあるのだ。

赤ちゃんの世話に手を取られるとは言え、フルタイムで仕事に行っている時に比べ、時間的には余裕をもつことができる。

そのときをうまく使うことで、それまで時間的な余裕のなさからできなかったこと、受容的な関わりなどを少しでも増やすことができるのではないだろうか。
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● COMMENT ●

No title

リンクさせていただきました。
ふざける子というので検索しましたらこちらのブログにたどり着きました。父母の皆さんに大変わかりやすく保育の本質を伝えておられ感心しています。これからも見させていただきたいと思います。

友達関係の悩み

いつもありがとうございます。クレヨンの件も、ありがとうございました。
記事と関連がなくて申し訳ありませんが、相談させて下さい。
4歳年少の息子は、テレビもあまり見せず、積み木やままごと遊びや工作、絵本などで育ててきました。が、最近周りのお友達の影響で、戦隊物に興味を示し始めました。
毎週一緒にスイミングに行き、誰かの家で遊びますが、ベルトや剣、銃が出てきて戦いごっこばかりです。既にDSも持っていて、息子もやりたがったりします。
それでも自宅では、相変わらず積み木や工作で楽しんでますが、毎週そういう遊びに加わっていくのが心配です。
ママさんたちは、私がそれらを避けているのを知っているので、テレビゲームだけはやらないようにしてくれますが、戦隊物は「男の子だしヒーローに憧れて遊ぶのはいい」と言っています。
時には私の家で、積み木などもしますが、刺激に慣れている彼らは集中できません。友達関係を壊したくはないのですが、息子への影響が心配です。どうやって折り合いをつけていけばいいのでしょうか。将来的にはゲームも仕方ないかと思いますが、まだ4歳早過ぎますよね。
おとーちゃんのわた君も、ゲームや戦隊物とは無縁で育てられたと思いますが、どのように対応されましたか?
外遊びに適した季節を待つしかなくて、悩みます。

先ほどの相談に追記させて下さい。
いつも一緒に遊ぶ3人の親子とは付き合いも割と長く、みんな大切なお友達です。戦隊物とテレビゲームで育つその子たちにも、積み木やままごと遊びや絵本などに触れて欲しい気持ちもあります。
が、1人ならまだしも3人揃うと私では力量不足で、うまく遊びに引き込めません(戦隊物とテレビゲーム以外興味がないので、自らは遊び始めません)。
おとーちゃんなら、遊び込めない子供たちも引き込むやり方をご存知でしょうか。もしくは、男の子4人くらいで遊べるお勧めのオモチャや遊びがあれば教えて下さい。
いつも長文での相談で申し訳ありません。

保育士おと~ちゃんこんにちは

こんにちははじめまして

子育て情報が載ってるサイトを検索していたら、このサイトにたどり着き、過去のブログも1ヵ月くらいかけてほぼ読ませていただき、ためになる話は自分の日記にもメモさせていただいたり、何度も読んで参考にさせていただいてます

実は、保育士を7年勤めた後、結婚、出産のため一時的に保育園を離れました。その当時、自分の保育にも疑問を感じ、やることが多いせいにして自分の保育も見失って、もう自分なんて保育士に向いてないとまで思ってました。

今考えると、先生たちから認められないと評価が下がることを気にしてクラスをまとめることばかりに気を取られていました。

怒ってばかりの保育士でした。

でも、自分の子供ができ、このブログに出会い、180°思いが変わりました。私が子供のこと好きで、その気持ちをもちつついれば子供が素直に育つんだという事を子育てすることで実感したんです。

我が息子は1歳9ヶ月ですが、このブログに出会い、実践したおかげで、すごく素直にそだってるような気がします。挨拶も出来、みんなにかわいがられて育ってます。私の理想の子育てができてます。

ほんとに感謝します。

また、保育士として、パートでつとめ始め、その際にも、こどもたちの気持ちがわかるようになり、思いを受け止めつつ保育できるようになりました。

これからも楽しみにしてますので、更新是非お暇なときにまってます。

いつもありがとうございます。

まさにタイムリーです

こんにちは。
以前アトピーっ子の情緒面について相談させていただいたぺっぺです。
お風呂にはいることも手を洗うことも眠ることも痛い、痒いで生活そのものに支障をきたしていた息子…QOLを何とか改善してあげたいと必死で病院探しをして、今ではすっかり改善してます!
私もその時はつわりもあり生き地獄のような日々でしたが…
先月無事に出産し、息子もよく妹を可愛がってくれます。
産休に入ったら時間ができるから沢山息子と遊ぼう!と思っていましたが酷い風邪をひいてしまいままならず。
産後はやっと私の体調も今回復してきましたが、やはり頑張って妹にママを譲っているからか?「ヤダ!」が多くなって気を引こうとしてる感じがあります(^-^;
そして同時に吃音が出てきてしまって…
ちょうど、語彙が増えて言いたいことが沢山増えてきて、急いで喋ろうとしてしまう時期があるようなので、様子をみましょう。と保育園の先生からは言われてます。
今まで普通に言えていた単語もどもってしまって。
だんだんひどくなっている感じですが、逆に難しい言い回しもしたりして。
もしかして心理的な影響!?と思いましたが、おしゃべりは楽しそうだし、私もなるべく息子と関わる時間を作って遊んでいるし、妹も可愛がってるし、まあ様子をみようかと…

おとーちゃんさんのいうように、今年1年間は今まで以上に子供たちと関わる日々にしたいなと思います!
今後もたくさんの育児のスキルを学ばせていただきます(^-^)v

ピアットさん

この問題は難しいのですよね。

相手もあることですから、こうすればこうなりますみたいなことは言えません。


また、その子その子の置かれた状況というのもありますから、一概に言えるものでもありません。


ただ、ひとつ確かなものがあるとしたら、それは親の姿勢だと思います。


「ほかにもっとしてほしいこと、遊んで欲しいことがある、よそはどうあれ家では見ないしそういう遊びの相手もしない」
そういうことを親がブレずにもっていて、それまでに親と寄り添った気持ちを育ててこれていれば、子供は親のそういった気持ちに納得もするし、尊重もしてくれると思います。

そしてそういった洗礼を受けてしまうまでに、きちんと遊べる力をつけていれば、大きく影響されることなくその後も成長していけるでしょう。

うちの息子にはそうしてきて、いまのところそれでうまくいっています。


たしか過去記事に、テレビゲームについてで関連の記事があったかと思います。

ありがとうございます

いつもアドバイスありがとうございます。
親のブレない姿勢が、大切なんですね。最近1人で遊びこめるようになった姿を見ると、少しくらいの影響は気にしなくても大丈夫かなと、少し安心しました。
おもちゃ選びに関しては、百町森さんで相談してみようと思います。
いつもお忙しい中、ありがとうございます。

いよい~よさん

勤めた園によって子育ての仕方、子供観まで染まってしまうので、いざ自分の子育てをしたときに、悪い方へ悪い方へと進んでいてってしまう保育士もすくなくなりません。

でも、それを乗り越えることができてほんとによかったですね。

お子さんも、また保育園の子供たちもたくさん受け止めてあげて、まっすぐな子をたくさん育ててあげてください。

ぺっぺさん

子供がそういったナイーブになっているときは、子供が何をできるか、できないか、親が子供にどう接するか以前に、親自身の心持ちがどうあるかということが大切になってきます。

そういうときこそ、余裕をもっておおらかにというのがいいみたいですよ。


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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