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2023-06

おもちゃでいっぱいの部屋  その8 ―テレビゲームとの関わり方 Vol.3― - 2013.03.27 Wed

親が子供にテレビゲームを与えてしまう理由・きっかけには、どのようなものがあるでしょうか。

僕は小学生以降の子供たちについてそれほど知識があるわけでもないので、広範なところはわかりませんが、周りのケースや知り合いからの話、コメントなどで聞いたところによると、以下のような理由があるようです。







・ゲーム機を人からプレゼントされてしまったので

・ゲームをやっていれば、静かにしていてくれるので
・ゲームをしていれば、親の手をわずらわせないですむので

・兄姉がもっているので、なし崩し的に下の子にもやらせざるをえなくなった
・父親がやるので、子供にもやらせるようになってしまった

・周りの子が持っているので、うちの子が持っていないとかわいそうだから
・周りの子の話題についていけなくなると、かわいそうだから



ほかにもあるのでしょうけれども、意外に感じたのが「子供にねだられて」というのがほとんどなかった点。ただ、これは年齢層が上がれば当然でてくるのでしょうから、たまたまかもしれません。


これについていくつか気になったところをみていくと。

「ゲームをやっていれば、静かにしていてくれるので」「ゲームをしていれば、親の手をわずらわせないですむので」

これらに関しては、テレビゲーム以前の問題として「大人が子供を持て余してしまっている」、「コントロールしきれなくなってしまっている」「遊べない子供に育ってしまっている」などの、関わりや育ちとしての問題がすでにあるということで、それに対する対症療法的な使い方でテレビゲームという手段を持ち出してしまっているのでしょう。


そういったケースであるならば、本来はそれ以前に育てやすい子、親子間の安定した人間関係というところを作っていくべきことなのであり、このブログでもそれができるようにいろいろと書いたりはしているのですが、世間一般ではこの「子供を持て余す状況になってしまう」というのが子育てをめぐる大きなひとつの問題点となっていることでもあり、その結果こういったテレビゲームを与えることで、ある意味、問題を封じ込めてしまう、大人の逃げとしてしまうようなことが行われてしまっているこは、僕としては残念に感じます。


このことは、「子育ての困難さ」という問題が、さらに「子供に慢性的なテレビゲームを与える」という問題を生んでいると言え、「問題が問題を生む状況」になっていると感じます。

僕としては、そのような状況を作り出してしまう前に、適切に子供と関わることで「育てにくい子」にはならずに済むということを多くの人に知ってもらいたいという思いを新たにするばかりです。



以前レストランに行った時にこんなことがありました。

ちょうど昼時で混み合っており、少し待つことに。

ひとつ前でまっている人たちが、父母と3~4歳くらいの男の子とまだくるまれている0歳の赤ちゃん。

そんなに長い時間待っていたわけでもないのだけど、その男の子は待合室のスペースで椅子の上から飛び下りたり、かなりのやりたい放題状態。

そこでお母さんが携帯ゲーム機を渡すと、今度はそれで黙々と遊び続けている。

順番で案内されてちょうど席も隣同士になり、見るともなしにその子のことが視界にはいっていたのだけど、今度は料理が来てもずっとゲームばかり。

なんども「ご飯来たから食べなさい」ということを言われていたけど、ほとんどスルーで、とうとうかなり強く言われて食べる。
しかし、形ばかり食べた程度で、またすぐゲームに戻る。



これを見ていて、子供をゲーム機という手段で安易にコントロールしようとして、むしろさらにコントロールしきれない状況を作ってしまっているのではないかと感じた。

こういった状況が外出先だからたまたまなのかもしれないが、もしこの半分でも普段からの姿だとしたら3歳からこの先の子供の育ちを考えたときに、そうとう大きな影響になるだろうということはたやすく想像できる。


ここから言えることは、子供を「静かにさせるため」などのコントロールの手段としてゲーム機を使うことは、別の問題を生む可能性もあることであり、安易に使うべき手段ではないだろう。

むしろ、その時その時は大変と感じても、きちんと子供の姿に向き合って子育てをしていくことこそが、子育てというものには必要なこと・避けてはいけないことであると言える。

また、次回に続きます。
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● COMMENT ●

ゲーム

レストランの風景、、すごくわかります。
赤ちゃんを抱いて、上の子が3歳だと待つことはできない気がします。

3歳児が1人だったら、まだ指遊びとかしてあげて間を持たせることもできるのですが、赤ちゃんをだっこして、、、だとホント外食自体難しいです。

私だったらゲームは渡さないけど、、待たずにあきらめて、他の店に行くか家に帰ると思います。

お父さんは一緒だったのかな。一緒だったら、また違うかもしれないけど。。。

でも、都会はDSを持っている子が多いですね。公園でもDSしているのでびっくり。

我が家の周りは田舎なので小学校低学年はDS持ってる子ほとんどいません。この状況が続いてくれるといいんだけど。




PCや携帯は?

私も先日、レストランでたまたま隣の席になったファミリーが、お母さん除いて全員(パパと男の子の兄弟)がそれぞれDSに夢中になっていたのを目撃。。
会話もなく黙々とゲームをしている姿をみて、申し訳ないけどこういうファミリーにはなりたくないなぁ。。と感じました。
ただ、ゲームまでいかないにしても、我が家の2歳10ヶ月の娘は、私のiPhone に興味があり、iPhone で撮った娘の写真をとても見たがります。
PCや携帯なども小さい頃から触れさせない方がいいでしょうか。。
いずれ、ゲームに発展してしまうのではないかという心配があります。

ぽちさん

>PCや携帯なども小さい頃から触れさせない方がいいでしょうか。

僕はなにがいいか、悪いかというのは言えないのですよ。

こういうことはケースバイケースで、与えていたところでなんの問題もないこともあるでしょうし、それが結果的に悪いこともあるかもしれないし、逆に良いことにつながるかもしれません。


それは僕にはわからないし、おそらくほかの誰にも、ぽちさんにもはっきりと分かることではないと思います。


考えるべきなのは、子供にどうなって欲しいと親自身が考えていて、そのためにはなにを子供にして欲しいか、そういった視点、子育てへの考え方を持っていくことではないかと思います。


ここで、もし僕が「PCや携帯も小さい子には悪影響があるからやめましょう」と言って(もしくはその逆を言って)それに従うのは簡単だし、楽かもしれません。


でも、それを子育てのいろんな場面でしていってしまうと、子育てが迷走していって、気づいたらとんでもないところにいたということにもなりかねません。


世の中にそのように、「~~しなさい」「~~してはいけない」と親を誘導するような情報はたくさんあります。
そしてそれに振り回されてしまう人もたくさんいます。
それでうまくいったならばいいのですが、そうでないことも現実には多々あります。



子育ては、極端なことをするのでなければそうそう簡単には取り返しのつかないことにはなりません。

自分でまたは夫婦で、どうなって欲しいか、どうして欲しいかそう考えていくといいですよ。


この場合ならば、例えば、子供が自分で遊べるようになってほしい、そのためにはテレビゲームなどなくても過ごせる子なってほしい、じゃあ今PCや携帯は大丈夫なのか、いいとしたらどのくらいなのか。

そんな風に考えていけばいいのではないでしょうか。


そして、このモデルはこれからたくさん直面するであろう子育ての様々な場面で、子供に向き合う時の大きな助けになると思いますよ。

アドバイスありがとうございます!

なるほど、、子育てはマニュアルではないですもんね。
単純にいい悪いで片付けるのではなく、その都度それぞれの家庭の方針に沿って適用するように考えていくしかないんですよね。
確かにそれは従うだけのマニュアルと比べてたら、判断などとても難しいですが、子育ての方法は家庭の数だけ存在するがゆえですねー。
毎日、子供と接していると対処として迷うことがたくさんありますが、おとーちゃんさんがおっしゃるように、最終的にはどうなって欲しいかを念頭において、じっくり取り組んでみたいと思います。
(私は、結構気持ちがブレるので、あまり自信はないですが。。)
アドバイスありがとうございました。


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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