おもちゃでいっぱいの部屋 その10 ―テレビゲームとの関わり方 Vol.5― - 2013.03.29 Fri
・「周りの子が持っているので、うちの子が持っていないとかわいそうだから」
・「周りの子の話題についていけなくなると、かわいそうだから」
僕の周りで結構多かったのが、この「周りとの兼ね合いで」持たせたほうがいいのではないかと与えたケース。
これにだいたいついてまわっているのが、「本当は与えたくなかったのだけど」という親の意識。
つまり、「本当は与えたくなかったのだけど、周りの子はみんなもっているので、うちの子だけないと友達とうまく関われないのではないかという心配から与えた」というものや、それに類似するものです。
これで僕が感じるのが、「なるほどそういうこともあるかもしれないけれども、大人が先回りして与えることもないのではないか」という思いです。
別に、テレビゲームを与えることになんの抵抗感も持っていないというのならば、それはそれでいいのかもしれませんが、親自身は「与えたくない」という思いでいるのならばなにも先回りしてあげることもないのではないかと感じるのです。
要するに、子供が本当に「それがないと友達とうまく関われません。買ってください」と意思表示して、そこから親子で考えていけばいいのではないかと思うのです。
そして、このプロセスを踏むことが、そのあとあとのゲームとの関わりを持っていく上で大きな布石となるのではないかと。
このことについては今後の展開の中で述べていきます。
このように先回りして与えてしまうことは、一種の精神的な過保護とも言えるし、本当のところは子供のことを考えてというよりも、大人自身の「子供に友達ができなかったらどうしよう」といった不安を解消するために、そうしている部分があるのではないかという気がしなくもないです。
そして、「本当は与えたくなかったのだけど、○○なので与えた」という親の意識は、どうも問題をあとに作っているようです。
それについても次回以降書かれることとなりますが、とりあえずここで言いたいのは、テレビゲームを与えるとするならば、このケースに限りませんが、きちんと「親の責任において与えた」と親自身も納得しておくことが大切だと思います。
これを親自身が理解していないと、様々なその後にでてくるテレビゲームにまつわる日常の問題なりを、「子供のせいだ」という認識で送ることとなります。
このことは、親子関係に余計な軋轢を生むもとともなりかねません。
これらについて詳しくは次回に。
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● COMMENT ●
なるほどなるほど!
続きが楽しみです♪
今回のテーマ、楽しく読んでいます。
急に思い出したのが、戦中派の私の母のことばです。
「あなたにはテレビアニメを見せなかったから、幼稚園のお友達の話題や踊りの真似っこ遊びに入れなかったのよね。だから、あなたは、子供には少しはテレビも見せてあげなさいね」
第一子には「ゆうがたクインテット」しか見せず、いわゆる子供番組もアニメも見せなかったのですが…周りが見ているからという理由で嗜好に合わないものをわざわざ子供には見せたり、与えたりしたくないんです。
ところが、私と同じ発想で私を育てた母からそう助言されると…考えてしまいます。
幼かった自分が、当時惨めに感じた記憶があるなら、親に反発してわが子にはバンバン大衆的なものを与えるはずですが~そんな風に感じないことは、昔の私には決定的な傷にはならなかったのではないかと…
どう思われますか?
続きの展開を、心待ちにしております。
cocue-cocueさん
よく宣伝の文句などで、「もう○万にんが使っている」とか「となりのあの人も持っている」などの売り文句が使われていますが、ああいうのをみるといかにも日本的だなぁと、いつも感じます。
僕は子供にはむしろ、「人がするから自分もする」というのでなく、自分の考えと自分の道をもって生きて行って欲しいと思っています。
人と同調することで帰属感やアイデンティティを確保するのでなく、自分のいいと思うものをきちんと自分の中に持って進んでいけることが独立した個人として大切なことだと考えます。
なので、「共通の話題にはいれないから可愛そう」というふうに消極的にではなく、むしろ自分の持っているものに他者を巻き込めるくらい魅力的なものを培っていけるように育てて行きたいと思っています。
ですから、僕は人と同調するためのなにものかを持っていないことを可愛そうとはせず、むしろ人と同調するものを持っていなければ進んでいけない子になってしまうことのほうが可哀想なことだと感じます。
なので、人に合わせるためにと考えて、好みもしないものをわざわざ与えずとも、その分良かれと思うものを与えていっていいと思います。
この一連の記事の中で書かれたように、いざそのものが必要だと子供が感じ始めて意思表示をしてから与えるなり、考えるなりするのでもちっとも遅くないでしょう。
まあ、これは僕の考えに過ぎないので、そう感じない人がいたとしてもそれはそれでかまわないとは思いますよ。
No title
私は子供の頃に、交渉したけどどうしても自分の思う通りにならなかったという経験をすることも大事なことだと思っているのですが...少数派みたいですね。
我が家の兄弟はレゴが大好きなので、ゲーム機の替わりにレゴだけは多めに買っています。自分にとって一番大事なものはそれぞれで、みんなが同じではないのだということに気付く子に育って欲しいなあと思っています。
浮き草さん
>みんなが同じではないのだということに気付く子に育って欲しいなあと思っています
僕も同様に思いますよ。
どうも日本人は周りと合わせようと考えてしまうようで、そういうのになびかない人は少数派になってしまうのですよね。
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それぞれ家庭によって違う問題点と結果があるのか~と目から鱗です。
特に今回の記事はためになります。
「友達がやっているから欲しい」は、絶対いつか言われる!いつ言われるのか?言われないにはどうしたら?と、戦々恐々としていました。
ちゃんと子供から相談してくれる時を待って、その時が来たらしっかり話を聞いてあげる&話し合う…という大事なことを忘れていました。
自分の事を棚にあげてゲームばかり悪者になっていました…。あぁ反省。
おとーちゃんさんのブログは本当にわかりやすくてためになります!