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2023-03

しっかりコミュニケーションできる時間 - 2013.04.02 Tue

コミュニケーションにも密度ってありますよね。

ときどき、コミュニケーションや関わりに「濃厚な」という形容が使われることがありますが、一口に「関わり」といっても濃い、薄いってあるようです。


このごろ、いくつか似たような相談がありました。





それは、だいたい1~2歳前後の子供のいる家庭で、主に家事の時間に親を求めてぐずったり泣いたりするので、どうすればいいのでしょうというものでした。

こういうときに、子育て一人目の人や、子供を泣かせたらいけないと考えている人などだと、どうしたらいいかわからなくなって、オロオロしたりしてしまうのだけど、

もし、このときに「子供が求めてくるから相手をしなければ」と考えて、無理をして一生懸命どうにかこうにか、だましだまし相手をしたとします。


さて、このときのコミュニケーションは濃いでしょうか、薄いでしょうか?


また、例えば絵本を読み聞かせるとき、大人がなにか考え事をしながら、とりあえず字だけ追って読んでいるのと、大人も一緒に内容を楽しみながら読むのではどちらが濃いでしょうか?


こうやって文章で書いてあれば、答えは自ずと明らかだと思います。
ですがなかなか、当事者がその渦中にいるとき、その自明なことが見えないんだよね。


不思議なのは、表面的にまったく大人が同じ対応をしたとしても、そのときの大人の気持ちのありようしだいで、子供に伝わるコミュニケーションの濃さはまったく違ってくるということなんです。


いまの絵本の読み聞かせの例ならば、そのどちらもまったく同じテンポ・抑揚や言葉づかいでお話したとしても、子供に伝わるものはなぜか、ぜんぜん変わってきます。

本当に子供は心で大人とつながっているのだと思います。


先にあげた、家事の間に子供の相手をするということだと、いくらそこで一生懸命大人が相手をしようとしたところで、「あーどうしよう、こまったわ」「また離れたら泣くのかしら」「これじゃあ夕食の準備ができないわ」などと内心で思いながら相手をしたところで、子供は大人のそういった気持ちを敏感に感じ取っていますから、大人がしぶしぶ相手をしたところでなかなか満足するところまでは結局満たされないのです。

であるならば、その時はさして相手をしてあげなかったり、泣かせておいたり、「いまは相手できません」と突き放したりしてしまっても、あとで大人がゆったりと関われる時間に出来る範囲で関わってあげるほうが、ずっと子供は満たされたりもします。


なので、子供に振り回されるよりも、しっかりと大人が主導権を持って子供と関わるようにしたほうが、この辺の子育てというのはうまくいきやすいです。



じゃあ濃い関わりができるのはどんなときだろう。

(前フリが長くなってしまったけど、本当はここから下が今日の本題)

我が家でそれを考えてみると・・。


食事の時間と、お風呂の時間、そして寝る前の時間かな。

この三つは特に心で関われる時間になっているような気がします。


夕食の時間は、その日にあったことなんかをよく話してくれます。

学校での出来事とかね。
あとはもちろんその日の食事についてのお話も親子でします。

お昼の給食はなんだった?とか、このおかずの味付けはなんだとか、「このアスパラは緑だけど、白いのもあるんだよ」とか、「フランス料理ではアスパラは野菜の女王なんだよ」、「かぼちゃはカンボジアっていう国から来たんだよ」
これだと僕のセリフばっかりになっちゃったけど、ちゃんと会話してます。(笑)

うちはテレビ見ないけど、これがテレビ見ながらの食事だったら、こうはなっていなかったと思います。


お風呂は言わずもがな、裸のつきあいだし、距離も近いし、身の回りの世話ですし、大人がゆったりした気持ちで関わりさえできれば、自然と濃いコミュニケーションになれる時間ですよね。

「頭を人に洗ってもらうと気持ちいいよね。君たち赤ちゃんのとき、頭洗ってるとき眠くなってそのままよく寝ちゃてたんだよ」

むーちゃんは人にしてもらったことは、人にやってみるという人なので、やるように仕向けたわけではないのだけど、いつのまにか体洗っているとき大人の背中もごしごししてくれるようになってました。

力があんまりないから、ごしごしっていうよりもくすぐったいんだけどね。


寝る前の時間もまた、いろいろあるのだけど、ピックアップして書きたいエピソードがあるので、話を分けて次回にしたいと思います。
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● COMMENT ●

がんばっても思ったようにはいかない…なぜ??

ここ2年ほど?、まめにチェックして読んでいるブログです。
いつもいつも参考になります。

息子はこれから年長、下の妹は0歳です。

おもちゃなどは、結構気を使ってきたつもりです(家にはブロックやくみ木くらいしかありませんし、独り言を言いながらず~っとそれを使って遊んでいたりしてるんですよ)。
しかし、先日、公園に遊びに行ったとき、幼稚園の友達がDSという小さなゲーム機を持ってきていました。
息子は、とっても興味がわいたみたいで、その子の横でずーっとそれを覗き込んでいました…。う~ん、いままでそういうのからは遠ざけてきたのになぁ、興味ひかれちゃうのかなぁ、と、ちょっぴり残念な気持ちになってしまいました。

このあたりは、子どもの気質もあるのかしら。

ま、興味があるなら、仕方ないですかね。
親としては、ゲーム機を買い与える気はないんですけど。

テレビも好きなんですよね~。基本的には見せてないんですが、ちょっと風呂上りにニュースでも見てると、嬉しそうにいそいそと私の隣なんかに座っちゃってたり。。。
「ママ、今日は疲れたし、テレビでも見る?」とか、言ってきたり。
隙(←私の気持ちの隙)あらば、テレビ見ようとしちゃうし。

子育てって難しいですね。いろいろ頑張っても、思ったようにはならない。意外にテレビ見てばっかりの子よりも、うちの子のほうが戦いごっこが好きだったり(戦隊ものなんて、おばあちゃんの家で過去1度か2度しか見たことないはずなのに、男の子同士が集まると戦いごっこをやろうとしたり、わざわざブロックで剣のようなものまでつくってしまう)。なぜなぜ?って思ってしまいます。

でもまぁ、家族で相談した方向での子育てをこれからもやっていこうとは思っています。
頑張った割には、思ったような結果でなくても、ま、楽しい家族生活をとりあえず続けていけていることに今日も感謝ですかね。

では、今後の更新を楽しみにしています。

No title

育児に悩んでいた時にこちらのブログを拝見し、たくさん助けられました。

育児に対する考え方がガラッと変わり、息子の反応もガラッと変わって楽しい毎日です。このブログに出会えて本当に感謝しています。


ところで、「おもちゃでいっぱいの部屋」の記事の初めの方で、

一人遊びができなくなった子、遊びに集中できない子、を変えていくのかについても書きたいと思います~

とおっしゃっており、私今でもその内容について知りたく楽しみに待っています(笑)!!

いつか、記事を書いていただけると嬉しいです。

これからも、おとーちゃんさんのブログ読ませていただき、育児楽しんでいこうと思います。

ありがとうございました。

お礼のお返事が遅れて大変申し訳ありませんでした。
幼稚園での絵本選びの件で、ご相談させてもらってたのですが、あれから色々考えで決めました。
お父ちゃんからのアドバイスで幼稚園のお勧めの絵本なのかなぁとも思い、調べてみたら福音館図書でした。福音館図書の絵本ていい本が出てる気がします。なので試しに1年間頼んでみることにしました。もうすぐ娘は入園なのですが、今2人目を妊娠中でつわりがひどく、家事はおろか遊んであげることもできなくてもどかしい毎日です。また幼稚園に預けるといろいろ心配な事やわからないことが出てくると思います。その時はおとうちゃんのブログを励みにがんばります!

ママとの時間、パパとの時間

とっても勝手な悩みだとは思うんですが、一歳8ヶ月の娘がパパっ子になり凹んでしまっています…。
パパと娘が仲が良いことは嬉しいのですが、あまりにも「パパ、パパ~」と叫んでいるのでいつもお世話している私としては何だか虚しく悲しくなってしまいます。
この記事の様に私は家事をしながら相手をしているので、娘も何か物足りなさを感じているな⁇と思いました。パパは仕事から帰って娘をお風呂に入れて遊ぶだけなので、時間は短いですが私よりも濃厚な時間を過ごせている気もします。
パパっ子になっているのはそういう時間の過ごし方の違いもあるのでしょうか?

優越感に浸っている主人を見るとなんだかイライラしてしまって心に余裕がなくなってしまう自分にもウンザリします。

おとーちゃんさん、こんな心の狭い私ですが何かアドバイスをいただけたら嬉しいです。よろしくお願い致します。

osakamamaさん

>一人遊びができなくなった子、遊びに集中できない子、を変えていくのかについても書きたいと思います

これについては忘れていたわけではないのですが、一連の記事があまりに長くなってしまったので、時間をあけてまた書いていきますね。

ただ、この遊びの手につかない子を遊べるようにしていくということなのですが、これは保育園でのアプローチが元になっているので、家庭でもそっくりそのまま同じに行くというわけではないかもしれません。

そういうわけで参考程度のものになるかと思います。

ママガールさん

パパっ子で凹んでいるとのことですね。

子供はほんとにいろいろと個性があって、普通は避けられたりすることのあるお父さんですが、ときどきママガールさんのところのようにパパっ子になる子もいるようです。

ですが、その多くはたいてい時期的なものです。
今後の成長の過程で変わることもあります。


また、逆の場合の方がこの問題は非常に大変です。
父に対して極度に子供が拒否反応を示す場合、打ち解けない子供に父親が難色を示し、家庭不和の原因になってしまったりすることもあります。

それを考えたら、この状況を逆手にとって、父親に育児の負担を分担してもらったりといい方へと使っていくこともできるのではなないでしょうか。


以前にもママガールさんと同様のケースに関わったことや相談されたこともあり、ママガールさんの大変なところは自分がしているのに、おいしいところだけ持ってかれてしまうような凹んでしまう気持ちもわかります。

このあたりはどうも子供の問題というよりも、夫婦間の相互理解の部分があるようです。

自分がどういった心情であるとか、何をして欲しいなどお父さんと話し合うことでそういった溝は埋まっていくのではないかと思います。

お返事ありがとうございます!

おとーちゃんさん、お忙しい中お返事ありがとうございます。
おっしゃる通り娘の問題ではなく夫婦二人の問題だなぁとおもいました。
私自身超のつくママっ子だったため…なぜパパに…と思ってしまっていたところもあります。でも、よくよく考えれば子供が両親とも好きなのは当たり前の事なんですよね。

いちいち凹んだ顔を見せて娘に心配させるより、笑顔で遊びに混ざっていこうと決心しました!やっぱりママが笑顔でいないと子供に伝わってしまいますもんね。。

パパとは正直な気持ちを話してお互い理解できるようにしていきたいと思います!なんだか心がスッキリとしました♪ありがとうございました☆


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楽しく無理のない子育てを広めたいと2009年ブログ開設。多くの方の応援があって著作の出版や講演活動をするようになりました。 現在は、子育て講演や保育士セミナーの他、『たまひよ』や『AERA with Baby 』等の子育て雑誌の監修やコラム執筆。『ジョブデポ保育士』の監修や育児相談などをいたしております。

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