遊べない子に遊ぶ力をつける その1 - 2013.04.11 Thu
そこで今回のテーマは「遊べない子に遊ぶ力をつける」ということなのだが、これは主に保育園での子供に取り組んでいることなので、家庭でも同様にとはならない部分もあるかと思う。
ただ、考え方の方向性は同じことなので、ある程度の参考にはなるだろうか。
そういうわけなので、カテゴリーは「あそび」ではなく「保育園」の方にしておく。
一口に遊べない子といっても、いろいろなケースがある。
とにかく大人にかまって欲しくて保育士についてまわるので、遊ぶどころではない子。
周りの雰囲気や人に慣れない・不安で、その環境ゆえに遊びに手がつかない子。
無気力や自信のなさから遊びの展開の出来ない子。
強い刺激に慣れすぎてしまっていて、自分で能動的に遊びができなくなっている子。
他児にちょっかいをだしたり、人のものを壊したりすることが遊びになっていて、自分の遊びの出来ない子。
年齢に比しての幼さゆえに、そこでの遊びについていけない子。
などなど、遊べない子のタイプにもいろいろある。
だが、これらは大きく分けてふたつのものになる。
「遊ぶ力」自体の問題である場合と、「遊び」以前に原因があって遊べなくなっている場合である。
「遊び」以前に原因がある場合は、これはもういくら遊びができるようにと働きかけたところで、その原因が大きい場合はそれだけでは遊べるようにはならない。
なので、先にそれを解決・改善していくか、少なくとも並行して取り組んでいく必要があるだろう。
では、「遊び以前の問題」とはどんなものがあるだろうか、それは子育て上起こる様々なことが原因になる。
このブログでもよく話にでてくる「過保護・過干渉」などもそうなることがあるし、「満たされなさ」や「親からの関心の低さ」が引き起こす「不安」や「イライラ」なども容易にその原因になりうる。
年齢の低い乳幼児たちにとって、こういった人間関係要素、とくに母子関係のあり方というのは、影響が大きく「遊び」や「生活」の姿へと現れてくる。
例えば、親から関心が低かったり、ダメだし否定が多く自己肯定感を持たせてもらえていない子などは、なかなか自分の遊びを落ち着いてそれに取り組むということができなくなる。
それだけでなく、自分の余裕のなさから、他児の遊びを壊したり、他児へちょっかいを出して困らせたりすることで自分の心を満たそうとする行動にでたりするので、簡単に「遊べない」という状況になる。
これらの子を遊べるようにしようと、遊び方を教えたり、いけないことを叱って行ったりしてもなかなかそれだけでは好転しない。
家庭でもその状況を改善するように伝えていくか、家庭でできない分を代わりに保育士が対応していく必要がある。
それを意識して、ともするとこういった子には遊びの場でも「注意」や「ダメだし」が多くなってしまうが、むしろ遊びを通して「共感」や「肯定」の機会にしていき、「良い遊び」を通して他者(まずは大人と、それが十分出来てから他児へ)と心地よい関わりを結べることを実感的に伝えていくアプローチをする。
ここでその子の「遊びの手につかない状況」に対して、注意や叱るダメだしばかりで対応していては、その子自身が「遊び」を楽しいものとは捉えなくなり、さらにネガティブな行動を多くしてしまうので余計に大人の関わり方が「遊べない子」をつくってしまうことともなりかねない。
とはいえ、当然ながら本当に「いけないこと」に目をつぶるということではない。
他児に手を出したり、他児のものを取って困らせたりすることを遊びにしてしまったり、ものを投げたりかんしゃくをおこしてものに当たったりなどのネガティブな行動を許容するわけではない。
それを止めたり、注意したりすることもときには必要になる。
しかし、それをしたときに良好な関係を維持できるか、子供とのあいだに溝を作るかは、保育者・大人の側の気持ち・意識が問題となってくる。
その子を普段から受容しているのか、その子に対して否定的な見方を常日頃からもっているのでなく、肯定の気持ちで関わっているのか、などなど意識レベルでの信頼関係のあるなし・多寡が大きな意味をもってくる。
またそもそも、そのようなネガティブ行動を子供に出させてしまうのではなく、それ以前に普段から子供の状態・気持ちを見極め、先に受け止めたりすることでネガティブ行動を出さずに済むような関わりをとれることも保育者としては大切になってくるだろう。
この上の例は子供がささくれだってしまっているケースだが、過保護や過干渉ゆえに遊びが手につかなくなっている場合でも、保育者との信頼関係を厚くしていくことで、子供の気持ちを受け止めだんだんと良い形での遊びに目を向けさせていくことができる。
対応する人間が、当の過保護・過干渉をしている場合ならば、それを変えていけば子供の姿が変わっていけるのは言うまでもないだろう。
同様に、子供の「環境不安」などからくる遊べなさというものも、大人との信頼関係や、慣れ、時間の経過、成長というものが子供を安定的に遊べるようにしていくだろう。
だいぶ駆け足で大雑把ではあるが、以上が遊ぶ力以前の場合のポイントである。
次回は、遊びそのものの場合のアプローチについて見ていきたい。
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● COMMENT ●
すごくわかりやすかったです
遊びは、仕事をして行く上で、人生を切り開く上でのベースだと
思っています。
今回の記事も,深く、わかりやすく、とても濃い内容でした。おとーちゃんさんの記事、どれもヒントがいっぱいで深い!
遊べていない子どもというのがあるんですね。
逆に、遊べている子どもというのはどんな感じなんでしょうか。
ある程度大きくなった子どもは、遊んでいるかどうかわかるのですが、乳幼児だと、遊んでいるかどうか。遊べているのか。
よくわからないような。
次回の記事を楽しみにしています。
No title
今息子は3歳になりました。
1歳より保育園に通っていますが、新年度が始まってから息子の様子がおかしく、登園時は毎朝泣いて嫌がり、帰宅後はちょっとしたことで怒りだしたり、悪態というか、わざと反対のことをしたり、怒らすような言動を取ったり、おとーちゃんさんがいつもおっしゃるネガティブな動向、こちらを試すような言動を繰り返します。
保育園で我慢している反動なのかとも思いますが、あまりにひどく、これまで人を叩く素振りをみせなかった息子が叫びながら叩いてきたことにびっくりしました。
(私は息子に手をあげたことは一度もありません)
説得では収拾つかなくて、気持ちの切り替えができず、ただ、ただ泣いて怒って反対のことをやり続ける息子にどうしてよいかわからず、今までもので釣ることは避けてきましたが、動画をみせて落ち着くことができました。
昨年もこの時期、不安定だったときに、おとーちゃんさんの春の揺り戻しの記事に励まされたので今回も今だけと思いたいのですが、わたしも耐え切れなくなりそうで、どんなふうにかかわればいいのか何かアドバイスいただきたいと思いました。
お時間ございますときにアドバイスいただけると幸いです。どうかよろしくおねがいいたします。
タイムリーでした!
娘二歳半はかまってちゃんで一人遊びがあまりできない子なので、
私構いすぎかなぁ、どうすれば一人遊びできるものか、と悩んでいたので
今回のテーマはまさにタイムリーで嬉しいです。
遊ぶ力がつけばきっと一人遊びが上手になって家事がはかどる…なんて淡い期待。
これからも更新を楽しみにしております〜!
相談
息子(もうすぐ4歳)と友達A君のことで相談です。
4月から保育園に通い始め、顔見知りのA君とB子ちゃんと同じクラスになりました。
A君が登園3 日目くらいから元気がなく、 保育園に行きたくないと言うのでお母さんが理由を聞いたところ、「○○ちゃん(家の子)がB子ちゃんと遊んでるかこっち来ちゃダメ!って言ったから」と言うのです。
男同士仲良く遊んでいるときもあるようなんですが。
私としてはとてもショックで…
我が子にどんな風に話したらいいのかわかりません。情けないですが。
どのように対処したらいいか教えてください。
お願いしますm(_ _)m
相談
おとーちゃんのブログは私の子育てバイブルとして何度も読ませていただいています。
以前も相談させていただき、その悩みも解決、気持ちも軽くなりました。
また、申し訳ないのですが相談させてください。
2歳1ヶ月になる息子です。歩き始めたときから大人と手をつなぐのを嫌がるので、見守って一緒に道路を歩いていました。
ベビーカーで出かけるときは、ベビーカーの柵を持つようにして歩く事もしていました。
しかし、最近はベビーカーの柵ももちろん大人の手もつないだと思ったら2〜3秒ですぐ離して自分の行きたい方へ歩いていってしまいます。
好奇心旺盛&乗り物が大好きなので、走っている車やバス、工事現場など次々見つけては指差しています。
最近、言葉が増えてそういう周りの事に興味のある事はとてもいいなと思っているのですが、時には触ろうと近づいてとても危なかったり、目的地に全然行けなかったりで一緒に歩いていて自分のストレスがかなり多くなっています。
また、目的地に行けないために買い物や保育園など出かけるときはベビーカーが手放せません。
初め歩いて出かけるのですが、目的地の方へ行けるように何度も「電車に乗るから駅はこっちだよ」と言っても行ってくれないと、「行けないならベビーカーに乗るよ」と話し、それでも行けないとベビーカーに押し込んでしまう状況です。
沢山歩いて体力をつけて欲しいと思っているのに、相反する事をしている自分に、手抜きでベビーカーを使っている、、、と後ろめたい気持ちがずっと続いています。
同じくらいの年齢の子でも親と手をつないで歩いている子をみるととてもうらやましく、いつになったら我が子と一緒に手をつないで出かけられるのかと思い、おとーちゃんにアドバイスをいただきたいと思っています。
おとーちゃんが返答するためにどういう情報が必要なのか分からないのですが、息子は最近ママ〜と甘えたりくっつく事が多いですが、あまり人見知りはなく知らない大人に対して自分の知っている言葉を話しかけています。
また、1歳から保育園に通っており、母子分離のときはかなり泣くけれど教室の中に入ったらけろっと遊びだすそうです。
私との関係ですが、くすぐりはもちろん楽しくしています。しかし家の中でいろいろと私のやってほしくない事をやる事に対してだんだん注意する場面が増えてきています。(私自身に余裕のないときにはいけないとは分かっていますが、恥ずかしながら感情的叱ってしまう事もあります。)
家でも注意、外でも注意。。。なんだか叱らないでいい育児をしたいと思っているのに、だんだん悪循環に入っているような気もして、もしかして受容が足りないのか?と振り返ると思ってしまいます。
とりとめのない内容になってしまい、申し訳ありません。
お忙しいとは思いますが、アドバイスをお願いします。
あーちゃんさん
どちらにしても、そのような関わりをしているのであれば、しかるべく伝えていいことだと思われます。
一時の対応だけでなく始終そうなのですから、これはもうおそらく本人では自分で変えようのないことでしょう。
園内でのことは園長・施設長が総責任者なのですから、その責任において保育者を指導していく義務があります。
ですから、園長なり施設長なりに相談して、善処してもらうのがよいのではないかと思われます。
どう考えてもそれで良い保育になることはないですから、是非とも真剣に対処して欲しいですよね。
コンニチハ!
もしこちらからの返信が届かないようでしたら、改めてきちんとコメント等でお礼が言いたいと思って質問でした~
さちさん
園での様子も変化を示しているのか、それとも今までどおりなのか。
新年度で環境が大きく変わったのか、保育士がかわったのならば適切に保育されているのか。
または、新年度になったことでの環境・活動内容がかわったことから、精神的・肉体的な疲れがそのような行動につながっているとも考えられます。
現れている様子とも合わせて保育士に相談してみるのもいいかと思います。
そういうことでなければ、成長することによる姿なのかもしれません。
3歳は自我が強くなる時期でもありますので、成長期(いわゆる第一次反抗期)としての姿の可能性もあるでしょう。
状況に応じて、気持ちを切り替えてあげたりすることも必要ですが、支障がないときならば放っておいて出させておいて、自分でコントロールする経験を持たせてあげること。そして自分で落ち着くことができたことを認めていくこともいいと思います。
また、叩いてくることは許容しない方がいいと僕は思います。
疲れていたりして感情を出してしまうということは、発達段階からしてやむを得ないことです。
しかしだからといって他人をたたいていいわけではありません。
それを許容していると、今後もそういう出し方をして自分の感情を爆発させていいと、子供に追認していくことになってしまいます。
なのでそこに関してはきっぱりと否定する、場合によっては毅然と怒ります。
大人だって受け入れがたいことは受け入れがたいと子供が知ることも大切なことです。
大人が「弱い大人」になって、子供がすべきでないことまでさせてしまう、いいなりになってしまうのは子供自身のためにもなりません。
相手が子供であっても、お互いに心地よい関係をもつことが人と関わる上では大切なことです。
「耐えられない」ことだと感じるならば、そう伝えればいいのです。
ちゃあさん
検索しても見つからないので、なんらかの不具合で届いていないのかもしれません。
申し訳ありません、御手数ですが再送信してみてください。
ありがとうございます
園での生活は、担任も変わり、今年度から、縦割り保育になったりで大きく環境は変わりました。
園では朝、泣き止んだ後は特に変わった様子はなく頑張っているようです。
一方、家庭では動向が荒っぽく、やって欲しくないことをわざとやって大人を試しているようです。
いけないことはいけないと、伝えますが、以前より、親に関わらず、注意されると極度にひねるような態度を見せる子です。
すぐに注意を受け入れることができず、ネガティブなアクションを取りますが、いけないということはよくわかっているようなので、根気強く伝えていかないと仕方がないのかなと思っていますが対処の方法にいつも悩んでいます。
穏やかなときはかわいい遊びや、話しをしたりしてくれるのですが。
弱いおとなにならないようにしたいです。
迷える母さん
コメントに書いてあることから判断するに、あまり気にしなくていいケースなのではないかという気がします。
それには2つあります。
まず、A君が元気がない・行きたいくないといった理由が、本当にそのためなのかどうかという可能性があります。
始めて親元を離れて、3日目で喜んで保育園に行きたいなどと考える子どもはそうそういません。
しかし、その年齢ともなれば、わかる子はなかなか行きたくないとダダをこねられません。
「行きたくない」とする理由をつけようとしてしまいます。
>「○○ちゃん(家の子)がB子ちゃんと遊んでるかこっち来ちゃダメ!って言ったから」
この事実があったにしろ、それはたんなる後付けの理由ではないかと思うのです。
なのでそうであれば、今回のことは人間関係上のトラブルではないと言えます。
それゆえ迷える母さんが、気に病む必要はないと思われます。
これが第一の場合。
僕としては、おそらくこのケースである可能性がかなり高い感じます。
第二の場合は、
>「○○ちゃん(家の子)がB子ちゃんと遊んでるかこっち来ちゃダメ!」
このようなことは、この年齢の子の遊びの中でたくさんあります。
ほとんどの子に、山のようにあります。
こういうことを言ったから意地悪な性格であるということにはなりません。
こういう経験を友達関係の上でしながら成長していくものです。
もし、A君がそれを気にしているということであれば、それはその子自身も成長のために慣れる・乗り越えなければならないことです。
ですが、まずたいてい3歳児クラスの年齢で、たった1回そういうことがあったことで、そんなに登園できなくなるほどのダメージを受ける子というのはいません。
慢性的に頻繁にあるというならば別ですが、新入園そうそう友達関係からそのようになるということはちょっと考えにくいのです。
どちらにしても、迷える母さんが気に病むことではないのです。
よしんばもし、そうであったとしても、それは発達の一段階として成長の中で見守っていけばいいことです。
また、こういったことを経験し学ぶ場でもあります。
保育のカリキュラムのなかにも、「人間関係」という項目があり、こういう問題も成長の一過程として考慮の範囲にあります。
もし、Aくんのお母さんが、気にしていたり、一方的に腹を立てているというのであれば、保育園に状況を話してあいだに入ってもらうのが良いと思われます。
おそらくA君のお母さんも、環境が変わったり初めての状況で不安になって、子供のそういう反応を過敏に感じてしまっているのでしょう。
以上が、気にすることはないと思う僕の考えです。
また、もし迷える母さんがお子さんに、そういうような意地悪な行動があると前々から感じていて、今回のことに思い当たる点があるというならば、それはこれからの成長の課題として考えていけばいいことです。
この年齢はまだまだ成長の途中ですので、いかようにも変えていくことができます。
しかし、今回のケースは先に述べたように、人間関係の問題ではない可能性が高いと思います。
であるならば、とりたててお子さんに否定的にどうこう言う必要はないと考えられますよ。
もし、今後も同様のことがあるというならば、保育中におこることは園で対応すべきことです。
保育士と相談して対応していくとよいでしょう。
子どもたちの「人間関係」
先月は、私の問いかけに丁寧に、また深い内容のお返事をいただき、ありがとうございました。お礼を差し挟むのも憚られるほど、次々と参考になるやり取りが続いていて、いつも勉強させていただいております。
今回の‘迷える母’さんのご質問に対するお答えも、なるほどなーと思いました。
確かに保育の5領域の中には「人間関係」というのがあったなと思い出し、子どもたちが豊かに『遊ぶ』ことができるためには、年齢が1歳2歳3歳と上がるにつれて、5領域のもうひとつの「言語」の充実と呼応して、「人間関係」ということも身につけていかなければならないのだな、と改めて思いました。
一応私もプロの端くれですが、感覚的には‘迷える母’さんのお悩みに限りなく近いところがあって、実は、新年度でヘルプに入った2~3歳児のクラスで、4月早々に3歳になった口の達者なA子ちゃんが、いつもいたずらや行儀の悪さで注意されるB君に対して、保育士の口真似や、「○○ちゃんたらいけないんだよね、先生?」などと責め立てるので、幼くて少し乱暴なB君が、ストレスでますます粗暴になってしまい、何度もそのおマセなA子ちゃんを叩く、押すなどを繰り返してはまた叱られて泣き叫ぶというような事例に出会い、どうしたら双方をひと山越えさせて、仲良くさせられるかご相談しようと思っていたところでした。
そうですよね。
そのおマセさんにしたところで、大した悪意や自覚があって正義の味方や優等生を演じているというほどでもないのでしょうね。ただ、お口が先に達者になってしまっただけなのだということですよね・・・
一応、ちょっと得意げな顔をするので、あまりに度重なるときは「何度もいわないの。○○ちゃんも嫌な気持ちするよ。いけないことは大人がちゃんと言うからね。」と諭し、
手出しをしては叱られて大泣きしているB君には、「押したり叩いたりしないで、お口でちゃんと‘貸して’とか‘嫌だよ’とか言ってみてごらん」と、抱きしめて悔しい気持ちも受け止めながら教えるようにはしています。
でも、まだまだ当分このバトルは繰り返されそうな気配です。おとーちゃんさんなら、どんな風に二人に関わるだろうと、想像しながら日々対応しています。ともすると、「あの口ぶりはお母さん似かしら」「乱暴はお父さん譲りかも」などと思ってしまいがちな自分を、「それで済ませたら、プロの保育者じゃないよな」と反省しつつ・・です。
言葉が増え、大人の真似ができる・・・一見すごい成長と説得力だったりしますけど、その言葉の本当に正しい使い方=「友達と上手に関わって遊ぶ」ということは、3歳ではまだまだ難しいということなのでしょうね。
その、手足が先に出てしまうB君にとっても、ここが人生で最初の人間関係の試練というところなのでしょうかね。
この後、「遊ぶ力をつける」ということの一環として、『友達と遊ぶ力』についても、書かれていくのかなと楽しみにしています。
相談をコメントしたあの日はショックで、始まったばかりの園生活がこれからどぉなるんだろう???と不安で涙が止まりませんでした。
うちの子が言ったことでお友達が園に行きたくない!となるんだ…と本当に本当にショックでした。
その後家庭訪問があり、先生からもおとうちゃんさんと同じことを言われました。
・園生活が始まったばかりで食事や排泄が自立してないA君はまだまだ不安定であること
・ダメ!を言ったり言われたりして
お互いに学んでいくとこ
(うちの子はダメ!と言ってしまうことが多いようですが、その都度どうしてダメなのか理由を聞いて、ダメ!ではなく理由を言うようにしてくれているそうです。)
私自身、息子にダメ!と使いたくないと思いつつ、たくさん言ってしまってるな…と反省もしています。
顔も名前も知らないおとうちゃんさんですが、(こちらも知られていないというのが大きいかもしれませんが(^_^;))
すがる想いで相談させてもらいました。
本当に肩の荷がおりたし、スーーーーーットしました。
ありがとうございました。
A君のお母さんとも良好な関係が続いています。
これからもお忙しいかと思いますが、更新楽しみにしています。
本当に本当にありがとうございましたm(_ _)m
すんさん
目的地に行く必要があって、移動手段としてベビーカーをつかうことは手抜きでもなんでもないですよ。
僕は、一緒に手をつないで歩いたり、自転車で行ってしまうところを歩いたりすることも経験になるなどと書いてはいますが、それは「○○させなければならない」ということではありません。
現在のその子の状況としてできないことならば、訓練して「させる」必要などないのです。
安全に歩くことができない段階・状況ならば、ほかの手段をつかうのになんのためらうこともないでしょう。
広い公園など、安全なところに行ってそこで思う存分、歩くなり走るなりすればいいのですから。
苦労しなければできないことをさせたり、いま現在どうしてもできないことをやらせなければならない子育てなんて、辛いばっかりで親も子も楽しくないですよね。
「○○しなければならない」と思ってしまうのは、子育てのマニュアルの落とし穴です。
「できること」を楽しく笑顔でたっぷりするのが、その段階での発達にも子育てにもいいことですよ。
そうやって、子育ての中でたくさんの「肯定」をつくっていけば、そこから生まれる信頼感や共感性で、手をつないで歩くなどの「○○できること」はあとから勝手についてくることだと僕は思いますよ。
やまねこさん
そういったものには、人間関係の未熟さだけでなく、背景に母子関係など関わりのモデルとしての大人のあり方も影響していることがあることも多いようです。
そういう場合、親の姿を超えてのアプローチというのはなかなか難しいですね。
とりあえず、今回のところでは友達関係のところまでは触れない予定です。
長くなってしまうのと、もともと一般に過剰に友達との関わりを気にする人が多いので、子育てしている人たちにあまりそこを強調したくないと思うからです。
小さい子にとっては人間関係の基礎となるのは、まず大人との関わり・信頼であって、子供同士の関わりはそこから自ずと導き出される部分が大きいと思います。
なので、それはそれで別のところで触れる機会があるかもしれませんが、今回のテーマでは触れないつもりです。
No title
お礼遅くなり失礼しました。
おとーちゃんのお返事を読んで、こどもの出来ないところばかり気にしていた事に気づきました。
もちろんこどものいいところは理解しているつもりですが、まわりの子どもと比べて、いろいろな情報に振り回され・・・。
おとーちゃんのブログを読んでいるにもかかわらず、私は落とし穴にどっぷり浸かっている状態ですね。
頭では分かっているつもりでも気持ちでついていかない事もありました。
しかし、できないことを訓練してさせる必要はないという言葉は気持ちを楽にしてくれます。
親子で楽しむ事が一番なんですよね、本当。
出来なかった事が出来た!という瞬間のこどもの自信に満ちあふれた笑顔は、こどものどんな姿よりも輝いていて私自身幸せを感じます。
無理矢理やらせて出来るよりも、信頼感や共感性を育てていきながら、こどもの成長を妨げないように今のこどもの状況に合わせた関わり方をしていきたいなと思いました。
遊び方が乱暴な子について
3歳なりたてと4ヶ月の二人の男の子の母です。
上の子について相談させてください。
車が好きで普段はトミカを並べ駐車場にしたり、トラックの荷台におはじきやプラステンのコマを乗せて宅配便のつもりで遊んだりしています。
気になるのが、遊びがワンパターンでそれ以上発展せずそれも乱暴になりがちだということです。
例えば、トミカをピピーピピーと言いながら集中して駐車場のように並べていても、急に糸が切れたようにガシャーン!と言いながらせっかく並べた車を結構な力でバラバラにしてそのまま違う遊びに移行するのが毎回だったり、車を倒しては「事故なっちゃったよー」と私に何回も言ってきたり(しかもそれだけで何度もなので、事故だからパトカー来ましたーとか言いながらパトカー走らせてみてもシラけた顔されたりで発展もせず、私に何と言って欲しいのかわからず、段々イライラしてしまいます)なんだか穏やかに終われないんです。そういう遊び方にはどう介入していったらいいのでしょうか?
あとブロック(学研ニューブロック)も、私が作ってる途中のものを次々取ろうとし(ママが作ってる途中だよ、何で取っちゃうの?など言ってますがやめません)、そこに自分でもブロックを繋げようとしますが、ちょっとできないと怒ってバラバラにしてやめたがり、何か作ってあげても壊すことを遊びにしたりで続きません。上手くできない悔しさには共感しますが、その後のアプローチがイマイチわかりません。やめたがってるならあっさりやめた方がいいのかなど。
あと、車のおもちゃなどで本来分解する部品ではないけど取れそうな部分は取ってそれで終始してしまったり、ダンボールハウスを作ってお店屋さんごっこをしようとしてもあまり乗ってこず入るのはほんの少しで、ガムテープを剥がして遊び出したり、本来の遊び方ができません。
上の子の気になるところは上記のようなところなのですが、これも刺激に慣れすぎた子の特徴でしょうか?
それ以外では明るくひょうきんな可愛い子です。
こちらのブログを読むようになり、電池のおもちゃはなくしましたが、最近祖父母に電池で音と光が出る大きな車を買ってもらって来て、かなりのお気に入りになっていてショックです。押しては眺める日々で、違う遊びに誘ってしても長続きせず電池の車に戻ってしまいます。
下の子も4ヶ月で絵本読んだり、手遊び歌をしますが、その後ろで車の電子音が響いてるのが嫌で、「今○君(下の子)に絵本読むから隣のお部屋に行くけど一緒に見ない?」と声をかけ、見ると言えば、じゃあ本の時間は車はお休みにしようね、と
置いてくるように言うのですがこの対応はどうでしょうか?疎外感や電池の車へのネガティブな感情が伝わってしまうでしょうか?
一時期遊ぶのが上手になってきたなーと嬉しく思ってましたが、下の子が生まれ相手できる時間が減ったり、産後叱ることが増えてしまったりで、また遊べなくなってしまっている気がします。私の関わり方に問題があるのかもしれませんね。
長い上にまとまりなく申し訳ありませんが、どのようなことでも構いませんのでアドバイスいただけると嬉しいです。
お時間ある時で結構ですのでよろしくお願いします。
さえさん
刺激に慣れてしまうと、遊びが刺激ありきになってしまうのでそういう傾向はあるかと思います。
>車を倒しては「事故なっちゃったよー」と私に何回も言ってきたり
こういうとき「僕は事故にするのは好きじゃない!」ときっぱりと言ってしまいます。
刺激を遊びにしてしまう子には、婉曲に「○○して欲しくない」と伝えたり、○○しないように仕向けたとしても、それは「自分の行動を制限する大人の働きかけ」でしかありません。
「私は嫌だ」「私はしない」と信頼する大人、この場合は親ということですが、が言うことで、子供に考えるきっかけを与えることができます。
人間は、人に押し付けられたことは好みませんが、自分で行き着いた考えには従おうとするものです。
ブロックを取ったり、壊したりということも同様です。
「私はそういうことは嫌だ」「そういう風にするならば一緒には遊べない」ときっぱり大人が感じるところを伝えればいいのです。
子供には曖昧さというのは伝わりにくいです。
特に目の前にある刺激というはっきりしたものがあるのですから、きちんと伝えなければ子供は曖昧な状態に置かれてしまえば、刺激の方へ行ってしまいます。
それは曖昧な伝え方を続けてきてしまった大人の方にも原因があります。
子供は一種の混乱状態におかれてしまうのです。
嫌なら嫌とはっきり言えば子供は子供で対応をかえようもありますが、そうでない場合は、したいことをした結果、大人はなんかわからないけど不機嫌になっているという状態を引きずることになってしまいます。
「じゃあ本の時間は車はお休みにしようね」
↑よりも、「音の出る車を持ってこられたら本読めないから置いてきて」ときっぱりと伝えてしまったほうが子供にとっても親切なのです。
いいことと困ること、因果関係がはっきりするので子供にとっても理解しやすいのです。
また、「大人が思うところをきちんと子供に伝えてみる」ということも大事なことです。
自分がどうしてほしいのだといったことは伝えたことはありますか?
「私はあなたにボタン押せば音や光がでるおもちゃや、せっかくつくったものを壊すだけの遊びよりも、なにかを作ったり、作ったものでじっくり遊んだりする遊びをしてほしいと思っているんだよ」
↑これはいま僕が思いつきで書いたことなので、ご自身が思っている言葉でいいのですが、そういうことを怒って言う必要はありませんから、親と子として、一対一の人間として話してみるといいと思います。
そのほうが、「僕が楽しく遊んでいると、なにかわからないけどいつもお母さんは不機嫌になっている」という気持ちを子供に持たせ続けるよりもずっと正直で親切というものです。
こういうことをきちんと受け止められる子供は、劇的にとはいかないかもしれませんが、その言葉・親の気持ちをどこかできちんと意識して行動しようとします。
これをしてようやく、遊び方を変えていくための出発点です。
あとはこの一連の記事にあるような、良質な遊びや、あそび込める遊びの提供といった積み重ねをしていきます。
どうやってもいい遊びにならない遊具は、いったん入れ替えでしまってしまったりすることもあります。
遊ぶ力がついてから、出せばまた違った遊びができるようになります。
>一時期遊ぶのが上手になってきたなーと嬉しく思ってましたが、下の子が生まれ相手できる時間が減ったり、産後叱ることが増えてしまったりで、また遊べなくなってしまっている気がします。私の関わり方に問題があるのかもしれませんね。
なるほどたしかにこの部分も無関係ではない可能性も考えられますね。
気持ちが安定していなかったりすると、子供はよく荒っぽい遊びになってしまったりもします。
そういう部分は、気に留めておくだけでも、出来るところだけ気をつけるくらいでもだんだんと子供に伝わると思いますよ。
遊び方が乱暴な子について
あれから、ママは事故にする遊び方は嫌だよとか車を高いところから落とすと壊れるからやめてねとハッキリ言うようにして、自分も一緒に車を走らせたりしています。
子どもにうまく伝わっているかまだわかりませんが、言った直後は気をつけている様子も見られます。
息子はもっと小さい頃から興味の幅が狭いような気がしていて、公園に連れて行けば、車道の車を気にするばっかりで遊具には関心なし、同年代の子どもがいると遊べず着いてすぐ帰りたいと言い出し、家で遊べばひたすらトミカ。たまには違う遊びをとお絵描き、粘土、工作、積み木にブロックままごとなど誘えば最初興味をもつが5分で飽きるかまったく興味示さないか…で毎日毎日同じ遊びで私自身が息子と遊ぶことにウンザリしていたのも事実です。
なので楽しく夢中になって一緒に遊ぶというよりは、同じ空間でただ見ている時間の方が長い日もあります。
きっと私が遊び下手というのもあるんだと思います。
息子の行動も寂しいのもあると思うので遊び下手なりにもっと息子と関わっていこうと思います。
そして好ましくない遊び方にはハッキリわかるように伝え続けようとおもいます。
お忙しい中本当にありがとうございました。
はじめまして
お忙しい中とは思いますが、相談させて下さい。
今、5歳と3歳の姉妹の母です。
5歳の娘は年中で、今年の5月から縦割りと横割りを行う自由保育の幼稚園に入園しました。それまでは、こぢんまりとした家庭的な保育園に通っていました。
幼稚園では度々保護者も一緒に過ごすことがあり、娘の様子を目の当たりにします。
その中で親としてとても気になることがあるので相談させて下さい。
〇〇ちゃんが△△をしていたら、娘も△△を。また違うことに〇〇ちゃんが興味を持ったら娘もそちらへ...と、幼稚園で能動的に遊ぶ様子が見られないように感じています。そして、幼稚園に迎えに行くと、口元はいつもへの字。もっと遊びたいと。きっと娘は、何がしたいのかわからずただお友達の後をついて回り、何をしていたか分からなくて、じっくりたーーっぷり楽しんだという気になれていないんだなと察しました。幼稚園後も公園に行きたいと訴えますが、お昼寝をしないと本人の体力が持たず夕飯も間々ならないという状況になってしまいます。
担任は、お迎え時に「お部屋で遊んでいました」としか言わず、後ろにも待ってる母親が居るので私もそれ以上のことは聞けず。保育園のように、どのような1日を過ごしたかという先生からのメッセージもないし、難しいです。
先生のブログを読んで、つくづく可愛げのある子供という存在を考えさせられます。
いつも朗らかで楽しそうだったり、必要な時は先生に相談できて、納得する術を見いだせたり、、、嫌なことは、嫌だと素直に言えたり。
長女は、私の影響で常に不満気、文句ばかり、妹が遊んでいる物を横取り、〇〇じゃなきゃ一緒に遊ばない等、ひねくれてしまっています。しかし、夏休み丸々一ヵ月半じっくり過ごすと夏休み後半には私自身が驚く程可愛げのある発言や態度を見せるようになり、うれしくなりました。
しかしまた幼稚園が始まると前と同じ様子です。
私や主人に心の余裕が無く、特に私は専業主婦になったにも関わらず時間に余裕を持てず、叱り飛ばしてしまうこともしばしば。ダメなものはダメと、毅然としていたいのに、もうどうでもいいやと思ってしまったり。
なんだか質問の論点が一点だけに留まらず、すみません。
先生のお考えを参考にさせていただきたいのでよろしくお願い致します。
バライロさん
お子さんへの家庭でのアプローチとしては、僕からは当て推量となってしまいますが、「全面肯定」のスタンスに立って関わってみるといいのではないかと思います。
全面肯定に関してはこちらから、一応まとめたところがあります。
http://hoikushipapa.blog112.fc2.com/blog-entry-366.html
対応を大きく変えずとも、この全面肯定の意識を持っているかいないかで、子供との関わりでは、特に子供の方の受け止め方にずいぶんと違いがでてくることがあります。
心配になったり、気になることはいろいろあるけれども、それは一旦そっちに置いておいて、「子供」そのものを認めるところから出発するといいと思います。
(大人もですが)、どんな子供も本当に求めているのは「肯定」です。
それが一定量(どのくらいかは人によって違う)ないと、なかなか素直にいい形で自分を出せないものです。
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いつも楽しみに読ませていただいています!
おとーちゃんのブログに出会えたおかげで、子どもと向き合う時の気持ちの持っていき方が分かるようになってきました。
うまくいかないこともたくさんあるけれど、子どもたちと一緒に過ごせるシアワセを日々実感しております(o^-^o)
おとーちゃんには感謝の気持ちでいっぱいです!ありがとうございます!
ところで、ひとつ相談させてください。
息子の3歳児クラスの先生のことなのですが…
3月頃から来られている新しい先生です。
お迎えに行くと、「○○ちゃんいい加減にしてっ!」「○○くんいつまでそれやってるの?!」「○○ちゃん先生さっきもそれ言ったよ!」帰りの用意をしている数分間に、1人怒り終えるとまた別の子を怒り、また次…と、ずっと怒り続けていて、その日だけかと思うと毎日そんな様子です。
今日なんかは、先生に注意されてキーっと大きな声を出した子に対して、「そんな声出しても先生の方が大きいんだから強いんだからねっ!!」 と…こんなこと言う先生がいるのかと驚きました。
4月に入って新しい環境になって、身のまわりのことをある程度できてもまだまだ手助けも必要だし、動作の切り替えもみんながみんな上手にできるわけではないですよね。
でも先生は子どもたちに「できる」ことを要求しすぎているようで、ずっと怒ってばっかりでした。
息子は今までと変わらず喜んで登園していますが、お迎えに行く度に先生がひたすら怒っている姿を見ているとなんだか私の方が滅入ってしまいます。
怒らないでほしいとかそういうことではなくて、もっと子どもの気持ちに寄り添った関わりをしてほしいなぁと。
これから一年間お世話になる先生なので、気になることはきちんと伝えたいなと思うのですが、どのように伝えるべきか悩んでいます。
お忙しいことと思いますが、アドバイスをいただけるとありがたいです。
よろしくお願いします。