支配的な行動を示す子供 Vol.1 - 2013.05.31 Fri
そんなわけでコメントで頂いたことに関連して、今回の記事にしてみようと思います。
幼児で他児に対して支配的に振舞う子供についてです。
気の強い子供だと3歳くらいでもみられますが、多くは4~5歳くらいになるとこのような子供の姿がみられます。
最近の印象だと、年中・年長くらいで各クラスに最低一人以上いる感じがします。
年々そういうタイプの子供が増えているような様子もあります。
経験上その多くは女の子であることが多いです。
もともとそういう性格であったということもあるかもしれませんが、まずほとんどは原因があります。
原因というのは大人(親)の関わり方ゆえにそのような姿がでているということです。
それにもいくつかタイプがあります。
①親がその子に支配的に関わっている
②普段から「いい子」「できる子」を要求されて(過度な習い事・早期教育ということもある)、我慢することが多い。家庭で素直な自分を出せていない。家庭で気が休まらない。
③親が「いいなり」タイプの過保護で、子供がわがままになってしまっている
放任や無関心など他にもありますが、多いのはこの3つだと思います。
共通するのは、どれも「子供が満たされていない」ということです。
特に深刻なケースになりやすいのは、①と②です。
深刻というのは、将来的にいわゆる「いじめ」に発展したり、そういった支配的な他者への関わり方がその子の性格そのものになってしまうなどです。
また、①と②の親は「強い大人」タイプの人であることが多いです。
(「強い大人」については相談カテゴリにある 相談 「弱い大人」と「強い大人」 を参照のこと)
ゆえに親自身がそういった関わり方に自信をもってしている傾向が強く、子供の外で出している姿や自分の子供への関わり方の問題点に気づかないということがあります。
解決方法として最もよいのは、そういった親の関わり方が原因ならばそこを改善してもらうことです。
ですが、それがなかなか容易ではありません。
そもそも、そういった支配的に関わる親や「よい子」を求めている親に対しては、子供自身が他者を支配したり、意地悪な行為をしている姿をあまり見せません。
また、もし親が気づいたとしても、その原因がそれまでの関わり方にあると考えるよりも、子供のその行為を責めたり、叱ったりする方向へいってしまうので、なかなか解決に結びつきません。
責めたり叱ったりすることは、この場合根本的にはあまり解決になりません。
むしろ、余計に大人への信頼感を希薄化していくので、かえってアプローチが響きにくくなってしまいます。
また、年齢が上がっていくことも、子供に大人へ期待することへの「あきらめ」を覚えさせてしまうので、できれば年齢の低いうちに対応することが大事だと思います。
このような問題は小学校に入る前の段階で適切に対応し、解決もしくは解決の糸口を作っておくことが重要だと個人的には感じます。
もちろん、きちんと取り組むならばその後でも対応は可能でしょうけれども、小さいうちよりは容易ではなくなるでしょう。
なぜ年齢の低いうちの方がよいかといえば、それは年齢が低いほど親(大人)への信頼感を多く持っていると言えるからです。
ここで先に書いた、こういうケースには女児が多いということがもうひとつのポイントになってきます。
女の子の方が男の子に比べて比較的、精神的な成長が早いことが挙げられます。
ですので、このような親・大人への「信頼感・期待」ということが解決の重要なファクターになってくる問題では、解決を先送りにすることは問題をより難しくしてしまうのです。
男の子はかなりあとまで母親に対して甘えるところや依存する部分を持ち続けますが、女の子は母親から自立していく傾向があります。
極端に言ってしまえば、女の子は親への期待をかなり早い段階であきらめてしまえます。
思春期になって異性との交遊にのめり込んでいくような子は、生育歴のなかでこういった経験をしている子も少なくないのではないかと思われます。
ですので、できるだけ早い対応というのが大切になってきます。
また、早い対応が必要なわけにはもうひとつあります。
それは、この状態が続いていくと「可愛くなくなって」しまうことです。
あとで詳しく述べますが、この対応には大人が受容してあげられることが必要です。
他者を支配したり、意地悪をしたりすることで心を満たすような行動が板についてしまった子を、肯定し受容するというのは、その実の親だとしてもなかなか簡単ではありません。
このことは心情のあり方・心持ちのことですから、大人の方の「努力」だとかなんだとかでどうにかなるというものでもそうそうありません。
また、大人が可愛く「感じない」という大人の主観の問題だけでなく、そういう関わりを積み重ねて来ている子は、妙にひねたり、変に大人びてしまい、いわゆる子供らしい「可愛げ」がなくなっていってしまうのです。
可愛げのなくなってしまったことは、その子自身が悪いわけでなく、大人への「信頼や期待」をないがしろにしてきてしまった大人の方に問題があるわけなのですが・・。
そのようなわけで、こういうケースの問題にはできるだけ早いうちに誠意を持って対応してあげることが重要であると考えます。
長くなったので次回に続きます。
- 関連記事
-
- 保育 第三の道 (2013/06/23)
- 保育士の援助と公的保育 (2013/06/15)
- 支配的な行動を示す子供 Vol.4 ―保育士としての子供への援助― (2013/06/11)
- 支配的な行動を示す子供 Vol.3 ―保育士としての親への援助― (2013/06/06)
- 支配的な行動を示す子供 Vol.2 (2013/06/05)
- 支配的な行動を示す子供 Vol.1 (2013/05/31)
- 遊べない子に遊ぶ力をつける その6 ―間接的アプローチ― (2013/05/02)
- 遊べない子に遊ぶ力をつける その5 ―遊びの援助の内容 2― (2013/04/30)
- 遊べない子に遊ぶ力をつける その4 ―遊びの援助の内容 1― (2013/04/27)
- 遊べない子に遊ぶ力をつける その3 ―遊びの援助― (2013/04/23)
- 遊べない子に遊ぶ力をつける その2 (2013/04/15)
● COMMENT ●
最後まで読みました
No title
おそらく、気になっている子は、①と②の混合かな~と。
親御さんは、とてもしっかりした方で(強いというか)
叱る、言い聞かせることを大事にされているようです。
公園でみんな遊ぶ中、帰ることになっても、
グズることなく、サッと言う事を聞いたり、
とても良い子なんです。
しかし、子どもの中では、全然違って
誰かがおかしを持ってくるとさっと取り上げて
自分が配りだします。
欲しかったら言う事を聞きなさいという感じで。
これも、力づくではなく、強い口調でなんとかかんとか言い聞かせて
自分から渡させるのです。
その子が遊びに加わるととたんに誰かが
仲間はずれにされたりするので、
ぐずる子、泣きだす子が増えます。
しかし、瞬時に大人の顔色を見ているので、
大人が気付くと泣いてる子のところに声をかけに行ったり、
サッとよい行動に移します。
信頼できるほかの親御さんに相談したところ、
その方も気になっていたようで、
親の前と親がいないの態度や様子が違うと話されていました。
その子の親に話したところで、
その行為を叱ったり、してはいけないと叱ることにしか発展しないように思うので、対応が難しいな~と思っています。
No title
体調不良とのこと、ご無理なさらないで下さいね。
お大事に。
自閉症ニツイテ
言葉の発育が遅くまだ、話しません…
話せるのは、たまにパパ、
はっきりとは言えてないが、おかえり。
ワンワン、にゃーくらいです。
男の子は話すのが遅いと周りに言われて 個人差が有るとあまり気にしてなかったのですが、あまりにも喋らなさすぎだと思い、色々調べたら
自閉症に辿り着いて頭が真っ白です…
2才7ヶ月で話さないのはやはり自閉症を疑った方が良いですか?
どうしたら良いか分かりません。
ご自愛ください。
いつもブログを楽しみにしている一児のママです。
体調が優れないとのこと。
いまは無理せず、とにかく体の回復に専念してくださいね。
あまり無理なさらぬように。
おとうちゃさんファンより。
ご相談
異変に気付いたのは、ゴールデンウィークのこと。長期の旅行には連れて行けなかったので、近くの動物園に行きました。そこで体験コーナーのような物があって、実際に小動物に触れられるというものでした。犬や猫以外の動物に接した事がない息子は、積極的ではありませんでしたので、私がひよこを手にもって息子の前に差し出したところ、ひよこをギューっと押さえつけたのです。息子のそんな行動にちょっとビックリしましたが、「その時は可愛いい可愛いいしてね。」と言って撫でてみせました。でも、他の動物(ハムスター等)に変えても同じようにギューっと押さえつけようとするのは変わりませんでした。今思うとゴールデンウィーク以前から、私やバァバの事を叩いたり、噛んだりとういう行動が出てきていたと思います。
そしてもう1つ。保育園のWebカメラ(画像のみ音声なし)を見ていた時のこと。息子が隣に座っていた女の子の頬に手をあてたと思ったら、これまたギューっと両手で顔を挟みました。そうかと思うと今度は女の子の膝にドスンドスンと何度も座ったのです。息子は2歳児の割には大きくて(13.5Kgあります)一回り以上小さい女の子の膝に座るなんて重すぎます。耐え兼ねた女の子は先生の方に逃げて行きましたが。。。これを見た時は本当にショックでした。自分の子供がそんな事をするなんて思ってもいませんでしたから。。。
それで、今までのことを振り返ってみました。息子が生まれてからというもの、幸か不幸か私は一人で子育てをしたことがありません。子供が生まれてすぐ、主人がレイオフされて(当時はアメリカに住んでいました)1歳過ぎまで主人と二人で育てました。主人が子供をみてくれたので、家事をする時間も十分にあって大変助かりました。ある程度子供が大きくなると、遊ぶのは主人とで、私は掃除や洗濯、食事といった家事をするようになりました。私はどちらかというと掃除をしないと気が済まないところがあるので、ついついそちらの方に時間を割いていたように思います。なので、主人が毎日子供を公園などに連れて行っていたのに、私はそれに週に1・2回参加する程度でした。
そして主人に仕事が見つかったので、子供が1歳3ヶ月の時に日本に帰ってきて私の両親と同居することになりました。子供もジィジやバァバとすぐに仲良くなりました。主人がいなくなった代わりに、今度はジィジとバァバが遊んでくれるようになり、私も家事を母と分担するので子供と遊ぶ時間も増えたはずなのですが。。。引越しの荷物の後片付けや、役所への届け出等することが沢山あって、子供との関わりというと、手を洗ってご飯を食べさせたり、お風呂に入れたり、歯磨きをしたりといった感じで、部分的な関わりが多かったように思います。息子のギューっと押すという行為、お風呂の中で肩までつからせようと、私がしていたのに気付きました。それから、歯ブラシです。2歳3ヶ月になった今でも、すごく嫌がります。1歳半検診の時に、“子供は歯ブラシをイヤがるものだけど、これは親が責任を持ってするべきですよ”と言われ、ずーっと足で押さえつけてしているのも良くないのかなぁと思っています。
今は受容するようにしたり、子供に絵本の読み聞かせをしたりしていますがイヤイヤ期真っ盛りで本当に手を焼いています。子供から見受けられることとしては。。。
“おふさけ”の態度。注意しても笑ってごまかす。
食事の前に手を洗うのを嫌がる。洗面所に行っても、水遊びばかりで手を洗わない。ママ困ったなと言っても、止める気配はない。食卓につくまで1時間かかることもある。
保育園から5時半に帰宅すると、庭に遊びに出てしまって家に入ろうとしない。もう暗くなるからとか、ご飯食べようと言っても家に上がろうしない。最終的には泣きわめきつくしてから家に入る。
保育園に行きたくないと言う。園では問題なく過ごしているとのこと。
たいてい、上記のような状態の時は抱っことせがんでも、抱き上げようとすると跳ね除けるようになりました。リフトって言葉ブログでみましたが、抱っこされると自分が望まない方に連れていかれるのだと解っているのだと思います。実際最近まで、泣いている息子を抱っこして家に連れ帰ったりしていました。でも、ブログで読んで良くないのが解ったのと、本人の力が強くなって泣いている時に抱きかかえて移動することは困難になってきたので、どんなに時間がかかっても息子が自分の意思で動くのを待つようにしています。なので、手を洗って食卓についたり、庭から家に上がった後など「良い子だったね。」と褒めるようにしているのですが、以前より時間がかかっているように感じます。
長々と書いていまいましたが、何か具体的なアドバイスがありましたらお願い致します。特に“おふざけ”の態度には、どのように対処したらよいのでしょか?“おふざけ”の時は、目を見て話しても、明らかに目をそらします。そして何を言っても、まさにぬかに釘状態です。色々と書きましたが、悪いことばかりでもなく、最近はトイレに自分で行くと言ってオシッコできるようになりました。1日1・2回のことですが、子供の成長に嬉しくなりました。長文になってしまい恐縮ですが、アドバイスがありましましたら是非お願いします。
早く良くなるといいですね。
いたので、初心に帰るべくブログを拝見したら、体調が優れないとのこと。どうぞ、お身体を大切にご無理をなさらないで下さいね。
お大事にしてください。
無理しないで下さいね。
みなさんも、コメントされている様に、おとーちゃんに相談にのってもらって、しかも的確なアドバイスをして頂けて、本当に悩んでいるお母さん達をどれだけ救って下さっていることか。時には優しい言葉で励ましてくれたり、本当にたくさんの方が自信を取り戻しているかと思います。私もその一人です。
しかも、ボランティア精神で!本当に感謝しています。
なかなか、相談できる人がいなかったり、相談できる内容じゃなかったり、精神的に追い詰められて、本当に困ってる方もいるかと思います。そんな私達母親にとって、本当におとーちゃんの存在はありがたいものです。話を聞いてくれるだけでもかなり気持ちが落ち着くのに、的確なアドバイスを頂けるので、本当に助かります。
おとーちゃんは、本当に子供が大好きなんですね。そして、困ってる人を見たら、助けずにいられない方なんでしょうね。
今の時代、自分の事しか考えない人が増えていますが、おとーちゃんのような心を自分も持てるようにありたいと思います。
ゆっくり休んで早く元気になってください。
大丈夫ですか?
いつも、ブログの更新を楽しみにしています。
子どもに怒ってばかりの自分が情けなく、我が子に申し訳なく、思い詰めていた時に、こちらのブログに出会い、どんなに救われたことか…
本当におとーちゃんさんには、感謝の気持ちでいっぱいです。
できたら、本の出版や、子育て相談教室などを開いてもらいたいくらいです。
体調がすぐれないとのこと。
どうぞ、無理なさらず、お身体を大事になさって下さい!
ずっと応援しています。
No title
更新の頻度が減って気になっていたのですが、
体調を崩されていたんですね。
日々の更新、コメントの返信、さぞ大変かと思います。
ご無理なさらず、ゆっくり休んでくださいね。
No title
幼児教育のあり方で、後の社会が決まってしまうくらい大切なものですね。
無理なさらないでくださいね
参考にさせていただこうと思っておりました。
と、いいますのも2歳8か月の息子を子育て中で、
公園、支援センター等々へ遊びに行くことが多いのですが
たまにとても支配的な感じの子が居ることがあって
どのように対処したらいいのかなと思っていたのです。
やはり育ちの中で親御さんとの間で起きている問題で
他人が付け焼刃で対処できる事では無さそうですね。
息子以外の子どもも巻き込んで一緒に遊んだりする事もあるのですが
そう言う子と一緒に遊ぶのはすごく難しくて…
そして、かなり親しくしている人にでも子育てに関して意見するのは難しい事ですし。
子育てに関して受容する事が大事と言われるようになったりしていますが
まだまだ、子どもに対して支配的なしつけがまかり通ったりするんですかね
自分が子どもの時にもこういうタイプの子はいましたが
少しでも支配的なしつけを良しとする風潮が減っていって欲しいと思いました。
お体お大事に。
ありがとうございます
7ヶ月の息子にどうやって愛情を注いでいったらいいのか悩んでいた時にこのブログに出会って、寝る前に眠れなくなるほど読んでいます。
論理的で具体的な例もたくさんあってとても参考になります。
今はどのおもちゃを買おうか楽しく悩んでいるところです。
体調は大丈夫でしょうか?更新は楽しみですがどうか無理せずにお過ごし下さい。
Keikoさん
そのように丁寧に読んでくださってありがとうございます。
ブログを始めて驚いたことの一つが、海外からのアクセスの多いことでした。
海外で子育てをしていると、また違った大変さというものもあるようですね。
これからもどうぞ子育てを楽しんでいってください。
ikkoさん
こういうことは少なくないですから、問題は程度なのだと思います。
ikkoさんのように第三者という立場でしたら、簡単にできることとしては「認めてあげる」ということだと思います。
「わざわざ配ってくれてありがとうね」とかの関わりを少し積み重ねたら、ときどき「でも、もう少し優しく言ってあげるといいと思うよ」というアプローチができるようになって、それが効いてくるかと思います。
ハチ公さん
言語については、さまざまな要因があります。
言葉がでないことが自閉症の症候群のひとつではありますが、言葉が出ないから自閉症ということにはなりません。
ほかにも、たんに言葉の発達が遅い場合だってあります。こういうものならば時間の経過やちょっとした専門的な訓練で解決することもあります。
一歳半検診の際はとくに気になる点があると言われたりはしなかったでしょうか。
三歳児検診までまだ少し間がありますから、心配なようでしたら保健所などの発達相談に連絡してみて専門的な方に診てもらうといいと思います。
推測で決め付けて心配ばかり大きくしてしまうよりも、ある程度でもどういうことなのかわかったほうが精神衛生上もいいと思います。
問題がないならないでいいのですし、なにか発達上の問題があるならばそれをみつけることを先延ばしにすることもいいことではありません。
こういった言葉の発達のことはとても高度な専門性が必要なことなので、本を読んでの知識や、僕のような保育士などのちょっと子供について詳しいという程度の人の判断はあまりあてになりません。
発達相談や小児科の医師などに相談してみることがいいと思います。
ちなみに、直接の言語療法について書いてあるわけではありませんが、僕のブログのリンクのなかにある『子どもが欲しいと思ったときから読むブログ』さんは言語療法士の方が子育てについて書いておられるブログです。
言語の治療はこういうことなんかをしているのだなと感じがつかめる部分もあります。参考になるかもしれませんよ。
Ayaさん
まず、「ギュー」ですがこの年齢の子にはよくある行動です。
小動物などに対しても、慣れないものへの恐れから攻撃的な行動にでてしまったり、どう関わっていいか分からずにギューッと挟んだり押し付けてしまうという行動は多くのこの年齢の子供にしばしばみられることです。
他児に対しても、言葉がうまくでなかったり、関わりたいのに関わり方がうまくわからなかったりして、そういう行動がでることはあります。
実際の様子の見れない僕からはお子さんの詳しいところまではわかりませんが、他児への関わりなどでほかに攻撃的なことや情緒の安定を著しく欠くということがなければ、それほど心配することはないと思いますよ。
ほかの部分で僕が感じるのは、「肯定」をもっと意識的に増やしてあげるといいのではないかなということかな。
> 食事の前に手を洗うのを嫌がる。洗面所に行っても、水遊びばかりで手を洗わない。ママ困ったなと言っても、止める気配はない。食卓につくまで1時間かかることもある。
保育園から5時半に帰宅すると、庭に遊びに出てしまって家に入ろうとしない。もう暗くなるからとか、ご飯食べようと言っても家に上がろうしない。最終的には泣きわめきつくしてから家に入る。
こういったことはこの成長期の時期には、ほとんどの子供にあることです。
そういう姿が出ること自体は不思議でもなんでもありません。
この年齢の子が、遊びとしてだけでなく大人に向ける形での「おふざけ」を出すかといえば、それは大人にもっと自分を見てもらいたい、それも笑顔で、いい視線を向けて欲しいという気持ちがあるからだと思います。
「この子はまた言う事を聞いてくれないわ」「どうしたらいいのかしら心配だわ」「もう、うんざり」やオロオロした態度などなど、大人からのそういったネガティブな見方というのを子供は口に出さなかったとしても、はっきりと肌で感じてしまうものです。
でも、子供はどうしたら大人が自分に良い視線をむけてくれて、肯定してくれるのか、そのやり方をわかりません。
その結果いろいろな行動がでます。
それが、もっと大人を困らせる行動に走ったり、カンシャクを起こすようになったり、大人を支配しようとする行動になったり、おふざけとして出したりするわけです。
この年齢で保育園に日々それなりの時間を預けられていたら、親に甘えたい気持ちというものも、そうでない時に比べて随分とがまんもしなければなりません。
それはみんなそうです。
ですので、大人の方から積極的に必要な分だけ受容をしてくれたりしなければ、足りない分をいろいろな形で取り戻さなければなりません。
成長期の姿に加えて、そういう気持ちも、ごねたり言う事を聞かないという形で出さざるを得なくなっているのでしょう。
そういうわけで、いまお困りの姿が増えてしまっているのだと思います。
その解決の手段は、大人の方から進んで子供のその足りない部分を満たしてあげることです。
具体的にはブログやコメントの返信でたくさんかかれている「先回りした関わり」を積み重ねていけば、そういう姿はなくなったり軽くなったりすることでしょう。
子供を思い通りに動かそうとして、そうならないことを嘆くよりも、くすぐり遊びなどを率先してしてあげることで、おそらくは子供の姿が変わってくることと思いますよ。
あとは「肯定」です。
お風呂や寝る前などのゆったりした時間に、「あなたが大好きですよ」「あなたがいるからお母さんはがんばれるんだよ」なんでもいいけど、思っていることを言葉にして伝えてあげましょう。
そういう言葉が子供自身の存在の肯定にもなります。
もちろん普段の生活の中で、子供ができたことやいい部分を認めたり、いっしょに「おいしいね」「たのしいね」と感じる共感することなどを増やすことも「肯定」になります。
トイレでできたときなどたくさん褒めてあげてもいいでしょう。
そういう気持ちの部分が満たされていけば、「○○をしない」「してくれない」などの結果の部分は、あとからついてくる問題にすぎません。
まだ生まれてわずか2年しか経っていないのです。たくさん甘えさせてあげてもいいのです。
「甘えさせること」と、「わがままを聞く」ということは全然違うことです。
そこがわかれば子供にどう対応すればいいかという部分もだんだんと見えてくることと思います。
>泣いている息子を抱っこして家に連れ帰ったりしていました。
「リフト」についてはわかりにくい部分があるのですが、こういうのは僕のいわんとする「リフト」ではありません。
日常生活の中で子供の意思も省みることなく、大人の意思や必要性を伝えることもなく、まるで「モノ」のように子供を取り扱うことを当たり前にすべきでないということが本意であって、こういった大人と子供が意思がぶつかり合って、その結果子供がダダをこねているような状況でそれを大人がどうしたらよいかわからなくなって、手を出せないというのではそれは、大人が「いいなり」や「弱い大人」としての問題となってしまいます。
「まだかえりたくない」などとダダになってしまっているのを、大人が毅然としてすべきことをするという意味で抱きかかえてでも連れて行くというのは、僕の言うところの「リフト」ではなく、当然すべきことであると思います。
おふざけについてですが、前述のように気持ちを満たしていく積み重ねをすることで、それそのものが減るか、大人が困るような不快になるような出し方というものは少なくなっていくのではないかと思われます。
ですが一応対応としては、それが困るものでなくまた良くないものでもなければいっしょにふざけてあげたり、笑ってあげればいいと思いますよ。
それが困るものであったりするならば、そこは毅然と否定すればいいのです。
それは行為を否定するのであって、存在を否定しているわけではありません。
そうやって子供は、なにをしていいかよくないかということを経験して学んでいるはずです。
トラックバック
http://hoikushipapa.jp/tb.php/441-5d1acb21
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
子育てのヒントが沢山あり、具体的な方法は即実行しやすく、事例と考察はとても興味深いと同時に理解の助けになります。
記事によっては何度も読み返したり、ママ友に良き機会をみはからって適切な記事を紹介しています。
良い意味での「育てやすい子」がコミュニティで増えたら楽しいですね。アメリカ在住ですが、日本人が多いので、相談しあえて助かっています。
子育ての忙しい時間を割いて、丁寧にブログを書いて頂いていることに感謝いたします。