「人手がたりない」クラス - 2013.08.14 Wed
たしかに保育園は慢性的に人手が足りなかったり、手のかかる子供が多いクラスだったりすると、一定程度の保育をするためには実質的に保育士の数が足りなくなるということはあります。
昨今は家庭での養育力が下がってきているということもありますので、そういったことは顕著になっているといってもいいでしょう。
でも、そうではなく職員の間から「手が足りない」という声がでてくることもあります。
はっきり言ってしまえば、子供を伸ばす保育をせずに、子供の手のかかるところに大人の手を増やすだけの対応になってしまっている保育士がすくなからずいるからです。
年配の保育士などで体力的に追いつかなくなってきたり、若手の職員で経験不足から子供を見きれなかったりということも背景にはあるかもしれませんが、どうも比重が大きいのはそういったところよりも、「保育」を向上させようという意欲をもっているかいないかというところにあるように感じます。
「手のかかる」状況に、それを押さえつけるような対症療法的な関わりをしていては、いつまでも子供そのものを伸ばしていくことはできません。
なぜ子供たちにそういった姿がでているのか、ただ効率よく集団としてスムーズに動かすことだけをもとめるのではなく、個々を尊重してとらえそれら個々の問題を軽減していけるような保育を模索していく必要があるでしょう。
大変だからといくら人手を増やしても、その大変さは子供の大きくなった分だけ大変さも大きくなるので、少しも子供の姿は落ち着いてはこないのです。
この辺は『子供の上限を決めつける』でみたような家庭でのありようと同じです。
保育士は「大変だ、大変だ」とその大変さを抑えるために必死に努力しているようでも、その努力の方向性が違っていれば、それはたいして意味のあることではありません。
よくよく見てみたら、子供と保育士の間に信頼関係が少しも築けていないなどということもしばしばです。
その前の年齢のクラスからもちあがってきた職員ですら、子供からすると慣れているだけで信頼関係にまでなっていないなどということもありますから、それでは子供が落ち着いて過ごせるわけもありません。
年配の保育士やリーダー的な存在の保育士がこのように、大変さに人手を増やすというような考え方でいると、園全体にそういう保育の仕方や子供の見方ができてしまうので、全体的に大変なクラスばかりにというようなことも見られます。
たしかに、ある程度の保育士の数がなければきめ細かな個別の対応に手の回らないこともありますので、人手があるに越したことはありません。
でも、最初から「この子供は大変だ」と決めつけて、大変さを押さえようとするだけでは子供は伸びていかないのです。
そのことを理解していなければ、なかなか安定したクラスにも、よい保育にもなっていかないでしょう。
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● COMMENT ●
保育士の対応について
あおむしさん
しばしばこういう話はあるのですが、多くの場合は行き違いやちょっとした誤解ということがほとんどです。
深く考えてしまうよりもさらっと聞いてしまったほうがいいかもしれませんよ。
ありがとうございます
どうもありがとうございます!!
確かに考えすぎなのかもしれませんので、同じクラスの主任の先生にタイミングを見てさらっと聞いてみます!
昨日の朝も気になる先生が朝いらっしゃり、娘の受け入れ時は抱っこせず、次のお子さんの時は抱っこされており、また考えすぎそうになってしまってたところでした。。娘が昼寝せず?できず?その先生に怒られた、と言ったりしていることがあるので、何か娘の問題行動があるのかもしれませんしね・・。
おとーちゃんさんに的確なアドバイスを頂き少し落ち着きました。これからもブログ楽しみにしています。ちなみに、娘がデパートにあったキュボロ&クゴリーノにはまり、コレをサンタさんにお願いすると言っています。さすがおとーちゃんさんのお勧めですね!
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はじめまして。娘の成長期で大変な時、こちらのブログに出会いそれからファンで欠かさず読ませて頂いています。
現在、娘(3歳3カ月)の2歳児クラスの保育士さんについて気になることがありコメントさせていただきました。
今朝、登園した時、娘のクラスメイトと一緒になり、2人である担任の保育士さんのところにかけって行きました。先生はお友達の方を先に抱き上げて、「昨日は何の電車覚えたの?」と会話してからそちらの親子を丁寧に受け入れされてました。その子の受け入れが終わり、先方のお話が終わるまで先生の足元で娘は待っていてたのに、その子を抱きながら娘の受け入れになりました。「お変わりありませんか?」と言われ、私が「すいません。今日はおねーさんパンツはいています」と言うと、そのあと「○○ちゃん(娘)トイレ行って」と言われ娘は一人で急いでトイレに行っていました。抱っこされているお友達の方がぐずっていたりするのなら、分かるのですが、ニコニコご機嫌な子です。これは今朝の例ですが、他のお友達と朝一緒の時も娘以外の子を抱っこして同じような対応でした。これで3回目ですが、、偶然ですかね・・。今日はあまりに気になってしまい、ご相談させて頂きました。
保育士さんも人間ですので好き嫌いや相性はあるので無意識の行動だと思います。娘も自立心が強いとともに自我も強いので、良い意味でも悪い意味でも放っておかれやすいのかもしれませんが、さすがに今日はつらかったみたいで、引き渡す時に私に抱っこをせがんできました。
トイレトレーニングについても、家ではほぼトイレでできる状態だったのでおねーさんパンツで登園したりしたのですが、その担任の方に「パンツはまだ失敗するのでオムツをつけてください」と何回か言われました。最初保育園で失敗するのは、遊びに夢中だからかな、と思ったのですが、最近この先生が怖からなのでは?と思ってしまいます。最近はやる気がなくなり気味です。(※他のベテラン保育士さんは「○○ちゃんおねーさんパンツがんばってるね」など言ってくれていました)
本当に些細なことなんで、きっと気にしすぎなのかもしれませんが、、、。知らないところではちゃんと対応して頂いているのだと思いますが、親が見れるのはそういう一場面なので気になってしましました。その保育士さんについてはちょこちょこ気になることがあるのですが、保育士さんの対応で気になることがあれば、保護者としてどのようにモンスターにならず、対応(対先生・対子ども)をしたら良いかご教授頂けると幸いです。世の中いろんな人がいるから、先生もいろいろいるので、受け流そう、とも思ったのですが、本人も無自覚だと思うので言った方が今後の保育士キャリアのためになる?とも思ってしまいます。
ちなみに、その先生は0歳児の時新任でずっと持ちあがりです。2歳児クラスはこのブログ内容のように人手はなりなそうです。