現代の子育ての落とし穴 Vol.5 「認可園と認証保育所」 - 2010.02.15 Mon
しかし、このことは親と子の間だけの問題ではなくなってきているのです。
それが僕に今後のこどもの育ちを不安に思わせているもうひとつの理由でもあります。
どういうことかというと・・
多くのこどもをあずかる保育施設等でも同様のことが起こっているからです。
ある認証保育所では、週1日づつ英語教室と体操教室を開催していました。
これは保育料とは別料金です。任意にオプションとして選ぶので、お金を払って選択しているうちの子はその時間、同施設内でおこなわれる英語教室にいきますが、そうでない子は部屋で遊んで過ごしているわけです。
認証保育所とは一般人からはふつうの保育園と違いがわかりにくいですが、東京都や堺市など一部自治体のみで運用されている、設置の元になる法律からしてちがう別個の施設です。(詳しくはこちらに説明があります)
しかしこのことは一部自治体のみに留まらず、助成金のすくなくてすむこの方法を国も採択しようとしているので、おそらく今後ひろまって行く可能性が十分にあります。
一見同じに見えるこの認証保育所ですが、もっとも大きな転換点は、「保育」で利益を生んでいいと行政が認めたことです。
それまでは福祉法人などしか認可保育園(いわゆる元々ある保育園)は設置できませんでした。
また、設置の基準(人員や床面積などなど)もこどもの健康で安全な育ちのために十分に配慮され(実際はそれでもぜんぜん足りず各自治体で独自加算をしてやっとこさ運営できているのです)、公共の福祉のためであるので利益追求を目的としない施設だったのです。
しかし、認証保育所は保育施設不足を解消するという理由で、設置基準をゆるめられ民間業者の参入を許可し保育料の上限こそあれ、料金設定は自由であからさまな利潤追求が許されています。
これには規制緩和の流れの中でそれまで聖域だった福祉分野までも、ドル箱として開放させるといった経済界の動きがあったそうです。
この流れは認可保育園や公立保育園にも及んでいます。
大資本で、参入や撤退が容易で好立地を選べる認証保育所に対して、一つの地域に根付いた認可保育園は少子化の影響などから、経営困難に陥ることが考えられたり、また、経営面で対抗するために経費の削減や質の低下なども考えられます。さらには認可園でありながらも同業種が利益追求しているのであるから、組織自体が体質変化を起こして利益追求型の認可園になることもあり、またこのことは現に一部で起こっています。
公立保育園も経費節減の観点から民営化が急速に進んでおり、その速度は堅実で良質な保育をしている福祉法人への移行だけでは追いつかず、認証保育所や認可保育園を傘下に持つ大資本へと引き継がれていっています。
そして利益追求に体質変化した福祉法人もたくさん委託を請け負うようになっています。
また長期的に見れば、ランニングコストの安い大資本が他を淘汰していくのは必然的な流れです。
もちろん、大資本のグループも十分な質を維持するのであれば問題ありません。
しかし、ここに矛盾があることに気がついたでしょうか?
本来は利潤を追求するものでない認可保育園も、すでに利益追求団体である大資本の企業が手に入れているのです。
その企業は本来の設置の理念にのっとって、認可保育園では利益追求をせずに、認証保育所だけで利益を追求していくでしょうか?
当然そんなわけはありません。
認証保育所でも認可保育園でも同様に利益追求をしていくでしょう。
そうすると、保育の質はどうなるでしょうか?
利益率の高いほう、つまり手厚くないほうの保育へと均質化していくでしょう。
では一つ実際の例をあげてみます。0歳児の食事です。
ある公立保育園では、月齢の差やこどもの様子を見て担当保育士または0歳園に設置が義務付けられている看護師が、こども1人か2人ずつ離乳食を上げています。(時期や様子をみて一緒に食べる人数を増やしたりということはあります。中期までは1対1、手づかみ食べができるくらいで1対2、完了期で最大の4人です。)(担当保育士=0、1,2歳では特定の大人との信頼関係こそ大切と考え担任の中でさらに担当を決めます)
その際は以前紹介したように、下唇にのせ自分で食べるちからをつけられるよう配慮し、食事を大切なコミュニケーションの時間ととらえつつ行います。
ある企業経営の認証保育所では、少ない大人で多くのこどもを見るので、クラス担任はあってもその子その子の担当保育士というのは無かったりします。職員数が少ないから担当を作れないのではなく(それもあるかもしれませんが)そもそも0歳や乳児に担当保育士を決めると良いといった知識そのものがないこともあります。
そしてこの日の昼食は、担任があげたのではなくパート保育士(いちおう有資格だが、固定でそのクラスについているわけではなく日々手薄なところへ入る形の人)が1人で中期までの0歳児4人に一度に離乳食をあげました。
4人に一度に上げるので上唇にのせて自分で食べるまでまってあげる、なんてことはできません。
次々に上あごになすりつけて食べさせていっていました。
(離乳食のところでは書きませんでしたが、この上あごになすりつけて食べさせるやり方、こどもの自尊心を傷つけていってしまいます。その子の意志を無視して食べさせていくわけですから。)
必ずしもすべての公立がこうで、認証がこうというわけではないかもしれません、なかには知識のない公立保育園もあるでしょうし、人数が少ないなりにもしっかりやろうとしている認証保育所があるかも(あるかも)<あるかも>しれません。しかし、やはりそれでもきちんとやっている認可保育園や公立保育園にはどうしても認証保育所は及ばないでしょう(人員配置数などの理由から)。
では、認証保育所のほうが料金が安いのでしょうか?
保育料金は上限さえ守れば自由に設定できます。そして公立や認可園では収入に応じて保育料が変動するので認証保育所のほうが料金が高くなることが普通にあります。
しかし、前述のように「英語教室」「体操教室」などの付加価値をつけることで保護者にアピールし、利用者を獲得できます。
僕の知っているある認証保育所では保護者は「お客様」でこどもは「お子様」と呼び、こどものためを思ったアドバイスなどは一切しません。耳に聞こえよいことしか言わないという経営方針でした。
ほんとうにサービス業なのですね。なんか「お子様」って保育士が言うのを聞くたびに「あなたとわたしはお金の関係よ」って言葉が後ろについているようでとても暗い気持ちになりました。
まあ、いい保育さえしているなら「お子様」でもがまんしましょう。でも実際やっているのはさっき見たようななすりつけ自尊心を傷つけるような食事であり保育なのです。
悲しいです、ひたすら悲しい。
そしてそこで働いている若い保育士はそこしかしらないために、それが当たり前と思っているのですよね。若くない経験者もいますが幼稚園での実務経験しかなかったり、これまでにも質の低い保育しかしたことがなくわかっていない人も多いのです。
こどものためだけでなく、そういう若い保育士のことも悲しくかわいそうに感じます。
ようやく本題に戻ります。
こういった利益追求を含んだ保育施設になってくると、顧客獲得のための差異化や特色付けのためにさらに「教え込み」の子育てをアピールし盛り込んでいくでしょう。そのほうが親を惹きつけられるし、お金も取れるからです。
親が教え込みをするだけでなく、子育ての専門施設までがこどもを受け止めるのではなく「教え込み」をしていってしまうとこどもはどこで自分を出していけばいいのでしょうか?
今後こういう保育が増えていったとき、さらにこどもの問題が大きくなってしまうのではないかという危惧がぬぐえません。
企業というのはユーザーのニーズに敏感なのですよね。
いまの親がこういう教育要素を求め続けているうちはこの状態はかわらないのではないでしょうか。
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● COMMENT ●
悲しいかな、、
No title
聖域と言っていいのかどうかわかりませんが、そこから産業に変ってしまうと親が魅力的に感じてしまうかもしれないオプションに目が移り本質が見えなくなってしまいますよね。
各乳幼児施設もそこにやっきになってしまい、大切なことをしてもいないのにスルーしてしまいやっている気になってしまう。
本当に恐ろしいことが始まっているんですね。
今後5年、10年後がもっと末恐ろしくなりました。
5年、10年後が末恐ろしくならないようにするために何ができるんだろうって思います。
いつもながら勉強させていただきました。
ありがとうございます。(^人^)
No title
わたしもいずれは保育園に職場復帰しようと思っているので
とても切実に受け止めました
保育所・園は0~6歳の人間形成にとても大事な時期を預かっている
ということがもっと世間一般に広まれば…と思っています
保育士といえば「子どもとあそぶ仕事」って思われがちなのも
私としては嫌です
No title
ブログを始めたばかりで、いろいろなサイトにお邪魔しているうちに、こちらに辿り着きました。
なんだか、とっても勉強になります。
私は4歳男児(年少児)の母親です。仕事を持っているので、子供を保育園に預けているので、とても興味深いです。
時々、お邪魔して、勉強させていただきますので、よろしくお願いします。
素が屋さん
> そのためにも自分がどんな風に育てたいか
> っていう芯がしっかりしていないと
> 表面的な聞こえのよさに流されてしまいますよね。
そうなんです。そしてこういったことが進行していくと
選択肢すらへっていってしまうことも考えられるんですよね。
まずは自分の家庭がしっかりしていればなにも心配ないのですが、
そもそも家庭の力が弱まっていることが、こういう企業のニーズを作り出しているわけで
悪循環におちいってしまっているのですよ。
ぴよままさん
> 各乳幼児施設もそこにやっきになってしまい、大切なことをしてもいないのにスルーしてしまいやっている気になってしまう。
> 本当に恐ろしいことが始まっているんですね。
一般の人はもちろんそこで働いている人すら気がつかない状態でそれが起こっているわけなんです。それを後押しし許可したのが政治家であり、行政なんですよね。
こどもの問題は今現在ですらあふれているのに歯止めをかけるどころか、悪いほうへプッシュしているのが現状です。
いまの政治家や行政の尺度が、利益や経済的な効率というものしかないからかもしれません。
きちんと理念をもったひとに上に立って欲しいなと思いますよ。
★ミカリン★さん
> ということがもっと世間一般に広まれば…と思っています
たしかに、保育園がほんとうはどういう役割をしているときちんと知られていないんですよね。もっと正しい知識を保育施設側も発信していかなければいけないのでしょうね。
そうすれば良いものを選択しようという考えがでてきてもらえますし。
> 保育士といえば「子どもとあそぶ仕事」って思われがちなのも
> 私としては嫌です
よくわかります、こどもを預かって育てていくっていうのはそんな軽いものではないですよね。
みんしゃみーさん
> なんだか、とっても勉強になります。
> 私は4歳男児(年少児)の母親です。仕事を持っているので、子供を保育園に預けているので、とても興味深いです。
お仕事しながら子育て大変ですよね。無理しないでいこうね。
こちらこそよろしくお願いします。
悩んでいます。
2歳4ヶ月の娘についてご相談があります。
生後5ヶ月から2歳まで、会社の託児所(私が看護婦で院内保育園です)に週5回8時から16時まで預けていました。2歳から私が3ヶ月休職したので、その間は私と過ごしてきて、また1月から院内保育園に週3回8時から13時まで(昼寝なし)預かってもらっています。
4月から市の公立保育園に行くことが決まっています。
1月保育園に行きだしてから、(娘が不在の間に現在0歳児がたくさん増えていて、先生も手が回らないのもあり、もちろん年相応に自立してほしいと思われているから)お姉さん扱いされることなどにストレスも感じている様子で、、、。
イヤイヤがひどくて困っています。
院内保育園の先生たちは、1月行きだしてから、年相応に着脱など自立をすすめてほしい、嫌いな食べ物も多く、1口食べるようすすめても他の子のように聞き入れない、ママといってずっと泣いていて他の子もつられてなくので困る、などなど、、、大きな保育園に行ったらこれでは困る、本人も周りよりできないことに自信をなくす、と、だめ出しばかりです。
トイレは1歳くらいから昼寝前後など時間を決めて、トイレに誘導し、2歳の秋にパンツで尿の間隔をみてみたら、20分毎くらいで教えてくれる様子もなかったので、冬の間、おむつにしています。
いまはおむつ交換もイヤイヤで1、2時間待ってみたりしますが、こちらがつかまえてしちゃうことも多いです。
お風呂、洗髪、就寝、などもイヤイヤで納得することもあれば、むりやりもあります。
着脱も教えてはいますが、イヤイヤで大変です。靴も自分で履くよう、と保育園でもかなり言われているし、3、40分なだめすかして待ってみたり、イヤイヤで靴を履かない、と投げたりした日は、それでは公園には連れて行けない、と中止したこともあります。
でも最近は厳しくしても反発して逆効果なので、「ママがして」と口で言えたときなどは、したくないんだな、と受け止め、私がはかせたりしてました。
でも保育園では何度も言ってるのに、自分ではけるようなっていないから、わたしにまた注意がきます。
保育園で注意されて、すいませんと謝って気にしないようしたり、上記を伝えていいわけしたりしてるんですが。
イヤイヤはどの子もそうで、どのおうちも根気よくがんばっている、と言われてしまいます。
わたしは大きな保育園で他の子がしているのを見れば、自然とできるようなるだろう、私が意地になっても私との関係が悪くなるだけかもしれない、とも思うんですが。
でも保育園でたくさん子供をみてきた先生が言われることだし、プロの言うとおりなんだろう、とも思ったり。
でも、先生との関係より親子の関係で指導するほうが、甘えや反発があるし、自分の子供のいない先生にはその難しさがわかりづらいんじゃないか、とか思ったり、、、です。
このまま娘に、納得してできるまで、しつこくというか、待って、(いろいろなこと、たとえば靴下、靴の着脱など)させたほうがいいんでしょうか?
ちなみに、娘は赤ちゃんの頃からよく泣くし、寝るのもへただし、内弁慶で家ではすごく気が強いし、保育園の先生の言われるようにわがままなのかもしれません。
でもそれは性格だし仕方ないな~と思っています。
いくらでも泣いて甘えるので、保育園の先生からは家で甘やかしすぎ、泣いてても自分で気分転換できる力をつけるためほっといて待つ、ようにいわれます。
そのように待って(1時間とか泣いてます)、私はだめなことはだめと厳しくする面もあるし、、十分かわいがってもいるんですが、難しいです。
この子は「満たされる入れ物が大きい子なんだな、、」と思ってるんですが。
お忙しいとは思うのですが、何かヒントになることがあれば、教えて頂けますか?
takeさん
僕からは実際の様子が見えないので正確なところはわかりませんが、そういう風に要求しなければならないなにかがあるのかもしれないし、もしくはそこまで出来ることを望まなくてもよい範囲のことにやっきになっているだけなのかもしれません。
ただ、僕の経験から言えば、よほど過保護・過干渉が止められない人などでなく、それなりに子供の成長に関して意識を持っている家庭の子供ならば、(現にtakeさんはこのように相談しているのですから、意識のある人だと思います)家庭では甘えてしなかったりできなかったりしていたとしても、園では園での様子を子供は出していくので、家庭での関わりとは別に子供の姿を伸ばしていくことができるはずです。
まあ、おそらくはその人の感覚からすると、それだけでは足りない思うから親への要求として出てきているのでしょう。
このブログに書いているように、僕自身は子供の成長において「出来ること」「させること」にあまりウエイトを置かないので、2歳半にもみたない子に、どうしてもさせなければならないようなことが、そんなにたくさんあるとも考えません。
ただ、その保育士はそういったことに価値を置く人なのでしょう。
子供に関して、いろんな考えを持った人、いろんなことを言ってくる人はたくさんいます。
でも、そのほとんど全部が、どんな子にもどんな場合にも当てはまるわけでもなければ、「絶対」というほどしなければならないことでもありません。
言われたことに、十分に納得がいってそうしたほうがいいと思うことならば、それに向けて取り組んでみればいいし、自分はそれほど必要とは感じないというならば、ハイハイと聞き流してしまってもいいと思います。
今現在は8~13時という短い保育時間なわけですよね。
であるならば、そうまで躍起になって子供のできるを追い求めずとも、安心して楽しく日々を過ごせるだけの保育状態にあれば十分であり、その短い時間でなにをそこまで望むことがあるのだろうと、ちょっと不思議に思ってしまいます。
別に、母子関係が良好にあるならば、転園したところでさして困るようなことはないと思いますし、もしあるにしても新しい環境に落ち着いてから、少しずつ対応していけばよいことでしょう。
いま、ストレスを感じながらまで無理にやらせたり、頑張らせたりする必要などないように僕には思われますよ。
No title
なんだかほっとしました。
4月から新しい保育園に入園で、これまでより大きい集団に仲間入り、ということで、いまの院内保育所の先生に「先にいる子供たちはなんでも一人でさっさとできるのに、靴もさっさとはけないと外に出る、っていうときにも一人出遅れてしまう。ここのように先生も一人にゆっくり教えてあげる余裕はない。」と言われ、焦ってしまっていたので。
なので、院内保育園の先生はいろいろと自立を求められるんですが(大きい滑り台を怖がるのを克服する、というようなことまで)、
私はまずは靴下と靴の着脱の自立を中心に頑張っています。
院内保育園に行く日は嫌がって大泣き、ボイコット状態で、むりやり着替えさしちゃいますが、休みの日はゆっくり関わっていると、少しずつ着脱も上手になってきています。
靴の着脱も先生は「やっぱり上下左右とか間違えてたり、ちゃんと見てなくてマジックテープに完全に留めれてないときがある」とかいわれちゃいますが、私は少しずつ上手になっているし、自分でできる回数も増えている、と評価しています。
いまの娘をそのまま受け入れるつもりです。
4月からまた新しい環境で、きっと毎朝大泣きにあうと思いますが、、、おとーちゃん先生のブログを参考にして、何度も見直して、、、がんばりたいと思います。
ありがとうございました。
保育の質とこの国の未来
実は、takeさんや、さくさんの投稿を読んで、あまりに私の勤務する園と違うのでびっくりしたところです。
‘50の手習い’で保育士になった私ですが、ご縁があって、民間企業園に勤めました。理念と方針がとてもはっきりしています。
いい意味で、子どもと保護者は「お客様」であるという扱いとも言えますが、
・ゆっくり諭せば幼児にも伝わる
・問題行動が起こる前段階には、保育者側の不適切なかかわりがあったのではないか?と点検する
・大声を出さずに制止する工夫(ダメ、コラなどと言ってはいけない)
・自分でやろうとするのを、根気強く促す、待つ、できたら褒める
・保護者の「できない」を追い詰めない
などなど、たくさんのルールがあり、日々保育士たちは学ぶことを要求されています。大変ですけれど、入園希望者の待機数も多く、在園児と保護者の満足度も高いと数字や言葉に出ることが励みです。ちなみに、早期教育的なことは一切やっていません。
本当の結果は、子どもたちの数年後に表れるのかもしれませんが、お二方のお話を読んでいると、子ども達の主体的な育ちが阻害されているとしか思えませんでした。takeさん、さくさんは、ご自身の感覚を信じて、頑張っていらっしゃると思います。
おとーちゃんさんが常々書かれているように、今の世の中、親も保育者も、「将来困らないために、少しでも早く、~できるように、集団に適応するように」みたいな感じで、肝心の子ども本人の伸びたい力を信じて待つゆとりがなく、大人の都合や気分に合わせて捻じ曲げてしまうようなシーンが多々あるのですね。
自分の昔の子育てを振り返れば、偉そうなことは決して言えないのですが、親の手元にいる時間が長かったので、家庭の責任が大だと納得しています。でも、今保育士として働いてみると、生活時間の大半を保育園で過ごす子どもが年々増えていく状況の中で、この国の未来を考えたら、会社より大学より何より先に、保育の質を高めることが急務だと思えてなりません。保護者を支えるのも、難しくて大事な仕事ですよね。
‘三つ子の魂’・・・本当に怖いと思います。
これからも、おとーちゃんさんのたくさんの経験に裏打ちされた、子どものためになって、保護者も保育者も幸せになれるような子育てのコツを、楽しみに学ばせていただきたいと思います。
やまねこさん
保育業界内部からの自浄作用だけでは(監督官庁の指導を含めても)、どうにもならない状況になってしまっているので、クライアントである保護者の方に保育の質に関する知識を持ってもらうしかないのではないかと僕は感じています。
いまは待機児童問題などもあって、数ばかりが注目されて質はむしろないがしろになってしまっている雰囲気がうかがえるのでより心配になります。
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僕らの方こそ、選択眼を磨かないと。
そのためにも自分がどんな風に育てたいか
っていう芯がしっかりしていないと
表面的な聞こえのよさに流されてしまいますよね。
保育士おとーちゃんの問題意識、
バシバシ伝わってきました!