保育園の子供と幼稚園の子供 Vol.2 「信頼感」を持ってきてくれる子供 - 2014.04.12 Sat
このことは、幼稚園に限った話ではなく保育園、学校などでも基本的に同様のことです。
「受容」であるとか「満たされる」であるとか、自己肯定感、安心感といった情緒的な面だけでなく、食事をきちんともらっているか、睡眠時間を親が配慮してしっかり確保しているか、清潔にしてもらったり必要なだけの身の回りの世話をしてもらっているかなどなど、そういった有形無形のさまざまな子供への関わり・環境・配慮からくるプラスの蓄積されたものをひっくるめて「リソース」という言い方を前回のところではしていました。
このリソースが、子供が負荷のかかる状態に置かれた時にそこでやっていく力というのを確保してくれているのです。
では、それは具体的にどのような形ででてくるのでしょうか。
まず、なんと言っても第一に「信頼感」というものが違ってきます。
受容などのリソースにあふれた子は、「親への信頼感」というものが家庭の中ですでに形成されています。
しかし、それだけではありません。
十分に「親への信頼感」を持っている子は、その範囲がだんだんと拡大していっています。
そして社会性のでてくる幼児期くらいになると「大人全般への信頼感」というものを持つようになります。
1 この「大人全般への信頼感」というものを持っている子ならば、親元を離れて集団生活にはいったとしても、そこでの適応が容易です。
2 「大人全般まではいかないけれど、親や身近な人など特定の人には信頼感を持ってている」という段階の子もいるでしょう。
こういう子でも上の子よりは少々時間がかかったり、そこでの反動というものはより強く見せたりするでしょうけれども、少しずつ日々の生活を積み重ねたりするなかでだんだんと信頼できる人の範囲も拡大していき、次第に慣れていくことも可能でしょう。
3 「大人全般への信頼感も形成されていない、親など特定の人への信頼感も希薄」な状態の子供だったとしたら、これは簡単ではありません。
意図的にその子との信頼関係を築くというプロセスを配慮していくぐらいでなければ、そこでのその子の活動というのもうまくいきませんし、その子自身の成長というもののスタートラインを確保してあげることも難しくなってしまいます。
仮にこの状態を上から1、2、3、としましょう。
いまや保育園では3の子が普通に入ってきます。
別に放任やネグレクトの家庭が多いからというだけではありません、一生懸命に子育てしている家庭でも子供への関わり方がうまくなかったり、多忙であったり、祖父母などの助けも得られず母親一人の子育ての負担が増大しているせいだったり、過保護や過干渉を重ねすぎて子供が大人を信頼しなくなってしまっていたりなどなど、現代の全般的な養育力の低下というものが、そういう状況を招いているのだと思われます。
保育園では、その子達を長時間集団の中で安全に預からなければなりません。
「なんとかなってしまう」はそこでは望めません。
なので、そういう子であったとしてもそこに必要なだけの手助けを配慮していく必要があります。
そのためには子供たちを集団として見るのではなく、さらに細かく個別で見なければなりません。
具体的に個々との信頼関係を築くことを明確に意識します。
どこかの過去記事の中でもその問題点を指摘していますが、そのような対応をせずに昔ながらの集団重視の保育をしているところもありますが、それでは齟齬がでていたりしていやおうなく行き詰まり、そこからの切り替えというものは要求される段階にかなり前から来ています。
ただし、地域によってはまだ比較的養育力が高く保たれていて、そこまでの取り立てての配慮をせずとも済んでいるところもあるかもしれません。
都市部ではなかなかそれは厳しいように思います。
小学校低学年での学級崩壊という問題は、3の状態が如実に現れていると言えるでしょう。
その中心となってしまっている子供たちは、もはや「大人だから」「先生だから」ということでは従わない状態にいるわけです。
これまで、学校の先生方にとっては一部をのぞいたとしても大部分の子が、この全般的な信頼感をすでに持った状態の子供を相手にすることが可能でした。
でも、いまはその中心となってしまう、大人への信頼感を著しく欠いた状態の子 プラス そういった子にたやすく影響されてしまう程度の大人への信頼感しか持っていない子 が多数を占めるクラスを見なければならない可能性があるという現実にいます。
大人への信頼感をきちんと形成できていない子は、ルールや規則などをどれだけ教え込んでもそれらはさして影響力を持ちません。
なので、従来のように規範を当てはめることや、叱ったり、上から指導するということだけでは根本的な改善というのは望めないのです。
それゆえ最近の小学校の先生たちは、勉強以前のところから子供に関わる活動を入れたり、クラスの友達同士や年上の子供たちとの縦の関係などをいい形で子供たちに還元できるような活動の取り組みというのを意識して盛り込んでいます。
今ちょうど新年度ですから、新1年生なんかはこれから生活課の授業の中で公園に遊びに行ったり、先生と鬼ごっこをしたりということがあると思いますよ。
1の子を対応している限り、「信頼関係」は向こう持ちで済んでいたのです。
保育士なり学校の先生なり、幼稚園の先生がことさら、なにかせずとも子供が「信頼感」を家庭から持ってきて、それを使って保育や勉強や集団生活というものを送らせることができます。
そこに少し2の子が混じったとしても、多数が1の子であれば余力も十分にありますから、その子達に手をかけることも可能でしょう。
ことさら大人が手をかけずとも、周囲の子供集団が高い余裕を持っているので1の子達が2の子を自然と集団の力で安定させていってくれるということもできます。
1の子が少数、2の子が多数という状況になったとしたら、これは少々大変でしょうね。
でも、大人の方が必要な人手を増やしたり、年度始めなどの特に大変な時期を乗り越えてしまえば、あとはだんだんと安定していけることでしょう。
今回むーちゃんが通い始めた幼稚園というのは完全にこの一番上の段階です。
やろうと思えばなんでもできるでしょうし、さしてなにもせずとも大過なく過ごすことが可能でしょう。
こういった状況に3の子が少し入ってきたとしたら・・。
それがごく一部であれば、さして対応の枠組みを変えずとも個別対応で乗り切ることもできます。
学校なんかだと問題のある家庭の保護者を呼び出して、「もっとしっかりしてください」的な対応で済んでいたこともあるでしょう。
よしんばそれでその子自身は変わらなかったとしても、集団としてのクラス経営がなんとか成り立ってしまうのならば、それで1~2年やり過ごしてしまうことはできました。
しかし、3の状況の子が多くなってきたり、それに準じる子が多数を占めてきたらそうも言っていられません。
対応の大枠自体を見直さなければ日常が過ごせないのです。
保育園はその局面に、もう20年以上も前からあたっています。
先見の明のある人は、30年、40年近く前からそれを指摘しています。
学校でも本格的にこのようなことに取り組んでいます。
以前コメントの中で保育士をしている方から、学校の先生と話をしたら「保育士風情がわかったようなことを言うな」と罵られたことがあるということを教えてくださいました。
なかにはそのように大変プライドの高い方というのもおられたようですが、いまは学校の先生の方から学校以前の子供の様子や家庭・親の様子というのを教えてくださいというようなことも出てきています。
幼稚園においても3の子が多くなってきている実情というのは確実に増えてきているのだとは思われます。
しかし、まだ「なんとかなってしまう」で済ませているように僕には感じられます。
大人への信頼感が薄くとも、年齢ゆえの素直さを持っていたり、まだ大人に対抗したりまるっきり相手にしないでいられるだけの強さがあるというわけでもありません。
生活の中でも依存する部分があったり、信頼感が希薄なゆえに出し方はいい形ではないにしても、本心では相手をしてもらいたい、甘えたいというような気持ちもあるので、完全に手に負えないという状況にはそれより大きな子に比べれば比較的なりにくいでしょう。
なかには、はっきりと言わないにしても、問題児扱いして積極的な対応を放棄してしまう、いわゆる「落ちこぼれ」状態にしてやり過ごしてしまっているというケースも現実にあります。
2年ほど前から、学校・幼稚園・保育園の連携の強化というものが明確に各指導要綱のなかに盛り込まれました。
幼稚園も、「なんとかなってしまう」に甘んじないでいま少し本格的にこのことに取り組んでもいいのではないかと僕は思います。
しかし、この取り組みの一番最初の段階で必要なこと、「視点」の意識という問題がまだ認識されていないように僕には感じられます。
このことについてはいずれまた書くつもりです。
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● COMMENT ●
No title
No title
大人全般への信頼感がベースになる、なるほどと読ませて頂きました。
3つのカテゴリ分けとか、かなり明快で感心しました。
この辺、おとーちゃんさんの記事を受けて自分なりに考えていたのですが、この信頼感のないグループでも、具体的な問題行動という観点から考察すると、更に2つに分かれる可能性もあるのでしょうか。
信頼感のなさが、他者への攻撃として外に向かう性格の子は、この記事であるように学級崩壊の原因になったり、可愛くない子供、すなわち荒れた感じになる。
そして、その信頼感のなさが自分の中に向かう性格の子は、他人が怖いし自分に自信もないから表面的には従順だけど、それが対人恐怖の根っこになる。
あくまでも私の個人的な印象ですが、前者は具体的に不具合が出る為に園や学校でも問題視されやすいけど、後者は一見従順で問題行動も無くなかなか顕在化せず、現場でもあまり意識されていないのではないかと、そんな風に思えます。
なぜそう思うのかと言うと、うちの息子の時の保育士さんの反応からです。
保育園に行き出して1ヶ月で母子分離不安で対人恐怖も出て(児童心理に詳しい知人には昔乳児院で見た施設病の子供みたいな表情になっているから一刻も早く手を打つようにとまで言われました…。)、医者にも速やかに私が仕事を辞めて登園をやめるか少なくとも三ヶ月程度は登園量を減らすように指示を受けました。
しかしその話をしても保育士さんに理解してもらえず、甘やかしじゃないか、過保護だと、毎日来ても全く問題ないから連れて来いと言われ続けました。
その一因は、今思うと、子供の保育園での様子にさして問題が無かったからなのかなと。
保育園的には、危険なことも他の子に手を出すこともなく反抗することも無い、大人しくて手の掛からない非常に扱い易い聞き分けの良い子だったようです。
おとーちゃんさんはどんな風に思われますか?
私の方に文意の読み違い等あるかもしれませんが…。
もしその点で何か気が付かれることがあれば、その辺りのお話も記事で読めれば嬉しいです。
更新楽しみにしています!
No title
小学2年生の息子がいるのですが、1年生の時から3、の子どもがクラスに複数おり、被害にあうことが続いています。子どもが対応できる範囲を超えており、親として対応に苦慮しています。お尋ねしたいのですが、保育園では3、の子に対して必要なだけの配慮を別にしているとのことでしたが、その子が危害を他の子に及ぼす場合、それを止める対策や手段を講じておられると思うので、教えていただけたらと思うのです。もちろん小学校と保育園では違いますし、学校と放課後では違ってくると思うのですが、出来うる限りのことはしたいと思っていますので、お時間のある時に教えていただければありがたいです。
それから・・・、3、の子を増やさないために、(というより家庭の養育力を上げるために)これからどういうことが必要なんでしょうか・・・、もしかしたら大きな仕組みを変えることなのかもしれませんが、今の私たちにもできる心がけもあるかもしれないとも思います。もしそうだとしたら・・・、おとーちゃんさんの今後の記事に触れていただけることを希望しています。
No title
身が引き締まる思いです。
学校では成績レベルごとにクラス分けしたりしますが、
幼稚園や保育所も、記事の1、2、3の段階別でクラス分けしたりできたらいいんでしょうか。
(親のプライド上、こっそりやらないと駄目かも)
もっと根本を考えると、親になるための義務教育とかあってもいいんじゃないかとか思ったりします。
素人の意見をダラダラとすみません。
4才2才の二児の母をしています。
非常に納得しています。
私は週に3日仕事をしており、長男は預かり保育のある幼稚園へ、次男は一時保育を利用して仕事しています。
仕事が休みの日は、長男も預かり保育は利用せず14時半に帰宅し(預かり保育も月極料金を払っていますが)、次男も一時保育は一日だけ利用し、残りは利用しません(週4日利用)。
仕事が休みの日は、家事をおろそかにしても、買い物に出られなくても、子供と居たいし、居るのが当たり前と思っているためですが、
これに対して周りのお母さん方は、
月極料金払ってるんだから夕方まで預けないのもったいないよーなどと普通におっしゃいます。
もちろん自分だけの時間はほとんど無く忙しすぎる日々ですが、あぁ間違っていなかった、と思わせられる記事でした。
小さい子供の子育て期間はわずかなのだし、この世にそれより優先させるべきことがあるか?と日々思っています。
それから、二人目の育児休暇中も、毎日朝早くから夕方まで上の子を保育園に通わせ、自分は二人目の赤ちゃん連れてお友達もランチ、、これも不思議でなりません。
長々と失礼しました。
これからも、ブログ拝見させてください。
保育園に二歳の子を預けており、おとーちゃんさんのブログをいつも参考にしています。
横レスになってしまうようで大変申し訳ないのですが、しーさんの
二人目の育児休暇中も、毎日朝早くから夕方まで上の子を保育園に通わせ、自分は二人目の赤ちゃん連れてお友達もランチ
について、少し誤解もあるのではないかと思い、コメントさせていただきました。
私もしーさんと同じく、できるだけ子どもと一緒にいたい方なので、もし二人目を授かることがあれば上の子も保育園を退園させ、自分で面倒を見たいのが本音です。
しかし、昨今の保育園事情では、保育園を一度退園させてしまえばその後の入園が著しく困難になります。
そのため、育休中もやむなく保育園に預けている、という方もかなりの人数いらっしゃるのではないのではないかと思っています。
それに、育休中であれば保育園側から保育時間を9時〜16時までにするよう言われる所も多いので、朝早くから遅くまで…といったことも、防げている場合も多いかと思います。
本来なら、育休中の親の子を幼稚園並に短時間の保育に切り替え(もしくは休園してもらう)、その空いた分を一時保育に回す…等ができれば良いのでしょうが、そこまでフレキシブルな対応は難しいだろうなぁ、と感じています。
けふじろさん
実際のところ個々への援助ということができない職員もたくさんいます。
それでも働き続けることはできますが、「このクラスは大変だ、大変だ」と子供のせいにして一~二年持ったらほかの人にバトンタッチということを繰り返しています。
本当に残念です。
ぽりさん
こういったケースもやはり多々あると感じます。
大人との信頼関係のなさやそこからくる自己肯定感のなさというものが、内面へと問題を蓄積していくケースというのもたくさん考えられます。
お子さんの保育園のケースは、なんとなくどうもそういったところにすら到達していないのではないかという気もします。
保護者が伝えていることを受け止めることができない傾聴力のなさ。
専門家の判断を軽視する客観性のなさ。
甘やかしと決めつける主観的な子育て観。
こういったことは、「個別援助」という視点を著しく欠いていると考えられます。
もしそうだとしたら、問題が顕在化している子への対応も、このように潜在化している子への対応も、そもそもあまりきめ細かいものとはなかなかなり得ないでしょう。
短絡的に「甘やかし」「過保護」という決めつけで考えるあたり、問題行動として出ている子に対しても、注意や制止などの抑圧的な対応で応じている可能性が高いような気がします。
ちまきさん
保育園では、子供が大人の目から離れたところにいるということがないので意識さえ持てば他児への危害ということは、直接的にも他の様々な手段でも防ぐ手立てというものはあります。
また、受容などのようにその子の問題を根っこから緩和するという対応も年齢の低さ、立場的なものからも取りやすいです。
それゆえ、学校とはずいぶんと状況や対応も違うでしょう。
ただ、
>子どもが対応できる範囲を超えており
という状況にあるのですから、なにがしかの積極的な対応・介入が必要であるということですよね。
どのような対応をとるにしても、まずそこの認識の問題というのが肝心でしょう。
細かな状況はわかりませんが、対応の主体、もしくはハブとなるのは学校側だろうと思います。
まず第一に、学校がそれらの問題をきちんと、「子どもが対応できる範囲を超えており」と認識しているのか?
という点から大事になってくるでしょう。
認識が甘い、つまり問題を軽く見ているという状況では、「ハイハイ、わかってます。対応してますよー」とお役所のようなのろのろとした動きにしかならないでしょう。
問題がすでにして「子どもが対応できる範囲を超えており」という状況をしっかりと認識してもらい、本腰を入れて対応を求めるということがまず大切だろうと思います。
そのためには、子供たちの状況に心配や不安・懸念を感じているということを、率直に伝えて理解を促していくということが必要になってくるかと。
そこから、学校と家庭が連携してその状況に合わせた対応というものを模索していく段階へと発展できるといいのではないでしょうか。
>家庭の養育力を上げるために
これはなかなか大きな問題です。
マクロ的にもミクロ的にもさまざまな視点、アプローチが考えられます。
いつか記事にしていきたいと思います。
ありがとうございました
昨年より、問題が何度か起きたとき、学校に話して対応をお願いするとともに、その後、学校として取っている対策を説明してもらいたかったのですが、なかなかままならず、上の先生に掛け合ってやっと学校としての認識が把握できた状態です。学校も問題との認識はあることが分かりましたが、その認識を学校から積極的に公開することはありませんでした。理由は、何も知らない保護者にまで問題が知らされてしまうこと、特定の保護者をやり玉に挙げることになりかねず、ひいてはその子の成長にプラスにならないからとの判断のようです。分からなくもないのですが、被害にあっている子が他にもいるのに、ないがしろにされたような気がして、私自身も学校の対応にがっかりした経緯があります。またそういう中で問題が何度も繰り返されるので、思い余ってその親御さんに直接苦情を言わせてもらったこともあります。とりあえずそれでいったんは収まるんですが、しばらくしてまた繰り返されるもので、困ってしまって・・・。(子どもからはもちろん大人からでも)言っても分からない子たちなので、今は帰宅後遊ぶ時も
会わないように気をつけて過ごしています。
我が子を守りたいのが一番ですが、3、の子が小学低学年にしてこういうふうになるのかという驚きとともに、大人になったらどうなるんだろうという心配でもあります。
そういう意味でも、家庭の養育力を上げる方策があればと思いました。今後そういった視点やアプローチを記事にしてくださるとのこと、切望しています。いつも子どもを大事に考える記事を発信してくださり、ありがとうございます。励みにしています。
No title
もうすぐ2歳になる女の子の母です。
娘が1歳になる月から仕事復帰して、娘は0歳クラスから保育園に通っています。
保育園は3の状態の子供が普通に入ってくる、3や近い状態の子供が最低半数はいるということで、心配になりました。
受容など関わり以前に、食事や睡眠、身の回りのお世話をきちんとしてもらってないとか・・・そんなことあるだろうか?と最初は思ったのですが。
思い当たるところがありました。
同僚や仕事関係で会う人も、1歳頃から保育園の人が多いのですが。
朝食は菓子パンだけ、バナナだけという話も聞きます。
子供が着替えを嫌がるから、服が汚れないパンだけとか。
そもそも、子供が朝起きられないこともあるようです。
うちは元々朝食はしっかり食べる夫婦なので、娘も朝食はしっかり食べて、排泄してから保育園ですが、保育園の先生から、なんだか立派なことをしてるかのように褒められます。
子供は保育園にあずけて両親は休みをとって遊びに行くとか、買い物や家事をしてからお迎えに行くとか、当たり前のように会話に出ます。
時短勤務がとれる環境ですが、フルタイム復帰して、夕食も保育園か祖父母で、10時間以上保育園にいる子供も何人も知っています。
子供が生まれる前から知っている人達で、スマホや年賀状には子供の写真、子供の話もよく出て、何より大人同士で接していると普通のいい人なので、上記の話を聞いた時も、最初はびっくりしたものの、慣れていました。
娘は保育園の先生からは満たされていると言われますが、最大限に時短勤務して、たくさん可愛がってなんとかもっているので、その話を聞いて、タフな子だなとは思いましたが。
奥様が専業主婦で、子供は幼稚園という方もいますが、誰も反論しないんですよね。
よその家庭のことに口を出さない、という暗黙の了解があるんだと思います。
ご近所さんには、娘を保育園にいれる時に、こんなに小さいのにかわいそう!を連発されたり、今も、いつも話しかけて気にかけてくれて、困ったことがあったら言ってねと言ってもらえたり、保育園グッズの作り方を教えてくれたり、果物をくれたり。
おせっかいですが、今時の親の感覚にブレーキをかけるためには必要なことかもしれません。
もう、みんながやっているから大丈夫、という状況ではないということなんですね。
おとーちゃんさんのブログを参考に、これからも子育てしていきたいと思います。
ためになるお話をありがとうございます。
田舎のデグーさん
保育園などでは、大人からの援助というものも大きいですが、それに負けず劣らず「集団の力」「他児からの影響」というものもとても大きいです。
なので、いろいろな子供がいるなかで対応を模索していくほうが、全体的な効果はあがると思います。
>もっと根本を考えると、親になるための義務教育とかあってもいいんじゃないかとか思ったりします。
子育て相談などはいまでは以前よりもだいぶ充実してきましたが、今の段階ではさらに一歩進めて問題がでてからというのではなくて、それの前に子育ての基礎的なことを伝える場というのはあってもいいのではないかというように僕も感じます。
現状でそれに近いことができてやっているのが、出産前後の保健所なのですが、それでもまだ十分に機能しているとはいえません。
もう一歩踏み込んだアプローチが今後さらに必要になってくるでしょうね。
まさにそうです
毎日クタクタです。
しー さん
子供を預けることが悪いわけではありませんが、人間相手のことであり、程度の問題、状況の問題といろいろあります。
ハウスキーピングのサービスを利用したり、モノを預けたりというのとは同列には考えられないことです。
>それから、二人目の育児休暇中も、毎日朝早くから夕方まで上の子を保育園に通わせ、自分は二人目の赤ちゃん連れてお友達もランチ、、これも不思議でなりません。
これで荒れまくっている子供たちをたくさんみています。
現代の社会の動き、風潮というものを良い悪いで判断してもしょうがありませんが、今の時代・日本の社会は「子供」や「子育て」ということの価値が低くなってしまっているのだとは感じます。
「子供の存在が自分たちの自己実現を邪魔するもの」と無意識に感じてしまっているのではないかと思います。
「子供」というものの価値を上げていくということが今後必要だろうと痛感しています。
No title
最初から個別対応の視点がないというのは、なるほどなあと思いました。
確かに、その園は出来ることを重視しがちでしたし、抑圧的でした。子供も先生は怪獣さんみたいに怖いと言っていましたね…。
年長さんクラスからは先生の大きな声ばかり聞えていました。
園と相談して持たせていた情緒安定剤かわりのお気に入りの小さいタオルも、登園二週間目くらいから、子供に長々と説得して手放せさせ、今日は持たずに過ごせたよーと成長をした証のように報告されたりもしてました。
正直、当時は困惑しましたが、ちょっと腑に落ちました。
双方が立つ、考え方の、子供の育ちに対する考え方の違いみたいなものだったのかもしれませんね。
当時、医者には、最近は経費を節約して新人しかいないような園も多くて子供を全体的な視点から見れる人が少ない園も多いですね、と言われました。
お返事ありがとうございます
>なので、いろいろな子供がいるなかで対応を模索していくほうが、全体的な効果はあがると思います。
そうですね、
人から直接学ぶことを子供から奪っては、元も子もないですね。
気づかせていただき、ありがとうございます。
みかんさん
そういったケースももちろんありますが、しーさんがおっしゃっているようなケース、もっと問題のあるケースも最近では非常に増えています。
やはり、心配なのは子供を自分で見たくなくて預けるケースです。
それ以前から親からの暖かい関わり不足で、荒れ気味だった子が第二子の妊娠での産休中でも、わざわざ台風の中体調の悪いその子を預けに来て、遅番までめいっぱい預けていたりなどなど。
おそらく、子供が大変になって、それゆえに見たくない、預ける、さらに大変 という悪循環になってしまっているのでしょう。
出産後もさらに上の子はさらに荒れて、笑顔もない、目も座っている、誰かつっかかる相手を探して園で過ごしているというようなことも今ではたくさんあります。
まだ生まれて数年しか経っていないのに、実の親からお荷物扱いされてしまう子供を見るのは本当に心が痛みます。
ユウママさん
現在の風潮ではじつにそういうことがあっけらかんとできるようになっています。
仕事でやむを得ず預けている10時間と、できれば子供と一緒に居たくないから預けられる10時間とでは全然違います。
それでもなんとかどこかでバランスを取りながら、どうにかこうにか成長していく子供もいますし、小学校に上がってからも問題を連発しているという子供もいます。
前に『ニートになれたら万々歳』という記事を書きましたが、このままでは将来犯罪を起こすようになりはしないかなんて思うようなケースだって現実にでています。
子供は大切にしたらそれ以上のものを親に返してくれると僕は思うのですけどね。
いまの状況はなんとも残念です。
育休中の上の子 事例を希望します
誰にでも攻撃的で他の子につっかかる様子も頻繁にみていますし、一度は送迎に来ている父兄である私にも叩いてきたりしたことがある子です。
大人(私)の注意を引きたいがために、私の目の前でわざと長男につっかかることもありました。
(意外にも長男本人は、そんなことされてもその子が嫌いではないようです。)
成長期+赤ちゃん返りで荒れる上の子に対し、モノいわぬ下の子を可愛がりたくなる気持ちはわからなくもないのですが、そこから逃げれば結局、下の子が成長期を迎えた時に下の子も荒れるであろうと思います。
こういう例は多いかと思いますので、上の子から逃げ続けた例、先生からのアドバイスにより改善した例など、いつか機会がありましたら、ご紹介いただけるとありがたいです。
ぽりさん
新人ゆえの未熟さというのは確かにありますが、新人はあまりよろしくないアプローチだとしても、さして自信をもたずにしているので、弊害も小さくなりがちです。
でも、ベテランだとよろしくない関わりも徹底されるので、子供への影響もとても大きいです。
なので、進歩のない、学んでこなかったベテランというのが一番怖いです。
母親学級
なってしましました。申し訳ありません。
これで最後にします。
ほかの方のコメントにもありましたように、
妊娠中の母親学級とかに、
児童発達心理(というと大げさですが)の講義があったらいいな~
と本当に思います。
おとーちゃんさんはもちろんご承知のことと思いますが、
0歳、1歳で保育園に預けると、
その後の数年間は職場復帰と子どもの発熱対応に追われ、
余裕がなくなってしまいます。
ですので、余裕があるうちに、知識をもっておくことが大切のような
気がします。
0~3歳の時期にきちんとした親子関係を構築するのが重要だということを、
前もってキチンと認識しておきたかったなあ~と
自らを振り返ってそう思います。
hatchさん
そのうち機会があったら書いてみます。
あおぞらさん
いま、親のニーズに応えることで利用者へアピールしている最近の営利中心な保育施設などに振り回される形で、それなりの理念を持ってやってきた保育園も迷走しています。
子供に必要でよかれとしていることも、親のニーズの前に取り下げてしまっているような情けない状態です。
今後もそれでいいのかといったら、僕はそれでは保育というものはなくなり、「託児」しか日本には残らなくなってしまうと思うのです。
これまで保育士が持っている職人芸のようなスキルというものは、その人個人でだけで終わり、せいぜいがやる気と能力のある後輩に時間をかけて日々の中で伝えていけるくらいでした。
今後はそういったスキルを、きちんと形にし、提示できるものとして研鑽しそれを子育ての専門家として、一般の人たちに広めていく必要があるのではないかと思います。
以前は、そういった「提言」のようなものは保護者からは共感が得られないのではないかと、むしろ保育士内部から否定する声もありました。
しかし、実際そういったスキル、具体的な関わりを公開している園は、むしろ保護者から高い評価を受けています。
おそらくそういうものが必要な時代になってきたのでしょう。
ただ、現在の保育士の中にはそういったことが得意な人・能力のある人が多くなくなかなか具体化していけないというのが大きな問題です。
保育園というのは地域に密着した草の根施設なのだから、まずは園に通う保護者からそういうことを発信していけたらいいと思うのですが。
お返事ありがとうございました
お忙しい中、お返事ありがとうございました(返信は不要です)。
コメント頂きましたように、
保護者に対して、0~2歳児の育児の重要さを説明するような
試みが保育園でなされていくと本当に良いと思います。
周りの保護者の話を聞いても、
うちの保育園は、カメラが保育室についていて常時親が確認できるから安心だ、とか、英語や体育指導に力を入れているところが良い等と意見が多く、
なんだか、商売上手な保育園に騙されている方が多いように感じます。
もちろん、そういうことをやっている保育園がすべて悪い保育園ではないと
思いますが。
もっと本質をみてほしいです。
二人目出産後は保育園に上の子だけを預け、4時に迎え、時には5時になる時など、保育園の先生にお休み等の方はなるべく早くお迎え来てくださいと言われたこともあります。
家庭の事情や私は精神面で不安定もあり、4時迎えでも苦しい時もありました。週末がメインの夫、実家は遠く、娘の出産一月で上京しました。
個人差あると思いますが、私自身が母が精神の病気で物心ついたときにはおらず、自分が母になりかなりあろんな感情が出て来て苦しかったです。
今は短時間の仕事を週3でしていますが、まだ時に精神面は不安定です。
保育園には本当に助けて頂きました。保育園に入れてなかったら…どうなっていたのか、わからないです。
精神面の不安定さが子供に悪いと、保育園に行っている方が家にいるより良いのだ、と後ろ向きなことを思うこともありました。
子供との関わりを避けていたのかも、と今思うことがあります。
子供たちが私から離れない、保育園ではいい子で落ち着いているといつも言われますが、お迎えはなかなか帰ろうとしないです。
きょうだい仲良しだけど、明かにやってほしくない事をやったり、私のことは全く聞いてくれなくて、
昨日今日は、自分が嫌になり、今までの自分の子供への接し方が悪かったのか、とこれからどうして行けば良いのかわからなくなりました。
また、今の保育園はキャラクターを使わない、木のおもちゃ中心で、発表会なども、子供たちが自ら考えてお店屋さんごっこをしたり、配膳も年長さんがやったり、とても良い保育園ですが、
家庭の事情で引っ越し、バスで通っています。
他の保育園をいろいろ探してもアンパンマンだらけだったり、なんというか、お約束守れないとバッヂ返してくださいと言いますとHPに園長先生の言葉があったりして、
なんとか変わりたくない気持ちでしたが、
私が通園時間がかかってイライラするより、その分落ち着いて接することが出来るなら大丈夫なのかな、と少し思います。
ついつい保育園に全部私たち親が任せてしまうのも良くないですね。
かなみんさん
毎日のことですから通園時間もそれなりに大切だと思いますよ。
地域などにもよると思いますが、今の保育園は精神的に大変な時など相談してみたら遅めのお迎えでも大丈夫なところも増えています。
邪魔者扱いされてしまう子…本当に心が痛みますね。
自分の周りでそういった例を見たことが無かったので、大変ショックです。
子どもは保育園で頑張っている、ということを常に忘れず、今日もダッシュでお迎えに行きたいと思います。
今後も記事を楽しみにしています。
返信は不要です。
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ただ昔勤めていた、子供が試験を受けて入る園は、同じく田舎なうえに生活にも余裕がある家庭ばかりなのに、意外に大人への信頼感は薄くて、新人先生なんかは子供を全く制御出来ない状態になっていました。
そんな園から今の園に変わって来た時に、なんて子供が可愛いらしいんだろうって驚いたことを覚えています。
確かにここ数年親が親本位の子供が現れ始めたなぁ…と思っていたのですが…そういう家庭が多数派になるのも時間の問題かもしれませんね。今の状態では太刀打ちできないですね…