『准保育士制度』絶対に反対です Vol.3 准保育士だけではおわらない - 2014.05.01 Thu
先般のベビーシッターの事件もあって、この准保育士の話は各所で話題になっていますが、実はそれらではあまり触れられていない事実もあります。
それは、前回にあげた資料の次のところ③です。
③ 育児・家事支援サービスの利用促進
~ 中略 ~
○親族の介護等も含め家庭の事情から、働きたくても働けない人に対して働く機
会を与えるためにも、家事支援サービス事業を支援する政策は不可欠である。
また、将来的な人材不足に備え外国人の活用も視野に入れる必要がある。その
ため、人材育成を含め、サービスの品質を担保する仕組み をつくり、信頼性の
高い市場を構築していく。例えば、介護、育児・家事支援などの分野で一定の
資格や技能をもつ外国人に在留資格 を与えられるようにすべきである。
○なお、外国人活用については、先ずは国家戦略特区 で、管理体制を整えた上で、
外国人による育児・家事支援サービス提供事業を試験的に許可して事業を開始
させ、どの程度の需要があるか等を見極めてから拡大の必要性を検討する。
以前、僕が「子育て新システム」について述べたところで、「介護保険制度」との類似点を指摘しました。
その中で人材不足から、外国人介護労働者の導入についても触れましたが、これによるとまったく同様の流れが保育の中でも想定されているようです。
別に外国の人が悪いというわけではありませんが、文化や言葉も違うわけです。
保育というのは単に子守りではありません。
誰かが子供を死なないように見てさえいればいいというものでもないでしょう。
余談ですが、保育士資格の要目の中には標準語を適切に話せるということすらはいっています。まあ、もはや現代ではほぼ当たり前なのでわざわざそれをテストするということはありませんが。
いまの国の保育政策は、「大人が金を稼いでいる間、どこかに子供を押し込めておけ」というレベルに感じられてなりません。
「国のこういった動きに対して個人としてどのようなことができますか?」
というご質問をいただきました。
『産業競争力会議合同会議』の案として出された段階ですので、今現在はまだ反対署名などは始まっていません。
もし、これを制度化する動きが本格的になった場合は、それに対する署名なども始まるでしょう。
ほかにも国民の意見を反映させる場として、厚生労働省のHPに「国民の皆様の声」募集というのがあって、ここでは自由な意見を厚労省に寄せることが可能になっています。
また、もし厚労省で審議される段階になったらその議題に対してのパブリックコメント(意見公募) というのもあります。
以上、ご案内でした。
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● COMMENT ●
考えさせられます
モモさん
http://www.fsight.jp/11347
新潮社 foresight
合格者ひとりあたりに換算するとその予算が8000万円にもなったそうな。
天下りや利権とつながっていたとは驚きです・・・。
びっくりです。
こんなからくりがあったんですね〜。
何か言葉がないです…。
本当に保育の現場はどうなっていくのでしょうか…。
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准保育士、今回初めて知りました。
まだ資料読込途中なのですが…
保育も介護職ももっといえば福祉職全般があまりいい待遇とは言えないですよね。
自分の生活が成り立たないような職場で「働き続けたい」とは思えなかったです。
社会貢献ならボランティアでいいのではと思います。
介護の分野で外国の方が働く現場を以前ニュースなどで見たこともありましたが、現在はどうなっているのでしょうね…
准保育士だけで保育(託児?)を行うとしたら、子供の安全面ですら守る事が難しくなるような気がします。
資料、学童保育のところだけでもカチンと来たので(笑)厚労省に意見してみようかな、と思います。
ありがとうございます。